たくさんの情報が流れ込んで切るいまの時代は、うっかりすると振り回されてしまいます。
コントロールが効いていない状態というのは、すごく危険です。
荒波の中を流されているようで、恐怖倍増です。
だけどそこに、サーフボードがあれば、荒波を楽しむことができます。
人生に「これは正解!」というものはないけれど、戸惑ったときに「こんな話もあったな」というヒントとして、著者は書いています。
雑誌編集者、音楽プロデューサーを経て、現在は各地の学校で教鞭をとりつつ、コンサルティング会社を経営する、人気大学講師の90分授業です。
知識よりも知恵の時代
わたしたちが生きている時代は、「情報革命」の真っただ中。
ほんの少し昔なら、何かわからないことがあっても、すぐに答えは見つかりませんでした。
検索すればなんでもわかるようになり、知識に価値がなくなる時代になりました。
いまの時代に大切なのは、その知識を使いこなす「知恵」。
「こんなことを知っている」ではなく、「こんなことを知っているから、こんなことができる」という応用力が必要です。
たとえば明太子スパゲッティ。
「おいしいものを組み合わせたら、当然うまい」
というシンプルな答えですが、イタリア人には作り出せないものでした。
知恵を使うことができれば、インターネットで無尽蔵の知識を組み合わせて、たくさんの新しいものを作り出すことができます。
これは、ものすごくチャンスのある時代と言えます。
その一方で、知識と正しく付き合うことができないと、その知識に振り回されてしまう危険な時代でもあります。
まわりにご飯屋さんはたくさんあるのに、どのお店の評判もネットで見つからないから入ることができない、そんな状態に陥ってしまったり、不要な知識が入り込んできて、考えなくてもよいことに悩まされることがあります。
知識よりも知恵が大切な時代、いま私たちが生きている時代です。
あなたが今日身につけたのは、知識ですか?知恵ですか?
友人がシェアしてくれたのは、どちらですか?
理解するよりも把握するように心がけよう
わたしたちの周りには、無尽蔵の情報が共有されるようになりました。
そのひとつひとつに、むかついたり、心配したりしていませんか?
以前の著者はそうでした。
たとえば、世間で売れている音楽が許せなかったそうです。
著者の感覚からしたら、どう聴いてもダサいものが売られていることに、ムカムカしていたのです。
世間という、身近に在りながら見えない世界にムカムカしまくっていたそうです。
でも、著者がむかついても何もいいことはありませんでした。
そこに気が付くまでに、ずいぶん精神力と年月を使ってしまいましたが、あるときから「そういうものなんだ」と把握してみることにしました。
そして、むかつく対象から自分に役立てられそうなエッセンスを抜き出すことにしたのです。
理解しようとするのは大変。
むかつく奴と仲良くしようとしても、なかなかできないものです。
だから、「こういう人なんだ」って思うようにしました。
理解より把握することにしたのです。
把握した内容に、納得する・納得しないはどっちでもいい。
把握さえできれば十分。
ものすごい量の情報、たくさんの人との出会いの中で、すべてを「理解」しようとしても、追いつきません。
人間の脳はずいぶん長い間変化していないので、どこかでゆがみを生じます。
興味のないことも「把握」しましょう。
そこから、自分い必要なことだけ取り入れればいいんです。
正解を選ぶのは自分です。
性格は変わらないから把握してみよう
著者は、若い子たちから「自分の性格が嫌いです」という悩み相談をよく受けます。
たとえば、追い込まれないと始められない、集中力が続かない、自分に自信が持てない、時間を守れない・・・。
まず、自分の性格を悩むのはやめましょう。
それはもういまさら変えられないですし、変える必要もないのです。
そこを悩んだり、変えようと努力するより、その性格とどう向き合って、付き合って、攻略していくかを考えてみましょう。
たとえば、追い込まれないと始められないのなら、追い込まれる環境を用意しておけばよいのです。
図書館の自習室とか、コワーキングスペースとかをリストアップして、最期はそこでカンヅメになる。
どうせ追い込まれないと始められないんだから、日程に余裕がある間は、心配せずに遊んでおいても大丈夫です。
集中力が続かないなら、ネットの回線を切る時間を決めて、まわりにも伝えておく。
余計なものを減らせば、仕方なく集中できます。
仕事のプロジェクトでも、日常のくらしでも、だいたいにして「多すぎる」のです。
自分に自信がなく、つい考え込んでしまうのなら、SNSを見るのはやめましょう。
ネットの世界では、悪口の方が大きく見えてきます。
少しでも「自分がブレる」要因を消しておくのです。
著者はADHD(注意欠陥・多動性障害)なので、スケジュール管理が苦手で、時間を守ることが下手だったので、思い切って秘書を雇うことにしました。
コストがかかる今の時代なら、スマホやカレンダー系ウェブサービス、アプリといった便利な道具も活用できます。
「こうやれば成功する」という指南書本はたくさんありますが、著者がおすすめするのは、同じ人が書いた「成功した時の本」と「失敗した時の本」を読むことです。
そして、その本の現場に足を運んでみたりSNSで著者とコンタクトを取ってみると、内容をさらに深く知ることができます。
自分の性格を認めて、把握すること。
攻略方法や仲間を見つけること。
変えるよりも早いです。
悩むのは禁止です。
見られていないことに気づいてみよう
自分の思うがままに、自分だけで主導権をもって行動していくことを、恥ずかしいとか自信がないとか言われることがあります。
だけど、リアルな場では、あなたが思うほど周りはあなたを見ていません。
そしてそれは、人口が多い都市部では特に顕著です。
若いうちに恥をかいておいた方がいいです。
若いうちの方が、立ち直りも早いですし、名誉挽回の時間もあります。
やってみて恥ずかしいのも、やらずに後悔しながら生きるのも、どっちも恥ずかしいです。
でも、やらなかった恥ずかしさはいつまでも消えません。
ただし、ネットの場では簡単に検索できるという性格上、こっそり見られているということが気づきにくいもの。
仲間内だけだ、と思っていても、どこかで漏れたりするので、ネット上の発言は気を付けておきましょう。
勇気が出なかったり自信がなくなってきたときは、自分より不幸そうな人の本や失敗談を読むこともおすすめだと著者は言います(笑)。
自分より不幸な人をバカにするのではなく、自分に活かせること導き出してみましょう。
また、『好かれよう』と思わないことです。
好かれようとして好かれた人って、いないんですよね。
好かれる人は「自分のことが大好き」で、まわりの人もそんなその人が大好きで、そういう人が輝くわけです。
追えば逃げる。
猫みたいで不思議です。
沢山の人、たくさんの価値観に出会い、その中から居心地のよいものを選び出して、自分のなかに植え付けていく。
自分の人生を謳歌して生きましょう。
今日も1日、お疲れさまでした。
ゆっくり休んで、よい夢を。
では、また。