本人は「反省」が大好きで、昔はサルまで反省していましたね。
でも、これは脳科学的にはあまりお勧めできないもの。
脳は「イメージしたことを行動に移したくなる」という特性があるからです。
うっとりタイムの法則
たとえば、親が子どもに対して「走ってはダメよ」と言うと、どうなるでしょうか。
子どもは、すごく走りたくてムズムズします。
「イメージしたことは、漏れなく行動に移したくなってしまう」
いう脳特性を踏まえて、「反省」について考えるならば、
反省すべき行動をイメージする→再び反省すべき行動をやってしまう
となりますね。
さらに、脳にはこんな特性もあります。
気づきポイント
現実に起こったことと、詳細に想像したこととの区別がつかない
夢の中で、高いところから落ちた時、実際に身体がびくっとなったことがありませんか?
それは、脳が「落ちた」と認識して、身体を反応させているからです。
現実には、落ちていないのに。
反省すると、同じことが起こる可能性があります。
一所懸命反省する
→脳は、あなたが何度も失敗を繰り返していると認識する
→あなたは、失敗の達人になる!
あのタモリさんも、『笑っていいとも』が長く続いた理由を「反省しなかったから」と話しています。
そして、反省の代わりにおすすめなのが、「うっとりタイム」を持つこと。
「うっとりタイム」では、素晴らしかったことに集中します。
自分の何が素晴らしかったか?
どんな点が良かったのか?
こんなことを考えて、ただただ、うっとりする時間を持つのです。
あなたの脳は、自分の素晴らしかった行動を、何度も何度も経験します。
するとあなたは、その良いイメージの行動を進んでするようになってしまうのです。
昔のスポーツ選手は、調子が悪い時、ひたすら努力と根性で練習に打ち込みました。
でも今は、「そういう方法は間違いだ」という認識が当たり前。
不調の選手たちは、調子が良かった時のビデオを繰り返し見て、調子が良かった時のイメージを取り戻してから練習に戻っていくのです。
私たちも、日常でこれをやればいいのです。
「お客さんに『ありがとう』と言ってもらえた」
「電車で席を譲ったお年寄りにお礼を言われた」
「先週は一度も遅刻をしなかった」
1週間に1回、10分でもOKです。
ただ、あなたの素晴らしかったことを思い出し、そしてできればそれを書きためていきましょう。
シャッチョサンの法則
自分ってダメだなと感じた日は、アイデンティティを自分で支配してしまいましょう。
友人からは「ルーズな甘えん坊」と言われているけれど、わが子の前では頼りがいのあるA子さん。
自他ともに認める「短気」なのに、仕事先のお客様には絶対に怒らず対応するB君。
ひとは、そのシチュエーションによって、無理なく普段の自分と違う行動ができるのは、何故でしょう?
気づきポイント
「私は〇〇である」と思い込んで行動しているから
たとえば、「私は仕事中である」とか「私は学生である」とか「私は母親である」というのも、「私は〇〇である」という思い込みの一種です。
この「私は〇〇である」という思い込みは、別名「アイデンティティ」とも言います。
そして、このアイデンティティは、人の行動を支配してしまいます。
たとえばある人が、「私は紳士である」と思い込めば、その人は紳士的な態度をとるようになります。
近所の大人しかった息子さんが、暴走族グループに入ると、乱暴な口をきき、粗暴な態度になるのも、「オレは暴走族だ」というアイデンティティの支配によるものです。
それをうまく利用しているのが、飲み屋の外国籍ホステスさん。
「シャッチョサン!シャッチョサン!」
この呼び方をすることでオジサンたちは、その気になってみんな「社長」に大変身!
すると、社長に返信したオジサンたちは、気前よくお金を使いたくなってしまうのです。
だって、社長だから。「カッチョウサン!」ではこうはいきません。
こんなふうに、たとえウソだとわかっていても、行動はアイデンティティに支配されます。
だとしたら、あなたも自分の行動を支配してしまいましょう。
落ち込んだ時は、「落ち込まない自分」になればいい。
苦手なことをやるときには、「それが得意な自分」になればいい。
今の自分に都合の良いアイデンティティを持たせてみるのです。
営業に行くときは、「いよっ、スーパーセールスマン!」
ブログを書くときには、「へいっ、カリスマブロガー!」
子どもと遊ぶときには、「イエイ、世界一のパパ(ママ)」
力仕事のときには、「いいね、和製シュワルツェネッガー!」
たとえウソでも、ちゃーんとアイデンティティは発動され、あなたの行動は支配されます。
今日も一日、お疲れさまでした。
これから、うっとりタイムに入りたいと思います。
ゆっくり休んで素敵な夢を見てくださいね。
では、また。