「ショーシャンクの空に」というアメリカ映画がありますね。
銀行副頭取を務めていた主人公は、いわれのないえん罪の殺人罪で、ショーシャンク刑務所に収監されました。
劣悪な刑務所での終身刑。
20年30年たっても、仮釈放もなかなか許可されない場面もあります。
絶望のあまり、登場人物たちが無気力になってくるのも想像できます。
無期懲役のつらさがこころをくじけさせる
程度の差あれ、辛く苦しい時期は、終わりが見えているだけラクなものです。
終身刑は、その「終りが見える」という期待すら奪っている点が、残酷と言えるのでしょう。
仕事や私生活など、わたしたちのつらく苦しい経験は、終身刑とは違って、ある程度は自分でなんとかできる部分があることが救いです。
「こんな会社からは逃げ出したい」
「毎朝会社に行くのがイヤで仕方がない」
このようなつらい日々を送っている人も少なくないと思いますが、考え方を少し変えることで、つらさを少しだけ軽くすることができるかもしれません。
「とりあえず〇〇まで」頑張ってみる
例えば、
「今の仕事がキツくて仕方がない。
しかもいつまで続くかさっぱりわからず、途方に暮れてしまう」
いう状況下に置かれているとしましょう。
「いつまで続くかわからない」というのは、まさにストレスの終身刑になってしまっています。
仮釈放でもいいので、期待を持たせなければなりません。
そういうときは、できそうになくても構わないので、いついつまでという区切りや期限を、自分で決めることです。
「あと半年はがんばろう」
「もう1年経ってもこのままなら、上層部に直訴するなり転職を考えよう」
などと、自分なりの期限を決めて、「ストレスからの仮釈放」をイメージするだけでも、気持ちがラクになります。
名作『車輪の下』で知られる、ドイツの作家ヘルマン・ヘッセの著書『荒野の狼』の中に、50歳の誕生日になったら自殺する自由を自分に許す、という記述があります。
実際にヘッセ自身も、30~40代という、現代人でも仕事や家庭の重みでうつ病になりやすい年齢において、第一次大戦や自身の女性問題から、自殺を真剣に考えています。
しかし、50歳で自殺の自由を自分に許すということは、裏を返せば、「とにかく50歳まで生きてみよう」と見方をかえたことでもあります。
人生に悩み苦しみ、どんな苦しい人生であっても、50歳までの期限つきなのだと思うことによって、結局ヘッセは85歳の長寿を全うすることができたのです。
「とりあえず〇〇までやってみよう」と期限を区切ることは、大切な考え方です。
仕事には締め切りがあるものですが、こういったつらい経験の締め切りや期限に関しては、鈍感な組織が多いような気がすると著者は言います。
自分なりに期限を決めておくことは、仕事の能率アップなどよりも、メンタル面で大切であると著者は強調しています。
期限を区切って、絶望感を乗り越えましょう
・いつまで続くかわからないストレスほど、つらいものはない
・つらいときは、自分で期限を決めてしまう
・肩ひじを張らず、まずは「とりあえずあと〇年」「✖年経ったら辞める」などと決める
エンドレスだと思うと、本当につらくなってしまうことがありますよね。
辛い時、うまく期限を切ることができなくて、一人で悶々としてエネルギーの無駄遣いをしていた頃がありました。
その「悶々とした時間」って、結構疲れ切ってしまうんですよね。
次につらい場面があったら、絶対「期限を切る!」を実践したいと思っています。
寒くなってきました。
温かくして、ゆっくり休んでくださいね。
では、また。