イライラや焦りの裏には、暴走した自我が隠れている可能性があることを昨日勉強しました。
しかし、まったくイライラや焦りのない生活は、「平穏でもガスのぬけたビールのようだ」と著者は言います。
ある程度のほどよい緊張は必要。
その「ほどよい」加減を操作するのが「自己効力感」です。
「ほどよい焦り」とは?
仕事だけでなくあらゆることで、ある程度のほどよい緊張は大事です。
自然体とリラックスがよいと言いつつ、だらだらとたるんでいる、あるいは力を抜きすぎた状態では、重大なミスを招きかねません。
「いい焦り」とは、何かをやっていくのに一番結果を出せる程度のほどよい緊張感のことでしょう。
余計な力が加わっていない自然体の状態に、この程よい緊張が働けば、無敵の状態かもしれません。
この「ほどよい焦り」の質や程度は、やることやその日のコンデションで違ってきます。
その「ほどよさ」の程度は評価が難しく、レベルを評価するのは、現実的ではありません。
この「ほどよい焦り」の良し悪しを評価するひとつの要因として、「自己効力感」があるかどうかを見極め基準にすることができます。
自分で何とかできる、何とかすれば自分のためになる、という感覚がある焦りならば、それは良い焦りでしょう。
「このプレゼンを成功させれば、一歩前進だ」
「あと10ページ済ませれば、点数も上がるだろう」
などと、今取り組んでいる作業が自分の向上のために役立っている、ひいては自分が緊張をコントロールしているくたいの感覚があれば、言うことなしです。
簡単にいうならば、「ちょっとだけキツイかな?」くらいの感覚、分量や状況が、ちょうどいいのです。
それ位が「自己効力感」を感じる程度になります。
悪い焦りは自己効力感が薄い
逆に「悪い焦り」は、周囲のプレッシャーや流れに圧倒されてしまい、自分ではどうすることもできなくなっているときです。
自己コントロールがまったく利かず、自己効力感どころではありません。
・「頭が真っ白」になって、呆然と立ちつくしてしまう
・「どうすりゃいいんだよ」とパニックになる
・「こんなことになったのは、あいつのせいだ」となじりたくなる
こうなってしまうと、無力感や絶望感、あるいは人によっては他人を責める他罰的感情を強くしてしまいます。
衝動的な行動が出ることもあります。
「いい焦り」を感じている人も、ときにはいらっとくることはあるでしょうが、
「少しぐらい焦らないと進まない」
「ちょっとつらいけど、どうにかなる」
という感触を持っていれば、ここぞというときに必ず納得のいく結果を出すことができるでしょう。
そしてそれが、その人の自然な自己効力感を保ってくれることは言うまでもありません。
逆に、他人にやらされている、仕方がないからやっている、やる意義がわからない、などという自己効力感とは正反対の感覚は、悪い焦りを起こしやすい下地を作ってしまいます。
「焦っちゃだめだ・・・」
と言い聞かせることも大事ですが、焦りが小さく思え思えるような自己効力感を持てるような生き方を目指していくことが、遠回りのようですが、感情に振り回されない自分になるための近道になると思います。
著者は、焦っていても「なんとかなる」と思えればOKだと言います。
その焦りを「他人のせい」や「会社のせい」にするようになっていたら、要注意なのだそうです。
感情の安定には、「自分次第でどうにかなる」という自己効力感が必要なのです。
納得できない仕事を任され続けることがありました。
体力的にも、しんどいのですが「とりあえず、今日を頑張ってみよう」を連続させているうちに、疲れ切ってしまいました。
自己効力感のない日々は、考える力も奪います。
へとへとになっている自分に気づくことも、まわりにSOSを出すこともできないうちに、大きなミスにつながりました。
そうなると本著の通り、「他人のせいだ」と思うようになり、そう思っている自分が大嫌いでした。
そんな日々を振り返って改善しようと決めたことは、「立ち止まる勇気を持つこと」です。
指示されたこと、求められていることに応えていくことは、仕事である以上必要です。
しかし、自分のキャパシティを超えていることや、「これって必要なの?」と思われることを、笑顔でこなしていくことは、「努力」ではなく、「我慢」でした。
しかし「やらされている感」というのは、長期間それをがんばってしまっていると、知らぬ間に思考力を確実に奪います。
「これって、おかしいかも?」と気づける視野を持つことが必要です。
ついでに言うなら、勇気を出すには体力もかなり必要です。
まわりに振り回されていると、気づかないうちにかなりのエネルギーを奪われています。
抜け出す元気も気力もないところまでくると、ときに人生そのものから逃げ出すという最悪の結果を衝動的に選んでしまいたくなることは、感覚として感じたことがあります。
恐ろしいことですが、結構身近にそれは起こり得ると思います。
先日勉強したことでもありましたが、「嫌な感じの焦り」があるときは、「時間の節約をしすぎないようにする」「ペースを落とす」などして、実は狭まっていた視野をしっかりと確保することが大事です。
良質の睡眠は、脳の記憶を整理して感情を落ち着けてくれると本著にもありました。
そこで秋の夜長をリラクゼーションCDを聴きつつ、アロマオイルの香りをかいで眠るようにしたら、朝の気分がよくなりました。
ちょっと自分をシアワセにしながら眠るって、朝からとてもハッピーな気分になれます。
今夜、素敵な夢が見られますように。
では、また。