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猫のメメとモエ

生命線があと10年分しかない!どうせなら、やりたいことに(あまりお金をかけずに)ちょっかいを出すことにした猫好きのブログ。メンタルトレーニング、自己啓発、一人旅、猫めぐり、山歩き、真剣な子育て、ジョギング、写真。その他いろいろ。

欲求と幸せを脳は勘違いする?~『スタンフォードの自分を変える教室』

モントリオール大学の若き科学者ジェームズ・オールとピーター・見るなーたちが、実験用ラットに電極を埋め込み、ほかの科学者により発見された恐怖反応を起こす場所を刺激しようとしました。

ところが、実験のスキルが乏しく、なんと電極を埋め込む場所を間違えてしまいます。

ラットはまるでマゾっ気いっぱいかのように、恐怖反応が起こる場所に繰り返し動きました。

その偶然から若き科学者たちは、「刺激を受けると強烈な快感が生まれる”快感センター”を場所を発見したのだ」と思いました。

しかし実は、ラットたちは快感を覚えていたのではなく、「欲求」を感じていたのでした。

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第5章 脳は大きなウソをつく

欲求と幸せを勘違いする理由

とはいえ、二人の若き科学者が発見したものを、ふたりはいまひとつ理解できていませんでした。

ラットは快感を覚えていたのではなく、「欲求」を感じていました。

 

このことは、私たちが経験する欲求や誘惑や依存症についての多くのことを解き明かしてくれます。

これから見ていく通り、こと幸せに関する限り、脳は私たちを正しい方向へ導いてくれると期待できません。

脳の仕組みに付け込んだ、新しい神経学マーケティングが、私たちの脳を巧みに操って欲望を抱かせようとする様子を明らかにし、その誘惑に打ち勝つにはどうしたらよいかについて考えます。

人が刺激を「やめられない」脳の部位

脳の快感センターを発見したオールズとミルナーは、その部位を刺激した場合にどの程度の快感が得られるかを実験しました。

 

ラットには実験前の24時間は餌を与えません。

そして、両端に餌を置いた小さな短いトンネルを用意し、その真ん中にラットを置きます。

ふつうならラットは端っこへすっ飛んで行って、餌にかじりつくはずです。

しかし、ラットがえさにたどり着く前に電気ショックを与えたところ、ラットはその場所から離れようともせず、ピクリとも動きませんでした。

次に、ラットに自分で自分の脳の快感センターを刺激できるよう、電流の流れる網とレバーを設置しました。

するとラットたちはひるむことなく、足がやけどで真っ黒になり、動けなくなるまで電流の通った網の上を行き来しました。

 

やがてテューレーン大学のロバート・ヒースという精神科医が、この実験を人間で試してみました。

患者たちの脳の電極に埋め込んで、”刺激センサー”を刺激する電極を脳に埋め込み、操作するためのコントロールボックスを与えました。

患者たちは、ラットと同様でした。

何回でも好きなだけ刺激を受けてもいいと指示したところ、患者たちは平均1分間で40回も脳を刺激したのです。

休憩時間に食べ物を乗せたトレーを用意しても、患者たちはおなかがすいていたにもかかわらず、刺激を止めたくないばかりに食べようとしもせんでした。

 

ヒースはこの結果をいて、脳にみずから刺激を与えることは、さまざまな精神障害にとって有効な治療技術であると確信(患者たちもえらく気に入っているようでした

)しました。

どうせなら、患者の脳に電極をいれたままにして、ベルトで小型の自己刺激装置を与え、いつでも好きな時に使えるようにすればよいと考えました。

快感の「予感」が行動を狂わせる

ヒースもオールズやミルナーと同じように考えていました。

被験者たちは自分にせっせと電気ショックを与え続け、食べ物を口にする暇すら惜しむほどだったので、しびれるような快感を愛爾和うという”報酬”を手にしていると考えたのです。

 

しかし、電流を着られるのではないかと心配しながら、ひっきりなしに自分に刺激を与え続けていたことを考えると、それはほんとうに満足している状態と呼べないのではないでしょうか。

 

ある患者は発作性睡眠障害を患っており、眠らないようにするために、携帯用の刺激装置を持たされていました。

この患者は自己刺激を与えたときの気持ちを「非常に苛立たしい」と述べています。

「頻繁に、ときには気が狂ったようにボタンを押した」にもかかわらず、もう少しで満足感が得られそうな気がしながら、とうとう最後まで満足は得られなかったのです。

自己刺激を与えても焦るばかりで、少しも楽しくありませんでした。

彼の行動はたしかに快感を覚えているというよりは、何かに突き動かされているような感じでした。

 

それではオールズとミルナーの実験用ラットの行動は、いったいどういうことだったのでしょうか。

 

ラットが刺激し続けていた脳の領域は、ラットにしびれるような快感を与えていたのではなく、もう少しで快感を得られそうな「予感」を与えていただけだとしたら?

 

じつは、オールズとミルナーが発見したのは快感センサーではなかったのです。

それは、現在神経科学者らが「報酬システム(報酬系)」と呼んでいる部位でした。

そこは脳の中でも最も原始的なモチベーションのシステムで、行動と消費を促進するために発達したものです。

だからこそ、オールズとミルナーのラットは、電気ショックを受けたカー時の隅でいつまでもじっとしていたり、餌も食べずに足のやけども我慢して、なんとかもう一度脳に電気ショックをもらおうとがんばったりしたのです。

 

その部分が刺激されるたびに、ラットの脳が叫びます。

「もう一度やれ!気持ちよくなるぞ!」

 

お分かりの通り、このような反応を引き起こすものは、私たちの世界にあふれている刺激も同じです。

レストランのメニュー、商品カタログ、宝くじ、テレビのCM・・・。

そんな刺激は、オールズとミルナーのラットよろしく、幸せの予感を振りまいています。

すると私たちの脳は欲望でいっぱいになり、「やらない力」を発揮するのはきわめて難しくなるのです。

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ラットでいうなら「動けなるまで欲しくなる」ほどの刺激。

そんな強いものならば、「精神力で」抑えるのは、難しくて当たり前ですね。

明日は、さらにその”報酬系”のシステムと、私たちが気づかないうちにドーパミンを刺激されている場所について具体的に勉強したいと思います。

 

今日も、お疲れさまでした。

ゆっくり体と脳を休めることで「意志力」が元気になるとか。

暖かくして、お休みください。

では、また。

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