1日のブロック構成を考えたり、1週間で疲れをコントロールすること。
手帳を活用してバランスをとること。
超多忙かつ疲れやすい身体をもった著者が、時間配分を味方につけて、仕事へのモチベーションを維持する方法を紹介しています。
今回のキーワードは、「第二の脳を使う」。
こんばんは、ラブです。
著者は斎藤孝さん。
たくさんの著書を持ち、明治大学教授を務めています。
幅広い分野の著書に、一体いつ眠っているんだろうと思ってしまいますが、どっこい自分のための時間もちゃんと確保していました。
1日をブロック構成で捉える
私たちは同じように見えて、いろいろな活動をしています。
著者は、仕事、あとはプライベート、という分け方ではなく、ちょうど学校の時間割のようなイメージで一日の時間を割り振っています。
これは著者が長く学校に関わってきて、時間割が身体にしっくりなじんでいるからなのかもしれないですが。
著者の場合は、テレビの仕事、本の仕事、大学の授業、大学の事務の仕事、と仕事ごとに色分けします。
そこからさらに余暇や読書の時間など、細かなブロックを組み合わせて構成しています。
ブロック管理のポイントは「就業時間をどう割るか」ということ。
誰でも自分の得意なブロックの時間の長さがあると思います。
ブロックの長さを自分の「身体」に合った長さに設定すると、そのリズムの中で集中力を配分するということができるので、まずは仕事の内容に応じて自分に合った「長さ」を見極めることが大切です。
そのうえで就業時間を割っていき、8時間までは正規の就業時間で、あとは残業になるといったようなことは考えないようにします。
ですから、ワンブロックは、あなたの集中が続く時間とするのが基本です。
そうすると、集中力の切れる頃に、仕事の内容が変わったり、休み時間をはさむことができるのです。
最初は、ストップウォッチなどで、自分の集中力が続く時間を計り、そのスパンに合わせてワンブロックの長さを決めます。
30分という人も、90分という人もいるでしょう。
「今日の5時まで頑張ろう」
と考えると、長いので気分的にも身体的にもきつくなります。でも、
「とりあえずこのワンブロックだけ集中して頑張ろう」
と考えると、気持ちが楽になるので、集中しやすく、その分成果も上がります。
たとえば、午前中に2時間あるとき、ワンブロックが90分の人なら、ワンブロック頑張ったら30分休憩がまとめて取れます。
ちょっと余裕が生まれ、ラクになれるのです。
しかし、ブロック感覚がないと、2時間頑張るつもりでも、ずるずると休んだ感覚も成果もいまいちなことになってしまいがちです。
著者は膨大な仕事量をこなせているのは、会社勤めのようなきっちり管理された環境ではないからであると書いています。
同時にたくさんの仕事を抱えていても、いろいろな種類の違うことを、自分のテンポでできると、「ちょっと休みたいな」と思った瞬間に休むことができます。
もちろん、学校や会社は管理された場所なので、すべてを自分のペースにすることは難しいです。
が、環境の許す範囲で自分なりに工夫することで、自分のリズムを作ることができます。
自分で仕事に強弱をつけるだけでも疲れにくくなります。
そして、ブロックでスケジュール管理をしていると、急な予定が入っても、先方の都合で変更になっても、ブロックを組み替える感覚で修正できるので、予定を大きく変えることなく、最小限の労力で素早く対応することができるのです。
曜日感覚で身体を切り替える
月火水木金土日の「7日間のリズム」は、人間の身体のリズムにかなったよくできた感覚です。
キリスト教では日曜日を安息日、つまり「休養日」としていますが、普段仕事などでからだを使っている人は、それくらいで休ませたくなります。
デスクワークを日ごろしている人は、そのあたりで身体を動かしたくなります。
だから、休日を完全休養日にするのも良いし、思い切り身体を動かす日にするのも良いのです。
知的好奇心を満たすのも良いでしょう。
大事なのは、そこでバランスが整うこと。
バランスが整うような「自分のリズム」を作ることです。
仕事がきつくなるほど、この「自分のリズム」を作ることが重要になってきます。
著者は仕事がハードになるほど、曜日感覚で生きる方がラクになってきて、今ではすべて曜日でスケジュール管理をしているそうです。
実は多くの人が、無意識のうちに曜日感覚で動いています。
今日は月曜日だから会議が多いな、とか。
火曜日・木曜日は外回りだ、とか。
水曜日がゴミの収集日だから、火曜日に掃除をまとめてやろう、とか。
ならば、もっと曜日感覚を強く意識することで、ラクになることがたくさんあります。
ここで活用するのが、さきほどのブロック感覚です。
1日をブロックで分ける時には、仕事ごとに色分けしましたが、一週間を考える場合は、そうした色分けを曜日ごとに行うのです。
ほとんどの人は、休日である土日だけ色分けされています。
仕事のウィークデーは、ただ1色です。
でも、曜日を強く意識すると、曜日ごとに異なった色が付き、「今日はこの日だな」ということで気分を変えることができます。
たとえば、著者の場合は、月曜日に授業や会議など学校関係の仕事が多いので、「学校の日」とします。
そして、雑用は全部火曜日にまとめ、一週間分の雑用を1日で片付けます。
著者は雑用が苦手です。
雑用が好きな人は少ないかもしれません。
つい貯めてしまう、後でまとめてやって「雑用疲れ」に陥っている人も多いかもしれません。
しかし、仕事をしている以上、雑用は避けようがないもの。
雑用疲れを減らすために、ある程度まとめてしまうのも手段かもしれません。
火曜日に雑用をまとめることで、著者は懐疑や書類の作成・処理を週のはじめに片付けて、クリエイティブな仕事はその日には基本的にしないことにしました。
雑用とクリエイティブな仕事を両方やろうなんて無理をするから疲れるのです。
週のはじめに雑用を片付けたので、クリエイティブな仕事にそのあと集中できます。
この方法を用いてからは、雑用が苦ではなくなったそうです。
雑用を「無心」になってこなしていく日、クリエイティブな仕事をする日、と身体モードを切り替えると、疲れることなく、さらに効率をアップさせられるかもしれません。
脳を手帳術で軽くする
著者は年間を12か月というよりは52週ととらえています。
手帳は見開きが1週間表示の物を使います。
そういうタイプには、見開きの左ページは上から下に曜日毎1週間の区分けがあり、横軸には時刻を示すメモリがついていますね。
著者は、その縦軸で曜日ごとの色分け意識を持ち、横軸で1日をブロックで管理しているのです。
手帳への書き込みは、三色ボールペンを使います。
変更がきかない、どうしてもやらなければならないことは、「赤」。
その次に大事な仕事が「青」。
そして、自分の楽しみを「緑」で書きます。
こうすると、一目で予定の重要性がわかります。
さらに、パッと見た時の色の分量で、仕事のバランスもわかるので、ペース配分がしやすいのです。
「今週は赤がおおすぎだ。結構しんどそうだな」
「青ならもう少しいれてもいいけど、赤はそれなりに準備がいるから、今週はこれ以上入れられないな」
「最近緑が少ないから、ここで映画でも行くか」
と、全体のバランスを見て、予定を組み替えることができるのです。
急な予定が入ったときでも、どの予定なら動かすことができるのか、すぐにわかります。
こうして1週間の予定を一目瞭然にしておくと、手帳を開くだけで、簡単にその週の予定を脳内シュミレートできます。
疲れないためには、オートマティックにできる部分を徹底的に増やしていくことが大切です。
そして、予定をオートマティックにこなしていくためには、
「これはこうやって、次はこうなって、最期はこれだな」
と、あらかじめシュミレーションして段取りをつけておくことが大事です。
段取りがわかっていると、本番疲れないからです。
始めて歩く道は長く感じるのに、帰路や何度も通っている道は短く感じるのと同じです。
著者は手帳の右開き右側は、日記がわりに使っています。
読んだ本のタイトルや、コンサートの感想、誰かが言った面白い言葉など。
こうしておくと、後で見た時にとても落ち着くそうです。
私たちは何もかも覚えておくことはできません。
もしできたとしても、頭に全てを抱え込んでしまうと疲れます。
だから、覚えておきたいことや後で役立ちそうだなと思ったことを外在化させるというのは、疲れないために大事なことなのです。
手帳に書くのは、外付けハードディスクに記録する感覚です。
本体を軽くして、動作スピードを速くするためには余裕が必要です。
手帳に書いてあることは手帳を見ればいいので、記憶しておく必要がありません。
だから著者は、よく手帳を見ます。
直近の過去の手帳も持ち歩いているそうです。
沢山の仕事を抱えている著者は、手帳を第二の脳として、脳の使える容量をできるだけ増やすようにしているのです。
漠然とした不安が何となくもやっとあって、それが四六時中頭に浮かぶから「疲れ」を発生させていることが、よくあります。
それを見えるようにしてクリアにし、悩むエネルギーを「意味のある仕事」に変換させ、休みの時間を捻出する。
その生き方の方が、絶対に楽しそうです。
疲れてしまうと、つい「休憩を」と思い、その休憩時間にまたモヤモヤと「あれは間に合うんだろうか」「これは、どうなっていたっけ」と考えてしまうので、この手帳術をちょっと参考にしたいと思いました。
露に濡れるあじさいが鮮やかな季節ですね。
今夜あなたが楽しい夢をたくさん見られますように。
では、また。