付き合いの多い年末。
人間関係を大切にするためにも、参加しなければならないものがあったり。
でも、付き合いや年末の忙しさに、本当に「自分」が何をしたいのかさえ見えなくなります。
そんなときの特効薬が「ひとり時間」です。
クールダウンに最適
年末の仕事は忙しくなりがちです。
ちょっとした残念なことも、多くなりやすい時期です。
そんなときは、そのままイライラを持って家に帰らずに、お気に入りの場所に立ち寄ってみるのも、あなた自身のためにとても大切なことです。
その昔は「帰りにちょっと一杯」という「ひとり時間」は、サラリーマンの男性の特権でした。
でも、時代は変わりました。
学生も仕事帰りの女性も、ちゃんと心をリセットして整え、自分で自分のコンディションを整えてこそ、自立した立派な「おひとりさま」です。
そんな私たちのために、毎日の小さな「ひとり時間」はとても必要です。
ほんの短い時間でも、「自分」をリセットできます。
「ひとり時間」は究極の自分磨き
仕事場と自宅の往復だけの日々だと、気づかないうちに「ラクな服装」に流れがち。
毎日が同じことの繰り返しになります。
会話する相手が、仕事相手と家族だけだと、得られる情報もごく限られていったり。
そうやって視野が狭くなってくると、考え方にも柔軟性や発展性が失われていきがちです。
「ひとり時間」は、そんなありふれた日常生活を一新してくれます。
ちょっとしたお店に寄ったりするだけでも、新しいものに出会うことができます。
新しいものに出会うと、なんだか自分もちょっと素敵になった気分になれます。
そして、新しい場所は、どこか客観的に自分を見ることができます。
自然と、身なりも整えようとするモチベーションが上がります。
非日常的な場所を持つことは、心も体も気持ちよく素敵に保つための秘策です。
見極める力を上げる
「ひとり時間」を持つと、見極め力が上がります。
たとえば昼に「ひとり時間」をする場合。
ランチをする店を決めるのも、数あるメニューから食べたい1皿を決めるのも当然ひとり。
当たり前のことのように思えますが、いざひとりでやってみると、決断ってけっこう難しいものです。
しかし、この「決断する力」は、日ごろから筋肉のように鍛えることが重要です。
著者自身も、大きな2つの決断をひとりでしてきました。
ひとつ目は就職のとき。
安定した大手自動車メーカーか、歩合制のラジオキャスターか。
著者は後者を選びました。
幼いころからの夢だった、話す仕事にかけてみたのです。
ふたつ目は、それまでの仕事を辞めて専門分野を持ったライターになること。
ラジオキャスターを辞めたあと、著者は女性週刊誌の記者になりました。
バブルの名残残る出版社で、分不相応ともいえる高価なギャラをもらい、優雅な生活を10年以上も送りました。
しかし、「与えられるものでなく、好きなものを書きたい」と思っていました。
そんなある日、著者がひとりの編集者に文章について質問したところ、
「いい記者は編集者の言いなりになること。文章なんかうまくなくていい」
と言われます。
そのことが著者の背中を押し、記者を辞め(上司と合わなくてほとんどクビだったと著者は笑い飛ばしています)ました。
きき酒士の資格を生かして、お酒と料理を中心に執筆を開始します。
辞めて1年はほとんど無職の状態で、つらいこともたくさんありましたが、今では本当に良かったと心からいえるとか。
こうした大きな決断を自分自身でできたのは、ふだんから「ひとり時間」をすごして見極める力をつけていたから、と著者は言います。
ふたつの決断をするとき、著者はたくさんの友人に相談してきました。
もしも見極める力がなかったら、一部の助言に流され、別の人生を歩んでいたかもしれません。
自分の夢を捨ててまで。
毎日の何気ない小さな決断。
これを積み重ねることで、見極め力、そして決断力が鍛え上げられ、人生を左右する大きな決断も迷うことなくできるようになります。
「ひとり時間」は、そんな効果もあるのです。
初級編 まずは身近な場所から始めよう
ラグジュアリーなホテルでの豪華なディナーなどの「上級者」向けのライフスタイルは、あこがれますが、スタイルだけを真似するのは危険なことです。
ハイクラスなことには、それ相応の費用が掛かります。
まずは、「個」を確立する大切さを知ることから始めることです。
スタイルから入る、という方法もありますが、一時的なマイブームになりがちです。
あなたを育てるたいせつな「ひとり時間」にするために、いくつかのポイントを紹介します。
①収入に見合った「ひとり時間」を
生活を圧迫しないことは、大切な秘訣です。
継続して毎日持つことが大切だから。
「ひとり時間」を通じて学ぶのは、あくまでもメンタル・マナーです。
人に依存せず自立した生き方を身につけることです。
だからお金をかけたから、上級者になれるというわけではありません。
②背伸びをしない
普段行ったこともない高級なお店で、いきなり「ひとり時間」を楽しもうとすると、緊張して味もわからなくなります。
自然体であなたがいられる場所を探してください。
③毎日できることがいちばん
せっせと貯金して、年に1度のゴージャスな時間を過ごすのも、決して悪くはないですが、「ひとり時間」はダイエットと同様で、継続することに意味があります。
④焦らず、順を追って
慣れていないビギナーが、いきなりホテルに一人で宿泊したりすると、楽しさの前に寂しさを感じてしまいます。
最初はカフェくらいで。
次にレストランなど。
そんなふうに、時間をかけて身近なところから攻略しましょう。
「ひとり時間」は、人それぞれ。
あなたらしさを決して忘れないことです。
誰かのライフスタイルをなぞっている限り、「自分」は確立できません。
公式などないのだから、あなたの地域に合ったあなただけの方法を見つけましょう。
実は、これが難しいところです。
たとえば、
公園の気に入ったベンチでマイボトルのコーヒーを飲む。
図書館の席で本を読む。
「あなたなりのひとり時間」を探すことが肝心です。
まわりの理解を得ることも必要
独身の一人暮らしであれば、思い立ったら即「ひとり時間」を過ごせます。
しかし、パートナーや家族がいると、そう自由にならないことも。
まわりをないがしろにして勝手に「ひとり時間」をするのは、ルール違反ですね。
そこで、共同生活をする中で「ひとり時間」をするための、3つのルールを紹介します。
①自分の居場所を知らせる
秘密が多いと、まわりに不信感を抱かせてしまうことがあります。
ひとりで飲みに行く、と知ったら心配してしまうかもしれません。
これは基本中の基本です。
②帰宅するまでひとりで
お店ですてきに「ひとり時間」をしていても、いざ帰るときになって「迎えに来て」というのは、まだ修行不足。
夜道が心配ならタクシーを使ってでも、自力で帰宅してこそ立派な「おひとりさま」です。
どんな優しいパートナーだって、お酒臭いあなたをわざわざ迎えに行くなんて、興ざめです。
③帰宅時間を知らせる
食事時間や帰宅時間がわからないと、共同生活している人は心配してイライラしてしまいます。
そうならないため、おおよその帰宅時間、食事の有無、お風呂などについて伝えておくことが、「ひとり時間」を継続させていきます。
共同生活の中で「ひとり時間」をするためには、「常に相手の立場になって物事を考える」ことが必要です。
相手に迷惑になる「ひとり時間」はさけるべき。
それさえ念頭に置けば、堂々と気兼ねなく「ひとり時間」を楽しめます。
年末にかけて、来年の抱負を考えたり、手を付けそこなった課題に、ちょっと手を出してみたい時期ですね。
ワタシのひとり時間は、この年末はもっぱら通勤時の車の中です。
時間があれば、セブンイレブンの駐車場で休憩がとれます。
ダッフィーを積んで、コーヒーを持ち込んで、アロマスプレーを吹きます。
ほんの10分ですが、ひとり時間を意識するようにしたら、ダイエットの目標を思い出して、無駄なおやつを減らせるようになりました。
けっこう自分を解放でき、がんばってみようとする気力がわいてくるものですね。
今日はゆっくり休めましたか?
あなたの明日からの1週間が、さらに素敵な毎日になりますように。
では、また。