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猫のメメとモエ

生命線があと10年分しかない!どうせなら、やりたいことに(あまりお金をかけずに)ちょっかいを出すことにした猫好きのブログ。メンタルトレーニング、自己啓発、一人旅、猫めぐり、山歩き、真剣な子育て、ジョギング、写真。その他いろいろ。

人間の合理性はどれくらい働いている?~『スタンフォードの自分を変える教室』

19匹のチンパンジーと40人のハーバード大学とマックス・プランク研究所の優秀な学生が我慢比べをしました。

その競争とは、目の前のおやつを我慢して、あとでもっとたくさんのおやつをもらうこと。

魅力的なおやつの内容は、チンパンジーにはブドウ、人間にはレーズン、ピーナッツ、M&M、ゴールドフィッシュクラッカー、ポップコーンです。

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第7章 将来を売りとばす

2007年に発表されたこの研究は、チンパンジーと人間の自制心を比較した最初の研究です。

この実験結果によって、人間ならではの性質がわかっただけでなく、忍耐力の進化の根拠が明らかになりました。

 

参加者全員には、好きなものを2つもらうのと、6つもらうのではどちらが良いか、選択してもらいます。

全員6つもらうことを選択しました。

次に、2つのおやつを今すぐもらうのと、2分待ってから6つのおやつをもらうのとでは、どちらがいいか選ばせたのです。

 

チンパンジーも人間も、待つ必要がなければ6つのほうがいいに決まっていますが、待たなければならない場合、大きな違いが現れました。

チンパンジーはおやつを余計にもらおうと、72%が待ちました。

一方、優秀な学生は、19%しか待てなかったのです。

 

人間が理性的に行動できるときは、衝動を抑える人間の能力は、ほかの生き物とは比較できないほど優れています。

けれどの、私たちは、理性のかけらもない行動に出ることを自分に許可しています。

前頭前皮質は、自己コントロールをするよりも、理性のかけらもない行動のほうが得意です。

「明日、ちゃんとやるから」という逃げ口上を正当化してしまいます。

まさかチンパンジーは、

「とりあえずブドウを2つもらっておこうかな。今度はちゃんと待っていればいいし」

などとは、思わないのです。

けれども、私たちは言い訳してしまいます。

 

ハーバード大学の心理学者ダニエル・ギルバードは、大胆にも、人類は将来について有意義な考え方のできる唯一の生き物であると主張しています。

人間のそんな能力は、テレフォン霊視占いやスポーツくじをはじめ、世の中のさまざまなところで生かされている一方、その能力のせいで、現在の私たちはかえって困ることもあります。

問題は、私たちが未来を予想できることより、もしろはっきり予想できないことにあるのです。

 

「すぐに」手に入れないと気が済まない

チンパンジーと人間の競争の結果を経済学者の目で見るとわかります。

チンパンジーの脳は人間の3分の1しかありませんが、チンパンジーのほうが理性的に行動しました。

チンパンジーは自分の希望を明確にして(6つのほうがいい)、それに従って行動しました。

最小の犠牲(2分待つ)で、最大の利益を手に入れたのです。

 

一方、人間の選択は理性に反しています。

経済学者はこれを「遅延による割引効果」と呼んでいます。

待たなければならないほど、その報酬の価値は下がるという考え方です。

この効果のせいで私たちは、税金を滞納して罰金が科されるとわかっていても、ついのんびりしてしまったり、高い利率も考えずにクレジットカードを使いまくったりしてしまうのです。

欲しいものは「いますぐに」手に入れなければ気がすまず、やりたくないことはすべて「明日」い伸ばしてしまいます。

マイクロスコープ:将来の報酬の価値を低く見ていませんか?

意志力のチャレンジにおいて誘惑に負けたり先延ばしにするたび、あなたは将来のどんな報酬を棒に振るのでしょう?

そんなにしてまで手に入れようとする目先の報酬は何でしょうか?

長期的に考えると、どんな犠牲が生じるでしょう?

将来のことを考えると、割に合うといえるでしょうか?

 

もし、理性的な自分が、「こんなの、割に合わない!」と思うのであれば、自分がそのような思いに反した行動をしようとしたときには注意しましょう。

将来を犠牲にしようとするとき、あなたは何を考え、どんなふうに感じているでしょうか?

「5年後の成果」など、脳は望んでいない

自制心を試す実験では、人間たちもおやつは2つよりは6つがいい、と言っていました。

それが、テーブルにおやつを2つ置かれ、「いまほしいですか、それとも待ちますか?」と聞かれると、ハーバードとマックス・プランクの学生の8割はころっと気が変わりました。

計算できないわけじゃありません。

彼らはすぐに手に入る報酬への期待に、目がくらんでしまったのです。

 

行動経済学者は、この問題を「限定合理性」と呼んでいます。

つまり、私たちの合理性には限界があるということです。

私たちは、頭の中で考えているときは合理的でいられても、目の前に誘惑が現れると、脳が報酬を求めるモードに切り替わってしまい、報酬を逃すまいとするのです。

有名な行動経済心理学者のジョージ・エインズリーは、酒や依存症や体重の増加、借金の問題において自己コントロールが失敗する原因の大半は、このような逆転現象が起きるせいだと主張しています。

 

ほとんどの人は誘惑に勝ちたいと思いながら、目の前に欲しいものが現れたとたん、欲しくてたまらなくなってしまいます。

肝心な時に、意志力が働かなくなってしまうのです。

 

私たちが目先の快楽にこれほど弱い理由の一つに、脳の法主システムが将来の報酬に反応すべく進化しなかったせいでもあります。

そもそも報酬システムのターゲットは、食べ物だったので、人間はいまでもおいしい食べ物やにおいに敏感に反応します。

ドーパミンが人間の脳に影響を及ぼし始めたころには、遠くの報酬(60マイルだろうが、60日だろうが)など、日々のサバイバルには関係ありませんでした。

大昔の人間に必要だったのは、報酬が手に入りそうな時に、さっと飛びつくようにするシステムです。

あとは、おなかがすいたら木に登ったり川を渡ったりして、木の実を手に入れるなど、近くの報酬を求めるためのモチベーションがあれば十分でした。

長い年月を経てようやく手に入る大学の学位や、オリンピックのメダルや、退職金など、なかなか手に入らない満足など、想像もつかなかったでしょう。

せいぜい明日のために備える程度です。

何十年も先の将来のために蓄えるなんて、ありえませんでした。

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チンパンジーに優秀な学生が負けるなんて、と思いましたが、自分の日ごろの行動を思い返すと、思い当たることばかりです・・・。

明日は、「報酬システム」が何によって作動するかを勉強し、誘惑が付け入る機会を減らす方法について頭に叩き込みたいと思います。

 

今日も、お疲れさまでした。

インフルエンザが流行して、えらいことになっております。

よく休んでくださいね。

では、また。

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