猫のメメとモエ

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「不安」を逆手に取る~『スタンフォードの心理学講義 人生がうまくいくシンプルなルール』ケリー・マクゴニガル

一週間かけてあなたは、プレゼンを準備してきたとします。

本番数分前、全身に不安が走り、汗がにじみ、胃が痛くなります。

普通の人はこうした不安を「チャンスを台無しにするサイン」と思うでしょう。

プレッシャーの下で仕事を成し遂げなければならないプロの間でも、その考え方は一般的です。

 

しかし、最新の行動研究では、全く正反対のことがわかってきています。

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「不安」が、成功へ導くエネルギーを与える

不安を感じることがどれほど嫌いでも、実はこの不安こそが、私たちを頑張らせてくれるのです。

まず理解すべきなのは、「不安と言うものは、私たちが全力で頑張れるように仕向けてくれるものである」ということです。

緊張したときに現れる症状や感覚を、いくつか考えてみてください。

心臓が高鳴り、意気は荒く、速くなり、急に汗が噴き出てくる。

そわそわしたり、イライラして、妙に興奮してしまう。

こうした症状のすべてが、あなたを成功へと導くエネルギーを、体と脳が与えてくれている”サイン”なのです。

こうした身体的な症状は「チャレンジ反応」と呼ばれる反応の1つで、「大切なことを達成するのに必要な力をまとめる」という、生物学的な本能なのです。

副腎がアドレナリンを放出し、あなたの活動をより活発にします。

振動の鼓動が速くなり、脈拍が上がり、息が荒くなる。

こうした症状はすべて、脳と身体により多くのエネルギーを送るためなのです。

身体が緊張するのは、筋肉があなたに、次の行動をとらせる準備をしているからです。

不安を感じると、五感の機能も高まります。

光をより多く取り込むため、瞳孔は広がり、聴覚は鋭くなり、あなたの注意は”今、この瞬間”に集中します。

こうした身体的な変化は、自分が置かれている状況に対する理解力を上げてくれます。

こうして不安は人を機敏にし、物事に対する準備を整えてくれるのです。

不安でドキドキするのは「チャレンジ反応」

不安でドキドキすることさえ、「チャレンジ反応」です。

消化器官は、考えや感情に反応する、何百、何百万もの神経細胞に覆われています。

大事な会議やプレゼンの前に胃がギューっと掴まれる感じがしたら、消化器官が「これは大事な場面だ」と語りかけてくれているのです。

これは、「チャンスを台無しにするサイン」ではなく、「『今こそあなたを待ち受けるチャレンジ(仕事や問題)に立ち向かうときだ』と身体が理解しているサイン」なのです。

 

「胸がドキドキすることが、直感が高まるサインだ」と考える心理学者もいるほどです。

そうやって「高められた自己意識」は、大切な場面で最善を尽くして頑張れるよう、あなたを助けてくれるのです。

「不安によって引き起こされるこうした身体的な症状が、パフォーマンスの邪魔になる」とほとんどの人が信じていますが、実はリラックス状態よりも、いいように見えます。

例えば、ストレス反応が強い運動選手は競争力が強い。

試験前にアドレナリンが多く出る学生が、高得点を取ったりする。

どう考えても「落ち着くこと」が状況をよくしそうな場合でさえ、不安が呼び覚まされた方が、プレッシャーの中でパフォーマンスが上がる可能性があるのです。

「人質解放の際、心拍数が著しく高くなる連邦警察官は、人質を間違えて撃ってしまうといった致命的なミスをしない傾向にある」という、驚くべき研究結果もあります。

早鐘のように打っている心臓は、最もリスクの高い場面で、実はあなたの役に立ってくれているのです。

「どう捉えるか」が、すべてのカギ

不安に乱されず、逆に不安の力を利用するには、「あなたが不安をどう捉えるか」が、すべてのカギになります。

「不安に邪魔されている」と感じる人は、不安を抑えることにエネルギーを消費する傾向にあります。

不安を押さえようとする尾は、気が散るし、難しいものです。

研究では、落ち着こうとするほど緊張は増してしまうことがわかっています。

不安が障害になると信じていると、自信を失い、無力だと感じやすくなります。

逆に、最新の研究では、不安を受け入れ、さらに一歩進んで不安を積極的に受け入れられるようになれば、困難に立ち向かう助けになってくれるのです。

 

例えばある研究で、講演を目前にした人数人に対して、「ワクワクする」と自分に言い聞かせるよう、研究者がアドバイスしました。

同じように講演を目の前にした別の人には、できるだけ落ち着くようアドバイスしました。

後者は、ほとんどの人がそのままやりそうなことです。

どちらの方法も、イライラを取り除くこてゃありませんでした。

どちらのグループも「スピーチする際に、変わらず不安を感じた」と報告されました。

しかし、イライラを「ワクワクする」という”興奮”として解釈した参加者は、自信にあふれ、準備が整ったように感じたそうです。

講演を聞いた人も、落ち着こうと努力した人に比べて、彼らの方が説得力があり、能力があるように見えたと評価しました。

 

不安を感じると、短期間でエネルギッシュになるにもかかわらず、それが長期にわたると「とても疲れる」と感じる人が多いのも事実です。

この状況が続くと、「もっとストレスの少ない仕事を探さなければ」と考えかねません。

「この仕事を全うする能力が足りない」「そこに居続ける強さがない」と考えることもあります。

そして実際、慢性的な不安と戦っている人は、ストレスの多い仕事で燃え尽きてしまうと感じやすいのです。

しかしながら、たとえ疲れを不安そのもののせいにしようとしたとしても、エネルギーを消耗してしまう本当の理由は、不安を絶えずコントロールし、抑え込もうとしてもがいているからかもしれません。

そして実際、不安に対してポジティブな態度を足れば、ストレスの多い仕事で燃え尽きてしまうことを、妨げるかもしれません。

 

例えばドイツのヤーコプス大学ブレーメン校の研究者は、1年かけて中堅社員の追跡調査を行いました。

彼らの不安に対する考え方はもちろん、彼らがどれだけ仕事で不安にさらされているかといった傾向についても、報告してもらいました。

1年後、不安を「直すべき問題」と見るのではなく、むしろエネルギー源と考える中堅社員は、「仕事で燃え尽きてしまったように感じたり、イライラしたり、疲れ果てたりしにくい」ことが報告されました。

不安にたくさんさらされている人ほど、とくにこれに当てはまるようでした。

慢性的なストレスや不安で引き起ったとされる「典型的に消耗しきった状態」から守られていたのです。

「不安が消耗の原因だ」と今考えていても、「不安は活力を与えてくれるものだ」と考えることを選択すれば、燃え尽き症候群を防ぐことができます。

 

身体が発するサイン(症状)がどんなものであれ、それを消し去ろうと心を砕くのではなく、不安があなたに与えてくれるエネルギーを使って、何かを成し遂げようとすることに、もっと集中してください。

「自分の目標を達成するために、今この瞬間に、私が取れる行動や選択は何だろう」と、自問してください。

この方法は、人生で不安を感じ取ったときにいつでも、使うことができます。

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この時期は、先が見えにくいので特に不安に襲われることがたくさんあります。

そんなとき、「これはエネルギー源だ」と捉えなおすチャンスかもしれません。

人一倍不安になりやすいので、「エネルギー、エネルギー♪」と、楽しめるようになりたい!

 

今日もお疲れさまでした。

ゆっくり休んでくださいね。

では、また。

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陰口について~『スタンフォードの心理学講義 人生がうまくいくシンプルなルール』ケリー・マクゴニガル

米国の子供たちが繰り返し教えられることの1つに、

「良いことが言えないなら、何も言わないこと」

というおのがあります。

他人の悪口を言うことは「マナーが悪い」と思われるだけでなく、”小さい人間”であることを周囲に示すことだ、と。

にもかかわらず、他人を批判したいという衝動は、簡単に封じ込められないものです。

 

批判をしたくなる人が必ずしも卑小な人間と言うわけではありません。

時に批判は、親切な行為にもなります。

この違いを理解することで、悪口を言いたくなる衝動を理解し、周囲の人のうわさ話へお体操もわかるようになります。

衝動を理解するベストな方法は、常に口を閉ざそうとするのではなく、その衝動について理解することです。

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「陰口を言う」動機は、自己PR

他人の悪口を言う誘惑に、こんなにも駆り立ててしまう最も一般的な動機は、自己PRです。

ある調査では、人が陰口を言う対象は、同僚でも、ライバルでも、自分に対して力を持っている人物でも、「自分の目標に限りなく近い人物」であることがわかっています。

実際、「ライバルだと認識されている人物」が、そうした噂のターゲットになりやすいのです。

陰でライバルの陰口を言うことは、自分の自尊心を高め、ライバルと比較されるときに自分をよく見せることができる、「一番手っ取り早い方法」です。

多くの人が、自分の不安や自信のなさの処理に、ネガティブな噂話をします。

頭の中の「自己批判」を落ち着かせる、魅力的な方法です。

陰口は「他人を助けるために情報を共有したい」という願望からくる!?

しかし、すべてが優越感に浸りたいという欲求からくるわけではないのです。

時にそれは、寛大で勇気ある行動でもあるのです。

カリフォルニア大学バークレー校には、「なぜ悪口を言うのか」という研究をしている心理学者がいます。

この衝動は「向社会的行動(反社会的行動の反対で、他人に対して積極的な態度を示したり、他人を助けたりする行動)」、つまり「他人を助けるために情報を共有したい」という願望からくるとわかっています。

 

実際、誰かが悪い態度をとったとき、最も利他的な(自分より他者の利益を図るような)性格の人が、もっとも声を上げる傾向にあります。

噂話を広げることで自分の社会的評価を下げる恐れがあっても、あるいは話すことで後からそれ相応の報復を受けるかもしれなくても、彼らは話をします。

そして話し終えた時、彼らの気分はよくなるのです。

親切な行動をとったときと同じように”向社会的”な噂話は、人の気分を良くさせ、苦しい状況を「ポジティブなことができる」という感覚に変えます。

 

同僚のサボりや嘘、チームのプロジェクトに害を与える行為を目撃したとします。

これに対し、フラストレーション、怒り、疎外感を持つのは自然の反応です。

こうした感情を抱くと、「チームへのコミットメント」や「同僚とつながっている感覚」が脅かされる可能性があるからです。

研究によると、これを和らげる最も有効な方法の1つが、「自分が観たものを、関心を寄せている人(利害関係のある人)に話す」ことだとわかっています。

それにより、チームのコミットメントを取り戻し、信用している人に自分の信頼を示し、さらいは将来に起こりうる悪いことを防げるかもしれません。

ネガティブな経験を「人助けする機会」という別の意味に変えてくれるのです。

 

控えめに悪口を言うことが、人間関係を強くすることもあります。

オランダのフロートニンゲン大学の社会学者は、「同僚との間で友情がどう育まれるか」調べるために、ある企業の授業印を1年間観察。

すると、ある従業員が他の従業員の噂話を共有することで、友達になる可能性がだんだん高まることがわかりました。

噂話は「親睦を深めたい」という欲求のシグナルにもなります。

噂話をすることは「噂話をする相手を信頼している」「かれらにとってメリットになることに注意を払っている」ということを示しているのです。

 

この”噂のルール”に例外はあるでしょうか。

この調査が終了した時点で、「頻繁に無差別に噂話をする従業員」は、職場で友達がほとんどいないという結果になりました。

そうした人の「他人のネガティブな情報を共有しようとする気持ち」は、信頼と銭のシグナルとしての価値を失てしまうのです。

噂話ばかりしている人は「自尊心を高めようとしている」「他人の失敗を喜んでいる」ように見られる傾向があります。

人は”噂話の裏にある動機”を見極められる

人はどうやら”噂話の裏にある動機”を見極められることができらしい、ということが研究でもわかっています。

どうやらその動機が本当に「向社会的行動」である場合、聞き手はそのことに気づくので、その情報をシェアした人の評価が上がります。

反対に、チーム内での自分の地位を高めたくて、同僚を見下すような発言をすれば、聞き手はそれをかぎ分けることができるのです。

すると彼らは、あなたを「良き仲間」と見てkれなくなり、むしろ機密情報を話せる追うな「信頼できる相手」ではないとみなしてしまいます。

 

ネガティブな噂話を広げたいという衝動に駆られたら、自分の状況を認識する方法を編み出してみてください。

自分の能力を示そうとしていると気づいたら、パートナーのような、安心して打ち明けられる人がいないか、考えてみてください。

あるいは、自分の価値を示すもっといい別の方法がないか、考えてみてください。

関係を築きたいという願望から頻繁に噂話をするようなら、まずは別の方法を試してみてください。

噂話でなく、その人自身のことや考え、興味、経験談を話してほしいと頼んでみましょう。

それでも、「人の助けとなりうる情報を共有せざるを得ない」と感じたら、他人の悪口を言うのがよくないからと言って、黙ったままでいないようにしてください。

良くないことを話したいのであれば、正しい理由でそうしたいのか、確かめましょう。

それから、勇気と思いやりをもって話すようにしましょう。

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仕事をしない(できない?)同僚に、腹が立ったりしますよね~~。

でも、「どうすればヤツは、(ちょっとは)動くのか」「こうすれば昨年度、(ちょびっとは)成長した(ような気がする)」などの情報を集めれば、あなたのイライラも(ほんの少し)軽減されます。

去年、モチベーションが微妙な人がそばにいたのですが、今年も・・・います。

成長の遅い同僚は、「屋久島の杉」のようなものなのかもしれません・・・・。

屋久島の杉は、鬱蒼とした植生もあって、他の地域の何分の1かの成長しかないとか。

その分、巨木になるんです。

 

腹が立つけど、悪口を言っても自分がサガるだけ!

「ヤツはどうすれば動くのか?」を給湯室でお姉さまたちに聞いて、実践し、自分の後輩教育の腕前を上げてやろうじゃないの。

 

今日も1日、お疲れさまでした。

ゆっくり休んで、すてきな夢を。

では、また。 

 

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「妬みの感情」をプラスに変える方法~『スタンフォードの心理学講義 人生がうまくいくシンプルなルール』ケリー・マクゴニガル

同僚の成功や昇進の話を聞いたとき、「複雑な心境になる」という場合が多いのではないでしょうか。

周囲の誰かが成功すると、「社会的比較」のプロセスに入ること、つまり誰かと自分を比較し始めるのは、ごく自然なことです。

「自分ではなく、なぜあの人が?」と。

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妬みの感情

「あの人にあって、自分に無いものは何だろう?」

「それをまだ達成できていないなんて、自分の何が悪いんだろう?」

「自分の目標を達成するなんて、できるのだろうか?」

などと考えてしまったり。

 

「妬み」の感情はたいてい、悪い感情だと考えられています。

妬みは自尊心を傷つけ、気分を落ち込ませ、怒りにつながっていて、時には人間関係を壊してしまいます。

誰かをねたむとたいていの場合、その人を倒そうとするのが一般的な反応です。

陰口をたたいたり、「いつか失敗するはず」と妄想するのです。

 

職場で妬みの感情を抱くと、仕事への満足感を下げ、同僚との一体感を損なうこともあります。

職場で誰かをねたむと、彼らに敵意を向けてしまうだけでなく、一緒に仕事する他の仲間に対しても疎外感を抱きやすくなり、職場に貢献しにくくなります。

例えば、職場で妬みの感情を抱く人は、一緒に仕事をする仲間と「共通の目標」をシェアしたいと思わなくなり、「助けてもらいたいときに周囲が助けてくれる」という確信を持ちにくくなります。

そして同じように、自分も人を助けようとしなくなり、同僚を知ろうとしなくなるのです。

「妬みの感情」が助けになることも

妬みの感情は、ほとんどの場合有害ですが、時に助けとなることもあります。

例えば、妬みの感情を抱くと、「自分が本当にほしいもの」が明確になります。

その「欲しいもの」をエネルギッシュに追い求める誘因になることがあるからです。

職場での妬みの感情を抱くことで、もっと一生懸命働くようになることもあるし、メンター(助言・指導してくれる人)と対話するきっかけになったり。

「目標に近づくには、これまでの方法を変えるか、あるいは、これまで追ってきた目標そのものを変える必要がある」と気づかせてくれることもあります。

 

にもかかわらず、「敵意」「自己批判」「目標をあきらめる」といった、”妬みへの最も本能的な反応”が、先に挙げたような「妬みのメリット」を私たちが経験することを妨げています。

 

では、どうすれば「有害な妬みの感情」を「良い力」に変えられるでしょうか。

扱いづらいけれど興味をそそられるこの感情を上手に制御し、メリットを得るための「お気に入りの3つの方法」をご紹介します。

有害な「妬みの感情」をプラスに変える方法

①誰かに気持ちを打ち明ける

「妬みは人が最も認めたくない感情の1つである」という調査があります。

嫉妬していることがわかると、見くびられるのではないかと心配するのです。

感情が合理的に働かなくなったり、とるに足らないことにとらわれたりすることがあります。

それでもなお妬みの感情を持ち続けると、自己喪失感にとらわれたり、妬みを抱くきっかけになった人への怒りにとらわれやすくなります。

妬みについて話すときは、幸運を手にした人をけなす傾向になることもあります。

著者の場合は夫がそうした側面を打ち明けられる相手であり、幸運にもそうした話ができる「信頼できる友人」も何人かいます。

彼らは「妬みは破滅的なものになりうる」と理解し、一緒に妬みのもととなった人を非難するのではなく、ただ著者の気持ちに共感し、自分の目標に向かうよう励ましてくれるのです。

 

そうした感情をオープンにできる同僚や友人など相手がまだいないなら、「誰かほかの人が妬みや自己批判にとらわれている」状況に、共感とサポートの気持ちをもって応える機会を探してください。

これは、心理学者たちが言うところの「社会的な関係の中で、自分がしてほしいことを相手にする」ことの実例です。

自分がしてほしいことを人にしてあげることが、強い支援のネットワークを作る最も有効な方法なのです。

②妬みは「欲しいものを示すサイン」

私たちが最も気に欠けるべき妬みの感情とは

「誰かが何かを達成したり、作り上げた時に感じる妬み」であって、

「(賞をもらったり、ベストセラーのランキングに入ったり、というような)誰かが人に認められた時に感じる妬み」ではないこともわかりました。

「このイベントの講師の一人だったらいいのに」とか、

「彼女が自分の部署で築いたような温かいコミュニティーを私も持てたらいいのに」

と考えているとき、あなたの心が大切なことを語りかけています。

あなたの今の人生に足りていないものがあるのかもしれない。

でもあなたはそれを見つけ出し、作りげることもできる、と。

実際、妬みの感情のおかげで、普段ならおびえてしまうようなチャンスに挑戦する勇気が湧いてくることもあります。

著者は十数年前に、キックボクシングのインストラクターをしている友人をうらやましく思ったことが、グループフィットネスを教える資格を取る原動力になりました。

ある作家が自分の本についてラジオで話しているのを聞き、うらやましく思ったことで「私も自分が好きな心理学の本を書きたい」と決心したきっかけになったのでした。

 

この種の妬みの感情を抱いたときは、特に注意を払ってください。

同僚の昇進を妬ましく思ったら、その仕事があなたにとってなぜ魅力的なのか、自問してください。

その人が認められたこと、得られる報酬が妬ましいだけなのか、それともその仕事をするという経験を本当に求めているのか。

じっくり考えるうちに、称賛や役得以上に自分が求めるものを突き止めることができたら、あなたが何に惹かれているかわかります。

それからその目標に近づくために必要な行動を起こし、挑戦してみてください。

妬みの感情を「自分を批判する材料」にするのではなく、「行動を起こすきっかけ」として利用してみてください。

妬みを抱いた相手を、「あなたの可能性を思い出させるきっかけ」と考えるのです。

その人が成功したからと言って、あなたの欲しいものが手に入らなくなるわけではありません。

むしろそうした「強い感情」こそが、「あなたがそれ、もしくはそれに似たものを作り上げることができる」証明です。

その真実に気づけば、「自信喪失」「敵意」という”妬みの感情が持つ最も悪い効果”から解放されやすくなります。

③妬ましくても、人の成功を祝う

人は、妬ましく思う相手を避ける傾向にあります。

近くにいるだけで辛いのです。

自分の足りないところや、日ごろ感じている不平感を思い起こさせるからです。

職場で「プロジェクトでの共同作業を避ける」ことから、「廊下での何気ない会話を避ける」ことに至るまで、様々な形をとります。

 

こんな風に相手を避けるのは、大きな間違いです。

あなたが妬ましく思う相手は、あなたの敵ではないのです。

彼らは「潜在的な盟友」であり、良きメンターにもなりえるのです。

今、直接競争している人も、極端な話、密に働く必要にかられる同僚になるかもしれません。

今、その人との関係を強めておけば、彼らの成功はあなたに”伝染”する可能性があるのです。

 

同僚をはじめ、あらゆる人と強いきずなを築く最善の方法は、ほかのひとの成功や幸運を心から祝福することです。

これは真の「マインドセット(心の持ち方・考え方)」の転換が必要です。

”中途半端な祝福”は、ニセモノだとはっきりわかってしまいます。

このことはまた、同僚のせいこうにある「もっとも大きな状況」に思いを巡らす助けになるかもしれません。

簡単に成功をつかんだようで、その人の生活はもっと複雑なはずです。

目標達成のためにどれだけその人が奮闘努力したか、容易に想像できるはずです。

人間関係や健康、あるいは他の目標などたくさんの犠牲を払ってきたかもしれません。

そしてその人も何かに貢献し、努力を認めてもらいたいと、切に願っているかもしれません。

 

そう考えれば、「この幸運が自分のものだったらいいのに」と心のどこかで覆っていても、相手と本当に幸福を分かち合うことはできます。

こうしたマインドセットの転換は、本来有害である「妬みという毒」を本当に消してくれます。

「成功に値しない人が成功した」と思ったり、「その人が幸運を手にしたことで、自分が幸運を手にする見込みが無くなってしまった」と思ったりしたときだけ、妬みの感情があなたの幸福を本当に破壊してしまう力を持つのです。

しかし一方で、「妬みの感情」に耳を傾け、他人の成功を喜ぶ能力を養うことで、あなた自身の「幸福への道」が実際に拓かれるのです。

 

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妬みという感情をただ無視して、抑え込ん得しまうのではなく、それを「自分の成長したがっているサイン」と捉えること。

その相手が、将来の盟友やメンターになるのだと、思うこと。

恥ずかしながら、妬みの感情にとらわれてしまう自分に、言い聞かせていきます。

 

私事ながら、3月から「引き寄せの法則」の「ビジュアライゼーション」を使うことで、身体を2キロほど絞ることができました。

6月末には、ちょっとしたマラソン大会に出るので、それを目標にしています。

ビジュアライゼーションは、毎日続けてうまくビジュアライゼーションする訓練をしていくことで、だんだん上手になるのは、間違いないようです。

 

understandlove.hatenablog.com

 今日は、少しは休めましたか?

ゆっくり休んで素敵な夢を。

では、また。

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「自信がない」と悩む人へ~『スタンフォードの心理学講義 人生がうまくいくシンプルなルール』ケリー・マクゴニガル

自信がないときは、「あるかのように振舞う」という手段で乗り越える、という方法もあります。

しかし著者は「自信」について、それとは別の方法として心理学者たちが「自己効力感」と呼ぶものと考えています。

一番大切なことは、思いあがった自信ではなく、「直面する試練は、ハードワークや周囲からの助けなど、自分が持っているものすべてを使って乗り越えられる」という信念を育てることではないでしょうか。

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「自己効力感」の育て方

自分が持っている忍耐力やユーモア、創造性、あなたの長所を使ってもなお、成功は保証されてはいません。

強い自己効力感を持つ人たちは多くの場合、「謙遜」と「自信」をバランスよく持ち合わせています。

そうした人たちは、「本当の自信と言うのは、時間をかけて、経験を通して得られる知識や成長によってのみ得られる」ことを知っています。

逆説的に言えば、この種の謙遜は自分には絶対的な自信があると強がるよりも、人の信頼を勝ち取りやすいと言えます。

こうした人たちは、自分の今の能力について盲目的な自信を持つ傾向が少なく、むしろ、自己改善のプロセスを信じる傾向にあります。

過去の経験から、どうやったら効果的に学び、人間関係を築くことができるかを知っています。

でも、「成功できるとただ単純に信じる」だけでは十分だとは、思っていないのです。

 

著者も新たな取り組みに着手するたび、自信のなさを感じることを予想しています。

もし感じなかったら、不安になるかもしれません。

結局のところ、自分が関心を持っていることはすべて、修練やフィードバック、学び続けること、やったことに対する正直な反省・内省を通して得られることを、著者は知っています。

著者が最も必要としている自信とは、「自分はいまだ不完全ではあるけれど、『自己改善できる』と信頼する」ことです。

周囲のアドバイスや批判を十分に受け入れるほど、その人たちを信頼することです。

 

この種の自信を身に着ける最善の方法は、自分自身の成長のプロセスを振り返ることです。

あなた自身が今までの人生で、時に挫折しながらも継続的に努力し、仕事やスキルを向上させてきたことを理解できていますか?

あなたが頑張って仕事や個人的な人間関係を時間をかけて深めてきたこと、本当に強い関係を築くためにはある種の衝突も必要であったことを、認めることができていますか?

 

この種の自信が最も重要だと、著者は思っています。

しかしそれでも、「仕事の場でもっと自信が持てるようになりたい」と言うときに人が考えるのは、こうした自信ではありません。

ある人は、周囲の人に感動を与えるために能力を向上させたいと思っています。

能力が高く、知識が豊富で、説得力があるように見せる方法を知りたかったりしますしそれが成功のチャンスを最大化する方法だと思っています。

周囲に感動を与えることよりも、自分自身を納得させることに関心がある人もいます。

心配事をできるだけ少なくし、新たなチャレンジを受け入れるために感動を得たいと思っていたり。

 

どちらであれ、これから紹介する”戦略”は、あなたを「有能で信頼できる」と周囲の人に思わせるのに役立つばかりでなく、あなた自身がもっと勇気を持てるようになるでしょう。

3つのルール

①自信のなさ、不安はベストを尽くせる人間であるサインと受け止める

自信のなさや不安は、自分自身を気にかけ、ベストを尽くせる人間として信頼できるサインとして受け止めましょう。

自信のなさや不安を、「準備不足や覚悟ができていないことのサイン」としてとらえないこと。

「自信とは心配のないことだ」と、多くの人が思い込んでいますが、必ずしもそうとは限りません。

経験豊富なリーダーは、「心配する傾向があることは、見識や覚悟が増すのに大いに役立つ」と知っています。

ことを成すときに、この側面を取り除くことはできません。

「イライラ」や「自信のなさ」は、大事な会議の場でもつきまとうこともあります。

「イライラしたり自信が無かったりするのは普通のことで、成功の助けにもなるのだ」と受け入れるとき、周囲がその人を「自信に満ちて有能だ」と思うことが、研究でも明らかになっています。

不安を周囲に伝える必要はありませんが、どんな考えや感情がわいても、受け入れることです。

そのうえで、発信したいメッセージや仕事、その場にいる人に注意を向けましょう。

②大切な会議・話し合いの前に、その会議・話し合いがなぜ重要か数分考える

この戦略をとることで、自信を持つことに慣れていない人が、「他の人を感動させ、説得するにはどうしたらいいだろう」と考えずに済みます。

周囲をどう感動・説得させるか考えることは、ほとんどエネルギーの無駄で、好印象を与える妨げになります。

自信があるよう見せかけようとするほど、不誠実、無関心と言う印象を与えてしまうことが、研究でもわかっています。

身のこなしを完璧にしようとすることに気を取られ、気が散ってしまうのです。

第2に、自分が売っているもの、説明したいこと、取り組んでいることが何であれ、心からの熱意が伝えられるようになります。

印象を与えるのに有効なのは、熱意が一番だと、研究でもわかっています。

「見掛け倒しの熱意」は、「偽りの自信」同様、うまくいきません。

③心を開き、周囲の人の言うことに関心を持つ

人は、「周囲の人にどう注意を払い、周囲の人にどう応えるか」を見て、あなたの「自信」を見極めようとすることがあります。

不安でどうにもならなくなっている人は、アイコンタクトを避ける傾向にあります。

台本を読んでいるかのように早口で話すこともあります。

質問をしたら、考えるために真をとることはせず、断定的に答えて先に進もうとします。

起こることはすべて攻撃ととらえ、自分自身や自分の立場、製品を守ろうとします。

 

それとは対照的に、本当に自信を持っている人は、もっと「受容力」があります。

他の人の言うことや聞くことが何であれ、それは「その人を教育したり、その人とつながったり、自分自身が学ぶチャンスだ」と信じているのです。

そういう人は、聞き上手でもあります。

 

周りの人に気を配れれば配れるほど、その人たちが何を信じ、何を欲しているかをよく知ることができるようになります。

それを知ることによって、これまで以上に”効果的に”対応できるようになる。

つまり、薄っぺらな「自信」の力を使って自分のメッセージを売り込もうとするよりも、自分の能力や信頼度についてもっと「強い印象」を作り出せるようになるのです。

 

この3つの秘訣に共通するのは、自信があるかのように見せるために自分の行動をコントロールしたり、自分に言い聞かせたりするのではなく、「もっと深いレベルの自己信頼を呼び起こす『マインドセット(心の持ち方・考え方)を選ぶ」ということです。

相手が1人のクライアントでも、部屋いっぱいの同僚でも、あなたと相手の間に本物のつながりがあれば、現実の「自信の表れ」は、後からついてくるのです。

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確かに、「何とかその場を『自信満々に見えるように』取り繕おう」と思ったときは、全くうまくいかないものですよね。

その会議の重要性を数分考え直し、緊張しちゃっている自分は「やり遂げられる人間であるサイン」と捉え、周りの人に関心を持ちながらやってみることですね。

 

関東では、春の風に桜が舞い散っています。

強い春風に背中を押されている気分で、新しいことにも新しい環境にも、チャレンジしたいですね。

 

明日は、日曜日。

日曜日でも頑張ってしまっているかもしれませんが、季節の変わり目は疲れやすいので、努力しているあなたのために、休む時間もとってくださいね。

今夜もすてきな夢が見られますように。

では、また。

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マイナスの感情・状況に、どう対処するか~『スタンフォードの心理学講義 人生がうまくいくシンプルなルール』ケリー・マクゴニガル

学生が教師を評価する「学生評価」で初めて、著者がすべての項目で「良くない」と評価された時のことを、今でも覚えているそうです。

「時間厳守」から「授業の構成」「分かりやすさ」「学生に対する配慮」に至るまで、すべての項目で、最低の評価を下した学生もいました。

「いつも時間通りに授業を始め、時間通りに終わらせているのに!」

と、その評価に困惑し、傷つきました。

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著者が初めに感じたのは「恥ずかしさ」でした。

教えることを大切に思っていた自分を恥ずかしく思い、その学期中頑張ってきたことや、「もしかしたら自分は教職に向いているのでは」とかんっが得ていたことが馬鹿らしく思え、すべての評価シートを資源ごみ用のごみ箱に捨てました。

その中には、思いやりに溢れた言葉と高いスコアがつけられた「良い評価」も含まれていたのですが、「それを取っておくことに何の意味があるの?」という気持ちでした。

その時重要に思えた真実。

「嫌気がさした」ことで、すべてに汚点がついてしまったように感じたのです。

その苦しい最中、教えることについて考えたくなかったし、(教えることについて)以前ほど気に欠けたくもなかったので、評価シートを投げ出したのです。

 

著者がその「悪い評価」を受けたのは十数年前ですが、まるで昨日のように覚えています。

「悪いフィードバック(評価)」を受けることは、教師や物書きであることの本の一面にすぎないと知った今でも、厳しい評価や批判的なレビューを受けると、やはり傷つきます。

 

「1つの批判を打ち消すためには、20の称賛が必要だ」と言われています。

悪い評価を忘れるのは、難しいものです。

それ(悪い評価)についてあれこれ思いを巡らし、苦しめられて、そのことに感情を支配されてしまいます。

こうした”ネガティブになりやすい傾向”は、人の心に組み込まれているようで、批判だけでなく、失敗についても同じことが言えます。

 

私たちが成長し、直すべき部分に注意を向けさせてくれる、という意味ではこのネガティブな感情は役立ちます。

しかし、しばしばこのネガティブな傾向が、「失敗反応」と言われる精神状態を引き起こしてしまうのです。

「失敗反応」は、精神面・身体面に悪影響を及ぼす

失敗反応は、失敗や拒絶の感情を感じることで始まる「悪循環」です。

そうした感情が、「このネガティブな経験は『自分が何者なのか、何ができるのか』について、大切なことを示唆している」と、信じ込ませてしまうのです。

「そんなことをしてどうなるの?」「やってみる価値なんて、ある?」と考えている自分に気づくかもしれません。

失敗反応は精神面だけでなく、身体面にも影響を及ぼします。

食欲が減退したり、意気消沈したり、お酒におぼれるといった自暴自棄の行動に走りたい欲求に駆り立てられたりします。

苦しんでいるときに、「自分は一人きりだ」と孤独感を覚えやすくなったりもします。

例えば、「ほとんどの人は自分より幸せで、楽な人生を生きている」と思っている自分に気づくかもしれません。

 

失敗反応は主に、「目標や役割をあなたから取り上げ、失敗や拒絶を経験したときの人間関係からあなたを遠ざけようする」といった影響があります。

失敗反応にはまってしまうと、モチベーションや希望、他人とかかわろうとする意欲をなくします。

「状況を改善させることができる行動」を想像できなくなってしまい、あきらめてしまったり、閉じこもりやすくなるのです。

 

ここで朗報があります。

好循環を取り戻すのは、可能なのです。

まずは、なぜそれが大切なのか、思い出してください。

何かを深く気にしているときに批判や失敗を経験すると、失敗反応の状態に陥りやすくなります。

気にしていないことなら、それほど強い反応は引き起こされないものです。

そして気にしているからこそ、長い目で見ると、実際に成功し、成長しやすくなるのです。

前に進み続ける方法さえ見つけられればいいのです。

 

悪循環にはまったときにまず沸き起こる感情の1つが、「気にしたくない」という欲求です。

気にするのはつらいから、「大したことではない」と、自分に言い聞かせてしまいがち。

すると、そのことに対してエネルギーを費やし、その結果、目標から離れ、大切な人からも距離を置こうとします。

これが失敗反応の最も有害な一面となります。

ここで大切なことは、そのことを気にかけている、大切に思っている理由を「隠そうとしたり、抑え込もうとしたりする」のではなく、その理由を「思い出す」ことです。

そうすることが最初、苦しくても、です。

著者個人は、学生からネガティブな評価を受けた時や、著書に対する批判的レビューを受けた時の”特効薬”は、

「自分がどれほど学生たちの目標達成の手助けをしたいと思っているか」

「読者を励ましたいと思っているか」

「心理科学の見識をもっと広めたいと思っているか」

「もがいている人を何とかして励まし、情報を提供したいと思っているか」

を、考えることです。

こうして考え方を変えると、恥や自信喪失といった感情から自分の注意をそらし、最もポジ的ブナモチベーションに自分の注意をリコネクト(再接続)することに役立ちます。

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ワタシも批判を受けて、自分の目標を見失っていたことがありました。

失敗したこと、批判されたことを直視できなくて、自分のやりたかったことからも目をそらすようになっていました。

でも、目をそらしても、辛いことにはちっとも変わりありません。

 

たとえつらくても、自分がなぜそこにこだわりを持っていたのか、そこに向き合うこと。

やっていきたいと思います。

 

今週もお疲れさまでした。

ゆっくり休んでくださいね。

すてきな、夢を。

では、また。

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「目標を現実にする」モチベーションを育む~『スタンフォードの心理学講義 人生がうまくいくシンプルなルール』ケリー・マクゴニガル

「変わりたいと望むこと」と、「変わる意志」は、同じではありません。

これは、著者が意志力についてのワークショップを著者が始めるとき、とても大切なアイディアとして説明していることです。

自己改革の目標を達成したいために、変わりたいと望むことは必要です。

しかし、そこには”正しい”種類の「望み・欲求」が必要です。

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ときに疲れて「あきらめてしまう方が簡単だ・・・」とあなたがどこかで決めてしまいそうになった時に、屈せずにやり抜く力を与えてくれるような「望み・欲求」が必要なのです。

 

「目標を達成する人がいる一方で、あきらめてしまう人がいるのは、なぜか?」を解明しようと、心理学者たちは長い時間を費やしてきました。

中には、「変わりたいというモチベーションについて聞く」という手法をとった研究者もいます。

すると、「あなたはなぜ変わりたいのですか?」と聞いたときに、彼らからかえってくる答えが重要であることがわかってきました。

 

「定期的に運動する」という目標を例にとってみましょう。

この目標は、著者の意志力ワークショップに参加する学生が持つ最も一般的な目標かもしれません。

「もっと運動する」と思う理由はたくさんあります。

次にあげる理由について考えてみましょう。

 

①会社のフィットネスセンターを定期的に使えば、会社から特別手当や奨励金がもらえるから(米国の企業の多くが、この手法を試みています)。

②体形に自信がなく、自尊心を高めるために体重を減らしたいから。

③外見が重要であると知っていて、もっと運動することで、周囲の人に認められ、称賛を得たいから。

④健康を重視していて、運動すればもっと健康になれると思うから。

⑤アスリートやフィットネス愛好家にあこがれていて、自分もそうなりたいと思うから。ハードトレーニングを積んで、肉体的能力を伸ばしたいと願うから。

⑥かつてスポーツ(あるいはダンスやヨガ)が大好きだったことを思い出して、あの喜びをもう一度味わいたいと思っているから。

 

どれもそれぞれ、異なるモチベーションです。

変わるための理由として、最も強力なのは、どれでしょう?

言い換えるなら、「もっと定期的に運動する」という目標をやり通すのに一番役立ちそうなのは、どのモチベーションだと思いますか?

逆に、一番弱いのは、どれだと思いますか?

「自発的なモチベーション」から出た欲求は、願った目標が実現しやすい

この質問に対する答えは、すでに出ています。

④⑤⑥の理由の方が、①②③の理由より、「定期的に運動する」という結果になりやすいことが、研究で分かっているのです。

④⑤⑥が、心理学者が「自発的モチベーション」と呼んでいる事例です。

 

この種のモチベーションは、劣等感を感じないようにしたり、周囲から認められたいというような「外(部)からの報酬」を求めません。

それどころか、変わりたいという深い欲求の表れなのです。

自分にとって何が大事なのか、どんな人間になりたいのか、目標に向かって前進させてくれるものは何かを、反映しているもの(モチベーション)なのです。

 

こうした理由のために目標を設定したとき、目標から離れることなく、成功しやすくなります。

運動に限らず、成績を上げたい、過度な飲酒などの悪習慣を断ちたい、将来のためにお金を溜めたいなど、どんな目標についてお同じです。

 

なぜもっと定期的に運動したいのか、学生が離してくれる時、最も一般的に上げられる理由が②と③です。

実際「恥ずかしい思いをしたくない」「称賛されたい」「認められたい」という欲求は、参加者が著者に話してくれる理由であり、最も共通するやる気、原動力となっています。

著者が学生に最初に言うことの1つが、「変化を望む理由を探ること」「その変化を助けてくれるモチベーションを見つけること」なのは、このためです。

読者に対しても、一緒に自分が持っている目標について、このプロセスを試すことを著者は勧めています。

 

あなたの目標について考えてみてください。

あなたがどれだけ変わりたい、改善したい、成長したいと思っているか。

そして、あなた自身に問いかけてみてください。

「なぜ、この変化を望んでいるのか」「なぜこの目標を達成したいのか」、と。

心に浮かんだ最初の理由を書き出し、それがどんな種類のモチベーションか、特定してみてください。

「なぜ変わりたい」のか考えるポイント

・称賛やお金、昇進のような「外(部)からの報酬」を求めていますか?

・「恥をかきたくない」という思いが、第一にありますか?

・他者の承認を得ることを望んでいますか?

・そのモチベーションは、健康や幸福感、仕事への満足感を高めたいといった、長い目で見て「生活の質を向上させるもの」ですか?

・そのモチベーションは、あなたが高めたいと思っている「積極的・肯定的な自己認識や性質」と関係がありますか?その変化は、「表面的ではなく、心の底からなりたい人物像」を反映していますか?

・その変化は、あなたの幸せにすぐ影響しますか?例えばそのモチベーションは、楽しむことができたり、自然に興味を持てるようなものですか?大切な人やコミュニティーと時間を過ごすことができるものですか?

 

変わりたいと一番強く思っているモチベーションが、後者の3つのどれかに当てはまるなら、変われる可能性が高いのです。

あなたの最初の回答が何であれ、変化を可能にするモチベーションを育むことができます。

 

最後(後者)の3つの質問についても考えてみてください。

あなたの望む変化は、

①生活の質を改善しますか?

②「なりたい人物像」を反映していますか?

③本質的にやりがいのあるもの、楽しいと思えるものですか?

 

本当に起こす価値のある変化なら、上に挙げたモチベーションの中の少なくとも1つは、思い当たることがあるハズです。

理想的には、2つ見つけることができるといいですし、変わりたいこと(変化)と3つのモチベーションすべてを結び付けられることもあります。

 

スタンフォード大学の意志力講座に参加した学生の例です。

他の多くの学生と同じく、彼女の目標は「もっと頻繁に運動すること」でした。

質問に対する彼女の最初の答えは、自分の体形を恥ずかしく思い、ここまで体重を増やした自分への失望に関することでした。

このモチベーションだけでは、目標を達成する手助けになりにくいことが、著者にわかっていました。

彼女は「変わりたい」と強く望んでいたかもしれませんが、運動に全力を傾けるには、それでは不十分です。

そこで彼女は、他のモチベーションについて考えてみました。

すると、「変わりたい」というもっとポジティブな理由があることに気づいたのです。

 

例えば彼女は本当に健康について気にかけていました。

それまでは運動を「外見をよくする方法」と思っていましたが、そう考えることで、「すべてのトレーニングは、セルフケアのための行為で、将来の健康・幸福への投資である」ことを十分い理解できなくなっていたのです。

彼女は、フィットネスでグループレッスンを受けるのがどんなに楽しいことか、思い出しました。

ともにダンスを楽しむ人たちのコミュニティーに所属することや、定期的にクラスに出席するときにサポートを受けること。

それがとても好きだったことを、思い出したのです。

 

最終的に、「運動しているときの自分」が好きだということに、彼女は気づきました。やせるからではなく、自分がダンサーになったように思えたから、運動が好きだったのです。

「家族の良きロールモデルになる」自分んを考えることも、好きでした。

 

彼女は目標を達成しました。

実は今、著者のグループフィットネスのクラスに通っています。

彼女がもっと前向きなモチベーションに気づいたため、彼女が運動を通して得るメリットは、大きくなりました。

前よりもっと運動を楽しみ、「自分が運動のために時間を作った」という満足感を十分に味わっています。

気力や活力、身体的健康がうまくいくことことにも気づきました。

もし、最初の欲求だけに意識を向けていたら、「自己決定したモチベーション」につながることで生まれる力を、見逃していたかもしれません。

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今日も一日、お疲れさまでした。

ゆっくり休んでよい夢を。

では、また。

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新年の目標設定をする前にする「5つのこと」~『スタンフォードの心理学講義 人生がうまくいくシンプルなルール』ケリー・マクゴニガル

新年度の抱負を考えるとき、ちょっと邪魔になる微妙な焦燥感・・「本当にコレ叶うかな?」なんて思い・・を減らす方法があります。

新年の目標を設定したり、去りゆく前年を祝う準備をするとき、著者が好んでやっている、いくつかの”儀式”。

 

実際、こうした儀式は、意義があり、すぐに実行可能で、希望にあふれたより良い目標設定をする助けになります。

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目標を立てる前にする「5つのこと」

①思い通りにいかなかった難しい出来事も含めて、「前の年に起きた一番好きなも思い出や功績」をリストアップ

研究によると、「自分の強みを思い起こすことで、将来の忍耐力と意志の力が強められ、過去を振り返ることで将来の幸せが増す」ことがわかっています。

将来の目標について考えるとき、私たちは「過去の自分にどれだけ至らなかったか」という点にフォーカスしてしまいがちです。

自分に自信を持ちましょう。

自分い対して寛容の精神をもって、ミスからの人生を素直に見つめると、自分がどれだけたくさんのことをやり遂げたか、わかるはずです。

自分の進歩を確認すると、信念に向かってやる気も沸いてきます。

著者の今年の目標の一つは、次の著書を書き終えることったのですが、今すでに完成しています。

1年前、この目標を前に自分がどれだけおびえていたかを思い出すだけで、自分(来年)に取り組むべきことについて、楽観的になれるのです。

②「人生で感謝していることのリスト」を作る

新年は確かに、「人生で変えたいこと」について考える絶好の機会です。

しかし、目標を考えるための”よりよいマインドセット”であるためには、まずあなたが感謝していることのすべてについて、よく考えてみてください。

実際、「感謝していることリスト」をまず作ってみると、それが新年の願い事リストになっていることに驚くことでしょう。

自分にとって一番大事なことが明確になり、将来どうありたいのかが、はっきり見えてきます。

③今年のハイライト(重要な出来事)を想像する

今年の「楽しみにしていること」を5つ、リストアップしてみてください。

リストには、夢に近いけれど実現させたいと思っていることはもちろん、日々の楽しみや予想できる行事と言った「小さなこと」も含めるとよいでしょう。

「精神的な健康を最もよく予見するものの1つは、未来の楽しみを期待し、味わい楽しむ能力である」ということが、研究で明らかになっています。

著者自身はというと、ビジネススクールでコミュニケーションの新しいクラスで教壇に立つこと。

これは、創造的で楽しいチャレンジです。

 

同じように友人のためのベビーシャワー(出産のお祝い)を計画するのを手伝うことも楽しみにしています。

そして、来年また日本を訪れたいとも考えています。

④再来年(次の新年)の新年の日付で、「未来の自分」から「今の自分」あてに手紙を書く

「来年(新年)の『一番大事な目標』を達成した」という立場から、その年を振り返っているところを想像してください。手紙の中で、目標を達成するにあたり必要なことをすべて行った「その時の自分」に対して、具体的な感謝を述べてください。

あるいは、もっと賢くなった「再来年の自分」から「その時の自分」へ、思いやり溢れるアドバイスをしてあげてください。

ある研究によると、こうした形で「将来の自分」とつながることは、困難な変化を可能にし、目標達成を成功させる助けになることがわかっています。

⑤新年の目標に、他の人へのコミットメント(関わり)を含める

新年の抱負は、自分についてのことでなければならない、と誰が決めたのでしょう。

コミュニティー活動をはじめたとしたさまざまな活動、大切に思っている事柄・・・そういったものにコミットして(関わって)、自分よりも大きなもののために何らかの責任を果たすことを受け入れてください。

それは、応援したいと考えているグループへの、金銭的支援かもしれません。

あるいは、重要な人間関係のためにもっと時間を割こうと誓ったり、「自分より大きな何かの一部である」と感じられる活動に参加することかもしれません。

 

著者の今年の目標の1つは、ボランティアをしたり、別の形で動物救護団体の活動をサポートすることで、かかわっていきたいと思っています。

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目標を立てた時、そこはかとなく不安になったりすることがあります。

でも、1年たってみれば結構できていたりするんですよね。

それでも完成するまでは焦燥感を感じて、達成するまでの過程を楽しめていない。

これはもったいないかもしれません。

周りに感謝したり、「未来の自分からの手紙」を書いてみて、余計な肩の力を抜いて、楽しく目標に向かっていけたらいいな、と思っています。

 

今日も1日お疲れさまでした!

やっと週も半分まで来ましたね。

ゆっくり休んでよい夢を。

では、また。

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