猫のメメとモエ

生命線があと10年分しかない!どうせなら、やりたいことに(あまりお金をかけずに)ちょっかいを出すことにした猫好きのブログ。メンタルトレーニング、自己啓発、一人旅、猫めぐり、山歩き、真剣な子育て、ジョギング、写真。その他いろいろ。

分析したって幸せになれないから~『幸せになる勇気』

~『幸せになる勇気』医として従軍したアドラー

「すべての戦争を終わらせる」という大義を持った戦いでした。

しかし、欧州全土、民間人も巻き込む悲惨な結果を目の当たりにします。

この悲劇から、アドラー心理学が立ち上がっていきます。

 

こんばんは、ラブです。

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何で人を信頼しなければならないのか?

自己信頼からさらに他者信頼に発展することについて、今後述べたいと思います。

そこからさらに、共同体感覚に話は進みますが、そのしののめについて先に勉強した方が、腑に落ちると思うのでアドラー心理学の歴史に少しだけ触れてみます。

「いかにすれば戦争は食い止められるか?」から発想するアドラー心理学

当時の世界では、心理学者フロイトが、第1次大戦の結果から「タナトス」や「デストルドー」と呼ばれる「死の欲動」を提唱するようになります。

これは、さまざまな解釈のある概念ですが、さしあたって「生命に対する破壊衝動

」と本著では説明しています。

「戦争は人間の衝動としてどうしようもないものである」というフロイトたちの解釈。

そう考えることでしか、当時のひとたちは眼前の悲劇を説明できなかったのです。

 

しかし、アドラー先生はフロイトとはまったく逆の「共同体感覚」を提唱しました。

 

アドラー先生は、考えたのです。

戦争や殺人、暴力の「原因」を考えても仕方ないこと。

それよりも「いかにすれば戦争を食い止めらるか」ということ。

それこそがわれわれが前進していくために必要なことである、と。

とことん実践的な人物だったアドラー先生は、「戦争を食い止める」という目的をもって理論を組み立てていったのです。

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人間はもっと平和に生きる力があるとアドラー先生は信じた

世界史も日本史もまさに闘いの歴史ですよね。

しかしそこに「人類は生命の破壊衝動を本能に持っている」とするならば、人類は血を流さなくては生きられない種族であることをフロイトは証明したにすぎません。

 

しかし、アドラー先生は、人間が誰しも持っているはずの、他者を仲間だとみなす意識、つまり共同体感覚を育てていけば、争いを防ぐことができる、そしてわれわれにはそれを成し遂げるだけの力がある・・・・と提唱しました。

アドラー先生は人間を信じたのです。

 

しかし、時代は1次大戦から2次大戦へと移行する欧州が大混乱していく時期。

ドイツではナチスの台頭など、欧州は最もひどい時期に向かっていきます。

時代はまだアドラー先生に追いついていませんでした。

そんな中、アドラー先生は多くの批判を受け、多くの仲間を失いました。

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まずできることは、目の前の人を信頼すること

それから2次大戦を経て、いまもなお戦争は世界中で続いていますね。

アドラー先生の理想は実現されていません。

実現可能なものかもわかりません。

しかし、個人としての人間がいつまでも成長を続けられるように、人類もまた成長を続けられるはずの存在なのだ、とアドラー先生は言ったのです。

現状の不幸を理由に理想を捨ててはいけません。

 

マザー・テレサは、

「世界平和のために、われわれは何をすべきですか?」

という問いに対して

「家に帰って、家族を大切にしてあげてください」

と答えたそうです。

アドラー先生の共同体感覚も同じです。

まずは目の前の人に、信頼を寄せる。

目の前の人と仲間になる。

そうした日々の小さな信頼の積み重ねが、やがては国家の争いさえ無くしていくのです。

そこから始めるしかないのです。

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自分の一歩、それが重要

教師が生徒から信頼されたかったら、まずは教師から生徒を信頼する必要がありますよね。

自分を棚上げして全体の話をするのではなく、全体の一部である自分がまず最初の一歩を踏み出すのです。

アドラー先生の言葉には、こんなものがあります。

「誰かが始めなければならない。

他の人が協力的でないとしても、それはあなたには関係ない。

わたしの助言はこうだ。

あなたが始めるべきだ。

他の人が協力的であるかどうかなど考えることなく」

共同体感覚の実効性を問われたときの言葉だそうです。

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日常にこそ大きな決断がある

人間としての大きな試練、そして決断とは、受験や就職や結婚といった大きなライフイベントの時だけではないのです。

わたしたちにとっては、何でもない日々が試練です。

「いま、ここ」の日常に、大きな決断を求められているのです。

そして、その試練を避けている人にほんとうの幸せはない、と本著は述べています。

天下国家を論じる前に、自らの目の前にいる人に思いを寄せること。

何でもない日々の対人関係に思いを寄せること。

それがわたしたちにできる大切なことなのです。

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目の前にいる人にできること、自分に対してできること

まずは、自分を信頼することですね。

「普通であることの勇気」を持つこと。そんな自分を認めること。

日々のちょっとした自分をほめたりすることも、自分を信頼するスキルアップになるのではないかと思います。

 

understandlove.hatenablog.com

 「人と違うこと」に価値を置くのではなく、「わたしであること」に価値を置く訓練をしていくことって大事です。

対人関係はすべての苦しみであり、喜びでもある

「すべての苦しみは対人関係から」という言葉を『嫌われる勇気』でも勉強しました。

そして逆の意味として「すべての喜びも対人関係から」と言えるでしょう。

 

たしかに全ての苦しみは、おおよそ対人関係から間違いなくやっきます。

しかし、それをすべて断ち切って引きこもれば楽しいのか?というと違いますよね。

部屋に引きこもったって、みんなネットはやるじゃないですか。

対人関係こそがすべての苦しみの根源であると同時に喜びの根源でもあるのです。

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どんな「交友」も同じ目線で、信頼し合う

人生のタスク、という言葉が以前出てきました。

「仕事」「交友」「愛」の全ての人間関係があってこそ人間は幸せになれます。

つまり、「仕事」の人間関係だけでは、人は幸せになれないのです。

交友や愛を伴う人間関係には、担保を必要とする仕事などの「信用」のタスクでは、足りません。

 

人は幸せなるためには、無条件に信頼し合う必要があるのです。

人間はわかり合えないから、信じるしかない

しかし、その友情や愛情を持つ相手が、あなたを信頼してくれるかどうかわからないから、不安になりますね。

しかし、そこは「他者の課題」。

そこで傷つくことがあるかもしれないけれど、人生のタスクのためですから、覚悟しなければならないのです。

 

アドラー心理学では、相手の考えていることがすべて「わかる」などとは考えていません。

あなたのことをどう考えるか、も「他者の課題」だからです。

 

そのうえで「わかり合えない存在」として他者を信頼するのです。

わたしたちは、わか合えない存在だからこそ、信じるしかないのです。

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ここでつながる、共同体感覚と信頼

とても難しい実践だと思います。

わからないのに、心の底から信頼する・・・どれだけ勇気を必要とするのでしょう。

 

しかし、その原点は第1次大戦後の荒廃した欧州の中で、アドラー先生が「人類がシアワセになるために」考え出した「共同体感覚を持たなくてはならない!!」という思いにつながるのです。

 

人類は、もっと争いのない幸せな世界を築けるはず。

そしてその実現のためには、わたしたちは傍観者になって、偉そうに言っていても始まらないということをアドラー先生は指摘しています。

 

私たちができる一歩。それこそが本当のスタートなのだと言います。

今日、この瞬間から隣の人を信頼すること、です。

そこからですね・・・。がんばりましょう。

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いま、できること

とにかく、いま熊本に対してできることも探しているんですけど、もどかしいですね。

www.fukushi-kumamoto.or.jp

募金くらいです。まぁ、お邪魔している場合ではないから。

自衛隊の知り合いが、「マスコミが避難所の人たちに夜遅くにライトを当てて、疲れている被災したひとたちに、『今の気持ち』を取材していて眠りたい人が困った」と言っていました。

マスコミって・・・。

テレビを消して、省エネした分貯めて募金ですかね。

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明日もあなたにとって素敵な1日でありますように!

では、また。

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