猫のメメとモエ

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マイナスの感情・状況に、どう対処するか~『スタンフォードの心理学講義 人生がうまくいくシンプルなルール』ケリー・マクゴニガル

学生が教師を評価する「学生評価」で初めて、著者がすべての項目で「良くない」と評価された時のことを、今でも覚えているそうです。

「時間厳守」から「授業の構成」「分かりやすさ」「学生に対する配慮」に至るまで、すべての項目で、最低の評価を下した学生もいました。

「いつも時間通りに授業を始め、時間通りに終わらせているのに!」

と、その評価に困惑し、傷つきました。

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著者が初めに感じたのは「恥ずかしさ」でした。

教えることを大切に思っていた自分を恥ずかしく思い、その学期中頑張ってきたことや、「もしかしたら自分は教職に向いているのでは」とかんっが得ていたことが馬鹿らしく思え、すべての評価シートを資源ごみ用のごみ箱に捨てました。

その中には、思いやりに溢れた言葉と高いスコアがつけられた「良い評価」も含まれていたのですが、「それを取っておくことに何の意味があるの?」という気持ちでした。

その時重要に思えた真実。

「嫌気がさした」ことで、すべてに汚点がついてしまったように感じたのです。

その苦しい最中、教えることについて考えたくなかったし、(教えることについて)以前ほど気に欠けたくもなかったので、評価シートを投げ出したのです。

 

著者がその「悪い評価」を受けたのは十数年前ですが、まるで昨日のように覚えています。

「悪いフィードバック(評価)」を受けることは、教師や物書きであることの本の一面にすぎないと知った今でも、厳しい評価や批判的なレビューを受けると、やはり傷つきます。

 

「1つの批判を打ち消すためには、20の称賛が必要だ」と言われています。

悪い評価を忘れるのは、難しいものです。

それ(悪い評価)についてあれこれ思いを巡らし、苦しめられて、そのことに感情を支配されてしまいます。

こうした”ネガティブになりやすい傾向”は、人の心に組み込まれているようで、批判だけでなく、失敗についても同じことが言えます。

 

私たちが成長し、直すべき部分に注意を向けさせてくれる、という意味ではこのネガティブな感情は役立ちます。

しかし、しばしばこのネガティブな傾向が、「失敗反応」と言われる精神状態を引き起こしてしまうのです。

「失敗反応」は、精神面・身体面に悪影響を及ぼす

失敗反応は、失敗や拒絶の感情を感じることで始まる「悪循環」です。

そうした感情が、「このネガティブな経験は『自分が何者なのか、何ができるのか』について、大切なことを示唆している」と、信じ込ませてしまうのです。

「そんなことをしてどうなるの?」「やってみる価値なんて、ある?」と考えている自分に気づくかもしれません。

失敗反応は精神面だけでなく、身体面にも影響を及ぼします。

食欲が減退したり、意気消沈したり、お酒におぼれるといった自暴自棄の行動に走りたい欲求に駆り立てられたりします。

苦しんでいるときに、「自分は一人きりだ」と孤独感を覚えやすくなったりもします。

例えば、「ほとんどの人は自分より幸せで、楽な人生を生きている」と思っている自分に気づくかもしれません。

 

失敗反応は主に、「目標や役割をあなたから取り上げ、失敗や拒絶を経験したときの人間関係からあなたを遠ざけようする」といった影響があります。

失敗反応にはまってしまうと、モチベーションや希望、他人とかかわろうとする意欲をなくします。

「状況を改善させることができる行動」を想像できなくなってしまい、あきらめてしまったり、閉じこもりやすくなるのです。

 

ここで朗報があります。

好循環を取り戻すのは、可能なのです。

まずは、なぜそれが大切なのか、思い出してください。

何かを深く気にしているときに批判や失敗を経験すると、失敗反応の状態に陥りやすくなります。

気にしていないことなら、それほど強い反応は引き起こされないものです。

そして気にしているからこそ、長い目で見ると、実際に成功し、成長しやすくなるのです。

前に進み続ける方法さえ見つけられればいいのです。

 

悪循環にはまったときにまず沸き起こる感情の1つが、「気にしたくない」という欲求です。

気にするのはつらいから、「大したことではない」と、自分に言い聞かせてしまいがち。

すると、そのことに対してエネルギーを費やし、その結果、目標から離れ、大切な人からも距離を置こうとします。

これが失敗反応の最も有害な一面となります。

ここで大切なことは、そのことを気にかけている、大切に思っている理由を「隠そうとしたり、抑え込もうとしたりする」のではなく、その理由を「思い出す」ことです。

そうすることが最初、苦しくても、です。

著者個人は、学生からネガティブな評価を受けた時や、著書に対する批判的レビューを受けた時の”特効薬”は、

「自分がどれほど学生たちの目標達成の手助けをしたいと思っているか」

「読者を励ましたいと思っているか」

「心理科学の見識をもっと広めたいと思っているか」

「もがいている人を何とかして励まし、情報を提供したいと思っているか」

を、考えることです。

こうして考え方を変えると、恥や自信喪失といった感情から自分の注意をそらし、最もポジ的ブナモチベーションに自分の注意をリコネクト(再接続)することに役立ちます。

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ワタシも批判を受けて、自分の目標を見失っていたことがありました。

失敗したこと、批判されたことを直視できなくて、自分のやりたかったことからも目をそらすようになっていました。

でも、目をそらしても、辛いことにはちっとも変わりありません。

 

たとえつらくても、自分がなぜそこにこだわりを持っていたのか、そこに向き合うこと。

やっていきたいと思います。

 

今週もお疲れさまでした。

ゆっくり休んでくださいね。

すてきな、夢を。

では、また。

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「目標を現実にする」モチベーションを育む~『スタンフォードの心理学講義 人生がうまくいくシンプルなルール』ケリー・マクゴニガル

「変わりたいと望むこと」と、「変わる意志」は、同じではありません。

これは、著者が意志力についてのワークショップを著者が始めるとき、とても大切なアイディアとして説明していることです。

自己改革の目標を達成したいために、変わりたいと望むことは必要です。

しかし、そこには”正しい”種類の「望み・欲求」が必要です。

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ときに疲れて「あきらめてしまう方が簡単だ・・・」とあなたがどこかで決めてしまいそうになった時に、屈せずにやり抜く力を与えてくれるような「望み・欲求」が必要なのです。

 

「目標を達成する人がいる一方で、あきらめてしまう人がいるのは、なぜか?」を解明しようと、心理学者たちは長い時間を費やしてきました。

中には、「変わりたいというモチベーションについて聞く」という手法をとった研究者もいます。

すると、「あなたはなぜ変わりたいのですか?」と聞いたときに、彼らからかえってくる答えが重要であることがわかってきました。

 

「定期的に運動する」という目標を例にとってみましょう。

この目標は、著者の意志力ワークショップに参加する学生が持つ最も一般的な目標かもしれません。

「もっと運動する」と思う理由はたくさんあります。

次にあげる理由について考えてみましょう。

 

①会社のフィットネスセンターを定期的に使えば、会社から特別手当や奨励金がもらえるから(米国の企業の多くが、この手法を試みています)。

②体形に自信がなく、自尊心を高めるために体重を減らしたいから。

③外見が重要であると知っていて、もっと運動することで、周囲の人に認められ、称賛を得たいから。

④健康を重視していて、運動すればもっと健康になれると思うから。

⑤アスリートやフィットネス愛好家にあこがれていて、自分もそうなりたいと思うから。ハードトレーニングを積んで、肉体的能力を伸ばしたいと願うから。

⑥かつてスポーツ(あるいはダンスやヨガ)が大好きだったことを思い出して、あの喜びをもう一度味わいたいと思っているから。

 

どれもそれぞれ、異なるモチベーションです。

変わるための理由として、最も強力なのは、どれでしょう?

言い換えるなら、「もっと定期的に運動する」という目標をやり通すのに一番役立ちそうなのは、どのモチベーションだと思いますか?

逆に、一番弱いのは、どれだと思いますか?

「自発的なモチベーション」から出た欲求は、願った目標が実現しやすい

この質問に対する答えは、すでに出ています。

④⑤⑥の理由の方が、①②③の理由より、「定期的に運動する」という結果になりやすいことが、研究で分かっているのです。

④⑤⑥が、心理学者が「自発的モチベーション」と呼んでいる事例です。

 

この種のモチベーションは、劣等感を感じないようにしたり、周囲から認められたいというような「外(部)からの報酬」を求めません。

それどころか、変わりたいという深い欲求の表れなのです。

自分にとって何が大事なのか、どんな人間になりたいのか、目標に向かって前進させてくれるものは何かを、反映しているもの(モチベーション)なのです。

 

こうした理由のために目標を設定したとき、目標から離れることなく、成功しやすくなります。

運動に限らず、成績を上げたい、過度な飲酒などの悪習慣を断ちたい、将来のためにお金を溜めたいなど、どんな目標についてお同じです。

 

なぜもっと定期的に運動したいのか、学生が離してくれる時、最も一般的に上げられる理由が②と③です。

実際「恥ずかしい思いをしたくない」「称賛されたい」「認められたい」という欲求は、参加者が著者に話してくれる理由であり、最も共通するやる気、原動力となっています。

著者が学生に最初に言うことの1つが、「変化を望む理由を探ること」「その変化を助けてくれるモチベーションを見つけること」なのは、このためです。

読者に対しても、一緒に自分が持っている目標について、このプロセスを試すことを著者は勧めています。

 

あなたの目標について考えてみてください。

あなたがどれだけ変わりたい、改善したい、成長したいと思っているか。

そして、あなた自身に問いかけてみてください。

「なぜ、この変化を望んでいるのか」「なぜこの目標を達成したいのか」、と。

心に浮かんだ最初の理由を書き出し、それがどんな種類のモチベーションか、特定してみてください。

「なぜ変わりたい」のか考えるポイント

・称賛やお金、昇進のような「外(部)からの報酬」を求めていますか?

・「恥をかきたくない」という思いが、第一にありますか?

・他者の承認を得ることを望んでいますか?

・そのモチベーションは、健康や幸福感、仕事への満足感を高めたいといった、長い目で見て「生活の質を向上させるもの」ですか?

・そのモチベーションは、あなたが高めたいと思っている「積極的・肯定的な自己認識や性質」と関係がありますか?その変化は、「表面的ではなく、心の底からなりたい人物像」を反映していますか?

・その変化は、あなたの幸せにすぐ影響しますか?例えばそのモチベーションは、楽しむことができたり、自然に興味を持てるようなものですか?大切な人やコミュニティーと時間を過ごすことができるものですか?

 

変わりたいと一番強く思っているモチベーションが、後者の3つのどれかに当てはまるなら、変われる可能性が高いのです。

あなたの最初の回答が何であれ、変化を可能にするモチベーションを育むことができます。

 

最後(後者)の3つの質問についても考えてみてください。

あなたの望む変化は、

①生活の質を改善しますか?

②「なりたい人物像」を反映していますか?

③本質的にやりがいのあるもの、楽しいと思えるものですか?

 

本当に起こす価値のある変化なら、上に挙げたモチベーションの中の少なくとも1つは、思い当たることがあるハズです。

理想的には、2つ見つけることができるといいですし、変わりたいこと(変化)と3つのモチベーションすべてを結び付けられることもあります。

 

スタンフォード大学の意志力講座に参加した学生の例です。

他の多くの学生と同じく、彼女の目標は「もっと頻繁に運動すること」でした。

質問に対する彼女の最初の答えは、自分の体形を恥ずかしく思い、ここまで体重を増やした自分への失望に関することでした。

このモチベーションだけでは、目標を達成する手助けになりにくいことが、著者にわかっていました。

彼女は「変わりたい」と強く望んでいたかもしれませんが、運動に全力を傾けるには、それでは不十分です。

そこで彼女は、他のモチベーションについて考えてみました。

すると、「変わりたい」というもっとポジティブな理由があることに気づいたのです。

 

例えば彼女は本当に健康について気にかけていました。

それまでは運動を「外見をよくする方法」と思っていましたが、そう考えることで、「すべてのトレーニングは、セルフケアのための行為で、将来の健康・幸福への投資である」ことを十分い理解できなくなっていたのです。

彼女は、フィットネスでグループレッスンを受けるのがどんなに楽しいことか、思い出しました。

ともにダンスを楽しむ人たちのコミュニティーに所属することや、定期的にクラスに出席するときにサポートを受けること。

それがとても好きだったことを、思い出したのです。

 

最終的に、「運動しているときの自分」が好きだということに、彼女は気づきました。やせるからではなく、自分がダンサーになったように思えたから、運動が好きだったのです。

「家族の良きロールモデルになる」自分んを考えることも、好きでした。

 

彼女は目標を達成しました。

実は今、著者のグループフィットネスのクラスに通っています。

彼女がもっと前向きなモチベーションに気づいたため、彼女が運動を通して得るメリットは、大きくなりました。

前よりもっと運動を楽しみ、「自分が運動のために時間を作った」という満足感を十分に味わっています。

気力や活力、身体的健康がうまくいくことことにも気づきました。

もし、最初の欲求だけに意識を向けていたら、「自己決定したモチベーション」につながることで生まれる力を、見逃していたかもしれません。

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今日も一日、お疲れさまでした。

ゆっくり休んでよい夢を。

では、また。

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新年の目標設定をする前にする「5つのこと」~『スタンフォードの心理学講義 人生がうまくいくシンプルなルール』ケリー・マクゴニガル

新年度の抱負を考えるとき、ちょっと邪魔になる微妙な焦燥感・・「本当にコレ叶うかな?」なんて思い・・を減らす方法があります。

新年の目標を設定したり、去りゆく前年を祝う準備をするとき、著者が好んでやっている、いくつかの”儀式”。

 

実際、こうした儀式は、意義があり、すぐに実行可能で、希望にあふれたより良い目標設定をする助けになります。

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目標を立てる前にする「5つのこと」

①思い通りにいかなかった難しい出来事も含めて、「前の年に起きた一番好きなも思い出や功績」をリストアップ

研究によると、「自分の強みを思い起こすことで、将来の忍耐力と意志の力が強められ、過去を振り返ることで将来の幸せが増す」ことがわかっています。

将来の目標について考えるとき、私たちは「過去の自分にどれだけ至らなかったか」という点にフォーカスしてしまいがちです。

自分に自信を持ちましょう。

自分い対して寛容の精神をもって、ミスからの人生を素直に見つめると、自分がどれだけたくさんのことをやり遂げたか、わかるはずです。

自分の進歩を確認すると、信念に向かってやる気も沸いてきます。

著者の今年の目標の一つは、次の著書を書き終えることったのですが、今すでに完成しています。

1年前、この目標を前に自分がどれだけおびえていたかを思い出すだけで、自分(来年)に取り組むべきことについて、楽観的になれるのです。

②「人生で感謝していることのリスト」を作る

新年は確かに、「人生で変えたいこと」について考える絶好の機会です。

しかし、目標を考えるための”よりよいマインドセット”であるためには、まずあなたが感謝していることのすべてについて、よく考えてみてください。

実際、「感謝していることリスト」をまず作ってみると、それが新年の願い事リストになっていることに驚くことでしょう。

自分にとって一番大事なことが明確になり、将来どうありたいのかが、はっきり見えてきます。

③今年のハイライト(重要な出来事)を想像する

今年の「楽しみにしていること」を5つ、リストアップしてみてください。

リストには、夢に近いけれど実現させたいと思っていることはもちろん、日々の楽しみや予想できる行事と言った「小さなこと」も含めるとよいでしょう。

「精神的な健康を最もよく予見するものの1つは、未来の楽しみを期待し、味わい楽しむ能力である」ということが、研究で明らかになっています。

著者自身はというと、ビジネススクールでコミュニケーションの新しいクラスで教壇に立つこと。

これは、創造的で楽しいチャレンジです。

 

同じように友人のためのベビーシャワー(出産のお祝い)を計画するのを手伝うことも楽しみにしています。

そして、来年また日本を訪れたいとも考えています。

④再来年(次の新年)の新年の日付で、「未来の自分」から「今の自分」あてに手紙を書く

「来年(新年)の『一番大事な目標』を達成した」という立場から、その年を振り返っているところを想像してください。手紙の中で、目標を達成するにあたり必要なことをすべて行った「その時の自分」に対して、具体的な感謝を述べてください。

あるいは、もっと賢くなった「再来年の自分」から「その時の自分」へ、思いやり溢れるアドバイスをしてあげてください。

ある研究によると、こうした形で「将来の自分」とつながることは、困難な変化を可能にし、目標達成を成功させる助けになることがわかっています。

⑤新年の目標に、他の人へのコミットメント(関わり)を含める

新年の抱負は、自分についてのことでなければならない、と誰が決めたのでしょう。

コミュニティー活動をはじめたとしたさまざまな活動、大切に思っている事柄・・・そういったものにコミットして(関わって)、自分よりも大きなもののために何らかの責任を果たすことを受け入れてください。

それは、応援したいと考えているグループへの、金銭的支援かもしれません。

あるいは、重要な人間関係のためにもっと時間を割こうと誓ったり、「自分より大きな何かの一部である」と感じられる活動に参加することかもしれません。

 

著者の今年の目標の1つは、ボランティアをしたり、別の形で動物救護団体の活動をサポートすることで、かかわっていきたいと思っています。

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目標を立てた時、そこはかとなく不安になったりすることがあります。

でも、1年たってみれば結構できていたりするんですよね。

それでも完成するまでは焦燥感を感じて、達成するまでの過程を楽しめていない。

これはもったいないかもしれません。

周りに感謝したり、「未来の自分からの手紙」を書いてみて、余計な肩の力を抜いて、楽しく目標に向かっていけたらいいな、と思っています。

 

今日も1日お疲れさまでした!

やっと週も半分まで来ましたね。

ゆっくり休んでよい夢を。

では、また。

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新年度の目標設定~『スタンフォードの心理学講義 人生がうまくいくシンプルなルール』ケリー・マクゴニガル

新しい年の始まりに、個人的な目標や仕事の目標を設定する人も多いでしょう。

にもかかわらず、すぐ目標を断念してしまったり、間違った目標尾を設定してしまったり、目標を達成するための戦略を立てるのに失敗してしまう人が大勢います。

 

著者は、新年度の目標を設定したいという”本能”(強い思い)をできるだけ活用するにはどうしたらいいか、長いこと考えてきました。

次に書く4つのポイントは、新年度の抱負を設定するプロセスを、もっと意味のある、効果的なものにするにはどうしたらいいかについて、著者が学んだことです。

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理想的な「新年の目標」のポイント

①新しい年に「どう成長したいか」を考える

目標を設定する際、それが仕事であれ個人的であれ、昇進や仕事上での具体的な業績といった「何らかの成果を達成すること」を目標にしがちです。

成果は自分でコントロールできませんから、そこに焦点を合わせすぎると”本筋”から外れます。

そうした成果は、自分にとって意味がある何らかの形で、変化や成長の成果として後からついてくる、ぐらいに考えておく方がいいのです。

「何を達成したいか」ではなく、「誰のようになりたいか」「どんな自分になりたいか」を自分に問いかけましょう。

何か特定の成果が繰り返し頭に浮かんだら、「どんなプロセスでそこに行き着けそうか」「どんな選択が必要か」「自分のどの部分を強化したらいいのか」、自分に問いかけるのです。

②「なに」の前に、「なぜ」に焦点を当てる

”良い目標”には、必ず「行動する」というコミットメントが伴います。

つまり、あなたが目標に近づくためにしようとする、何かしらの行動のことです。

ただ、その行動を起こそうとする前に、なぜあなた自身がそれをするのか、その意義をきちんと理解しておきましょう。

 

まずは、大きな「なぜ」から始めてみてください。

なぜその変化を起こしたいのか、なぜそれを達成したいのか。

「なぜ、自分はそうしたいのか」を繰り返し自問することは、楽しくて役に立つ”エクササイズ(練習)”です。

この自問自答を繰り返すと、ほとんどの人が、本当に大きな「なぜ」と感じられるような”何か”に行き当たります。

それは、より大きな自己決定や貢献、意味への欲求だったり、新しい経験やチャレンジに向かう能力だったり、もっと自由になりたい、もっと安定した生活がしたい、といった感覚だったりと、さまざまです。

その変化を求めている「深層心理にあるモチベーション」を突き止めれば、目標によりコミットできるだけでなく、その目標がをあきらめることが少なくなる、と研究でも明らかになっています。

③具体的な行動目標を設定する

目標を達成するには、大きな「なぜ」を小さな「なに」に落とし込む必要があります。

あなたの「なぜ」に反映して、かつ、あなたの目標と一致している具体的な選択や行動は何でしょう。

そうした”小さいこと”から始めてみましょう。

大きな目標を達成するために具体的にどうしたらいいかわからないとき、私たちは苛立ちを覚えます。

自分が今やっていることが、自分の求めるところにどうつながっていくのか、想像できないからです。

一度に大きな1歩を踏み出そうとした結果、疲れ果ててしまったり、精神的に参ってしまったりすることもあります。

 

もし本当に信念の目標から離れず痛いのなら、その目標に近づく”もっとも小さな一歩”を踏み出すことから始めてもいいのだと、自分い言い聞かせてください。

その小さな一歩が「今日あなたがしていること以上の何か」である限り、正しい方向に進んでいるのです。

小さすぎて不十分に思えるくらいであっても構いません。

④サポートを受ける

時に私たちは、新年の抱負や個人的な目標を、自分の力(能力)の範囲内で出来ることに決めてしまいがちです。

しかし、目標達成は自分一人だけで行う必要はありません。

いったん目標を決めたら、どんなサポートを得られそうか、考えてみてください。

どんな情報や力が必要でしょうか?

その変化の手助けになる何か、例えば、何か研修を受けるといった、そんな経験をすることはできませんか?

著者は仲の良い同僚や加増区など、自分にとて大切な人と、自分の木曜についてよくはない会います。

自分を大切に思ってくれている人に目標を知ってもらうことは、大きな助けになると思っています。

そうすることで、その1年を通して、彼らが著者をサポートしてくれます。

人生の中で、あなたを助け、時には一緒になって取り組んでくれるのは誰でしょう。

 

著者は、本著を書いているときにまだ信念の仕事上の大きな目標をまだ設定していません。

考えるプロセスを楽しみにしています。

「正しい『なぜ』を見つけ、少なくとも1つの小さな『なに』を決めれば、有意義な形で成長していける」ことを信頼すればいい、と知っているからです。

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ちょうど私たちも、今年度が始まって流れが見えてきたところ。

これからじっくり自分の中の大きな『なぜ』を探したり、小さな『なに』を見つけていくのも、とても楽しいと思います。

 

今日も一日、お疲れさまでした。

ゆっくり休んでくださいね。

では、また。

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やる気(モチベーション)をどう高めるか~『スタンフォードの心理学講義 人生がうまくいくシンプルなルール』ケリー・マクゴニガル

ああ、4月は慣れない仕事でほんと~に疲れる!

やる気なんか出ない!!

そんなことをつぶやきながら仕事をしています・・・。

 

でも、心理学の世界では、やる気というのは「ある」とか「ない」とか、はたまた「使い果たす」とか「失くしてしまう」などというものではないことがわかっているそうです。

人間というのは、なんと!「常に、強い意欲・やる気を持っている」というのです。

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やる気がないのは、「具体的な方法が見つけられない」だけ

著者が言うには、

「仕事のやる気が起きない」と、不満を言うときは、たいていの場合、自分が持っている強い意欲・やる気を満足させる具体的な方法が見つけられないだけなのです。

そうした欲求が満たされないために、仕事をしようとするエネルギーが無くなってしまうように感じます。

すべての人が持っている「最も基本的な、前向きなモチベーション」は、次の3つです。

 

①関係性:他者やコミュニティー、大切にしている大きな目的・目標とのつながりを感じること

②自主性:人生の質を左右するような行動や選択を自由に取れること。自分の意志でとった行動や選択が、大切にしていることと一致していれば、目標を達成する助けになる。

③熟練:取り組んでいることに対する能力があり、貢献できるものがあることが自分でもわかっていて、個人的に満足できるような上達や学びがあること。

 

こうしたモチベーションが満たされた時、人はますます幸福感を味わい、さらに健康になり、人生に満足するようになります。

そして仕事がこうした欲求を満たすのに役立つとき、「やる気がある」と言うのです。

 

こうした「根本的で、前向きなモチベーション」に加えて、人間はとても強い、相反するモチベーションに突き動かされることがあります。

「不快なことを避けたい」

「すぐに満足したい」

という、相反する欲望です。

 

これは基本的な生存本能に基づくモチベーションで、根本的な人間の欲求を満たすことと関係のある「大きな意義や幸福」よりも、「その瞬間の痛みや喜び」に焦点が当たっています。

仕事で「やる気が出ない」と感じるとき、たいていの場合は、自分の根本的な欲求の1つ、あるいは複数の欲求が職場で妨げられている(阻害されている)とかんじているものです。

根本的なモチベーションが満たされないために、「ラクになりたい」「すぐに満足したい」という”相反する衝動”が、一層顕著になります。

「関係性」「自主性」「熟練」を経験する具体的な方法が見つけられないと、不必要な努力やストレスを避けたいと、さらに強く思うようになるのです。

不快なことを避けて、喜びを最大限引き出そうとする「基本的な衝動」が優位になってしまう。

「やる気をなくした」というのは、多くの場合、この状態になっていることを指します。

月曜日の朝、出勤するのが怖くなり、うんざりしてしまって、ほかのもっと楽しそうな「気晴らし」にふけって、仕事を先延ばししたりします。

 

対照的に、仕事への努力やストレスが、少なくても「根本的で前向きなモチベーション」の1つとなってつながっていると感じた時、その仕事が耐えられるものになるだけでなく、やりがいのあるものにもなります。

実際、根本的な欲求が満たされると、ある種の特別なエネルギーが解き放たれるようなのです。

身体が活性化する感覚、楽観的になる感覚、意欲など、「やる気をなくした」と言うときに、多くの人に欠けているエネルギーです。

 

「自分の能力」「人との関係性」「自主性」といった欲求を満たす仕事や職場、同僚を持つのは、言うまでもなく理想的なことです。

しかし、必ずしもそうとは限りません。

やる気がない人のほとんどが、「職場は自分の欲求を満たしていない」と言うでしょう。

孤立していて、不当な扱いを受けていると感じ、社内政治に意気消沈しています。

自分たちは支配され、細かく管理されていて、自分で選んだわけでもない方針や手続きにがんじがらめにされていると感じている。

あるいは、自分自身の挫折や成長のなさにイライラしているのです。

仕事をするうえで、根本的なモチベーションが1つも満たされていないなら、もんだいです。

しかしそれは「やる気がない」こととは全く違うのです。

 

そして、そうした欲求を満たすために出来ることがあります!

やる気不足が問題なのではなく、

「自分の欲求を満たす方法を見つけることが大事なことなのだ」

とひとたび気づけば、本当の問題に取り組むことができるようになります。

なぜなら、たとえ仕事に満足できなくても、仕事に対する考え方や、仕事への取り組み方を変えることで、そうした欲求を満たすことができるからです。

「ジョブ・クラフティング」の手法を使う

そのための1つの方法が、「ジョブ・クラフティング」です。

これは、「やらされている感がある仕事」を「やりがいのある仕事」に自ら変えていく手法です。

従業員が自分の関心ごとや強みを生かしながら仕事を作り変えていくことで、モチベーションが高まり、質の大会仕事ができる効果があるとされているものです。

 

ジョブ・クラフティングの裏にある意図は、「満足感を高め、貢献度を最大にするために、小さなことから自分の仕事に変えていく」ことです。

その”変化”は、あなたのすること、そのやり方の中にあります。

TODOリストに書かれた仕事に始まり、IT技術の使い方、誰と時間を過ごすかと言ったことに至るまで、「時間の使い方」を少しだけ変えるのです。

 

作業スペースを整理したり、特定の作業をするために新しい場所を探したりと言うような、就業場の「ほんの些細な変化」も含まれます。

 

ジョブ・クラフティングについての調査によると、仕事への考え方を変えると、最も意味ある変化を生みやすいことがわかっています。

具体的には、仕事や仕事上の人間関係について考える方法を見つけることを、意識的に、先に挙げた3つの「根本的なモチベーション」を満たす方法と考えることです。

 

次の3つの質問は、仕事について自分自身に問いかける内容です。

1つでも満足のいく答えを見つけることができれば、もっとやる気になり、エネルギッシュになったと感じられるはずです。

3つすべてに対して対策を講じることができれば、仕事へのかかわり方を変えることができるでしょう。

やる気が起きるカギになる「3つの質問」

①職場で一番大切な人間関係は何ですか。

その関係を深めるために何ができますか。

職場での人間関係をじっくり考える他の方法は、同僚を知る機会を進んで探し、後輩を指導し、仕事で出会う人の役に立つようにすることも含まれます。

②仕事で、あなたの個人的な貢献によって支えられている「目的」「ビジョン」「大きな計画」は何ですか。

言い換えるなら、メールに返信したり、報告書を提出したり、数字を計上したり、会議に参加したりするとき、その作業の裏にある「なぜ」に対する一番いい説明は何ですか。

特に、恐ろしくストレスが多く、平凡な日常的作業では、この種のことを考えることが、職場での自主性を高めます。

③自分のキャリアをどう育て、どう伸ばしたいですか。

そうするための一番手っ取り早い方法は何ですか。

 

この問いに答えるカギは、具体的に考えることです。

何かを選択したらすぐに、上達したいと欲しましょう。

コミュニケーションであろうと、時間管理であろうと、チームマネジメントであろうと、日々の仕事を、学びや成長の機会ととらえるのです。

 

自分をよくするために目標や課題を設定するのですから、上司の許可は特に必要ありません。

とはいえ、仕事でどう自分を磨き、前進したいかについて「はっきりした目標」があるなら、サポートを受けることができるでしょう。

 

「関係性」について、マインドセット(考え方)をリセットする著者お気に入りの方法は、監査人の仕事をしているある学生から教えてもらったものでした。

 

彼女の仕事の大部分は、様々な職場へ出向き、規則や法令を遵守しているか、確認することでした。

行く先々でその職場の従業員が彼女を敵対視したので、彼女は仕事へのやる気をなくしていました。

そこで彼女は「それぞれの職場の従業員が各人の職務を全うできるよう、規則や法令を守る手助けをしよう」というふうに、自分の役割を見直すことにしました。

 

すると驚いたことに、自分は敵対する存在ではなく、手助けする存在だと考えるようになったことで、他人への「彼女への接し方」が変わったのです。

さらに驚いたこといたことには、彼らは今まで以上に彼女を信用するようになり、修正されるべき班事項についても、進んで開示するようになりました。

彼女は、職場での関係性・絆をこれまで以上に感じるようになったばかりでなく、監査先の職場の従業員との関係について考え方を変えることで、仕事がやりやすくなったのです。

そして、彼女自身が”熟練”したこと・・・自分は有能であることを知り、他者に貢献し、個人的に満足できるような上達や学びを経験したこと・・・で、「他の人が目標に向けて成功し、成長できるよう」手助けできるようになったのです。

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やる気に「ある」「ない」は無くて、すべての人は、前向きなモチベーションを必ず持っている、という事実。

そしてやる気が出ないのは、「具体的な方法が見つけられない」だけということ。

そして、「やらされている感のある仕事」は、自分の関心ごとや強みを生かしながら仕事を作り変えていくことで、「やりがいのある仕事」に変えることができること。

それには、やっていることを少しだけ変えてみることでした。

そして、自分の仕事のとらえ方を変えていけば、きっとやる気はもっと・・出る!

(あ、「出る」とか「出ない」とかじゃないんだっけ)

 

よし、ちょっと職場の机にお気に入りグッズでも増やしてみようかな。

明日もがんばりましょう・・・・・・・。

 

今夜はゆっくり休んでくださいね。

では、また。

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「言葉」と「行動」の一致が、あなたの自信を深める~『スタンフォードの心理学講義 人生がうまくいくシンプルなルール』ケリー・マクゴニガル

スタンフォードで心理学を教えている講師たちでさえ、「言っていること」と「やっていること」が、真逆になることがあるようです。


専門課程の1日集中講義を仕切ったある晩、他の講師たちと話し合っているときに、著者は愚痴をこぼしました。

スタンフォード大学「思いやりと利他心の研究教育センター」では、”思いやり教育”に関する1年間の認定コースを提供していて、そのコースが始まった最初の週末の初日でした。


何か月もこの研修企画に時間を費やしてきており、記憶に残る元気が出るような瞬間もありましたが、一方問題もありました。

50人の受講者の一握りの人たちが、些細なことで不満を言ってきたのです。

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「言葉」と「行動」を一致させる

1人の女性はグループみんなに対して、「席順が理想とは言えない」と主張してきました。

ある男性は「グループディスカッション中に自分の意見を発表する時間が与えられなかった」と、セッションが終わる直前に言うという行動に出ました。

その日の講義について話し合ったり、次の日の予定を立てたりするため、夜に講師たちが集まることが日課のひとつでした。

いつもは「うまくいったこと」「うまくいかなかったこと」の問題解決法を認識し、理解することに時間を費やすのですが、この日は1日の疲れもあり、負のスパイラルから抜け出すことができなかったようでした。

受講者が自分の欲求不満を押さえられなかったことや、彼らのそうした”混乱”が、みんなの一体感をはぐくむ妨げになった、と愚痴をこぼしていたのです。

 

こんなガス抜きをして15分たったころ、著者はある厄介な事実に気づき衝撃を受けました。

著者たちが批判していた「受講者がしたこと」と全く同じことを、自分たちもしていたのです。

その日は素晴らしいこともたくさんあったし、ほとんどの受講者は前向きに取り組んでくれたにもかかわらず、自分の持つエネルギーと注意力のすべてを「イライラさせられたこと」に向けていました。

受講者はなぜ、些細な不満ばかりくどくどと言い、「いいこと」に着目できないのか、と。

 

その時著者たちは、自分たちが教えていたことと正反対のことをしていたのです。

物事の良い面に目を向け、今後の可能性に元気づけられるどころか、了見が狭くなって些細なことにこだわり、自分自身のマイナス思考によって、自ら士気をくじいていたのです。

 

自分が語っていた価値観と実際の行動のギャップが恥ずかしくなり、他の講師たちにそのことを話し、より広義の目的に立ち返るために時間を取らないか、と提案しました。

 

それからは、「お互いのサポートをするために貴重な時間をどう使いたいか」という点に気を配り、会話の流れを変えました。

そして、「受講生全員に明日、最高の経験をしてもらうためには何をしたらいいか」に、もう一度集中しました。

 

表に掲げている価値観と、自分たちの実際の行動が合うように”再調整”できたことはとてもうれしく、おかげで翌日に向けて充電できました。

それ以上にうれしかったのは、「受講者の不満」に対して著者たちが不満を言っていたことを、受講者の誰にも聞かれなかったことです。

もし聞かれていたら、残り1年間の講習の間ずっと、受講者の講師への敬意は失われ、彼らに助言することはできなかったことでしょう。

「言行不一致」は、波及・拡散する

言葉と行動を一致させること」が、権威や影響力を持つ地位にある人には特に重要だと、様々な研究で明らかになっています。

リーダーの言っていることとやっていることが違ったら、「心理的契約(文章化されてはいないがお互いが了解していること。内容が暗黙の了解で結ばれているようなものを指す)」への違反行為とみなされるのです。

リーダーの明らかな偽善行為は、その人への信頼を損ね、権威を失墜させます。

実際、たったひとつの偽善行為を見られただけで、今まで培ってきた「誠実な人」という評判がひっくり返されるほど威力があるのです。

 

行動と言葉が一致しないことは、リーダーの信頼を損ねるだけではありません。

グループのメンバーがその組織をどうとらえるか、ということまで波及・拡散する効果があります。

例えば上司に「偽善」を見つけた従業員は、その会社を辞める意志が強まるのです。

 

スタンフォード大学ビジネススクールの研究でも、リーダーの言行不一致が組織全体の信頼を失墜させることがわかっています。

グループの他のメンバーに対しても同じように「後ろ暗い行動をとりやすいのでは」と、疑うようになるのです。

例えば、都合のいい勝手な理由で上司がウソをつくと、従業員は、その会社全員がそうであると決めてしまったり、企業価値は守られないものであると決めてしまったりするのです。

 

けれども、個人的に「誠実であること」の重要性は、こうした利益やリスクをはるかにしのぎます。

私たち個人個人の言行一致がないと、自分で自分の首を絞めるのです。

「言っていること」をやっているとき、人は強くなれます。

ニセモノを身に着けると、他人も不正をしていると考える

ノースカロライナ大学の「決断力研究センター」で驚くべき研究が行われました。

ニセモノのデザイナーサングラスをつけると、心理的にどんな影響があるかという実験です。

たわいもない研究と思えますが、実は、「周りに見せていること(=効果でおしゃれなサングラスを買うだけの余裕がある)」と「実際にしていること(=このサングラスは本物をまねて作ったニセの安物)」という不一致が引き起こす、賢い方法なのです。

 

研究で分かったのは、ニセモノを身に着けると不信感が生まれる、ということでした。

不信感とは、「なりすましているもの」と「本物」のギャップに気づいているときに持つ、不快な心の状態のことです。

この「信頼のない、不信」の感情が、「行動を偽ろう」と、非道徳的な判断をくだし続ける原因になります。

たとえbあ、自分の利益のために実績を偽ってしまうようなことになるのです。

 

興味深いことに、ニセモノのサングラスをつけている人は、「他の人も不正をしたり、ごまかしたりしている」と見る傾向がありました。

言い換えれば、自分自身の「信用できない」感覚が、他人に対しても偏った味方となって出てしまうのです。

 

これが言行不一致によるもうひとつのハザード(害)です。

この「偏った見方」は、人とのかかわり方にも影響します。

このバイアスがあると、その”予言(=偏った見方)”通りの現実を作り出そうと他者と交流するようになり、「信用されるようなこと」に注意を払わないよう、他者に促すこともあります。

「言行を一致させる」ことは、レジリエンス(精神的回復力)の源

これに反して「言行を一致させる」ことは、目的・糸やレジリエンス(精神的回復力)の源であるだけでなく、組織内の人間関係を強化する方法でもあります。

疲れていたり、注意散漫になっていたり、その方が都合がいい、といった理由から、自分の価値観とずれた行動をとることは、時にはあるでしょう。

理想通りが難しい時、その理想をあきらめるのでなく、むしろ自分の価値観を再確認する機会としt得活かすことが大切です。

 

先ほどの欲求不満におぼれていた研修の時、著者と講師たちがしたのは、このやり方です。

何が起きているかに気づいたとき、その経験を「本当は何を実践したかったのか」思い出す機会にしたのです。

受講者に共感し、「良いこと」に目を向け、コミュニティーづくりに集中しました。

 

自分の理想がはっきりしているとい、それに沿って行動することはとても簡単です。

決断をするにあたり、どんな基本方針に従いたいのでしょう?

本当の優先順位は何ですか?

何を達成したいですか?

さらに重要なのは、それをどうやって達成したいのでしょうか?

さらに重要なのは、それをどうやって達成したいのでしょうか?

物事を進めていくためのよりどころにしたいのは、どんな価値観ですか?

 

研究によると、自分の価値観をはっきりさせ、熟考すれば、「道徳的な偽善」は減ることがわかっています。

1回やればいいといいうものではありません。

毎日繰り返すことが大事です。

 

著者は毎朝、自分の「コア・バリュー(中心としている、大事にしている価値観)」について考えることから始めて、その日の仕事で一番大事な価値観は何か確認しています。

今朝は「楽しく熱中」というのがコアバリューでした。

あまりにスケジュールが忙しく、たくさんのことをこなさなければならなかったからです。

時がたつにつれ「まいってしまう」「腹が立つ」といった感覚に陥るだろうと思ったので、その日の仕事が大切なのはなぜか思い出すよう、事前にコミットしたのです。

 

スタンフォード大学での著者の授業やワークショップでは、「自分の価値観を思い出して」と書かれたシンプルなゴムのリストバンドを学生に配ります。

日々思い出すようにとリストバンドを身に着ける学生もいれば、机の上や車のダッシュボードに置く学生もいます。

こんな風に「言行が不一致だ」ということに気づくのを助け、「自分の理想に背くような決断を下している」ことに気づくのを助けてくれる”モノ”を持つことをお勧めしています。

 

完璧でいることは、不可能です。

でも、自分の「意図」を一時的に忘れてしまったことで迎える結末は、変えることができます。

不信感や偽善のスパイラルに引きずり込まれるのではなく、「本当に大切なことに再びコミットする」ことができるのです。

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仕事のチーム内で言行が不一致になってしまったことがあり、1週間たってもまだ自分にむかむかしております。

やっぱり気持ちがすっきりしないので、次は気を付けたいです。

 

1日の初めに、自分に「コア・バリュー」をつけてみるのも、面白そうですね。

スマホのメモ欄を使って、やってみようと思います。

それより、朝の時間をもっと余裕を持たなければ・・・。

 

明日からの1週間が、すてきな毎日になりますように!

では、また。

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「他人がどう思うか」を”正しく”気に掛ける方法~『スタンフォードの心理学講義 人生がうまくいくシンプルなルール』ケリー・マクゴニガル

「他人がどう思うかなんて、気にしないようにしよう」

私たちは、何かとそう思おうとしています。

しかし4月は環境が変化して、新しく関わる人たちがいるために、「他の人はどう思うだろうか?」ということにもいつもより敏感になります。

それは人間の脳に「社会的認知」というシステムが組み込まれていて、他の人が何を考えているか、考えを巡らすようにできているからです。

特に、脳は他の人からの評価に敏感です。

ですから、批判されれば元気をなくし、拒絶されれば苦しみます。

こうした本能を全く無視しようとしても、ほとんどは確実に失敗することでしょう。

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他の人がどう思うか気にすることは、成功や幸福の障害にもなる

それでも、他の人がどう思うか気にすることは、成功や幸福の障害になることがあります。

次の2つの場合、そうしたことが起きがちです。

1つ目は「いい人」ではないと思われるのを恐れるあまり、本当に正しいと思うことをしないで、相手との衝突を避けようとするとき。

2つ目は、強く、有能で、賢いと思われたいとき。

「もろくて、弱い姿を露呈してしまうかもしれない」と、決断を恐れるようになります。

ついには、人の考えを必要以上に重きを置き、気に欠けることで、問題に巻き込まれることがあります。

例えば、他の人からのネガティブな評価が「真実で重要なことだ」と思いこんでしまったり、自分がすべきことややできることについて「自分を気にかけている人の方がよくわかっているのではないか」と、信じてしまうのです。

 

こうした「気にかける」気持ちはすべて、「溶け込みたい」という基本的欲求に根差しています。

こうした欲求はとてもパワフルで心に深く浸透しているため、本当に注意を払うべき「社会的フィードバック」から、私たちを引き離してしまうのです。

例えば著者の知る女性マネージャーが、新しいチームを任された時のこと。

男性優位の業界であることもあり、彼女は「タフで、無慈悲で、厳しいマネジメントスタイル」を取り入れました。

しかし、彼女のチームの士気は衰え、プロジェクトの業績は伸び悩みます。

そこで彼女はチームからのフィードバックを受けますが、その内容は

「彼女のやり方は不快で敵対的な職場環境を生んでいる」

というものでした。

そのフィードバックを省み、真実で直接的なフィードバックに対して耳を傾け、彼女は効果的なアプローチを勇気をもって検討しました。

その結果「本当に強いだけでなく、思いやりもあるチームリーダー」と認識されるようになり、報われました。

何といっても、批判に耳を傾け、チームのために今のやり方を変えるためには、かなりの強さが必要です。

 

どうしたら、「それほど重要ではなく意見」に振り回されずに、「他人がどう思うかきにかける」ことの”メリット”を利用できるのでしょうか。

「他人がどう思うか」を”正しく”気に掛ける方法

①「すべての人を常に満足させることはできない」という事実を、受け入れてください

ある人の意見は、他の人の意見より大事なものです。

そして私たちは、その人がどう思うかを常に意識しがちです。

例えば家族や友達、大切なメンターなどです。

しかし、その人たちに認められたいと強く思ったとしても、彼らが常にあなたと同じ目標や価値観を共有しているとは限らないことを、覚えておくことが大切です。

例えば、著者が今までもらった最悪のアドバイスの1つは、スタンフォードの指導員からのもの。

働き始めて間もないころ、彼は著者の「教えること」に対する情熱を見て、こう注意しました。

「教えることにあまり時間を割かないほうがいい。

そうすることで、科学的なリサーチをし、その結果を出版するといった『本当に大事なこと』をする時間や労力を、消耗してしまうだけだから」

と。

 

著者は、「この人が自分をどう思うか」をとても気にしていました。

しかし、このアドバイスをもらった後、彼が「教える」ことについてどう考えているかは、著者にとってさほど重要でないことに気づきました。

そこで著者は、時間をどう使うかについて、彼の承認を求めるよりも、自分の目標を追求することを選びました。

 

特に愛する人とは、目標が一致しないことがあるかもしれません。

彼らはあなたに幸せでいてほしいと思っていますが、同時に変わらずにいてほしいと思ったり、自分の期待に沿ってほしいと思っているからです。

②目標を負うべきかについて意見を求めるのではなく、目標を達成するためのアドバイスを求めましょう
他人の考えは、重要な情報源です。
ベンチャー(企業)で単独プロジェクトが成功することは、ほとんどありません。
人生で大きな仕事をするときには、必ず周りのサポートが必要になるのです。
そこでカギになるのは、「正しい質問」をすることです。
「この仕事をすべきだと思う?」
ではなく、あなたの目標が何かを知ってもらうことから始めましょう。
その仕事をするにあたり、どんな希望や抱負があるのか。
その人とシェアすると同時に、その仕事に就くことで感じる葛藤について話してみましょう。
その仕事を実行にうつすための「最善の方法」や、心配を克服するための「最善の方法」を考えるのを手伝ってほしい、と頼んでみるのです。
それがいいかどうかではなく、実行するための「最善の方法」を聞き、サポートしてくれるように頼みましょう。
③重要な目標にはすべて、自分なりの「成功の基準」を設定しましょう
自分が望む仕事(やりたい仕事)をしているかどうか、どうやって知ることができるでしょうか?
「自分にとって大事なこと」がはっきりしていれば、その基準を満たしているかどうかのサイン(兆候)を、他者から貰うことは簡単にできます。
 
例えば著者は、教師として、学問的知識だけでなく、人の人生にポジティブな影響を与える講義をしたいと考えています。
ですから授業の合間に
「学生が不愉快に感じているのではないか?」
と気にかけることをやめなければなりません。
 
実際すべての授業で、「学生が抵抗を感じるきっかけになるテーマや演習、課題」を予想し、授業の後にくる苦情や不満のメールも著者は予想できます。
 
でも、著者は”一時的な不満”は、学びの一環だと思っています。
学生が一時的な不満を持つことは、授業をやめる理由にもならないし、「最低の教師」というサインでもありません。
実際、一部の学生が不満を持つのは、「成功の印」なのです。
それこそ、常に学生を満足させ、喜ばせることよりも、もっと重要なことです。
著者が授業のたびに、すべての学生に「自分は正しい」と思ってもらうために、満足してもらおうと一生懸命に取り組んだら、「変化をもたらす講義(変わるための講義)」という著者の目標を違えることになってしまいます。
 
こうした方法に従ったからと言って、
「誰かが自分の能力に疑問を呈したときの痛みが和らぐ」
というわけではありませんし、
「強くていい人だと思われたい」
という、自然に沸き起こる性質を消し去ってくれるわけではありません。
でも、「他の人がどう思うか気にする」ことに対して、今よりもうまく対処することができるようになります。
そして、自分の判断と人の考えが一致しなかったとき、自分の判断を信じる自信をくれます。

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新しい人間関係に目を回しているうちに、 「高い評価を受ける」ということがうっかりすると「目標」になってしまいます。

でも、本当の自分の「やりたいこと」ってそんなことではないですよね。

たとえ、すべての人から認められなくても、オッケーなんですよね。

雑事に忙しくしている「自分が一番大切にしていること」と忘れがちなので、スマホの画面と手帳のすみっこに、ちょっと書き込んでみたいと思います。

 

今週は、年度のスタートでお疲れなのではないでしょうか。

ゆっくり休んでくださいね。

すてきな夢を。

では、また。

 

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