あなたも『フロー状態』?というものを、ちょっと経験したことがあるかもしれません。
何だかものすごく集中できた瞬間とか、何だか新しいものが生み出せるアイディアが次々浮かんできた時などのことを言うそうですね。
その『フロー状態』を体験した瞬間、あなたはどんな姿勢をしていましたか?
「創造性」とは、”心の状態”である
著者はボストン大学の学生であった時、その講義でこの
「『フロー状態』になった瞬間を思い出して、それと同じポーズをとる」
という課題を出されました。
悩んだ末に学生たちは、実にそれぞれ違ったポーズをとりました。
ある人は立ち上がり、他の人は、背筋を伸ばして座りました。
部屋を歩き回る人もいました。
何人かは机に突っ伏し、何かを書いているか、手で何かを作っている動作をしている人もいました。
著者は床にうつ伏せする姿勢で、ポートレートを描くときいつもしていたように、肘をついて自分の体を支えました。
ポーズをとった意味は、何だったのでしょう?
講師によると、
「創造性とは、ある人が持っていたり、かけていたりする『才能』や『個人的気質』
ではない。
創造性とは、『心の状態』であって、その状態にアクセスするには、助けが必要だ」
ということでした。
創造性が豊かだった時にしていた姿勢を再現することで、その時の記憶が呼び覚まされて”今の創造性”にアクセスする手助けになるのです。
「その時(創造性が豊かだった時)にとっていた姿勢を再現することは、創造性の扉を開くための心理的なカギのようなものなのだ」
と、その講師は教えてくれました。
行き詰ったり、”先延ばし癖”に陥ったりしたときはこの姿勢を取り、それからもう一度、同じ仕事に取り組んでみたり、考えを巡らせてみましょう。
実際に創造性を発揮できる姿勢をとることで、著者は体で、先生の言っていることが真実だと感じました。
教室の床に横たわるのはワクワクすることではありませんでしたが、すぐに自由で開放的な気分になり、インスピレーションがわいてくる気が確かにしました。
そしてはっきりと、仕事に取り組む準備ができていると感じました。
「定番のポーズ」を決めて、成果を上げる
それから十年以上たっても、この授業は著者の記憶に残っています。
その理由はただ1つ、この方法が「効き目があるから」です。
実用的なことではないにもかかわらず、「床に横になる」という動作は著者にとって、創造性をスタートさせる”定番の方法”になりました。
ブレストする必要があるときや、新しい授業を企画するとき、第一稿の草稿を書くときなど、床をきれいにしてから著者は「創造性のポーズ」をとることから始めます。
ラップトップのパソコンを脇に置いて、「手書き」に戻ります。
画学生だったころと同じようなスケッチブックの、白い大きな紙に、マーカーを使って書くのです。
スライドを作ったり、成績をつけたり、編集作業をするのは机の上でもできるし、ラップトップを使ってもできあmす。
でも、何かクリエイティブなものを生み出す必要があるとき、著者の体は横たわって、伸び伸びしたがるのです。
「何を生み出そうとしているか」で方法は変わる
「やる気がひたすらわいてきて、やるべきことをやり遂げる助けになるという心の状態」、このマインドセット(心の持ち方)さえあれば、生産性を高められる、と考えがちです。
でも本当は、物事を成し遂げるのに必要なマインドセットは、あなたが何を生み出そうとしているのかで、違ってくるのです。
「詳細な報告書を作成したり、定量分析の計算をすること」と「詩を書いたり、複雑な問題についてゆっくり考えること」とでは、全く違った心の状態が必要になります。
前者は雑念をシャットアウトする「心の状態」が必要になりますが、後者は思いを自由に巡らせる、リラックスした「心の状態」が必要にあんります。
同じように、インスピレーションを掻き立てて会社の理念について夢を大きく膨らませるための「抽象的思考のマインドセット」は、ビジネス計画の基礎をしっかり引き締めなければいけないときには役立ちません。
この時必要なのは、「具体的思考のマインドセット」です。
研究で明らかになった「体と心の関係」
「身体化された認知」の例は、ハーバード大学ビジネススクールのエイミー・カディ准教授による「パワーポーズ」の研究が有名です。
彼女の研究によって、「『頭の上に両腕を伸ばして立つ』『机の上に足をのsて、椅子に寄りかかって座る』といった”体を開くポーズ”をとれば、『無力感』を『自信』にかえることができる」といったことが証明されています。
この自信はプレッシャーを感じているときのパフォーマンスをも、変えることができるのです。
ある研究で、カディ准教授とハーバード大学の同僚の研究者たちは、就職に関する面接でも、このポーズの効果を証明することができました。
面接を受ける前の数分間、この体を開くポーズ(いわゆるパワーポーズ)か、あるいはその逆の『おとなしいポーズ(姿勢)』をとるように」と指示を出しました。
すると、パワーポーズをとった被験者は、自分がパワフルになったと感じました。
さらに雇用主からも、「おとなしいポーズをとった人たちよりも有能で、雇う可能性が高い」という評価を受けたのです。
ベストなポーズは文化や国によって様々です。
アメリカでは「机の上に足をのせる」のが最も効果的な「パワーポーズ」の一つです。
が、中国、日本、韓国では、「背を伸ばして立つ」「腕をまっすぐにして座る」方法が、より効果的なようです。
一緒に”自分だけのパワーポーズ”を見つけてみませんか?
ワタシはどうやら、新しいことを考えるときは「部屋を歩きながら」のような気がします。
次に「効率的に仕事をこなす」ポーズも探してみようと思います!
関東ではサクラが本当にきれいです。
ゆっくり休んでよい夢を。
では、また。