脳学者による脳仕組みの解説と、効率的に使うための習慣作り。
よく言われる「性格」「根性」の問題は、「脳の仕組み」によるものだったかも?
こんばんは、ラブです。
集中力が落ちたり、何だか記憶力や判断力が落ちる時
「根性!」
と叫んでがんばったりしてしまうことがあります。
でも、それは根性のせいではないようです。
脳の仕組みから科学的に理解して、正しくパフォーマンスを上げる方法です。
脳が持つ3つの本能
脳神経細胞は生まれながらにして、本能を持っています。それは、
「生きたい」
「知りたい」
「仲間になりたい」
です。
社会システムは脳の本能から
人間の複雑な社会システムを作り出した「人間の脳」。
太古の昔から、「生きたい」「知りたい」という本能から”科学”を生み出しました。
「知りたい」「仲間になりたい」の本能から”文化”を
「生きたい」「仲間になりたい」の本能から”宗教”を生み出しました。
そうしたことからも、社会システムの中でよりよく生きるには、脳の本能のシステムを上手く使うことが大切だと言えます。
脳の本能を磨く
しかし本質的には脳は本能に逆らわないことを求めています。
一方で、脳が持つ本能はすべての人に活かしきれているとはいえません。
つまり、脳の機能を最大限に活かすためには、脳神経細胞が持つ本能を磨くべきなのです。
脳が持つ「自己保存」と「統一・一貫性」という強いクセ
脳神経細胞が集まって脳組織を構成し、好きとか、理解するなどと言った機能を生み出しますが、この機能を守るために第2段階の本能が生まれます。
それが、「自己保存」と「統一・一貫性」です。
2つのクセは、成長に伴い自我の芽生えとともに顕著に表れています。
「自己保存」は、「生きていくために自分を守る」ため大変重要です。
「統一・一貫性」は、「正誤を判断する」「類似のものを区別する」「バランスをとる」「話の筋道を通す」というプラスの作用があります。
しかしその反面、脳が間違いを犯したり、脳のパフォーマンスを落とす原因にもなります。
「自己保存」と「統一・一貫性」のワナ
「自分と反対意見を言う人を嫌いになる」のは、脳が自らの意見と異なるものを「統一・一貫性」に外れるために拒否し、また「自己保存」が働くことによって自分を守ろうとするため、相手の理論を論破しようとするのです。
相手の理屈が正しいと思いながら、持論を押し付けたり、言い訳を言いたくなったりするのは、脳の「自己保存」「統一・一貫性」というクセによるものだったのです。
「自己保存」と「統一・一貫性」のワナは、「脳に悪い習慣」を克服していく上で、常に注意を払う必要があるものです。
特に「自己保存」は強いもの。時には「自分を捨てる」「立場を捨てる」覚悟が必要です。
「自己保存」が過剰になると、企業が暴走し、あるいは社会から抹殺される例もあります。
大切なのは、自分の脳にもこうしたクセがあることを自覚し、それに引っ張られないように注意することです。
試験勉強や仕事を始める前に気をつけること
試験勉強や仕事で、最初から「おもしろくない」「好きになれない」と思うことがあります。
「嫌い」のレッテルが貼られると、脳の理解力や思考力、記憶力は積極的に働かなくなります。
嫌いな先生や上司ができたりすることがあります。
指導者が嫌いだと、成績や仕事の効率が下がることが往々に見られます。同様の理由です。
これには、「良いところを見つけよう」と頭を切り替え、「違いを認める力」や「相手の立場に立つ力」をもって受け止めることが大事です。
違いを認めていくうちに、「仲間になりたい」の本能が発動し、好循環が生まれるからです。
気をつけたい口ぐせ
夜遅くまでの仕事で、「嫌だ」「疲れた」が口ぐせになるのも、「自己保存」の働きです。
「グチを言うことで、ストレスを発散できる」というのは誤解です。
否定的な言葉は、自分が言っても、周囲が言うのを聞いても、脳には悪影響しかありません。
仕事や勉強を始める前に口にするのは、やめておくべきでしょう。
感動すること
脳にとって、人の話を聞いたときや新しい知識にふれたときなどに、素直に「すごいな」と感動することは非常に大事です。
感動を司さどる核があり、気持ちを動かすことができると、判断力と理解力が高まるからです。
「感動する力」は、脳をレベルアップさせるのです。
感動というのは、大それたことに対してでなくてもかまいません。
「なるほど」「すごいね」の言葉を添えて話を聞くようにすること。
日常の中にそんな言葉をはさんで、小さな感動でも日ごろから持って生きると、脳のパフォーマンスを上げることができます。
「人が喜ぶこと」を楽しむ気持ちを育てる
「仲間になりたい」という脳の本能から、脳は「人が喜ぶことが自分にとってうれしい」と感じます。
しかし、環境によっては人は貢献心を失い、損得ばかり重視することもあります。
これは、脳が記憶に基づいて働くから。
人との比較や勝ち負けにこだわったり、子どものころから勝ち負けを強いられていると、負けた時に罪悪感を抱き、「他人を蹴落とさなかったので自分を守れなかった」という「自己保存」のクセが働き、「蹴落としても自分を守りたい」という気持ちが生まれます。
でも実際は、「自分さえよければいい」という人よりも「あの人の喜ぶ顔が見たい」と思える人の方が、結果的にあらゆる面で力を発揮しているもの。
脳の仕組みから言って人に貢献する方が自己報酬神経群を働かせ、脳にとって「より良いごほうび」となるからです。
「だいたいできた」は、要注意
仕事や勉強をしていて、まだ完全に終わっていないのに「だいたいできた」「あと少しで完成だ」と思うと、途端に能率が下がることがありませんか?
脳にとって、途中で「完成した」「できた」「達成した」の言葉は”否定語”です。
実際は「まだできていない」はずが、脳は「だいたいできた」という”否定語”により思考することをやめてしまうのです。
そこには「自己保存」のクセが働いて、自分を甘やかしてしまうのです。
そのときには、「ここからが本番だ」「あと10%もできていないところがある」と考え直すことが大事です。
「無理かもしれない」→「そのために今、何をすべきか?」
「無理かもしれない」「もうダメだ」は、「自分を守ろう」という反応が過剰になって出てくる考えです。
この”否定語”は脳の思考力と記憶力をダウンさせます。
「自己保存」のクセに従って、できないことを正当化しても問題は解決しません。
著者は救命救急でどんな追いつめられた場面でも、スタッフに「いま、何をすべきか」を口に出して言わせていました。
最後まで絶対に助けるのだという思いを持ち、考え続けることで、道は開けていったそうです。
毎日にちょっと感動してみたり、「人のため」に何かやってみたりすることで、脳のパフォーマンスまで上がるなんて、面白いかもしれません。
そんな感じの実践について、さまざまな本でも紹介してきました。
他の人のために働いたりすることで、「自分に良いこと」を引き寄せていく、ということが書かれているものがたくさんありますが、とりもなおさず「自分の脳」に良い影響を与えるからこそなのかもしれませんね。
干潟では、たくさんのカモが旅の前に一所懸命に栄養を蓄えています。
潜るのが苦手なので、お尻だけ見せて、頭をつっこんで食事する姿が可愛いです。
あなたの明日が、もっと楽しい1日でありますように!
では、また。