猫のメメとモエ

生命線があと10年分しかない!どうせなら、やりたいことに(あまりお金をかけずに)ちょっかいを出すことにした猫好きのブログ。メンタルトレーニング、自己啓発、一人旅、猫めぐり、山歩き、真剣な子育て、ジョギング、写真。その他いろいろ。

”あがり症”を克服する方法~『スタンフォードの心理学講義 人生がうまくいくシンプルなルール』ケリー・マクゴニガル

大事な面接やプレゼンの場では、力んだり、思い通りに発言できないことが多いものです。

そんなときには、相手をよく見てみましょう。

「相手は自分を応援してくれる」と思える兆しを見つけることが、「あがり症」を克服させます。

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「TED」の舞台で起きたこと

著者はスコットランドエジンバラで開催された「TEDグローバル」というプレゼン形式の、世界的に有名なセッションに呼ばれました。

その1時間前、著者を含めた講演者4人は、控室で待機していました。

著者たちはそれぞれ、「このスピーチが人生で最も重要なスピーチになるかもしれない」と繰り返し言われてきました。

スピーチのビデオがネット上で流されたら、想像を超えるほどたくさんの人が見ることになるからです。

著者たちはみな、本当に不安に駆られていました。

 

この舞台で言葉に詰まってしまったのが、著者の前の講演者でした。

彼女は確かにあがっていましたが、滑り出しは好調でした。

しかし話の中盤あたりで、自分が何を言いたかったのか、スピーチのどの部分を話していたのか、忘れてしまったようでした。

ここで立て直すこともできたのでしょうが、無理でした。

固まってしまったのです。

何度も先を続けようと口を開きましたが、言葉を発する前に黙り込んでしまいました。

彼女はゆっくりと歩いて、観客に背を向けました。

 

TEDの主催者がステージに出てきて、彼女に水のボトルを渡し、時間をかけていいと励ましたとき、珍しいことが起きました。

観客がスタンディングオベーションで彼女に拍手を送ったのです。

それはまさに、彼女が気を取り直すのに必要なことだったようです。

彼女は数分でステージの中央に戻り、途中でやめてしまった部分からスピーチをはじめました。

落ち着きを取り戻しただけでなく、話の後半は、前半よりかなり説得力がありました。

そして話し終えた時、さっきより大きく、熱狂的なスタンディングオベーションに包まれたのです。

 

「彼女に起きたことに、動揺しないようにね」と著者の出番でTEDのアシスタントはささやきました。

この時著者はもしかしたら、動揺すべきだったのかもしれません。

「成功し、才能もある心理学者でさえも、あがり症でダメになるのだ」という証拠になるのですから!

 

しかし、ステージに歩き出したとき、著者の不安は消えていました。

TEDのベテランたちは以前著者に、そのステージ中央に立つと、とんでもなく緊張感に包まれることや、緊張しても仕方ないのだと助言してくれていました。

でも、全くそうはなりませんでした。

今までのどんなスピーチの時より著者は冷静でした。

著者持ち前の「あがり症」は、このTEDでの経験で一変したのです。

「応援されている」と信じることで、パフォーマンスは上がる

著者は、「プレッシャーがある中でうまくやるために、落ち着かなければ」と考えてはいません。

実際「イライラした状態をエネルギーや刺激として受け入れることは、難局にうまく対処して力を発揮する手助けとなる」ことが、科学的に証明されています。

 

一方でTEDで演説したときに感じた自信が著者と聴衆をつなぎ、著者のメッセージを彼らに伝えるのに役立ったのも確かです。

著者の前の講演者も、あの「危機」の後で立て直しに成功し、メッセージを伝えられたことで、同じような自信が沸き上がったのだと思います。

 

そして、その自信は「私たちの個人の事情」とは、何の関係もありません。

プレゼンにあたり準備したかどうかとか、自尊心が高いとか低いとかとは、関係ないのです。

その自信は「言っていることに価値がある」とか、「言っていることは聞く価値があることだ」といった確信からくるものでもありません。

その自信は「聴衆が私たちを応援してくれている」ことを知ったことから来たのです。

 

TEDのアシスタントは、前の講演者に起こったことが著者を一層不安にさせるかもしれない、と思っていましたが、正反対でした。

著者が語りかけようとしていた慣習が、”最悪の悪夢”の真っただ中にいた講演者を受け入れるのを、目撃することができたからです。

これは、「プレッシャーの中での行動」を調査する研究者が観察した”際立った”事例になっています。

講演者やアスリート、あるいはほかの発表者が、「慣習が応援してくれている」と信じることで、彼らのパフォーマンスは上がります。

しかし、「観衆は批判的で、自分の失敗を望んでいる」と信じた場合、行き詰ってしまう傾向があります。

「自分が、聴衆をどう見ているか」が重要

そう考えると「応援してくれそうな観衆だけを相手にするしかない」と考えがちですが、観衆が自分に肯定的か、否定的かという現実よりも、発表者自身が彼らをどう見ているかの方が、重要です。

たいていの状況では、観衆の考えていることを察することなどできません。

その代わり、その人自身の普段のマインドセット(心の持ち方・考え方)が影響するのです。

「他人が応援してくれる」と普段から考えているか。

それとも「他人は批判的だ」と考えているか。

発表者自信が普段”いい観客”の一人で応援しているか。

それとも、普段から非難する性質か。

 

他者を応援するマインドセットを養うことで、講演者としての自信に大きな影響を与えることができます。

そのためには、「観衆が応援してくれる」と考えると同時に、自分自身もこれまで以上に、発表者を応援する観衆の1人になることです。

 

プレゼンや講演をするとき、聴衆の中にそうした”いい観客”を探してみましょう。

そうした人は優しく微笑んでくれていて、アイコンタクトをしてくれるでしょう。

あなたを勇気づける「注目」や「エネルギー」を注いでくれます。

その人に注意を向け、彼らに語り掛けるようにプレゼンをはじめてみてください。

 

この「聴衆が応援してくれている」確証のようなものは、必ず得られるものではありません。

しかし、そうしたサポートを活用できるようになるマインドセットは養うことができます。

そして、そうしたサポートを他者に差し伸べることで、「認めること」「信頼すること」がうまくできるようになるのです。

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子どもの時の生育の事情から、ワタシは「人を信じる」のが苦手です。

でも、”良い聴衆””応援する観客”になることで、自分も少しずつ「応援されている」という感覚を育ててみたいと思います。

 

今日も1日、お疲れさまでした。

寒暖の差が激しいので、疲れやすいと思います。

よく休んでください。

では、また。

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