自己概念、セルフイメージが”できない自分”で固定されていると、ぼんやりしている瞬間にも”自分のできないところ探し”をしていたりします。
そして、何が起きても「やっぱり自分はできない人間なんだ」と、ますます結論付けてしまうのです。
誰にでも「できる部分」と「できない部分」はあるもの。
べったりと貼りついた「できない自分」という自己概念を外していくには、こんな手段もあります。
「ほめられたこと」を思い出す
なにか大きな痛みがあってひどく落ち込んでいるときは、なかなか浮上できないものです。
そういうときは、ちょっと人生を振り返ってふたつのことを思い出すという方法があります。
ひとつ目は「過去に誰かからほめられたこと」です。
言い換えれば「あなたが誰かから『ありがとう』と感謝されたこと」を思い出してみてください。
著者が思い出すのは祖母から、「あなたは一番おばあちゃんのご飯を『おいしい』と言って食べてくれるから、うれしいわぁ」と言われた一言です。
もう他界しているそうですが、優等生の姉の陰で目立たず何もできなかった著者でも、ひとを喜ばせることができたという事実が、わずかな自信を持つきっかけになった出来事だそうです。
学校で先生に褒められたこと、顧客からの一言、動物がすぐなつくとか、お茶をいれてお礼を言われたりなど、何かひとつくらいは見つかると思います。
落ち込みが強いときは、それを書き出したりすると、自分の存在意義がそこに見えています。
「乗り越えたこと」を思い出す
ふつうに暮らしていると、「見るからに華々しい『達成できたこと』」が人生にたくさん転がっているということは、まずありません。
しかし、「世界のナンバーワンになる」ことよりも、実はわたしたちが普通にがんばってできたことがたくさんあります。
失敗や病気、失恋、時には誰かの死を乗り越えて私たちは生きています。
それは、とてもすごいことではないですか?
そうしたことを乗り越えたことは、十分あなたの自信にできることなのです。
大きなことを達成した経験よりも、絶対にあなたを強くした経験ではないでしょうか。
ピンチで気づくと下を向いてしまう、そんなあなたに
「あのとき、踏ん張ることができた!絶対また踏ん張れば、乗り越えられるよ!」
とあなた自身にが言ってあげましょう。
山の頂点に立ったことよりも、谷から這いあがったことの方が、本当は素晴らしいことなんです。
少し自信過剰になる
自信を持てない原因に、必要以上に謙虚になってしまうということがあります。
だからこそ、少しでも自分の「できる部分」がみつかったら、その部分にちょっとでいいので自信過剰になってみませんか。
もちろん行き過ぎてはいけませんが。
しかし、今の時代「謙虚でいい人」ほど苦しんでいる、と著者は言います。
著者は作家の五木寛之さんとのラジオでの対談で、鬱の話をしました。
五木さんはそこで、「今の時代、正直で普通の人ほど鬱になる」と言っていました。
つまり、現代は時間の流れがとてつもなく速く、身の回りの情報も圧倒的に増えている。
そんな中、やさしくて、謙虚で、自分のことよりも周りのことを考える人が、「自分はダメだ、ダメだ」と自分自身を追い込んでしまい、鬱になってしまうそうなのです。
謙虚さは持ちながらも、「自信がある」と思えるところを自己満足で構わないので、1つ持つこと。
それをこっそり「この部分だけは、自分ってすごい」と言葉にしてみること。
嘘のようですが、そうすると内側からエネルギーが湧いてきます。
また、誰かに「〇〇さん、すごいね」と褒められた時も、「いやいや、私なんて」と謙遜してしまうのではなく、「ありがとうございます」と答えることを習慣にすると、自信が育ちます。
ほめてくれた相手に、「こんなことを言うなんて、この人裏があるんじゃないかな?」なんて、複雑に考えてしまうと、貴重な言葉のパワーが心に入ってこないので、もったいないです。
プラスのいい言葉を素直に肯定的に受け入れた方が、エネルギーになります。
今日も1日、おつかれさまでした。
すてきな夢を見られますように。
では、また。