あと4日で今年も終わり。
新年の目標を立てるその前に、「継続する」ためのポイントを押さえておきたいと思います。
昨日は、ものごとを「続ける」技術をつけるためには、自分の行動に注目することが必要であると勉強しました。
あなたが物事を続けるために増やしたいと考えている行動、あるいは減らしたいと考えている標的となる行動のことを「ターゲット行動」といいます。
その行動を増やしたいのか、減らしたいのかはっきり意識することが必要です。
始めようとしてもなかなか増やせない、または減らせない行動があるとき、そこには継続を邪魔する「ライバル行動」があります。
それらをどう扱っていくか、今回は具体的に学びたいと思います。
継続のための基本は、目的によってふたつ必要です。
①ターゲット行動の発生をコントロールする。
②ターゲット行動を邪魔するライバル行動の発生をコントロールする。
条件を整えてしまう!
続ける技術とは、ずばり上の2つを軸とするスキルです。
あなたが行動を増やしたいのか減らしたいのか、それによって方法が変わります。
すなわち、「増やしたい行動」であれば、ターゲット行動が起きやすい条件を整え、ライバル行動の発生を抑える。
「減らし続けたい行動」であれば、そのターゲット行動が起きにくい条件を整えて、ライバル行動を発生しやすくする。
さらに、やめたい行動の代わりとなる「チェンジ行動」をとります。
このような、行動の条件操作をすることを、専門用語で「先行コントロール」と言います。
この方法を使うと誰でも行動をコントロールし、継続することが可能です。
条件を変えれば、行動は必ず変わる!
行動科学では、どんな行動にも理由があります。
A=熱いから→B=エアコンをつける→C=部屋が涼しくなる
A=エアコンがないから→B=団扇であおぐ→C=暑さを紛らわすことができる
A=寒く感じる→B=セーターを着る→C=体が温まる
つまり、
A=選考条件(行動の直前条件
↓
B=行動
↓
C=結果条件(行動の直後条件)
このようにすべての行動は、この3つの要素から成り立っています。
誰でも本人が望む結果を得るため、望まない結果を避けるために行動します。
そのため、行動する直前の条件を整えたり、行動するときにサポートする方法を考えたり、行動するメリット・デメリットを考えたり、行動するまでの手間の環境を変えたりすることが、行動に大きく影響するのです。
『先行コントロール』とは、このように環境・条件などを意図的にコントロールすることです。
あなたの行動を分析する
「行動のコントロール」がわかったら、いよいよあなたのターゲット行動を分析してみましょう。
行動を増やす場合・減らす場合のそれぞれについて分析します。
フロント行動リサーチ
ターゲット行動(増やしたいもしくは止めたい行動)について
ターゲット行動の発生頻度は?
どんなときに発生しやすい?
発生しやすい場所は?
誰といる時に発生しやすい?
ターゲット行動前にあなたがしていた活動、出来事は?
ターゲット行動直前にあなたの周囲の人が言ったこと、したことは?
ターゲット行動が発生しにくいのは、どんな時、どんな場所、誰といる時、どんな活動状態のとき?
ライバル行動(あなたの邪魔をし、誘惑する行動)について
ライバル行動は、どんな行動ですか?
発生頻度、持続時間は?
ライバル行動をするために、どれだけエネルギーが必要?
ライバル行動をするたびに、あなたにとっていつも良いことがありますか?
どんな時発生しやすい?
どのような場所で発生しやすい?
その前にあなたがしていた活動や、出来事は?
発生する前に、あなたはほかに何をしていましたか?
ライバル行動が発生しにくいのは、どんな時、どんな場所、誰といる時、どんな活動や状態のとき?
これらの設問に答えてみると、ターゲット行動を増やす条件やライバル行動を減らす条件が具体的にあぶりだされます。
例えば「禁煙」。
たばこを吸いたくなる時は、
「人が吸っているのを見た時」
「広告などで、パッケージを見た時」
「満腹になった食後」
「お酒を飲んでいる時」
これらの条件で喫煙したくなるのなら、その条件をできるだけ排除します。
きっかけを取り除いた分、たばこを吸う回数を減らすのは容易になります。
反対に「禁煙したくなる時」は、
「真っ黒な肺の写真を見た時」
「会談で息切れした時」
「たばこの値上げがあった時」
「たばこを吸っていて、周囲から嫌がられた時」
これらの条件によって禁煙したくなるのなら、その条件をできるだけ増やします。
たばこで黒くなった肺の写真を引き伸ばして壁に貼る。
値上がりは意のままになりませんが、1箱1000円と決めて、1箱ごとに差額を貯金する。
なるべくたばこ嫌いな人と一緒にいる・・・など。
あなたに何が起こったか?
アフター行動リサーチ
続いて、「その行動をした直後の環境条件」を明らかにする「アフター行動リサーチ」を紹介しています。
その行動によって、得られるもの、変化するもの、周囲の人の態度など。
行動直後の状況をリサーチして、ターゲット行動の代わりとなる「チェンジ行動」を見つけます。
あなたの中に継続するための環境条件が見つかります。
たばこを吸ったとき、あなたにはどんなメリットがあるでしょうか。
ターゲット行動
ターゲット行動の後に、どんなことが発生しますか?
ターゲット行動が発生したら、あなたはどうしていますか?
すると周囲の人は、どのようなことをしますか?
発生した後で、何か変わりますか?
それであなたは何を得ることができますか?
発生させることで、あなたが何をしなくて済んだり、避けることができますか?
ライバル行動
ライバル行動の後に、どんなことが発生していますか?ライバル行動が発生すると、あなたはどのようなことをしていますか?
すると周囲の人は、どのようなことをしますか?
それであなたは何を得ることができますか?
ライバル行動の発生で、あなたが何をしなくて済んだり、避けることができますか?
「リラックスできる」
「落ち着く」
「味や香りに満足する」
「手持無沙汰を解消できる」
これらのメリットがあるなら、同様のメリットが得られる行動を探します。
「深呼吸する」
「飴をなめる」
「禁煙パッチを使う」
などの方法があるはずです。
反対に禁煙したメリットは何でしょう。
「健康になる」
「心肺機能が高まり、運動が楽になる」
「節約になる」
「人から嫌われなくて済む」
これらのメリットを感じるなら、このメリットをいかに増やすか、を考えます。
明日は、さらにどうやってターゲット行動にアプローチしていくかについて勉強したいと思います。
自分でも、今回のリサーチをしてみたのですが、「おやつを食べることによって、休憩をとることができる」から、間食がやめられないことがわかりました。
そのため、この年末はマイボトルにお茶をいれて持ち歩いていたら、1キロ落とせました!
分析して有効な「チェンジ行動」を見つけると、ストレスなしで「ターゲット行動」を操作できるのかもしれません・・・。
よい年末を。
では、また。