「書類を作ったけれど、この出来で部長に怒られないか心配」
「A君のお母さんの態度がいつもと違う。嫌われていないか、気になる」
「なんとなくの不安」より原因のはっきりした「心配事」でも、さらに掘り下げていくと、不安の内容はさまざまです。
「心配事ストーミング」で気持ちをスッキリ整理する
不安を脳の中にためておいてはいけない
ずっと昔ならば、男性は仕事の不安、女性は家庭や人間関係の不安というように、役割分担が決まっていた分、不安のパターンも決まっていたように思えます。
しかし、現代社会には不安の種があちこちに蒔かれています。
さらにのそうえ、SNSでの付き合いや、育児・介護問題、果ては少子高齢化問題を抱える日本の将来像を視野に入れると、不安でないことを探す方が難しいかもしれません。
心配事は書き出してみる
ビジネスに「ブレインストーミング」という方法があります。
チーム内でアイディアをまとめる時に、とにかく全員が躊躇なく意見やアイディアをどんどん出していく方法です。
「こんな考えはダメだ」「ここはこうしたほうがいい」という批判や修正は二の次で、とにかくわんこそばのようなスピード感で、アイディアを出します。
そのメリットは、「ダメ出しされたらどうしよう」などと思わず、小さなアイディアも主張しやすいことが挙げられます。
目的はまったく異なりますが、不安の処理にもこのブレインストーミングを応用しましょう。
とはいえ、不安を処理するブレインストーミングは、治療でないならば、チームではなく一人で行う孤独な作業です。
では、ちょっとイメージしてみましょう。
プリンターの中に入っているA4の白紙でも、少し大きめのメモ用紙でも、なんでもOK。
そこに、自分が不安に感じている項目を箇条書きで書き出します。
ポイントはブレーンストーミングと同じで「躊躇なく」という点です。
・プレゼンの資料を作らなければならない
・時間的にギリギリで間に合うか心配
・課長の厳しい視線が気になる
・夜や休日に仕事のメールが来ると、胸が苦しくなる
この作業を何十分も続けて、何枚もの紙に書ける人は、不安要素を見つけることにかけての天才か、全般性不安障害のいずれかであると著者は言います。
普通の人ならば、3~5分以上は続かないはずだそうです。
「安定せず」とも読める「不安」の文字通り、不安の本質には「不確定」「未決定」という要素が必ずあります。
不安なことを少しでもはっきりさせ、不安の輪郭を捉えること。
それが、不安を軽減させる第1歩であることは、間違いありません。
「何が不安なのか、どうもはっきりしない」
「不安の種はわかるけど、はっきりこれとは表現できない」
など、恐怖と違って不安は、対象がはっきりしないことによって、知らないうちに強くなっているものです。
頭の中でモヤモヤさせておくよりは、書き出して、文章を視覚的にとらえるだけでも、大きな違いがあるのです。
「書くこと」は自分カウンセリング
・心配事はこころの底に押し込めてもなくならない
・できるだけ具体的に書き出してみる
・不安の中身を少しでもはっきりさせれば、先が明るくなる
実は、この「心配事ストーキング」を実践してみたのですが、そうしたら「ひどい仕打ち」と思って落ち込んでいた出来事が、「自分のためを思ってやってくれていること、かもしれない」と解釈できるようになりました。
書き出してみると、客観視が自然とできるものなんですね。
今日も1日おつかれさまでした。
ゆっくり休んでくださいね。
では、また。