大人になると「覚える時間」をとるのは、なかなか難しかったり。
朝の通勤時間を勉強に充てる人も多いかと思います。
しかし、ただ読むだけではなかなか記憶居残りにくいもの。
そんなとき、ストーリー化や五感を使った工夫をすることで、同じ時間がぐん充実したものになります。
今回のキーワードは、「準備と整理」。
こんばんは、ラブです。
どこでも効率的に覚える シャドー記憶術
「書く」だけではなく、声を出すことによって、より記憶に残りやすいというのは、よく聞くことですね。
でも家の中での勉強でない限り、なかなか声などを出すことやペンを使うことさえ難しかったり・・・。
(しかも、家で一人で勉強するっていうのも、なかなか継続が難しかったり・・・)
そこで著者が推奨するのは「シャドー読み」です。
声は出さない、もしくは他の人には聞こえないくらいの超微音で発声しながら読んでいきます。
実際声が出ていなくても、同じ筋肉が活動しているので、脳の運動を司る「運動野」が刺激されます。
著者は講演やセミナーの会場に向かう際に、この「シャドー読み」でリハーサルをするそうです。
30分くらいは電車に乗りますから、一通りすべての内容をインプットできます。
同じように、電車の中ならば「シャドー書き」も有効です。
ペンを持たなくても、指をペン代わりに動かすことで、字を書くときと同様に「運動野」を刺激することができるので、字を書くのに近い効果が得られます。
「頭の中で思い出す」だけでは、復習の効果が弱いのです。
身体を動かすアウトプットを心がけることで、復習効率や記憶効率が高まります。
理由説明記憶術
「意味記憶」が得意なのは子供の時で、ピークは小学生くらいです。
情報や知識、英単語や九九の暗記などのような「丸暗記」する内容です。
一方、年をとっても衰えにくく、大人になっても伸ばしていけるのは「エピソード記憶」です。
出来事、体験、経験、思い出に関する記憶です。
ですから、本来なら「丸暗記」が必要な無関係な事象も、自分の知識、体験、経験と関連付けることでストーリー化し、記憶に残しやすくすることができるのです。
たとえば、三角形の面積を求める公式を覚える場合。
「(底辺)×(高さ)÷2」の公式は、ただの言葉の羅列です。
それを覚えようと呪文のように何度も繰り返すならば、「意味記憶」として処理されます。
しかし、どうしてこの公式が導き出されるのか、理由を説明してみましょう。
三角形の一変を底辺とし、頂点を高さとする長方形を作ること。
それによって三角形のちょうど2倍の面積をもつ長方形ができますね。
三角形は、長方形の半分の面積になる。だからこの公式ができるのです。
このように、「理由」や「なぜ」を説明できる状態に持っていくことで、「意味記憶」は「エピソード記憶」になり、強く記憶させることができます。
公式に限らず法規でもマニュアルでも、自分に「なぜ、そうなるの?」と問いかけて、自分で「なぜ」に応えてみること。
理由がないものを強引に記憶することに対しては、脳は反抗し、なかなか覚えられません。
理由を理解し、説明するだけで、覚えようとしなくても、自然と記憶に残るようになるのです。
脳科学的にも正しい語呂合わせ 語呂合わせ記憶術
歴史の年号を覚える時に使った語呂合わせ。
その仕組みは、脳科学的には、ストーリー化であり「意味記憶」を「エピソード記憶」に置き換える作業になります。
「1543年 鉄砲伝来」
は、10回繰り返しても暗記するのは難しいし、すぐ忘れてしまいます。
しかし、これはたまたま1543年に伝来したのであって、何ゆえに1542年ではなかったのかという意味を探すのはなかなか難しいですね。
そこに「鉄砲伝来、以後予算(1543)増える」と語呂合わせすること。
これも強力な記憶のための武器なのです。
まず全体を俯瞰する 富士山記憶術
登山は、全体像がわかっていればラクになります。
記憶もそれと同じで、全体像を見通すことでラクに記憶ができます。
たとえばビジネス書を読むときにも、目次を見て構成を把握したら、読みたい記述だけをいきなり読み始める。
その本で一番読みたかった部分、知りたかった部分を5分程度で読み切ります。
そこで「読みたい」「知りたい」気分もひと段落したところで、最初のページに戻り、「はじめに」から読み始めるのです。
本を読む場合、まずは全体の構成を把握し、それから細部を読んで深めていくのです。
最初から順番に読み進めることで、「これからどんな展開になるのか」というハラハラドキドキがあります。
しかし、細部と全体の関係が最後まで読まないと見えてこないので、関連性の薄いままに読み進めていかなければならなくなります。
まずは、全体をとらえること。
富士山の山頂から風景を見渡すように、まず全体を俯瞰し、オーバービューする。
次に、細部を読みながら記憶していくのが、学習効率を高めるのです。
資格試験・検定試験 対策講座活用記憶術
資格試験、検定試験など、何かの分野の勉強を始めようとするとき、最初に「全体像」を把握することはとても重要です。
そのためには、たった数時間で全体像を把握できる「対策講座」「基礎講座」は上手に活用すべきものです。
著者は「ウイスキー検定」を受験し、2級に合格しました。
そのための勉強時間はたったの5日しか取れませんでした。
試験日からさかのぼること1か月。テキストだけで200ページ以上あって、ウイスキーの歴史、製法、個別のウイスキーの特徴まで、覚えることは山ほど。
しかし、仕事も待ったなし。
そんな時に「ウイスキー検定対策講座」の開催を知ります。
「ウイスキー検定」の出題者でもある講師が、ユーモアあふれる鮮やかな話しぶりで、歴史、製法、地域別ウイスキー、個別の特徴まで3時間で解説。
テキストを読むと暗記項目のように見えていたものが、歴史、製法、個別的特徴をストーリーとして聞くことによって、「壮大なウイスキーの大河ドラマ」として脳に刻まれました。
また、検定のコンセプト、検定で重要なポイントまで言及。
200ページのテキストを読むだけでも4,5時間かかるのですから、ものすごい時間効率です。
暗記力や記憶力、あるいは頭の良さなどは、検定試験のようにテキスト一冊を暗記してい通るものに対しては、関係ないのです。
完全に事前準備で9割が決まります。
勉強を開始する前に、まず全体像を把握すること、これは必ずしたい事前準備なのです。
記憶する前に勝負がついている まとめノート記憶術
暗記や記憶というのは、参考書に赤線を引きながら必死の形相で取り組むイメージがあります。
でも、そういう記憶の仕方をしているから、思ったような結果がでないのだと著者は言います。
『東大合格生のノートはかならず美しい』(太田あや著)では、東大生が高校時代に使っていたノートの現物が多数掲載されていますが、「芸術的に美しい」そうです。
見やすい。わかりやすい。字がきれいで整理されている。
こんなノートならば、見た瞬間に、視覚イメージとして情報が頭に流れ込んでくる、というインパクト。
暗記の作業には、整理されたいることが重要なのです。
『脳の力を100%活用する ブレイン・ルール』(ジョン・メディナ著)から引用すると、
「論理的に整理され階層的にな構造に従って提示された言葉は、無造作に提示されたことばよりもしっかりとおぼえられる。
一般的に40%はおぼえる率が高い」
ということです。
知識を論理的に整理し、階層化することで、記憶力を40%も高められるのが、「まとめ・整理」のすごい効果です。
ですから、整理する・まとめるという行程を踏むこと。
そして人に説明できる程度に理解できること。
この瞬間に、わざわざ暗記の作業をしなくても、もう頭の中に記憶としてほぼ定着しているということなのです。
いざ勉強となると、どうしても昔ながらのがむしゃらなやり方になってしまいがちですが、大人ならではの方法を使うことで、もっと楽しくできそうです。
今日も1日おつかれさまでした。
明日は、もっとすてきな1日になりますように。
では、また。