猫のメメとモエ

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「目標を現実にする」モチベーションを育む~『スタンフォードの心理学講義 人生がうまくいくシンプルなルール』ケリー・マクゴニガル

「変わりたいと望むこと」と、「変わる意志」は、同じではありません。

これは、著者が意志力についてのワークショップを著者が始めるとき、とても大切なアイディアとして説明していることです。

自己改革の目標を達成したいために、変わりたいと望むことは必要です。

しかし、そこには”正しい”種類の「望み・欲求」が必要です。

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ときに疲れて「あきらめてしまう方が簡単だ・・・」とあなたがどこかで決めてしまいそうになった時に、屈せずにやり抜く力を与えてくれるような「望み・欲求」が必要なのです。

 

「目標を達成する人がいる一方で、あきらめてしまう人がいるのは、なぜか?」を解明しようと、心理学者たちは長い時間を費やしてきました。

中には、「変わりたいというモチベーションについて聞く」という手法をとった研究者もいます。

すると、「あなたはなぜ変わりたいのですか?」と聞いたときに、彼らからかえってくる答えが重要であることがわかってきました。

 

「定期的に運動する」という目標を例にとってみましょう。

この目標は、著者の意志力ワークショップに参加する学生が持つ最も一般的な目標かもしれません。

「もっと運動する」と思う理由はたくさんあります。

次にあげる理由について考えてみましょう。

 

①会社のフィットネスセンターを定期的に使えば、会社から特別手当や奨励金がもらえるから(米国の企業の多くが、この手法を試みています)。

②体形に自信がなく、自尊心を高めるために体重を減らしたいから。

③外見が重要であると知っていて、もっと運動することで、周囲の人に認められ、称賛を得たいから。

④健康を重視していて、運動すればもっと健康になれると思うから。

⑤アスリートやフィットネス愛好家にあこがれていて、自分もそうなりたいと思うから。ハードトレーニングを積んで、肉体的能力を伸ばしたいと願うから。

⑥かつてスポーツ(あるいはダンスやヨガ)が大好きだったことを思い出して、あの喜びをもう一度味わいたいと思っているから。

 

どれもそれぞれ、異なるモチベーションです。

変わるための理由として、最も強力なのは、どれでしょう?

言い換えるなら、「もっと定期的に運動する」という目標をやり通すのに一番役立ちそうなのは、どのモチベーションだと思いますか?

逆に、一番弱いのは、どれだと思いますか?

「自発的なモチベーション」から出た欲求は、願った目標が実現しやすい

この質問に対する答えは、すでに出ています。

④⑤⑥の理由の方が、①②③の理由より、「定期的に運動する」という結果になりやすいことが、研究で分かっているのです。

④⑤⑥が、心理学者が「自発的モチベーション」と呼んでいる事例です。

 

この種のモチベーションは、劣等感を感じないようにしたり、周囲から認められたいというような「外(部)からの報酬」を求めません。

それどころか、変わりたいという深い欲求の表れなのです。

自分にとって何が大事なのか、どんな人間になりたいのか、目標に向かって前進させてくれるものは何かを、反映しているもの(モチベーション)なのです。

 

こうした理由のために目標を設定したとき、目標から離れることなく、成功しやすくなります。

運動に限らず、成績を上げたい、過度な飲酒などの悪習慣を断ちたい、将来のためにお金を溜めたいなど、どんな目標についてお同じです。

 

なぜもっと定期的に運動したいのか、学生が離してくれる時、最も一般的に上げられる理由が②と③です。

実際「恥ずかしい思いをしたくない」「称賛されたい」「認められたい」という欲求は、参加者が著者に話してくれる理由であり、最も共通するやる気、原動力となっています。

著者が学生に最初に言うことの1つが、「変化を望む理由を探ること」「その変化を助けてくれるモチベーションを見つけること」なのは、このためです。

読者に対しても、一緒に自分が持っている目標について、このプロセスを試すことを著者は勧めています。

 

あなたの目標について考えてみてください。

あなたがどれだけ変わりたい、改善したい、成長したいと思っているか。

そして、あなた自身に問いかけてみてください。

「なぜ、この変化を望んでいるのか」「なぜこの目標を達成したいのか」、と。

心に浮かんだ最初の理由を書き出し、それがどんな種類のモチベーションか、特定してみてください。

「なぜ変わりたい」のか考えるポイント

・称賛やお金、昇進のような「外(部)からの報酬」を求めていますか?

・「恥をかきたくない」という思いが、第一にありますか?

・他者の承認を得ることを望んでいますか?

・そのモチベーションは、健康や幸福感、仕事への満足感を高めたいといった、長い目で見て「生活の質を向上させるもの」ですか?

・そのモチベーションは、あなたが高めたいと思っている「積極的・肯定的な自己認識や性質」と関係がありますか?その変化は、「表面的ではなく、心の底からなりたい人物像」を反映していますか?

・その変化は、あなたの幸せにすぐ影響しますか?例えばそのモチベーションは、楽しむことができたり、自然に興味を持てるようなものですか?大切な人やコミュニティーと時間を過ごすことができるものですか?

 

変わりたいと一番強く思っているモチベーションが、後者の3つのどれかに当てはまるなら、変われる可能性が高いのです。

あなたの最初の回答が何であれ、変化を可能にするモチベーションを育むことができます。

 

最後(後者)の3つの質問についても考えてみてください。

あなたの望む変化は、

①生活の質を改善しますか?

②「なりたい人物像」を反映していますか?

③本質的にやりがいのあるもの、楽しいと思えるものですか?

 

本当に起こす価値のある変化なら、上に挙げたモチベーションの中の少なくとも1つは、思い当たることがあるハズです。

理想的には、2つ見つけることができるといいですし、変わりたいこと(変化)と3つのモチベーションすべてを結び付けられることもあります。

 

スタンフォード大学の意志力講座に参加した学生の例です。

他の多くの学生と同じく、彼女の目標は「もっと頻繁に運動すること」でした。

質問に対する彼女の最初の答えは、自分の体形を恥ずかしく思い、ここまで体重を増やした自分への失望に関することでした。

このモチベーションだけでは、目標を達成する手助けになりにくいことが、著者にわかっていました。

彼女は「変わりたい」と強く望んでいたかもしれませんが、運動に全力を傾けるには、それでは不十分です。

そこで彼女は、他のモチベーションについて考えてみました。

すると、「変わりたい」というもっとポジティブな理由があることに気づいたのです。

 

例えば彼女は本当に健康について気にかけていました。

それまでは運動を「外見をよくする方法」と思っていましたが、そう考えることで、「すべてのトレーニングは、セルフケアのための行為で、将来の健康・幸福への投資である」ことを十分い理解できなくなっていたのです。

彼女は、フィットネスでグループレッスンを受けるのがどんなに楽しいことか、思い出しました。

ともにダンスを楽しむ人たちのコミュニティーに所属することや、定期的にクラスに出席するときにサポートを受けること。

それがとても好きだったことを、思い出したのです。

 

最終的に、「運動しているときの自分」が好きだということに、彼女は気づきました。やせるからではなく、自分がダンサーになったように思えたから、運動が好きだったのです。

「家族の良きロールモデルになる」自分んを考えることも、好きでした。

 

彼女は目標を達成しました。

実は今、著者のグループフィットネスのクラスに通っています。

彼女がもっと前向きなモチベーションに気づいたため、彼女が運動を通して得るメリットは、大きくなりました。

前よりもっと運動を楽しみ、「自分が運動のために時間を作った」という満足感を十分に味わっています。

気力や活力、身体的健康がうまくいくことことにも気づきました。

もし、最初の欲求だけに意識を向けていたら、「自己決定したモチベーション」につながることで生まれる力を、見逃していたかもしれません。

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今日も一日、お疲れさまでした。

ゆっくり休んでよい夢を。

では、また。

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