米国の子供たちが繰り返し教えられることの1つに、
「良いことが言えないなら、何も言わないこと」
というおのがあります。
他人の悪口を言うことは「マナーが悪い」と思われるだけでなく、”小さい人間”であることを周囲に示すことだ、と。
にもかかわらず、他人を批判したいという衝動は、簡単に封じ込められないものです。
批判をしたくなる人が必ずしも卑小な人間と言うわけではありません。
時に批判は、親切な行為にもなります。
この違いを理解することで、悪口を言いたくなる衝動を理解し、周囲の人のうわさ話へお体操もわかるようになります。
衝動を理解するベストな方法は、常に口を閉ざそうとするのではなく、その衝動について理解することです。
「陰口を言う」動機は、自己PR
他人の悪口を言う誘惑に、こんなにも駆り立ててしまう最も一般的な動機は、自己PRです。
ある調査では、人が陰口を言う対象は、同僚でも、ライバルでも、自分に対して力を持っている人物でも、「自分の目標に限りなく近い人物」であることがわかっています。
実際、「ライバルだと認識されている人物」が、そうした噂のターゲットになりやすいのです。
陰でライバルの陰口を言うことは、自分の自尊心を高め、ライバルと比較されるときに自分をよく見せることができる、「一番手っ取り早い方法」です。
多くの人が、自分の不安や自信のなさの処理に、ネガティブな噂話をします。
頭の中の「自己批判」を落ち着かせる、魅力的な方法です。
陰口は「他人を助けるために情報を共有したい」という願望からくる!?
しかし、すべてが優越感に浸りたいという欲求からくるわけではないのです。
時にそれは、寛大で勇気ある行動でもあるのです。
カリフォルニア大学バークレー校には、「なぜ悪口を言うのか」という研究をしている心理学者がいます。
この衝動は「向社会的行動(反社会的行動の反対で、他人に対して積極的な態度を示したり、他人を助けたりする行動)」、つまり「他人を助けるために情報を共有したい」という願望からくるとわかっています。
実際、誰かが悪い態度をとったとき、最も利他的な(自分より他者の利益を図るような)性格の人が、もっとも声を上げる傾向にあります。
噂話を広げることで自分の社会的評価を下げる恐れがあっても、あるいは話すことで後からそれ相応の報復を受けるかもしれなくても、彼らは話をします。
そして話し終えた時、彼らの気分はよくなるのです。
親切な行動をとったときと同じように”向社会的”な噂話は、人の気分を良くさせ、苦しい状況を「ポジティブなことができる」という感覚に変えます。
同僚のサボりや嘘、チームのプロジェクトに害を与える行為を目撃したとします。
これに対し、フラストレーション、怒り、疎外感を持つのは自然の反応です。
こうした感情を抱くと、「チームへのコミットメント」や「同僚とつながっている感覚」が脅かされる可能性があるからです。
研究によると、これを和らげる最も有効な方法の1つが、「自分が観たものを、関心を寄せている人(利害関係のある人)に話す」ことだとわかっています。
それにより、チームのコミットメントを取り戻し、信用している人に自分の信頼を示し、さらいは将来に起こりうる悪いことを防げるかもしれません。
ネガティブな経験を「人助けする機会」という別の意味に変えてくれるのです。
控えめに悪口を言うことが、人間関係を強くすることもあります。
オランダのフロートニンゲン大学の社会学者は、「同僚との間で友情がどう育まれるか」調べるために、ある企業の授業印を1年間観察。
すると、ある従業員が他の従業員の噂話を共有することで、友達になる可能性がだんだん高まることがわかりました。
噂話は「親睦を深めたい」という欲求のシグナルにもなります。
噂話をすることは「噂話をする相手を信頼している」「かれらにとってメリットになることに注意を払っている」ということを示しているのです。
この”噂のルール”に例外はあるでしょうか。
この調査が終了した時点で、「頻繁に無差別に噂話をする従業員」は、職場で友達がほとんどいないという結果になりました。
そうした人の「他人のネガティブな情報を共有しようとする気持ち」は、信頼と銭のシグナルとしての価値を失てしまうのです。
噂話ばかりしている人は「自尊心を高めようとしている」「他人の失敗を喜んでいる」ように見られる傾向があります。
人は”噂話の裏にある動機”を見極められる
人はどうやら”噂話の裏にある動機”を見極められることができらしい、ということが研究でもわかっています。
どうやらその動機が本当に「向社会的行動」である場合、聞き手はそのことに気づくので、その情報をシェアした人の評価が上がります。
反対に、チーム内での自分の地位を高めたくて、同僚を見下すような発言をすれば、聞き手はそれをかぎ分けることができるのです。
すると彼らは、あなたを「良き仲間」と見てkれなくなり、むしろ機密情報を話せる追うな「信頼できる相手」ではないとみなしてしまいます。
ネガティブな噂話を広げたいという衝動に駆られたら、自分の状況を認識する方法を編み出してみてください。
自分の能力を示そうとしていると気づいたら、パートナーのような、安心して打ち明けられる人がいないか、考えてみてください。
あるいは、自分の価値を示すもっといい別の方法がないか、考えてみてください。
関係を築きたいという願望から頻繁に噂話をするようなら、まずは別の方法を試してみてください。
噂話でなく、その人自身のことや考え、興味、経験談を話してほしいと頼んでみましょう。
それでも、「人の助けとなりうる情報を共有せざるを得ない」と感じたら、他人の悪口を言うのがよくないからと言って、黙ったままでいないようにしてください。
良くないことを話したいのであれば、正しい理由でそうしたいのか、確かめましょう。
それから、勇気と思いやりをもって話すようにしましょう。
仕事をしない(できない?)同僚に、腹が立ったりしますよね~~。
でも、「どうすればヤツは、(ちょっとは)動くのか」「こうすれば昨年度、(ちょびっとは)成長した(ような気がする)」などの情報を集めれば、あなたのイライラも(ほんの少し)軽減されます。
去年、モチベーションが微妙な人がそばにいたのですが、今年も・・・います。
成長の遅い同僚は、「屋久島の杉」のようなものなのかもしれません・・・・。
屋久島の杉は、鬱蒼とした植生もあって、他の地域の何分の1かの成長しかないとか。
その分、巨木になるんです。
腹が立つけど、悪口を言っても自分がサガるだけ!
「ヤツはどうすれば動くのか?」を給湯室でお姉さまたちに聞いて、実践し、自分の後輩教育の腕前を上げてやろうじゃないの。
今日も1日、お疲れさまでした。
ゆっくり休んで、すてきな夢を。
では、また。