記憶力を回復したい!と脳トレをやってみても、退屈で効果がよく見えない、なんてことはありませんか?
それよりも、映画を観たりリラックスできたりした時の方が、記憶力が上がっていた経験がワタシにもあります。
こんばんは、ラブです。
脳は8つの種類に分けられ、それらの連携が進めば、脳の機能は強化されます。
40代まで脳機能の強化は可能ですが、さまざまな情報を吸収して経験を積むことが、成長をより促すようです。
医学部を出て、長年脳の研究に携わってきた著者は、脳を8つの系統と120の番地に分けています。
「どうせ何をやっても記憶力が伸びないから」
とコンプレックスを持ちやすいワタシですが、日常生活からできる総合的な脳のトレーニングを紹介しているので、ちょっとやってみようと思いました。
脳番地は8つの種類
120の脳番地を機能別にくくると、8つの系統にわかれます。
思考系、感情系、伝達系、理解系、運動系、聴覚系、視覚系、記憶系です。
いずれも左脳、右脳にまたがり、他の脳番地に最も影響を与えるのが、思考系脳番地と感情系脳番地です。
感情系は脳の前頭葉に位置し、かつ海馬を含めた記憶系脳番地のすぐ前にあることから、その人の人柄を決定づける役割を持っています。
前頭葉は目的や意思に基づいて指示を出す部分なので、勘定系脳番地をうまく使いこなせば、深く考えたり、自分にとって必要ないと判断した情報をシャットアウトすることができます。
一方海馬は人間の記憶に深くかかわっているため、「映画を観て深く感動した」「失礼な態度に強い怒りを感じた」など、感情を大きく揺さぶられた出来事ほど記憶に残るのはそのためです。
感情系脳番地は思考系脳番地をもコントロールし、考えようとする行動を抑制するほどの影響力があることから、非常に繊細な脳番地だと言えます。
思考系・伝達系・運動系の脳番地は、それぞれ前頭葉の周辺に集めっており、「
~したい」という自発的な考えや行動を流す脳番地です。
一方脳全体でも比較的広報に位置する理解系・聴覚系・視覚系・記憶系の脳番地は、いずれも自発的な考えや行動を起こすための情報をインプットする脳番地。
この4つの脳番地を通して入ってきた情報は、考えたり理解したり、記憶することの「材料」になることから、他の脳番地と比べると受け身的な傾向があります。
これらの脳番地をいかに使いこなすかによって、自発的な人間になるか、それとも受け身的な人間になるかが決まるのです。
脳番地を刺激する3つのポイント
ポイント①日常の習慣を見直す
一日のうちで仕事に必要な脳番地を使うのが許されているのは、8~10時間程度。
それ以上の時間を費やしていると、同じ脳番地を長時間使いすぎて、脳が疲弊して作業効率が低下してしまいます。
仕事の一部を誰かに手伝ってもらったり、小休止を取って気分転換を計ったりすることが必要です。
ポイント②脳の「癖」を知る
癖には、「万人に共通する癖」と「それぞれが持っている固有の癖」があります。
万人に共通する癖、4つ
1.「褒められると喜ぶ」
「君は聞き上手だね」と言われると聴覚系脳番地が反応してますます聞き上手になろうとします。
2.「数字で認識するとわかりやすい」
だらだら説明されるより、「これから脳番地を効果的に鍛える方法を4つ、順番に説明します」と言われた方が理解しやすいのではないでしょうか。
3.「デッドラインを設けると、オン・オフが明確になる」
「4時までにこの仕事を終わらせる」と決めれば、「どうやって片付けるか」と集中して取り組むでしょう。
4.「睡眠によってパフォーマンスが高まる」
睡眠中、脳は入力した情報を整理してリセットしています。
眠気を感じながら作業を続けても、効率は悪くなる一方なので、短時間でもきちんと睡眠をとることが大事です。
それぞれの固有の癖
「思考パターン」とも言えるもの。
「漫画を読むのは好きだけど、本は嫌い」という人は、活字から場面を想像するという思考回路が未発達なため、絵を見ながら文章(吹き出し)を読まないと、内容を理解しづらいのです。
「脳の癖」は脳にできあがっている「高速道路」のようなもの。
著者は、「物事の判断を過去の事例にあてはめて考えすぎる傾向がある」女性で実験をしています。
その女性に、物事を自分なりに分析して考えるよう指導したところ、MRIで見ても脳の連携が発達していたのです。
意識の持ち方で、脳は新たな癖を持つことができるのですね。
ポイント③「したい思考」で発想する
多くの人は、仕事で「やるべきこと」をたくさん抱えています。
自分にとって「やりたい」ことがあっても、それができないほどやるべきことが多すぎると、やがて何事に対しても「やらなければならない」と思いながら行動することになり、結果として常に「やらされている」感覚に陥ります。
著者はこれを「させられ思考」と呼んでいます。
一方逆の能動的な思考は「したい思考」。
「させられ思考」に支配されると、仕事で上司から支持をされても、聴覚系脳番地も受け身になってしまい、仕事の資料に嫌々目を通しているうちに、視覚系脳番地も受け身になってしまいます。
脳番地には、使っていないもの・眠っているものがあり、それらは「させられ思考に」、そして使っている脳番地は「したい思考」になっています。
脳の習慣を見直して、それぞれの脳番地を「したい思考」に変化させなければなりません。
脳番地トレーニング
思考系脳番地
前頭葉に位置し、思考や意欲、創造力など高度な機能を司ります。
将来のビジョンに対応しやすく、「勝ちたい」「儲けたい」「モテたい」などの強い意志を持っている人ほど、理解系・聴覚系・視覚系・記憶系の脳番地に向けて「必要な情報を取りに行きなさい」と明確な指示を出します。
5感を司る脳番地と深いつながりがあるので、具体的な指示を与えると、いい情報が次々に集められ、目標実現が近づくというわけです。
脳の司令塔的存在です。
「1日の目標」を20文字以内でつくる
朝、出かける前に1日の目標を決める。
例えば、「失敗しても必ず成功するまでやり遂げる(18文字」など。
身近な人の長所を3つ挙げる
相手の「人となり」について深く考え、評価を見直すことで、思考を転換できます。
「絶対ノー残業デー」をつくる
期限を設定すると、ぐるぐる旋回しがちな右脳の思考に、アウトプットを担う左脳が加担します。
その能力を養う一歩です。
感情系脳番地
感情系脳番地は一生涯育ち続け、しかも老化が遅い。
MRI検査では100歳まで生きたとしても成長を続けることがわかっています。
思考系脳番地との相関関係にあるので、コントロールする力を鍛えることが大事です。
「楽しかったことベスト10」を決める
日常生活には、ときには辛いことや落ち込むこともあります。
切り替える方法の一つに「過去の楽しかったことを思い出す」というものがあります。
過去の楽しかった思い出を使って、現在の感情を意識的にコントロールするトレーニングです。
「褒めノート」をつくる
なにをやってもうまくいかない時期というのは、確かにあります。
後ろ向きになると、いつもできているようなこともうまくいかなくなったり。
成功体験が少なくなるので、気持ちがますます消極的になります。
そこで気持ちの「応急処置」に、「自分で自分をほめたい」と思ったことを書き留めます。
「定時に仕事が終わった。いい調子!」「コンビニで1品がまんした。偉い!」など。
ウキウキすると、隣の思考系脳番地も一緒に刺激され、二つの番地の間に良い循環が生まれます。
植物に話しかける
気持ちを落ち着かせるには、半身浴やアロマなどもありますが、植物に話しかけることでも十分なリラックス効果が得られます。
このトレーニングでは、植物の状態を観ることで視覚系脳番地も刺激されます。
犬猫や熱帯魚もOKです。
伝達系脳番地
あらゆるコミュニケーションを担当しています。
図形や映像などで伝える非言語系が右脳、言葉を使って伝える言語系が左脳です。
選択肢を3つ考えながら話をする
口下手な人とコミュニケーションするときに、詰め寄ってしまうと、さらに明確な答えが出なくなるもの。
そこで、あらかじめ選択肢を準備して質問することで、相手を楽にして、自分の伝達力を向上することができます。
相手の口ぐせを探しながら聞く
「キーワードを探しながら聞く」ことは、伝達系脳番地を鍛えるのに大きな効果があります。
相手がどうしても、補足しておきたいことや、本音が語られていることもあります。
理解系脳番地
集めた情報を理解するとき働く脳番地です。
これを伸ばすには、自分の理解力が最も伸びていた時期を思い出し、その当時のキモチ日常生活を送ること。
好奇心を持つことが、成長のカギです。
10年前に読んだ本をもう一度読む
理解系脳番地には、非言語系と言語系があります。
言語系を鍛えるには、読書が一番。
読み捨てではなく、複数回読んで理解することが大事です。
それが面倒な人には、昔読んだ本を読みかえすことがおすすめです。
脳の成長を実感したい人は、国語の教科書に出てきた短編小説を読むと、新鮮な発見があるかもしれません。
部屋の整理整頓・模様替え
理解系脳番地の非言語理解には、空間や図形があると前項に書きました。
部屋が片付けられないのは、空間を把握する力が弱いから。
部屋の整理整頓だけでなく、小物の整理などをすると、さらに別の脳番地も鍛えることができます。
運動系脳番地
あらゆる脳番地を高めたいなら、運動系からトレーニングすることで、全体の連動性を高めることができるのでお勧めです。
「今日は暖かくて気持ちいいから、外を散歩してみようかな」
と思うのは、皮膚感覚と感情が連動しているから。
利き手と反対の手で歯磨きをする
歌を歌いながら料理をする
頭が働かなくなったら、ひたすら歩く
どんなに考えて、行き詰ってしまう時には、特定の脳番地に負荷がかかっています。
この状況を変えるには、使っている脳番地を変える「脳番地シフト」が必要です。
作業場所から離れるだけでは、また同じことを考えてしまって不十分。
身体を動かすことで、強引に運動系脳番地にシフトできます。
手軽なのは、歩くことです。
聴覚系脳番地
ニュースを見ながら、アナウンサーの言葉を繰り返す
自然の音に注意を払う
遠くのテーブルの会話に耳をすませる
視覚系脳番地
雑踏の中をあるくとき、空きスペースを見つけながら進む
鏡を見ながら毎日10種類以上の表情を作る
待ちですれ違う人の背景を推察してみる
記憶系脳番地
脳の中心にある海馬に記憶系脳番地はあります。
記憶には「知識の記憶」と「感情の記憶」があります。
前者は思考系脳番地と、後者は感情系脳番地と密接に関係し、記憶の経路が多少異なります。
頭の良い人でないと記憶力が良くならない、というのは誤りです。
記憶力をつけるには、思考系や感情系の脳番地とリンクさるのが不可欠。
それらを連動させるトレーニングが記憶力を上げるのです。
1日20分の「暗記タイム」を作る
新語・造語を考える
洋楽の歌詞を聴いて口ずさんでみる
日曜日に翌週の予定をシュミレーションしてみる
ガイドブックを持たずに旅行する
やりたいことを記憶してからでかかることで、「やりたい思考」に切り替えます。
日常のちょっとした習慣を変えて、「させられ思考」を「したい思考」に切り替えたら、もっと脳が活用できるんですね。
確かに、させられていることに忙殺されていると、本当に頭が働かなくなっていたり。
ちょっとずつ習慣を変えて、せっかくの脳をもっと活用したいものです。
今日は、どんな1日でしたか?
明日はもっと楽しいことがありますように!
では、また。