猫のメメとモエ

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「不安」を逆手に取る~『スタンフォードの心理学講義 人生がうまくいくシンプルなルール』ケリー・マクゴニガル

一週間かけてあなたは、プレゼンを準備してきたとします。

本番数分前、全身に不安が走り、汗がにじみ、胃が痛くなります。

普通の人はこうした不安を「チャンスを台無しにするサイン」と思うでしょう。

プレッシャーの下で仕事を成し遂げなければならないプロの間でも、その考え方は一般的です。

 

しかし、最新の行動研究では、全く正反対のことがわかってきています。

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「不安」が、成功へ導くエネルギーを与える

不安を感じることがどれほど嫌いでも、実はこの不安こそが、私たちを頑張らせてくれるのです。

まず理解すべきなのは、「不安と言うものは、私たちが全力で頑張れるように仕向けてくれるものである」ということです。

緊張したときに現れる症状や感覚を、いくつか考えてみてください。

心臓が高鳴り、意気は荒く、速くなり、急に汗が噴き出てくる。

そわそわしたり、イライラして、妙に興奮してしまう。

こうした症状のすべてが、あなたを成功へと導くエネルギーを、体と脳が与えてくれている”サイン”なのです。

こうした身体的な症状は「チャレンジ反応」と呼ばれる反応の1つで、「大切なことを達成するのに必要な力をまとめる」という、生物学的な本能なのです。

副腎がアドレナリンを放出し、あなたの活動をより活発にします。

振動の鼓動が速くなり、脈拍が上がり、息が荒くなる。

こうした症状はすべて、脳と身体により多くのエネルギーを送るためなのです。

身体が緊張するのは、筋肉があなたに、次の行動をとらせる準備をしているからです。

不安を感じると、五感の機能も高まります。

光をより多く取り込むため、瞳孔は広がり、聴覚は鋭くなり、あなたの注意は”今、この瞬間”に集中します。

こうした身体的な変化は、自分が置かれている状況に対する理解力を上げてくれます。

こうして不安は人を機敏にし、物事に対する準備を整えてくれるのです。

不安でドキドキするのは「チャレンジ反応」

不安でドキドキすることさえ、「チャレンジ反応」です。

消化器官は、考えや感情に反応する、何百、何百万もの神経細胞に覆われています。

大事な会議やプレゼンの前に胃がギューっと掴まれる感じがしたら、消化器官が「これは大事な場面だ」と語りかけてくれているのです。

これは、「チャンスを台無しにするサイン」ではなく、「『今こそあなたを待ち受けるチャレンジ(仕事や問題)に立ち向かうときだ』と身体が理解しているサイン」なのです。

 

「胸がドキドキすることが、直感が高まるサインだ」と考える心理学者もいるほどです。

そうやって「高められた自己意識」は、大切な場面で最善を尽くして頑張れるよう、あなたを助けてくれるのです。

「不安によって引き起こされるこうした身体的な症状が、パフォーマンスの邪魔になる」とほとんどの人が信じていますが、実はリラックス状態よりも、いいように見えます。

例えば、ストレス反応が強い運動選手は競争力が強い。

試験前にアドレナリンが多く出る学生が、高得点を取ったりする。

どう考えても「落ち着くこと」が状況をよくしそうな場合でさえ、不安が呼び覚まされた方が、プレッシャーの中でパフォーマンスが上がる可能性があるのです。

「人質解放の際、心拍数が著しく高くなる連邦警察官は、人質を間違えて撃ってしまうといった致命的なミスをしない傾向にある」という、驚くべき研究結果もあります。

早鐘のように打っている心臓は、最もリスクの高い場面で、実はあなたの役に立ってくれているのです。

「どう捉えるか」が、すべてのカギ

不安に乱されず、逆に不安の力を利用するには、「あなたが不安をどう捉えるか」が、すべてのカギになります。

「不安に邪魔されている」と感じる人は、不安を抑えることにエネルギーを消費する傾向にあります。

不安を押さえようとする尾は、気が散るし、難しいものです。

研究では、落ち着こうとするほど緊張は増してしまうことがわかっています。

不安が障害になると信じていると、自信を失い、無力だと感じやすくなります。

逆に、最新の研究では、不安を受け入れ、さらに一歩進んで不安を積極的に受け入れられるようになれば、困難に立ち向かう助けになってくれるのです。

 

例えばある研究で、講演を目前にした人数人に対して、「ワクワクする」と自分に言い聞かせるよう、研究者がアドバイスしました。

同じように講演を目の前にした別の人には、できるだけ落ち着くようアドバイスしました。

後者は、ほとんどの人がそのままやりそうなことです。

どちらの方法も、イライラを取り除くこてゃありませんでした。

どちらのグループも「スピーチする際に、変わらず不安を感じた」と報告されました。

しかし、イライラを「ワクワクする」という”興奮”として解釈した参加者は、自信にあふれ、準備が整ったように感じたそうです。

講演を聞いた人も、落ち着こうと努力した人に比べて、彼らの方が説得力があり、能力があるように見えたと評価しました。

 

不安を感じると、短期間でエネルギッシュになるにもかかわらず、それが長期にわたると「とても疲れる」と感じる人が多いのも事実です。

この状況が続くと、「もっとストレスの少ない仕事を探さなければ」と考えかねません。

「この仕事を全うする能力が足りない」「そこに居続ける強さがない」と考えることもあります。

そして実際、慢性的な不安と戦っている人は、ストレスの多い仕事で燃え尽きてしまうと感じやすいのです。

しかしながら、たとえ疲れを不安そのもののせいにしようとしたとしても、エネルギーを消耗してしまう本当の理由は、不安を絶えずコントロールし、抑え込もうとしてもがいているからかもしれません。

そして実際、不安に対してポジティブな態度を足れば、ストレスの多い仕事で燃え尽きてしまうことを、妨げるかもしれません。

 

例えばドイツのヤーコプス大学ブレーメン校の研究者は、1年かけて中堅社員の追跡調査を行いました。

彼らの不安に対する考え方はもちろん、彼らがどれだけ仕事で不安にさらされているかといった傾向についても、報告してもらいました。

1年後、不安を「直すべき問題」と見るのではなく、むしろエネルギー源と考える中堅社員は、「仕事で燃え尽きてしまったように感じたり、イライラしたり、疲れ果てたりしにくい」ことが報告されました。

不安にたくさんさらされている人ほど、とくにこれに当てはまるようでした。

慢性的なストレスや不安で引き起ったとされる「典型的に消耗しきった状態」から守られていたのです。

「不安が消耗の原因だ」と今考えていても、「不安は活力を与えてくれるものだ」と考えることを選択すれば、燃え尽き症候群を防ぐことができます。

 

身体が発するサイン(症状)がどんなものであれ、それを消し去ろうと心を砕くのではなく、不安があなたに与えてくれるエネルギーを使って、何かを成し遂げようとすることに、もっと集中してください。

「自分の目標を達成するために、今この瞬間に、私が取れる行動や選択は何だろう」と、自問してください。

この方法は、人生で不安を感じ取ったときにいつでも、使うことができます。

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この時期は、先が見えにくいので特に不安に襲われることがたくさんあります。

そんなとき、「これはエネルギー源だ」と捉えなおすチャンスかもしれません。

人一倍不安になりやすいので、「エネルギー、エネルギー♪」と、楽しめるようになりたい!

 

今日もお疲れさまでした。

ゆっくり休んでくださいね。

では、また。

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