猫のメメとモエ

生命線があと10年分しかない!どうせなら、やりたいことに(あまりお金をかけずに)ちょっかいを出すことにした猫好きのブログ。メンタルトレーニング、自己啓発、一人旅、猫めぐり、山歩き、真剣な子育て、ジョギング、写真。その他いろいろ。

潜在能力を引き出す3つの力~『スタンフォードの自分を変える教室』ケリー・マクゴニガル

意志力を要することといえば、まっさきに思い浮かぶのは何でしょうか?

たいていの人にとっては、たとえばドーナッツやタバコやクリアランスセールなどあなたを誘惑するものは様々です。

そんな場合で問われるのは「やらない力」です。

しかし、意志力はノーと言うだけがすべてではありません。

明日こそ(いや、いつかきっと)やろうと思いながら、ずっと先延ばしにしていることはありませんか?

そういうことも、意志力の力が強ければ、ちゃんと今日の”やることリスト”に加えられます。

たとえば心配事や気の散るようなことがあったり、延々と続くテレビのリアリティ番組に目が釘付けになっても、問われるのは「やる力」です。

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やる力、やらない力、望む力

「やる力」と「やらない力」は、自己コントロールのふたつの側面を表していますが、意志力にはもうひとつ、「自分が本当にしたいことを思い出す力」が必要なのです。

「だけど、私がほんとうにほしいのは、あのブラウニー(3杯目のマティーニ、1日の休暇)なのに!」

という声が聞こえてきそうです。

でも、誘惑に目がくらみそうになったり、物事を先延ばしにしたくなったりしたら、あなたがほんとうに望んでいるのは、スキニージーンズをはけるようになること、昇進すること、クレジットローン地獄から抜け出すこと、離婚を避けることだと、思い出さなければなりません。

 

そうでなければ、どうして誘惑を目の前にして踏みとどまれるでしょうか?

このように自制心を発揮するのは、肝心な時に自分にとって大事なモチベーションを思い出す必要があります。

これが「望む力」です。

 

意志力とはつまり、この「やる力」「やらない力」「望む力」の3つの力を駆使して目標を達成する(そしてトラブルを回避する)力のことです。

本能に流されずに生き抜く

想像してください。

私たちは10万年前、進化の先端を行く、最も優秀なホモサピエンスです。

まずはじっくりと、ほかの4本の指とは反対を向いた親指や、まっすぐな背骨や舌骨のすばらしさを堪能してください。

そのうえ、(火ダルマにならずに)火を使う能力や、切れ味の鋭い石器で動物の肉を切り分ける技も心得ています。

このほんの数世紀前までは、生きていくうえで重要なことはごくわずかでした。

①食べ物を見つける。②繁殖する。③人食い動物との遭遇を避ける。

しかし、いまやあなたは密接な結びつきを持つ部族の中で暮らしており、生き残っていくためには、仲間のホモサピエンスの力を借りなければなりません。

つまり「他人を激怒させないようにすること」が生き残る心得に加わったのです。

共同体で生きていくにはみんなで協力し、資源を分かち合わなければなりません。

欲しいからと言って、なんでも好き勝手に手を出すわけにはいかないのです。

もし誰かの食べ物やパートナーを盗み取ったら、集団から追い出されるか、悪くすれば殺されるかもしれません。

少なくとも、たとえ病気やけがをしても、あなたのために狩りをしたり、木の実をとってきてくれたりする人はいなくなるでしょう。

 

石器時代であっても、友情を勝ち取り、周囲への影響を持つためのルールは、現代とさほど変わりません。

住処に困っている仲間がいれば一緒に住まわせてやり、空腹でも食べ物を分かち合い、

「そのふんどし、なんか太って見えるね」

などと、うっかり余計なことを言わないようにする。

言い換えれば、自制心が少々必要なわけです。

危険にさらされるのは、あなたの命だけではありません。

部族が生き残るためのは、あなたが戦う相手や、結婚する相手を賢く選べるかどうかにかかっています。

もし幸運にもパートナーが見つかったら、茂みに隠れてたった一度のお楽しみにふけるだけではなく、次の世代に命をつなぐことが求められます。

そんなわけで、時代は変われども現生人類のあなたも、食欲や攻撃やセックスをはじめとする、古代から脈々と受け継がれてきた本能のせいで、思いもかけない窮地に立たされる可能性はいくらでもあるのです。

 

このようにして、私たちが意志力と呼んでいるものが初めて必要になりました。

 歴史が進み、人間社会が複雑化するると、合わせて自制心の強化も求められるようになりました。脳は必要性に応じて進化し、私たちはついに「意志力」を手に入れました。

いかにも人間らしい衝動をコントロールするための力です。

出世も勉強も寿命も「意志力」が決める

では、現代へと戻りましょう。

意志力は誰にも生まれつき備わっているはずですが、なかにはとりわけ意志力の強い人もいます。

注意力や感情や行動をうまくコントロールできる人は、いろいろな点で優れているようです。

まず、なんといっても健康で幸せ。

パートナーとの関係も良好で長続きします。

収入も高く、出世します。

ストレスや争い事があってもうまく乗り切り、逆境にもめげません。

さらに、寿命も長いのです。

さまざまな当初と比較しても、意志力に勝るものはないほどです。

学業で成功するかどうかは、知力よりむしろ意志力次第ですし、優れたリーダーシップを発揮できるかどうかも、カリスマ性より意志力が決め手です。

それになんといっても、結婚がうまくいくかどうかは、思いやりよりも意志力にかかってきます。

ですから、生活を改善したいのなら、意志力の問題から始めるのは悪くありません。

前頭前皮質があなたをコントロールする

現代の私たちが持っている意志力は、大昔の人間たちが仲間とうまく付き合い、親やパートナーとしてやっていくために、必要に迫られて身に着けた能力です。

そのために行われた脳の進化は、前頭前皮質、ちょうど額と目の後ろに位置する脳の領域の発達にあるようです。

もともと、前頭前皮質のおもなやくわりは、体のコントロールをすることでした。

人類が進化するにつれて、前頭前皮質は大きくなり、脳のほかの領域との連携もよくなりました。

前頭前皮質が大きくなることにより、新しいコントロール機能が増えました。

注意を払うべきこと、考えること、そして感じることまでもコントロールする機能です。

これにより人間は、行動をコントロールできるようになりました。

 

スタンフォード大学の神経生理学者ロバート・サポルスキーは、現代の前頭前皮質の主な役割は、脳に、つまりあなたに、やるべきことをやるように仕向けることだとも言っています。

ソファでごろごろしているほうが楽なのに、前頭前皮質の働きで、あなたは、起き上がってエクササイズしたくなります。

デザートを食べたいと思っても、あなたの前頭前皮質はお茶だけで我慢すべき理由を忘れたりしません。

あのプロジェクトは明日にしようと思っても、前頭前皮質のなせるわざで、あなたはファイルを開いて仕事に取り掛かるのです。

 

前頭前皮質は、1つの塊ではなく、おもに3つの領域に分かれています。

上部左側は「やる力」をつかさどり、おかげで退屈な仕事や難しい勉強、あるいはストレスの多いことでも、ちゃんと着手できます。

反対の右側は「やらない力」をつかさどり、衝動や欲求を感じても、すぐに流されず、運転や授業中にメールチェックするのを我慢できます。

3つ目は中央の下のほうに位置して、あなたの目標や欲求を記録している場所です。

これによりあなたの「望むこと」が決まります。

この細胞が即座に反応すると、行動を起こしたり、誘惑をはねのけたりするモチベーションが上がります。

前頭前皮質のこの領域は、あなたがあほんとうに望むことを忘れません。

たとえ脳の残りの領域が「食べちゃえ!飲んじゃえ!吸っちゃえ!遊んじゃえ!」と叫んだとしても、忘れたりしないのです。

 

マイクロスコープ:できない理由を特定する

意志力が問われる問題では、誘惑に背を向けるにせよ、ストレスの多い状況で踏み越えるにせよ、困難なことを迫られます。

あなた自身が改善したいと思っている、具体的な意志力の問題に直面している場面を想像しましょう。

その場合、、あなたのやるべきことは何でしょうか?

それを行うのは、なぜ難しいのでしょう?

それを行うことを考えると、どんな気持ちになりますか?

脳は1つでも「自分」は2人いる

意志力が働かないときー浪費したり、食べ過ぎたり、時間を無駄にしたり、かっとなったりーそんなとき、自分には前当然皮質なんかないんじゃないか、と疑いたくなったり。

もちろん、誘惑に打ち勝つことも不可能ではないでしょうが、必ずしもできる保証はありません。

この何とももどかしいありさまには、人類の進化の仕方がおおいに影響されています。

人類が進化するにつれて脳も大きくなりましたが、脳の中身が一変したのではないのです。

進化は何もないところから始まるのではなく、すでに存在するものに着けたつかたちで起こります。

ですから、人類にとって新しいスキルが必要になった時も、原始的な脳から新しいモデルの脳にガラッとチェンジしたのではなく、衝動と本能のシステムがすでに存在するところへ、自己コントロールのシステムが付け加えられたのです。

つまり、かつて役に立っていた本能は、人類が進化した今もそのまま残っているということ。

けれども、そのせいで問題にぶつかったとしても、進化したおかげで、それに対処する方法も与えられています。

 

ひとつ例を挙げるなら、太りやすい食べ物に感じる悦びをめぐる問題。

かつて食料が乏しく、体脂肪を蓄えることが命の保証となった時代。

そのころは甘いものに目がないおかげで、生き延びるチャンスが増えました。

食べ物が有り余る現代、魅惑的な食べ物に手を出さないほうが重要です。

なのに、遠い祖先の役に立っていたという理由で、私たち現代人の脳には、死亡と糖分を求めてやまない、太古からの本能がいまだにそなわっています。

 

しかし、私たちは幸運にもあとからできた自己コントロールのシステムで欲望を抑えることができます。

神経科学者の中には、私たちの脳は1つしかないが、心は2つある、と言う人さえいるほどです。

あるいは、私たちの心の中には2つの自己が存在するのだと。

つまり、一方の事故が衝動のままに行動して目先の欲求を満たそうとする一方、もう一方の事故は衝動を抑えて欲求の充足を先に延ばし、長期的な目標に従って行動します。

どちらも自分であり、私たちは常に2つの自己の間を行ったり来たりします。

痩せたいと願う自分になるかと思えば、クッキーを食べたくてたまらない自分になってしまいます。

 

意志力の問題とは、このことなのです。

2つの自己が対立すれば、一方がもう一方をねじ伏せるしかありません。

しかし、誘惑に負けてしまう方の自己が悪いわけではありません。

最も大事なのは何かということについて、考え方が異なるだけなのです。

 

マイクロスコープ:もうひとりの自分に名前を付ける

意志力の問題は、いずれも2つの自己のせめぎあいから生じます。

あなたは、自身の意志力の問題について、対立する2つの自己のことを考えてみましょう。

衝動的な自分は何を望んでいるのでしょうか?

もっと賢い自分は何を望んでいるのでしょうか?

衝動的な自分にあだ名をつけるのが効果的だという人もいます。

たとえば、間食がやめられない自分に「クッキーモンスター」だとか、文句ばかり言ってしまう自分には「やかまし屋」とか、フットワークが重い自分に「なまけもの」とか。

そうやってあだ名をつけると、そういう自分になりかけたときに、はっと気づき、賢い方の自分を呼び覚ますことに役立ちます。

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自分の中に2人の自己が存在し、それぞれが全く違うことを考えていたら、目標が達成できないことがあるのも、当たり前ですね。

あなたなら、どんな名前をもうひとりのあなたにつけますか?

ワタシのもう一人の自己は「クッキーモンスター」と名付けました。

 

明日はここから、「本能を目標達成に利用する」ことを勉強したいと思います。

今日もお疲れさまでした。

明日は、休めるといいですね。

では、また。

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意志力を磨けば、人生が変わる~『スタンフォードの自分を変える教室』ケリー・マクゴニガル

たくさんの人が、注意力や感情や欲望をコントロールする能力が、健康や経済的安定、人間関係、そして仕事の成功までも左右することを実感しています。

そう、誰にでもわかっているのです。

だからこそ、食事や行動や言動、それに買い物をはじめ生活のあらゆる面で、自分をコントロールしなければならないということも。

にもかかわらず、たいていの人は自分のことを「意志力が弱い」と感じています。

著者は、スタンフォード大学の医学健康増進プログラム担当の健康心理学者および教育者として、ストレスと上手に付き合い、健康的な選択をするための手伝いをしています。

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「自分を変える教室」にようこそ

長年にわたって、多くの人が自分の考えや感情、体や習慣を変えようとして苦労する姿を見てきました。

そのうちあることに気づきました。

意志力に関する多くの思い込みの多くが、成功を妨げ、不要なストレスを生んでいるのです。

そうしたことをきっかけに、著者は「意志力の科学」という講座を立ち上げました。

この講座では、心理学、経済学、神経科学、医学の各分野から自己コントロールに関する最新の見解を取り上げ、「どうしたら悪い習慣を捨てて、健康的な習慣を身に着けられるか」「物事をぐずぐず先延ばししないようになれるか」また、「集中すべき物事を決め、ストレスと上手に付き合うにはどうしたらよいか」を説明します。

また、「私たちはなぜ誘惑に負けてしまうのか」「どうしたら誘惑に打ち勝つ強さを身に着けられるのか」を解き明かしていきます。

また、自己コントロールの限界を理解することの重要性を説き、「意志力を鍛えるための最適な方法」を紹介します。

「自分はどう失敗するのか」を知る

新しいダイエット法の紹介でも、経済的自由への手引きでも、行動変革に関する本の大半は、読者に目標設定をすすめ、さらにその目標を達成するためにはどうすべきなのかを説いています。

しかし、自分が変えたいと思っていることを自覚するだけで事足りるなら、誰もが新年にたてる目標はことごとく達成されます。

そうではなく、「やるべきことはよくわかっているはずなのに、なぜいつまでもやらないのか」ということを理解させてくれるような本はほとんど見当たりません。

 

自己コントロールを強化するための最もよい方法は、自分がどのように、そしてなぜ自制心を失ってしまうのかを理解することだと著者は考えます。

自分は意志力が強いと思っている人ほど、誘惑を感じた場合に自制心を失いやすいことが研究で分かっています。

たとえば、金wンを続ける自信が満々な人ほど、4か月後にはまた吸っている可能性が高かったり、「ダイエットなんて、かんたん」とたかをくくっている人ほど体重が落ちなかったりするのです。

なぜでしょうか?

それは、どういうときに、どういう場所で、どうして失敗するかを、自分自身でわかっていないから。

そういう人ほど、よせばいいのにタバコを吸う人と一緒に出掛けたり、家じゅうにクッキーを置いたりして、わざわざ自分の身を誘惑にさらすようなまねをします。

そして、そういう人に限って、失敗すると大きくショックを受け、ちょっとうまくいかないだけで目標の達成をあきらめてしまうのです。

 

自分を知ることは、自己コントロールへの第一歩です。

そのため本著では、意志力の問題で誰もがつまずきがちな失敗例を紹介しています。

各章において、自己コントロールに関するあやまった認識を取り払うことで、読者の私たちが自分の意志力の問題を新しい方法でとらえられるように導きます。

つまり、「私たちはどういうときに衝動に負けたり、やるべきことを先延ばしにしたりするのか」「失敗の原因は何なのか」「重大な間違いはどこにあり、なぜそんな間違いを犯してしまうのか」ということです。

そして、これが最も大事なことですが、将来の自分を悲惨な運命から救う方法を模索していきます。

自分の失敗のパターンを知り、それを成功への戦略に変えるには、どうすればいいのでしょう。

 

本著を呼び終えることには、あなたは少なくとも、欠点こそあれどいかにも人間らしい自分の行動をよく理解できるようになっているでしょう。

「意志力の科学」が明らかにすることのひとつは、人間は誰でも誘惑や依存症に苦しんだり、気が散ったり、物事を先延ばしにしたりして、悩んでいるということです。

そういうことは、いずれも個人の能力の不足を示しているわけではありません。

誰でも経験していることで、人間なら当たり前とすらいえることなのです。

本著の使い方~「科学者」として自分を観察する

著者は科学者になるための教育を受けましたが、そのなかで最初に学んだことのひとつは、理論がいくら優れていようと事実(データ)に勝るものはないということでした。

ですから、あなたもどうぞ読みながら実験を行ってください。

自己コントロールに対する科学的なアプローチは、なにも研究室の中だけで行うべきものではありません。

 

本著を読み進めながらも、著者の言葉は鵜呑みにしないでください。

まず著者がポイントを説明し、それに対する根拠を述べるので、それを生活の中で試してください。

そのような実験の結果を見ながら、自分はどの方法が適しており、どれが効果的なのかを発見してください。

 

各章には、意志力の科学者になるための2種類の課題が用意されています。

ひとつは「マイクロスコープ(顕微鏡)」です。

これは、その章で説明するポイントが、あなたの生活に当てはまることに気づくためのもの。

何かを変えようと思ったら、まずは現状をありのまま見つめる必要があります。

そこで、自分が最も誘惑に負けやすいのはどんなときか、あるいは空腹がいかに財布のひもをゆるめるか、といったことにも注目します。

 

また、自分で取り組むことに決めた意志力のチャレンジについて、先延ばしにしてしまう場合も含め、自分にどんな言い訳を強いるか、そして意志力が弱くて失敗したとき、あるいは意志力のおかげで成功したときは、自分自身でどのように評価しているか、ということにも意識を向けていきます。

さらに、フィールドスタディーもいくつか行っていきましょう。

たとえば、小売店が客の自制心を弱らせるために、店内のデザインにどんな工夫をこらしているかを探ってみるなどです。

 

もう一つの課題は「意志力の実験」で、これも各章にでてきます。

登場するのは、科学的な研究や理論に基づいて自己コントロールを強化するための実践的な戦略です。

意志力を強化するためのこれらの方法は、すぐに実生活における問題に応用することができます。

大切なのは、どの戦略にも偏見を持たないことです。

たとえ直感的に好きにならないものがあっても(たくさんあるはず)です。

どの方法もテスト済みで、多くの受講生が効果が高いと認めた戦略ばかりです。

 

本著を最大限に利用するには、あなたの取り組みたい意志力の問題を具体的に1つ決め、本著で紹介する方法を1つずつ試していくことをお勧めします。

1つの章からは1つの戦略のみ実行する。

 

本著は10週間の講座を受講する形で構成されています。

したがって、全部で10章ありますが、各章で重要なポイントを1つ取り上げ、その根拠を説明し、あなたの目標達成にどう役立てるか説明します。

このブログでは10章を20日くらいで本著について、かいつまんで紹介しますが、講座の受講生たちは、各週に学んだポイントを自分たちの実際の生活でどのように生かせるかを、まる1週間かけて試します。

本著では、読者にも受講生と同じ方法をとることを勧めています。

あせらず時間をかけて、実践的なエクササイズに挑戦し、結果を振り返ること。

受講生の中には、講座を何度も受講し、そのつど別の意志力のチャレンジに取り組んだ人たちもいます。

最初の課題

それでは、最初の課題です。

「意志力の科学」の世界に旅立つにあたって、あなたが取り組みたい課題を1つ選んでください。

それがすんだら、明日は第1章です。

 

マイクロスコープ:あなたの「チャレンジ」を選んでください

 

・「やる力」のチャレンジ

これをすれば、生活の質が向上することがわかっているので、もっとちゃんと取り組みたい、あるいは先延ばしせずに実行したいと思っていることがありますか?

・「やらない力」のチャレンジ

どうしてもやめられない習慣がありますか?

健康を害し、幸福や成功の邪魔になるのでやめてい、あるいは減らしたいと思っていることがありますか?

・「望む力」のチャレンジ

あなたがもっとエネルギーを注ぎたいと思っている、最も重要で長期的な目標は何でしょうか?

また、そのような目標に向かおうとするあなたの気をそらし、誘惑し、遠ざけてしまうような目下の欲求とは何でしょうか?

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今年の「チャレンジ」を、1つ本格スタートさせてみるのも、1月ならではのお楽しみですね。

ずっと達成しにくかった目標を、一緒に今年こそクリアしてみませんか?

私は体重をあと6キロを6か月で絞ることです!

とりあえず、2か月後のマラソン大会に向けて、2キロ落としたいで~す!

がんばりましょう。

では、また。

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モチベーションは上げない、ビジョンもいらない~『シンプルに考える』森川亮

部下のモチベーションを上げる、それが上司の重要な役割だと、よく言われます。

でも、著者は疑問に思うのです。

企業はプロフェッショナルを採用しているからです。

会社や上司にモチベーションを上げてもらわなければならない人は、プロとして失格だと思うからです。

このようなことが常識のように語られることは、社会全体が幼稚化している証拠ではないかと感じています。

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もちろん、情熱を注いでいる仕事で結果を出せず、リーダーを外されたり、プロジェクトを中止されたとき、誰だって一時的にモチベーションが下がることはあります。

著者も、会社に必要な判断なら、それらを伝えてきました。

このようなとき、相手を納得させるテクニックなどありませんから、誠心誠意伝えてきました。

それでも、彼らのモチベーションが失われるなら、それはやむを得ないこと。

ビジネスは結果がすべて。

社員のモチベーションに配慮するという理由で、結果が出ないプロジェクトを継続することはできません。

結果が出せてないプロジェクトから外されて、モチベーションが下がるのでは、プロとは言えません。

 

それだけではありません。

さらに問題なのは、モチベーションを上げてもらおうという人が、優秀な人たちの足を引っ張ることです。

大企業の人から、管理職が付かれているという話をよく耳にします。

部下の教育や評価、山のような決裁書類、経営陣の報告書。

そのうえ部下のモチベーションまで上げなくてはならない。

そんなユーザーと関係ない雑務に追い回されて、家まで持ち帰って仕事をする状況では、誰だって疲れるでしょう。

そして、「ユーザーのために」という志をあきらめてしまう。

これは、優秀な人の使い方を誤っているとしか思えません。

 

いい結果を生み出すためには、優秀な人が余計なことに惑わされず、速いスピードで動ける環境が必要です。

であれば、価値を生み出さないばかりか、優秀な人の足を引っ張るモチベーションの低い社員は必要ない、という結論になるのが当然だと著者は思うのです。

 

だから、著者は社員のモチベーションを上げる必要はないと考えています。

それは、会社や上司の問題ではなく、社員一人一人の問題です。

そもそも、サバンナの野生動物が「最近モチベーションが上がらなくて・・・」などと考えるでしょうか?

考えるはずがありません。

彼らは、ただひたすら必死で生きている。

会社で働くのも、それと同じではないでしょうか?

「ビジョン」はいらない~未来予測より目の前のことに集中する

会社のビジョンや、中期、長期の戦略をメディアや社員から質問されることが、著者にはあります。

その度に、著者はこう答えてきました。

「いや、わかりやすいビジョンは特にありません」

すると一部の社員は不安そうな顔をして、メディアの人たちは残念そうな顔をします。

でも、ないものは仕方ない。

むしろ、

「なぜ、ビジョンが必要なんですか?」

とたずねたいと思ったものです。

 

近年「ビジョン経営」の重要性が指摘されています。

経営理念に基づき、企業の目指す姿を中長期計画のように「目に見える形」で示すことが、経営の責務のように語られています。

 

しかし、誰しも「未来」のことは、わかりません。

わからないものを明文化するのは難しいと思うのです。

とりわけ、現代は変化の激しい時代。

「わからないこと」をさもわかったように語ることの方が、よほど無責任ではないでしょうか?

 

著者自身、これまでの仕事を振り返って、やはり「未来はわからない」と言わざるを得ません。

ハンゲーム・ジャパンに入社したころは、パソコン向けのオンライン・ゲームでナンバーワンになることを目標に頑張ってきました。

しかし、その後フィーチャーフォンが登場に、次いでスマートフォンが登場。

そんな未来を予測したか?もちろんできませんでした。

ましてや、LINEが世界数億人に利用されるサービスになるなど、予想してできることではありません。

これがビジネスの現実ではないでしょうか?

 

だとすれば、ビジョンは掲げない方がいい。

なぜなら、それに縛られてしまうからです。

会社にビジョンを掲げたら、ビジョンに従ってきた社員たちを説得しなければなりませんし、新たにビジョンを作る手間も必要になる。

そんなことに時間をかけている間に、時代の変化に取り残されます。

 

変化の時代を生き抜くために最も大切なのは、いち早く自分が変化することです。

それを邪魔するものをあえて作ることは意味がないことです。

 

「ビジョン」を求めたくなるのは、将来に対する「見通し」がほしいからではないでしょうか。

しかし、著者はそれこそ危険だと考えます。

なぜなら、危機感が失われるからです。

人間は、不安だからこそ、神経が研ぎ澄まされます。

だからこそ、ユーザーの変化にも、敏感に対応できる。

そんな野性的な感覚を研ぎ澄ますことこそが、サバイバル能力につながります。

そして、そういう社員が多い会社でなければ、この変化の時代を生き抜くことはできないと確信しています。

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若手の人たちのモチベーションを上げるのも、ベテランの仕事・・・とばかりに頑張っていたころもありました。

でも、思うようにはいかないものでした。

しかし、これは結構や労力がかかる割に、仕事の本質とは違う場所にエネルギーを大きくとられました。

今、仕事先では「すべての新人に全力をかけるのではなく、伸びる人材に力を注ごう」と管理職とベテランたちが言っています。

モチベーションを持つかどうかは本人次第。

厳しいようですが、仕事の本質は、新人育成よりもユーザーのニーズに応えること。

それを取り違えているようでは、ワタシもまだまだでした。

 

今日もお疲れさまでした。

では、また。

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「成功」を捨て続けることが、自分の市場価値を高める唯一の方法~『シンプルに考える』森川亮

「失敗してもいいから、挑戦しよう」

よく耳にする言葉ですが、著者はこれまで自分の仕事に対して、「失敗してもいい」と考えたことはありません。

たしかに、人生における最大の失敗は、失敗を恐れて何も挑戦しないことです。

しかし、だからといって「失敗してもいい」というのはあまりに無責任です。

ユーザーは貴重なお金と時間を使って、商品やサービスを使ってくださるのです。

それにもかかわらず、「失敗してもいい」などというのは、失礼ではないでしょうか?

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「確信」がもてるまで考え抜く~考えた末の失敗は成功のもとになる

プロダクトを作るために投資した人もいます。

そのような無責任な姿勢で仕事に向き合うのは、プロフェッショナルとして許されないと著者は思います。

 

もちろん、この世に約束された成功など存在しません。

新商品は、常に賭け。

だからこそ、成功するために安易な妥協はしない。

「絶対に成功する」という確信がもてるまで、ありとあらゆる努力をする。

それが「すごい人」たちに共通する姿勢です。

 

だから、著者がリーダーを務めるプロジェクトでは、企画を徹底的に叩きました。

多くの企画は、直感から始まります。

「これが面白いんじゃないか?」「こんなものがあったら、便利ではないか?」こうした直観力がなければ、いいプロダクトは生み出されません。

しかし、思いつきや独りよがりなものかもしれません。

だから叩いて、あらゆる角度からツッコミを入れる。

それで説明がグラつくようなら、企画は突き返し、そしてさらにロジカルに考え抜くように求めます。

市場調査でのゆーさーのニーズを把握し、類似商品をマッピングし、「その企画」がどんなニーズを満たそうとしているのを明確にします。

マーケットの歴史を俯瞰して、いまなぜ「その企画」が必要なのかを明らかにし、ありとあらゆることを考え抜くように求めるのです。

 

何度も、企画を突き返すことがあります。

結果的に没になるものもヤマのようにあります。

しかし、このプロセスを経ることで、直感がロジックに裏付けられたときに確信は生まれます。

成功のイメージが明確に描けるようになる。

その核心を本人がもてたときに、初めてゴーサインを出すのです。

 

もちろん、それでも失敗はあります。

その時は仕方ない。

著者は、一切言い訳を聞きません。

それよりも、失敗を活かすことが大事。

ここでロジカルに考え抜いたことが活きます。

なぜなら、失敗を検証することができるからです。

 

ロジカルな商品開発は、魚を捕るための魚群探知に対して、「この90度に魚群がいるのではないか」と仮説を立てること。

そこになんらかの手ごたえがあれば、さらに45度に制度を絞って考えること。

そうすれば、いつか必ず成功できます。

重要なのは、仮設の制度。

そして、このサイクルを速く回すこと。

それが、その人の成長速度を決めるのです。

「成功」は捨て続ける

年功序列的な人事制度の廃止が、著者が社長になって、最初に打ち出した方針でした。

人間は弱いので、会社に長くいるだけで報われる仕組みでは、ユーザーのために身を削るような努力をすることはできない。

だから、在籍年数にかかわらず、ユーザーに大きな価値を提供した人から優先的に給料を支払う仕組みに移行したのです。

 

それだかでなく、著者は新しいプロダクトを生み出すクリエイティブな仕事と、成功したプロダクトを磨き上げるオペレーションの仕事を区切りました。

需要なのは、クリエイティブな能力を発揮してヒット商品を生み出した後は、オペレーション部門に引き継いでもらうということ。

誰でも、自分が生み出した成功には愛着があります。

自分の手でもっと磨き上げたいと思う。

しかし、それを手放してもらう。

つまり、成功を捨て続けてもらうということ。

そして、また新しい価値の創造に向かってもらう。

これを会社の文化にすることに、決断の狙いがありました。

 

これは厳しい道です。

しかし、成功を捨て続けることが、その人の成長につながると著者は考えています。

新しいことに挑戦すれば、失敗のリスクはあります。

だから、過去の成功にしがみついてしまう。

「守り」に入ってしまうのです。

そして、同じことをやることに執着し続ける。

気づいたときには、時代に取り残されてしまう。

 

だから、成功は捨て続けた方がいい。

たとえ厳しくても、常に新しい価値を生み出すことに挑戦し続けた方がいいのです。

それが、その人の「市場価値」を高め続ける唯一の方法です。

 

もちろん誰でも不安になります。

新しいものであるほど、失敗の可能性があり、心が折れそうになることもあります。

しかし、あきらめず努力を重ねて、何度か成功すれば、確信が持てるようになります。

そのとき、はじめて本当に優秀な人になることができます。

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過去の実績を捨てることは、本当に勇気が必要ですね。

でも、そのサイクルを回して言ったら、どんなに視野が広くなるでしょうね。

のっぴきならない事情で、新しい分野に足を踏み入れることもあります。

そんなとき、「これが自分の市場価値を高める唯一の方法なんだ」と思うのも、よいかも。

 

今日もお疲れさまでした。

風邪などをひかないよう、あたたかくしてお休みください。

では、また。

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本質からずれないように”専門家”にならない~『シンプルに考える』森川亮

”専門家”になってはいけない。

著者はそう考えています。

もちろん、ビジネスパーソンはそれぞれ専門知識や線もの技術を磨き上げなければなりません。

しかし、しばしば”専門家”は本質を見失ってしまうことがあるのではないでしょうか。

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”専門家”にならない~本質からズレた努力はしない

かつて、ハンゲーム・ジャパン株式会社時代にこんなことがありました。

ゲーム市場の主役が、パソコンからフィーチャーフォンに移行しつつあった頃のことです。

当時、パソコンの世界ではコンピューター・グラフィックスでつくりこんだ精緻なゲームが流行っていました。

しかし、フィーチャーフォンでは、とてもそれと同じものを再現することはできません。

データー量が大きすぎますし、携帯電話の画面サイズでは、再現不可能。

だから、フィーチャーフォン向けの「手軽なゲーム」開発をする必要が出たのです。

 

これに、一部の社員が強く抵抗。

「こんなものは、ゲームではない」と言うのです。

気持ちはよくわかりました。

これまで、精緻なゲーム作りで実績を上げてきた彼らにすれば、「手軽なゲーム」をつくることは、自分のこれまでのキャリアを否定すること。

しかし著者は、「それは違う」と主張しました。

なぜなら、彼らは本質からずれていると考えたからです。

 

そもそもゲームとは何でしょうか?

遊びです。

人々が楽しく遊べるゲームは、よいゲーム。

そう考えれば、「美しいグラフィックス」はゲームの本質ではなく、あくまでゲームの一要素にすぎません。

そこにこだわって、フィーチャーフォンで求められるゲームの開発をしないのは本末転倒。

「そもそも」を忘れた時、人は誰でもこのような過ちを犯してしまうものです。

 

だから、著者は常に、この問いかけを大切にしています。

「そもそも、これは何なのか?」

ややもすれば”専門家”がバカにしがちな素朴な問いかけですが、この問いかけこそが、著者をものごとの本質に立ち返らせてくれるのです。

「何もない」から、鍛えられる~リソースが足りないからこそ、人は考える

「予算が少ないから、結果を出すことができない」

このような言い方をする人で、仕事ができる人はいないと著者は言います。

潤沢な予算を用意しても、彼らに結果を出すことはできない。

そう確信しています。

 

もちろん、ビジネスをする上では、ヒト・モノ・カネのリソースが欠かせません。

そして、それを用意するのが経営の責任です。

しかし、常に必要なリソースが用意できるということは、ありえません。

それが、ビジネスの現実なのです。

大切なのは、そのなかでいかに知恵を絞って結果を出すか。

その試行錯誤の中でこそ、本物の仕事力は鍛えられます。

 

著者は、幸か不幸か大企業でキャリアを始めました。

日本テレビにいたころは、プレスリリースを出しただけで多くのメディアが注目してくれました。

しかし、転職したすぐのハンゲーム・ジャパンはそうはいきません。

広告の予算もなく、無名の会社で相手にされません。

それまでに培った著者のやり方は、ほとんど役に立たなかったのです。

 

とにかく知恵を出して、自ら動いて、汗を核しかない・・・。

そこでメディアに振り向いてもらえるプレスリリースの作り方を徹底研究し、友人知人に口コミで庇護出ていくなど、ありとあらゆることをしました。

日本テレビ時代に比べれば、膨大な手間がかかりましたが、著者はここで鍛え上げられました。

 

プレスリリースのつくり方、キャッチコピーのつけ方、ボディコピーの構成理論・・・。

そこには、人々の心に訴えるための、実に奥深いノウハウがあります。

サービスの魅力を一瞬で伝える「言葉」をもつけられれば、それだけで受け手の反応は劇的に変わるのです。

 

それだけではなく、この経験が新しいサービスを企画する力も鍛えてくればした。

なぜなら、人の心に刺さるキャッチコピーは、優れたサービスのコンセプトそのものだからです。

 

口コミを頼んだ友人知人からも、サービスを体験してもらったときの、リアルな反応を見ることができます。

好反応を得られたサービスと、反応の鈍いサービスの違いは?

この肌感覚の有無が、サービス開発力を大きく左右します。

 

こうして著者は、効果的なマーケティングの方法をゼロベースで模索することで、本質的なノウハウを学び、サービスの企画力も磨くことができました。

 

「何もない」状況でこそ大きく成長ができます。

そして、試行錯誤を繰り返す中で、「リソースが足りなくても成功できる」という確信を得ることができます。

その核心こそが、ビジネスパーソンの自身の源となるのです。

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 ひとつのことを極めると、ついその技術にしがみついてしまうことがありました。

それが、「いちばん大切なこと」から目隠しをしてしまうんですよね。

今年は、「そもそも」を忘れない年にしたいものです。

 

今日も、寒い1日でした。

よく温まってくださいね。

では、また。

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結果が出たときの「幸せ」を追求するのがプロ~『シンプルに考える』森川亮

「仕事を楽しもう!」

そんな言葉を耳にすることがあります。

しかし、著者はあまり共感できません。

もちろん、仕事は面白い。

面白いから打ち込める。

しかし、「仕事を楽しもう!」というニュアンスと、著者の持つ感覚はずいぶん違います。

なぜなら、仕事は厳しいものだからです。

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仕事はしんどくて当たり前

生半可な姿勢では、ユーザーに喜んでもらうことはできません。

ユーザーにニーズからわずかにもずれないように、神経を研ぎ澄まさなければなりませんし、クオリティの高いプロダクトを生み出すには、身を削るような努力も必要です。

しかも、失敗は許されません。

心理的にも肉体的にも強いストレスにさらされるのが、仕事と言うものです。

しんどくて、当たり前なのです。

むしろ、そのしんどさを引き受けて、淡々と日々の仕事に向き合っていく。

その苦しい家庭を経て、結果が出た時に「幸せ」かの実感を体感しているのが、本物のプロフェッショナルだと思うのです。

 

著者がハンゲーム・ジャパンに入ったのは、設立3年のとき。

当時すでに韓国で1000万人ものユーザーを獲得していたパソコン向けオンライン・サービス「ハンゲーム」を日本で展開するために作られた会社です。

オンラインゲームには、大容量通信が欠かせませんから、ブロードバンドの整理が遅れていた日本には、同様のサービスはほとんどありませんでした。

いわばまっさらな市場。

そこに無料でゲームを提供することで、ユーザーを増やす、ゲーム内の少額課金などでマネタイズするという斬新なモデルを持ち込んだのです。

著者が入社した時、すでに100万人を超えるユーザーを獲得しましtが、収益化には程遠い状況。

このビジネスモデルを成功させるには、ユーザーを増やすしかありません。

そこで、ユーザー獲得のために奔走しました。

 

ヒントになったのは、テレビ。

無料ゲームは、視聴者が無料で楽しむことができるテレビに近いのではないか?

テレビが一番盛り上がるのは、生放送。

であれば、リアルイベントを開催すればいい。

それをネット動画で中継して、来場できない人もネット上で参加できるようにすれば盛り上がるはず・・・。

そう考えたのです。

 

そして、口コミでイベント参加者が雪だるま式に増加。

当初、イベント開催時のサイトへの同時接続者は数千人でしたが、1万人、5万人と増えていきました。

悲願だった10万人を集めた時は、「パソコンの前で泣いた」と書き込んでくれたユーザーもいました。

 

これは、著者も素直にうれしかった。

なぜなら、この瞬間のために必死でやってきたからです。

設立間もない会社だから、人でが足りない。

少ない人数で、ゲーム開発から営業までやって、かつイベントも毎週のように実施するわけですから、毎日のように雑居ビルのワンフロアに泊まり込んで、寝る間も惜しんで働きました。

 

「辛いな・・・」と思ったことは、ヤマのようにあったそう。

でも、だからこそ、それが報われた時には「幸せ」を感じる。

それを深く実感した経験でもあったのです。

 

このような経験を重ねて、著者が思う「幸せ」。

人は誰でも誰かに認められたいと思っている。

だから、仕事を通じて世の中の人々に喜んでもらったときに、自分の存在価値を認められたと感じる。

それが「幸せ」なのです。

そして、その「幸せ」のためなら、身を削ることができる。

それがプロフェッショナルなのではないかと著者は考えるのです。

「空気」を読まない~職場の批判よりユーザーを恐れる

「空気を読まない」というのは、これも「すごい人」たちの共通点です。

上司が目指している方向性が間違っていると思えば、臆することなく自分の意見を述べる。

エンジニアがデザイナーの仕事に「ダメ出し」することもあれば、デザイナーがエンジニアに「ダメ出し」することもある。

ときには、周囲の反対を押し切っても、自分が信じるプロダクトを作り上げてしまう。

自分が「違う」と思えば、空気を読まずにつきっ住むところがあるのです。

 

サッカーに例えるならば、野性的なフォワードのような存在。

ゴールへのイメージが明確に見えたら、自分でドリブルしてシュートを打ちにいく。

逆サイドでキャプテンが、「パスを回せ」とサインを送ってもお構いなし。

自分の頭でゲームの全体状況を把握して、「これがベスト」と確信する方法でゴールを狙うのです。

 

だから、誤解を恐れずに言えば、「すごい人」には、大企業にうまくなじめなかった人が多いように著者は思います。

ゴールを外した時はなおのこと、たとえゴールを決めても非難されます。

大企業では、上司のサインを無視して、自分でゴールを放てばどうなることでしょうか?

「あいつは自分勝手だ」「あいつは使いづらい」・・・。

周囲の人たちもその空気を敏感に察知して、彼らを遠巻きにし始めます。 

 

それでも、彼らはプレーの仕方を変えようとしません。

彼らは、ユーザーを恐れているからです。

ユーザーの求めているものから、ほんの「1ミリ」ずれただけでも、作り上げたプロダクトは相手にしてもらえない。

そんなマーケットの厳しさが骨身にしみているのです。

彼らは絶対に妥協しようとしません。

もちろん、いろんな人の意見に耳を傾け、自分のプロダクトい・イメージを磨こうとします。

でも、職場の空気に合わせるようなあいまいなことはしません。

 

著者はこれこそがプロフェッショナルと考えています。

こういう人でなければ、ずば抜けたプロダクトをつくりだすことはできません。

「いいもの」をつくるために、いちばんやってはいけないのは調整です。

「Aさんのアイディアと、Bさんのアイディアを組み合わせてみよう」とあれこれ機能を加え、複雑で使いづらいもの生み出してしまう。

あるいは、「上司の好みに合わせよう」と焦点がぼやけた曖昧なものを生み出してしまう。

それでは、ユーザーの心がつかめません。

 

なぜ調整が行われるのか?

職場の雰囲気を読むことが、仕事の目的になってしまっているからです。

これでは本末転倒。

会社は社員同士が仲良くするためにあるのではありません。

あくまでユーザーに喜ばれるものを作る場所です。

そのためには、職場の空気を壊すことを恐れてはならない。

軋轢を恐れてはならないのです。

常に周囲に気を遣うあいまいな人は、そこそこの仕事はできるけれど、「そこそこ」を超えることはできません。

ずば抜けた結果を出すためには、空気を読んではならないのです。

ユーザーが求めていることを、シンプルに追求する人だけが、ずば抜けたものをつくり出すことができるのです。

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職場の空気を読む、読まないって、とても勇気が必要です。

でも、確かにあれを読むことで、仕事のクオリティは下がります。

それをあえて「無視」する。

そんな仕事をしたいものですね!

 

今日も一日、おつかれさまでした。

ゆっくり休んでくださいね。

では、また。

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本物のリーダーは、自分の夢で人を動かす~『シンプルに考える』森川亮

社長は偉くない。

著者はそう考えています。

だいたい、LINE株式会社は「いいものをつくりたい」と言う人が多く集まっているので、「偉い人」はむしろ邪魔にされるだけです。

彼らが興味あるのは、「偉い人」ではなく「すごい人」。

自分よりも「いいもの」をつくり続けている人です。

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「偉い人」はいらない

社長が「いいもの」を作っていれば話は別ですが、そうでなければこの会社の人は、社長に興味がない。

著者も若いころは、「社長がエラそうだと、やりにくいんだろうな・・・」と思ったものです。

むしろ、とがっている人は権威が嫌いです。

だから、もしも著者がエラそうにしていたら、優秀な人から順にどんどん辞めていったかもしれません。

 

そもそも疑問があるのです。

「偉い人」であることに、どんな意味があるのかよくわからないのです。

「偉い人」とは、どんな人物か?

権限、権力、権威などの力を背景に人を動かす人物です。

だけど、それが本質的な意味でのリーダーシップとはとても思えません。

なぜなら、部下は仕方なく従っているだけだからです。

それでチームの能力が引き出されるはずがありません。

しかも、みんなに「言い訳」を与えます。

「社長がそう言ったから」「役員会でそう決まったから」

そんな意識では、プロの仕事ができません。

 

では、リーダーシップとは何か?

著者は、リーダーとは、「夢」を語る人だと考えます。

「ユーザーはこんなものを求めている。

だから、それを実現しよう」

「ユーザーにこんな価値を届けよう」

と語りかける。

問題は、そこに周囲の人たちの共感を集めるだけの説得力と情熱があるかどうか。

あるいは、覚悟かもしれない。

「自分一人ででもやりとげる」。

そんな覚悟が、みんなの共感を集め、「夢」を実現するひとつのチームも生み出すこともあります。

 

そのチームを動かすエンジンとなるのは、「夢」に共感するメンバーの自発性です。

彼らは「偉い人」の指示に従うのではなく、「夢」の実現のためにそれぞれの領域でもてる能力を存分に発揮しようとします。

そして、そんな自立したメンバーの戦闘を切ってチームをリードできる人こそが、本当のリーダーだと思うのです。

 

だから、リーダーシップを身に着けるには、必ずしも「偉い人」になる必要はありません。

もちろん、権限が不要だと言いたいわけではありません。

ただ、権限を背景に人を動かすのはリーダーの本質ではありません。

自分の「夢」で人を動かせるかどうか。

その1点がリーダーシップの本質なのです。

そして、そんあリーダーシップを持つ社員が多い会社が強いのだと思います。

ビジネスに「情」はいらない~「甘えの構造」をつくらない

著者は、経営はシンプルだと考えます。

社長が、ある分野において自分より強い人を連れてくる。

そして、ある分野の仕事ををお願いする。

それでうまくいかなければ「人」を変える。

結果が出れば人数を増やし、結果が出なければ減らす。

場合によっては解散する。

それを貫徹する以外にない、と思うのです。

 

「会社がうまくいかない・・・・」

ときどき、そんな声を聴きます。

しかし著者は、会社がうまくいかない理由ははっきりしていると考えます。

なぜなら、結果が出ていないプロジェクトは、数字が示しているからです。

サッカーと同じです。

連敗が続いているサッカーチームは、敗因を分析すれば、点が入らないから負けるのか、点を取られているから負けるのか、わかります。

点は取っているけれど、それ以上に点を取られているのならば、ディフェンスに問題があるのだから、ディフェンダーを後退させなければならない。

逆にディフェンスはよく守っているのに、点が入らないのなら、フォワードを後退させなければならない。

それ以外に、勝てるチームにする方法はあるでしょうか?

あとは、やるかやらないか。それだけです。

 

ところが、これができない。

なぜか?

「情」が邪魔するからです。

その人を降格したらかわいそうだ。

あのプロジェクトを中止するのは、メンバーに酷だ。

それで、変えるべきものを変えずに、ずるずると状況を悪化させてしまうのです。

しかし、これが本当の優しさでしょうか?

 

著者はそう考えません。

結果を出せないリーダーは降格して、再起を期してもらう。

悔しさをバネに頑張れば、必ず実力はつきます。

そのときは、再び起用すればいいのです。

むしろ中途半端にその人の立場を守れば、かえって彼らが努力するきっかけを奪うことになってしまう。

その結果、その人が成長できないばかりか、ダメなプロジェクトを温存することで会社に損害を与えてしまう。

最悪の場合には、会社に追いやってしまうことすらある。

それは、優しさではありません。

 

そもそも著者は、こうした「情」に疑いがあります。

本当は、情をかけることで自分を守ろうとしているのではないか、と思うのです。

なぜなら、結果の出せないリーダーを交代させて、それでも結果が出なければ社長が責任を取って辞めなければならないからです。

それを避けたいから、部下の責任もあいまいにする。

そのような「甘えの構造」をつくりたい、というのは本心ではないのか?

そのために、社長が本来やるべきことをやらなければ、問題は複雑になるばかり。

それで会社がうまくいくはずがないと思うのです。

だから、著者はいつでも責任を取る覚悟をもって、結果を出せないリーダーを降格させたり、プロジェクトを中止させたりと言う決断を行ってきました。

 

そのときには、嫌われたり、ときには恨みを買うようなこともあったと思います。

しかし、それは仕方がない。

もちろん、社員に嫌われたら社長の仕事は務まりませんが、社長の仕事は社員に好かれることではありません。

社員を成長させ、企業を成長させるのが、社長の仕事です。

そのためには、たとえ厳しくても、ビジネスの原則をシンプルに貫徹する覚悟をもたなければならないと思うのです。

 

一方、会社がうまくいっているときは、何も変える必要はありません。

社長は余計なことはせず、現場に任せる。

そして、ビジネス環境に急激に変化した時や、会社に危機の兆しが表れたときに、再び社長が身を挺して社内を変えていけばいいのです。

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夢で動かすリーダーの下で働いていたころがありますが、そういう時は仕事が楽しくて仕方ないですよね。

夢を語れるひとになりたいものです!

 

今日は休めましたか?

暖かくして、素敵な夢が見られますように。

では、また。

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