悪い習慣は恐ろしいもので、感染力が実はあります。
風邪やインフルエンザと同様に、悪い習慣も実は近くにいる人に感染し、特に「好きな人」からの感染力は絶大であることが、フラミンガムという地域での調査と分析からわかりました。
スタンフォード大学の学生寮では、飲酒を減らすためにどんな方法が有効だったかを検証することで、人は「あんな人と仲間になりたくない」という気持ちが働くことで、より意志力を持った行動ができることがわかりました。
仲間意識を利用する
よいことをするより仲間をまねたいそうなると、人々の意志力が強くなることを望むなら、「自制心をもって行動するのはみんなが当たり前にやっていること」と思わせる必要があるでしょう。
これは、心理学者が「ソーシャルプルーフ」と呼ぶものの一例です。
つまり、私たちは、仲間がやっていることは自分もやった方が賢明だと判断します。
しかし、人々の行動に関する好ましい傾向など、めったに耳にしません。
メディアがこぞって報道するのは、私たちがますます怠惰になり、道徳観念が弱まり、不健康になっているという恐ろしい話がほとんどです。
たとえば、40%のアメリカ人は運動を全くしておらず、積極的な運動を1週間に5回行っている人はたったの11%のみ。
推奨通りフルーツや野菜を1日に5品目食べている成人は14%にすぎない。
いっぽう、成人1人当たりの砂糖の年間消費量は約50キロ・・・。
絶えず耳に入っているのは、そんな情報ばかりです。
このような情報は、私たちを震え上がらせるのが目的のはずです。
ところがどっこい、私たちは自分も多数派に属していることを知って、仲間意識に目覚めるだけです。
「ああ、よかった。みんな同じなんだ」。
ですから、この手の情報を聞けば聞くほど、自分もこのままでいいや、と思ってしまいます。
アメリカ国民の86%と同じだと言われたのに、なぜあえて自分だけ変わる必要があるでしょうか?
また、自分は”普通”だと思ったせいで、自分自身に対する認識が変わってしまうこともあります。
たとえば、国民が全体的に太っていくほど、自分はやせているように感じます。医学誌「アーカイブズ・オブ・インターナル・メディスン」の2010年の報告によれば、医学的に見て肥満の人々の37%は「自分は肥満ではない」と思っているそうです!
この現実逃避は、社会の新たな現実の反映です。
医学的基準が変わらなくても、どの程度を「肥満」と感じるかの基準が緩くなっているのです。
ある研究では、ほかの過程に比べて電気屋ガスの使用量が少ないと知らされた過程では、電気のつけっぱなしや温度自動調節期の設定温度を上げる傾向が見られました。
人は「よいことをしたい」と思うより「みんなと同じでいたい」という思いの方が強いのかもしれないのです。
しかも、このソーシャルプルーフに関しては、ほかの人たちが実際に行っていることよりも、ほかの人たちが行っているだろうと思っていることが重要だったりします。
この現象により、人々はニュースで話を聞くことで、実際以上に納税申告書をごまかしている人が多いと感じ、真似したくなるので、その結果、税金をごまかす人が増えてしまうのです。
マイクロスコープ:努力するのを「ふつう」にする
自分では変えたいと思っている行動でも、ほかのみんなもやっていると思うと、ソーシャルプルーフの効果で、せっかくの努力が妨げられることがあります。
「みんなだっておなじことをしているんだから」
「あの人だって、この人だって、やっているんだから」
と同じことをしている知り合いを数えたりしていませんか?
もしそうなら、その考えを疑ってみることです。
そして、あなたができるようになりたいと思っていることを習慣にしている人たちに出会うことです。
あなたが見習いたくなるような新しい”仲間”を見つけましょう。
支援活動グループや教室、地元のクラブ活動、オンラインのコミュニティなどに参加するのもよいでしょう。
また、あなたの目標に役立つような雑誌を購読するのもよいでしょう。
同じ目標をめざす仲間に囲まれるように自分を仕向けていくことで、努力することが「ふつう」に思えてきます。
志の高い人と話をすると、それだけでモチベーションはぐっと上がりますよね。
意志力を高めるためにも、ちょっとイイ仲間を見つけてみたいですね。
雑誌とか、オンラインのコミュニティはすぐ出来そうです。
一緒に1歩だけ踏み出してみませんか。
明日は日曜日。
少しは休めるでしょうか。
風邪などひいていませんか?
ゆっくり休んで、素敵な夢が見られますように。
では、また。