著者は、「あなたの心に城壁を持て」というタイトルで記しています。
心に城壁があるというのは、本来望ましいことではありません。
それは恐れる心であったり、言い訳と言い逃れに満ちているものです。
しかし、ここで著者が言っている「城壁」は、違います。
必要なときに規定の場所に引き下がって、その中でもっと完全にあなた自身になるための、そんな特別で大切な場所のことです。
あなたの心の城に、精神的な城壁を持て
著者の知っている成功者たちは、すべて何らかの形でこのような精神的城壁を自分の周りに巡らせているといいます。
著者もこの方法を試みて、その有効性について把握しています。
その働きは、次のようなものです。
自分の心が、まるで中世の城壁のような配置になっていると考えてみます。
中央には本丸(キープ)があり、これは難攻不落です。
本丸から外へ出ると、郭(外囲い)があってこれはそれほど手ごわくはありません。
その郭の外にはさらにもう1つの壁があって、これが防御の第一線となっています。
城に近づくものは、まずその外壁を越えなくてはなりません。
あなたの心の中にあるこの精神的城壁は、あまり高くする必要はありません。
だれでも、正当な理由を持つものは、その壁を乗り越えることができるようにしておくのです。
しかし、正当な理由がない場合はこの壁によって拒絶することができます。
あなたがそのような壁を作れば、ほかの人々には壁がそこにあることがわかるので、あなたにとって有効な防御態勢がとれるというものです。
第一線の防御の壁を乗り越えた人間は、今度は2つ目の壁にぶつかります。
これはあなたが状況によって打ち立てた郭です。
あなたと何か共通のものをもっているとか、あなたと分かち合う何か重要なものを持っていれば、誰もがその壁を乗り越えられます。
しかし、そうでない場合は、そこでストップしていてもらいます。
本丸は最も大切なものです。
大事な場面で必要ない雑音をシャットアウトすることは、あなたがあなたであり続けるためにも、あなたの願望を達成させる人生にしていくためにも、とても重要です。
しかし多くの人が、自分の本丸の在りかを知らないでいます。
在りかを発見しないことには、思考は宙ぶらりんになってしまいます。
この本丸の中で余計な雑音を排除して考え抜く時間をもつことによって、「自分には何ができるのか」という疑問に対する答えが見いだせます。
だから、この本丸から出てきて何かの問題に遭遇したとき「それはできる」ということが自分でもわかるし、実際にそれをやてのけることができます。
最初のうち、あなたは物質的に世間から逃避して静かな部屋にこもるとか、遠いところへ行くことが必要になるかもしれません。
このことは、自分の心の中の本丸を見つけ出すことに慣れた人であっても、やってみることを著者は勧めています。
思考を中断させる物理的な条件から逃れるためです。
しかし、何度か自分の本丸の中への逃避を繰り返している間に、周囲の物理的条件はほとんど気にならなくなります。
そうなると、周りがいくらガヤついていても、集中できるようになります。
多くの成功者もそうでしたし、著者も実際にそれを目の当たりにしてきました。
彼らの成功の原因となった力です。
それは素晴らしい気力回復法であり、脳力と自信と信念に新しい生命力を吹き込む重要な技術なのです。
否定されることが続くと、自信がなくなって、ほかの人の意見がすべてもっともらしく聞こえてしまうことがあります。
あれも、これもその通り、と思って・・・あちこちに振り回される。
振り回されているからなおのこと上手くいかなくなり、自己否定にはまってしまい、自分自身の「本丸」を自分でつぶしてしまったり。
「本丸」を守ることって、していいことだし、するべきですよね。
「成功」とは、他人の権利を尊重し、社会正義に反せず、価値があると認めた目標を黄金律(自分がしてほしいことを他人にする)に従って1つひとつ実現する過程。
その「成功」に向かっているんだ!と確信するなら、どこまでも他人の意見に流されるのではなく、「本丸」や「郭」「城壁」を持つことは、とても重要で必要なことなのかも知れません。
今日は少しはゆっくりできましたか?
今夜も素敵な夢が見られますように。
では、また。