1月1日に立てた目標の中で、どうにも望みが叶いきれないものは、「継続力」が必要な物が多かったりします。
本当に継続させたいと強く強く思っているのに、なかなか続かない・・ってことありませんか?
「今度こそ、ダイエットを成功させる!」
「今年こそ、絶対に禁煙する!」
「来年までに、お金を貯めたい!」
イメージもしっかりつけたにも拘らず、結果が「目標達成!」と言うには今一歩だったり。
もちろん引き寄せなども、目標を達成するには強烈に有効な手段です。
しかし、さらにプラスして「行動」そのものをマネジメントする方法を手に入れてみませんか?
強い意志を持ち、先行投資もして始めたダイエット、お金の管理、整理整頓など・・・今年のワタシの目標で「もう一歩」だったものたちです。
ワタシは「継続」が苦手・・。意志が弱いのかな。
そこでトライしてきたのは、引き寄せやイメージングでした。
実はこれらである程度結果が出せるようになりました。
が、「よい習慣をつける必要がある」という類のものだと、目標値の半分くらいなのです。
そこで、「行動」に着目した「継続力」へのアプローチをこの年末にちょっと勉強です。
いっしょに自信をもってウキウキ気分で、1月1日にはウイッシュリストを100個書きませんか。
著者は、人間の行動を科学的な方法で分析している石田淳さん。
「行動科学マネジメント」のライセンスを持ち、人材育成と企業内問題解決方法を構築しています。
TV「ワールドビジネスサテライト」や雑誌「AERA」でも取り上げられています。
本著は理論を固めに紹介した著書ですが、かなりわかりやすく漫画で紹介した『続かない女のための 続ける技術』という著書もあります。
大掃除の合間に寝転んで読むなどするのにも、こちらおすすめです。
続かない理由は2つだけ
何かを続けることができない理由は、じつは2つしかありません。
続かない理由① やり方がわからない
続かない理由② やり方はわかっているが、「継続の仕方」がわからない
多くの場合、①の「やり方」というのはある程度解明されています。
「ダイエットのやり方」「英会話の上達のコツ」などのハウツーを紹介した本は、多数書店で見られます。
それなのに続かない理由は、なぜでしょう?
例えばダイエットならば、
「どうやってカロリーを制限したらよいのか」
「どんな運動を、どうやってすればいいのか」
ダイエット方法を選択した時点で分かっています。
しかし、問題はそれが・・・「続かない」ということ。
「続かない」と信頼を失う
続かないことの問題は、継続の方法です。
つまり「自分一人で続けられない」ということ。
「自分で決めたことが続かない」
「目標を達成できない」
「途中で挫折してしまう」
これらは「継続のための方法を知らない」ことが最大の理由だといえます。
どんなにすばらしいノウハウを学ぼうとしても、継続方法がわかっていない人は、それをマスターすることができません。
効果は確実、しかも絶大!とわかっているスキルだって、「ちゃんと続けられれば、の話だけど」の前提のものばかりです。
続かないと、目標が達成されず、何も得るものがないばかりか、
「あいつ、また途中で放り出したよ」
「意志の弱いやつだな」
と他人からの評価を下げ、信頼を失っていきます。
また、自分に自信がなくなり、何を始めても「また挫折するかもしれない」と考えるようになります。
では、物事を続けるには何が必要でしょうか?
強い精神力?
生まれ持っての才能?
行動科学の世界では、それらを完全に否定します。
物事を継続できないのは、意志が弱いからでもないし、もともとの才能や性格のせいでもありません。
「行動に焦点を当てていないから続かない」
この一言に尽きるのです。
本当は「できること」にもかかわらず、たまたま継続方法を知らないために、酷評され、ネガティブ思考に陥っているのです。
行動科学の手法を取り入れ、自発的にやり遂げる経験をしてみませんか?
初志貫徹は何よりの成功体験となり、自分に対する自信が回復していきます。
周囲からの評価も変わります。
行動の2つのパターン
あなたが継続したいと思っている行動には、2つのパターンがあります。
第1に、英会話や筋力トレーニングを継続させたい、というような「不足行動を増やす」というパターン。
第2に、禁煙やダイエットで過食を防ぐ、などの「過剰行動を減らす」というパターン。
いかなる行動であろうと、継続するパターンは、このどちらかです。
物事を続けるために増やしたいと考えている行動、あるいは減らしたいと考えている標的となる行動のことを「ターゲット行動」と言います。
やみくもに続けようとする前に、まずあなたのターゲット行動が、足りないから増やしたい行動・・・すなわち「不足行動」なのか。
もしくは、余計な行動だから減らしたいもの・・すなわち「過剰行動」なのかをはっきりさせます。
課題を明確にし、有効な方法を選ぶこと。
それが続けるコツです。
「不足行動」を増やしづらい理由
「不足行動」は、あなたがこれから増やそう、始めようとしてもなかなか増やせない行動のことです。
「続ければ自分のためになる」
「将来的にポジティブな結果を自分にもたらしてくれる」
ということがわかっていながら、現在はまだやっていない行動、継続できていない行動・・・それが不足行動です。
「やせるために毎晩3キロの道のりを走ろう。
月間90キロ走ればカロリー消費はこうなる。
よし、絶対やるぞ!」
行動科学的に言うと、この人は「不足行動を増やそうとしている」ことになります。
「英会話の勉強を始めたものの、1日の勉強時間が短すぎる」
「ダイエットのために縄跳びを始めたけれど、回数が足りない」
「健康維持のために野菜サラダを毎日食べようと決めたけれど、できていない」
これも不足行動。
時間や回数が目標に届いていない行動は、すべて不足行動に分類されます。
なにか新しいことを始める時、あなたは「不足行動を増やそうとしている」のです。
不足行動には大きなハードルがあります。
それは「すぐに成果を確認できない」ということです。
「体重を減らす」
「志望校に合格する」
「海外の取引先と英語で交渉する」・・・・。
こういった成果を目指して始めますが、目標到達まで長い時間がかかります。
言い換えれば、長く続けなければ成果が得られないから、続けることができないのです。
たとえば、もしも走るたびに体重が1キロ減ったらどうでしょうか?
すぐに成果が得られるので、やる気を刺激され、毎日走るはずです。
1時間勉強するたびにテストが10点上がったら?
1晩CDを聞いたら、明日から英語が話せるとしたら?
これならだれも挫折することはないですよね。
しかし現実には、1回走ったぐらいで体重が目に見えて減ることはありません。
「走った効果がすぐに表れない」
「今日は知っても走らなくても、大差はないと感じてしまう」
ジョギングや勉強が続かない理由は、ここにあったのです。
不足行動を邪魔する行動?
しかも、不足行動を増やす場合は、誘惑によって邪魔されやすいのです。
著者はこの誘惑を「ライバル行動」と呼んでいます。
続けようとしている人の行動を、ライバル行動が妨害するのです。
たとえば、
ジョギングに出かける時間なのに、つい習慣的に”テレビをつける”という行動をとってしまう。
ダイエット中なのに、ついケーキを食べてしまう。
”英会話のテキストを見る”ちう行動をとるのではなく、漫画本に手が伸びてしまう。
「テレビをつける」「ケーキを食べる」「漫画本に手を伸ばす」・・・これらすべて、不足行動を増やす際の「ライバル行動」です。
このライバル行動は享楽的で、とても魅力的に見えます。
不足行動を続けようと決意しても、ライバル行動の誘惑はあまりに強烈です。
「う~ん、どうしよっかな?」
あなたはしばし葛藤の後、自分に言い訳をしてケーキを食べてしまう。
英語のテキストを置いて漫画本を広げてしまう。
だらだらとテレビを見続けてしまう。
「今日はもういいや。明日からまた続けよう・・・」
「明日まとめてやればいいか・・・」
誰にでも経験のあることです。
なぜライバル行動の誘惑にあなたは負けてしまうのでしょうか?
ライバル行動は、行動した瞬間に”あなたが望む結果”を得ることができるからです。
ケーキを一切れ食べると、生クリームの甘さが瞬時に口の中に広がりますよね。
快感です。
テレビも漫画本も、見た瞬間から楽しめます。
この手軽さこそがライバル行動の魔力です。
ライバル行動は本当に手軽です。
テレビのスイッチを入れる「だけ」。
漫画本を広げる「だけ」。
ケーキを口に入れる「だけ」。
ラクに快感が得られることを知っているから、その誘惑に負けやすくなってしまいます。
一方、不足行動を増やすときは、時間や手間、コストなど、行動を増やすまでの本人の努力が必要です。
つまり、実行するまでのハードルが立ちふさがるのです。
ジョギングするにはトレーニングウェアに着替えなければなりません。
一定の距離を、それなりの速さで走らなければならないことは、苦痛に感じます。
何より、暑くても寒くても外に出なければなりません。
「今日はやめとくか」
と自分で中止してしまうのも、そのせいです。
新しいことを始めるには、エネルギーが必要です。
不足行動とはそもそも習慣化されていないため、これから始めようとする人にとっては予想以上に心理的ハードルが極めて高いといえます。
そこに加えて魅力的なライバル行動がウインクして手招きするのですから、ふらふらと誘惑に負けてしまうのは無理もありません。
不足行動のハードルが高い反面、ライバル行動の誘惑が強い。
これもジョギングが続かない大きな理由です。
「過剰行動」が減らない理由
「過剰行動」とは、あなたが減らそうとしている、あるいはやめようとしている行動を言います。
わかりやすい例としては、たばこ、お酒、ギャンブルなどがあげられるでしょう。
将来的に自分にデメリットをもたらすことがわかりきっているのに、なかなかやめられないのが、過剰行動です。
どうして過剰行動に走ってしまうのかについては、前述した「ライバル行動の魔力」と同様です。
過剰行動もまた享楽的で、すぐに確実に自分の望むものや快楽を得ることができるという特徴を持っています。
「自分で格別な努力をしなくても、簡単に継続できてしまう」のです。
喫煙を習慣としている人は、たばこを吸うと、最初の一服から満足を得ることができます。
お酒が好きな人は、すぐおいしくて気分がよくなります。
ギャンブルは、かけたその瞬間から、一獲千金の夢を見せてくれます。
これらの行動「すぐに確実に」味わえます。
この「『すぐに確実に得られる』行動した結果」がなかったら、どうでしょう?
苦痛を与えられるものだったら、誰が好んで続けられるでしょう?
たばこを吸った瞬間に息苦しくなったら?
お酒を飲むと同時に、猛烈な吐き気が襲ってくるとしたら?
まったく勝ち目のない勝負なら?
でも現実には、たばこやお酒はおいしく感じるし、ギャンブルではハラハラ感に陶酔できます。
つまり「快感やメリットがすぐに表れる」ということ。
やめられない理由はここにあるのです!
過剰行動を邪魔する行動は?
残念なことに、過剰行動にはライバル行動が成立しにくく、仮にあったとしても代わりの行動として有効に働きません。
たとえばお酒の代わりにウーロン茶。
でも、お酒の味は忘れられないでしょう。
過剰行動は、それ自体が誘惑に富んでいます。
邪魔するものと言えば、家族から嫌われることや、お金が無くなること。
でも本人にとっては大した障害になりませんし、それらは「『すぐに確実に得られる』結果」にはならないのです。
過剰行動の場合、ハードルが高い低いの問題ではなく、ハードルそのものが存在しないといっていいでしょう。
禁酒禁煙がなかなか続かないのは、これも一因です。
一口に行動と言っても、そこには「不足行動」と「過剰行動」があるのです。
あなたがこれから続けたいと思っている「ターゲット行動」は、このどちらですか?
継続には近道がある
何をしても長続きしない人、かつての著者もそうでした。
英会話も進まない、テキストを買っても録音しても、なまけてしまう。
強く誓って、テキストだけは毎月きちんと買って、「今月はやるぞ」と思っても続きません。
やる気はあり、外国人と英語で話す知人たちを見て、ああなりたいと強く願っていました。
学生時代に応援団に所属し、先輩にさんざんしごかれてきたので、気合と根性ならだれにも負けない自信がありました。
著者にかけていたものは、何だったのでしょうか?
そう、
「行動を増やす」
「行動を減らす」
という「ターゲット行動のコントロール」「ライバル行動のコントロール」の発想です。
何かを続けたい人は、まず自分の「行動」に着目することです。
なぜ続かないかを、行動を分析することで明らかにし、続けるための具体的なプログラムを組み、自分の行動を変えていく。
これが継続の近道です。
明日は、その具体的な方法について詳しく勉強していきます。
来年はどんな年にしたいですか?
あなたの来年が最高に素敵な1年になりますように。
では、また。