視聴者にわかりやすく伝えようという気持ちを感じるから、いつも安心感をもって見ていられる池上彰さん。この人、どうしてこんなに伝え方が上手いのでしょうか?
こんばんは、ラブです。
いつどんな番組を見ても、この人の説明のうまさには舌を巻きます。
他の政治評論家もコメンテーターも、絶対に太刀打ちできない。
著書『伝える力』にもありましたが、こちらの方が数段わかりやすい気がします!!
図書館で見つけて即日読破。
カフェの窓際の席であまりに夢中になって読んでいたせいか、ウインドー越しに表紙を何度か覗きこまれてしまいました。
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テレビはプレゼンのヒント~テレビはプレゼン勉強材料の宝庫
資料は、話の全体像を把握できるようにする
俯瞰することを池上さんは大事にしています。
企画会議でも、資料は片側印刷でホチキスで止めずに全体を見せることを推奨するほど。
テレビ出演でも自分で資料を広げて、台本をめくるしぐさを見せないようにするとか。
池上さんの番組全体の掌握と進行のうまさは、ここにもあるのかも。
予習の程度がプレゼンの出来を左右する
「ザ・ベストハウス123」のタレントによるプレゼン。
ごく基本的だけれど、「予習しているか」って見ていてわかりますよね。
「えーっと」と下を向いて台本を読むタレントもいますが、必ず追い打ちの質問にしどろもどろに。
反対に、事前に勉強してきているタレントの好感度はぐっと上がります。
自分なりに素朴な疑問をもって調べておくことって大事ですね。
キーワードの活用
「話をうまく一般論化して、いいキーワードを思いつけるか」がもう一つのうまいプレゼンのポイントです。
ある回で最優秀プレゼンターになった、俳優の飯沼誠司さん。
台本をしっかり頭に入れて、みんなの顔を見ながら、「これはこういうことですよね」と説明。
飯沼さんのプレゼンしたVTRは、こういうもの。
「旅客機の操舵装置が故障して緊急着陸。
乗客は生き延びようと助け合った。
不時着後も、助け合いながら逃げることができて、犠牲者が少なくて済んだ・・」
このプレゼンで飯沼さんは、
「このような人々の助け合いのことをヒューマン・チェーンと言うんです」
と言ったのです。
「感動的でしたね」では、ありきたり。
「ここから言えることがありまして」と一般論に持っていくことが必要なのです。
このようなキーワードは、まったく新しい言葉より聞いたら意味が分かるくらいの、親しみの持てる言葉の方が良いそうです。
話のキモ(中心テーマ)を見つけよう~伝える中心テーマに気づけば、成功したも同然
「自分は何を知らないか」を知ろう
「わかりやすく伝える」ための二つの柱のうちの一つが「自分は何をわからないのかを知る」こと。
伝える時に、強調する部分や時間が無ければカットする部分まで考え抜いてこそ、準備と言えます。
「自分の説明では不十分ではないか」という謙虚な恐れを持たなければ、相手の理解は得られないのだそうです。
そのためのひとつの方法としては、事前に誰かにその内容を話すことだそう。
頭の中が整理されます。
人に話すとあいまいさや知らないことに気づきます。
謙虚な人ほど、わかりやすい伝え方ができる条件を備えている、という筆者の言葉がありました。
フロー情報とストック情報
「わかりやすく伝える」ためのもう一つの柱が、「フロー情報とストック情報を使い分ける」こと。
フロー情報とは、テレビのニュースやバラエティー番組、新聞で日々新たに伝えられてすぐ消えていくもの。
ストック情報とは、本、辞典などの形で保存されているもの。
毎日の生活はフロー情報に溢れていますが、「わかりやすく伝える」ことができるようになりたいなら、ただ情報を追いかけるのではなく、「この情報について、自分が理解できない点」を常に見つけるようにするのです。
ちょっとしたときに、自問自答し、調べ、ストック情報で勉強すること。
そうすることで、「わかりやすい説明」ができるようになるそうです。
話のキモ「そもそもなぜ~なのか?」という疑問
人に話を面白く聞いてもらうには、自分なりの話のキモになる部分が大事だと言います。
ある話をするときには、
1 正確に何が起きたかを伝える説明
2 何がキモで面白いのか、ということを伝える説明
の2つがあります。
ニュースでは1に偏りがちで、その結果「ニュースってわかりにくいよね」という印象になりがちです。
「そもそも、なぜそれが起きたのか」が述べられて初めて人は腑に落ちるもの。
興味を持って聞いてもらうには必要です。
他の社会系番組では、さりげなく飛ばされている部分が、池上さんの番組では丁寧に説明されていることが多いと思います。
だから、池上さんの番組は面白かったんだな、と腑に落ちました。
新聞の読み方、使い方
新聞は4誌に目を通す
朝は、朝日・毎日・読売・日経を30分足らずで、パラパラと見出しを見ていって全体のイメージをつかむそうです。
夜には子供向けニュース用の子ども新聞も足して8誌をじっくり読んで、スクラップしてストックいるそうです。
「天声人語」などのコラムでは、文章力を磨くために精読するそう。
雑誌は拾い読みしてページを切る
勉強材料として数多くの経済週刊誌を購読している池上さん。
感心した記事は切り、同じ項目なら新聞記事のスクラップと一緒にファイリングしているそう。
聞き上手は伝え上手になれる
田原総一郎さんは「準備したら捨てる」
「朝まで生テレビ!」の準備に際しては、事前にホテルの一室にこもって、効くべきことや展開の可能性を書き出し、ストーリーにしてシュミレーション。
それだけをして、スタジオに筋書きは持ち込まないそうです。
しっかり内容は頭に入れておきながら、無理矢理筋書きに持ち込まないためです。
これなら、本番での連続するハプニングにも強い。
真似したい技です。
「いい質問ですねぇ」は「いい反応」を引き出す
ポイントをついた質問に池上さんがすかさず入れる言葉です。
これを言うと出演者たちは、褒められたくて、話の本質、質問すべきポイントについて考えてくれる。
スタジオの雰囲気が確実に変わるそうです。
「相手を認める」聞き方
「へええー」と感心しながら聞いてくれると、話している人は認めてもらえたと感じるはず。
さらにしゃべろうという気になりますよね。
さらに笑ってくれたり、深く「なーるほど」と言われたりすることで、自信がついてさらに話しやすく。
それに必要なことは、大げさなテクニックや言葉遣いではありません。
「ああ、なるほどねぇ」という、心からの反応と、シンプルな相槌だけでいいのです。
質問してくれた相手を大事にする
「週刊こどもニュース」で子どもたちの質問に対応した経験してきた池上さん。
「相手が何を聞こうとしているのかな」と一生懸命考えることが大事であることを述べています。
池上さんもかつて「池上さんに文科省のことを聞くと、そんなことも知らないのかという態度を取られるので怖い」と民放の若い女性記者に言われた苦い経験があります。
「この人は何でも聞いてくれる」というメッセージを送ることが大事。
相手が聞いてくれたら、
「あ、そういうことがわからないんだな。その点私は気づかなかったな。そういうことを私に知らせてくれてありがとう」
という気持ちをいつも持っていると、相手の質問をちゃんと受け止めることができるそうです。
「伝えることは、情報の呼び水になる」とも池上さんは言っています。
まさにテレビはブログの世界と同じ。
伝える相手への思いやりを持つことが、池上彰さんの番組の面白さにつながっているのかもしれません。
寒い日が続いていますね。
暖かくして、お過ごしください。
今夜も面白そうな本をみつけたので、冬の夜を楽しみたいと思います♪
では、また。