研修などで、書くものを持ってこない新人さんがいますね。
理由は「案内状に持ち物が書いていなかったから」だそうですが、社会人として差が出るところ。
著者に言わせると、手帳とノート、メモ帳はそれぞれベツモノ。
手帳にはスケジュールを書きますが、仕事を教わったり会議に出たりするときは、ノートに書くのがベスト。
書く分量が多い時、手帳やメモ帳では文字があふれてしまいますからね。
メモ帳は自自を受けたり、とっさの忘備録
メモ帳は、うっかりタイプの人間には必需品!
手帳が「秘書」なら、メモ帳は「アシスタント」といったところ。
ワタシは若いころ、さんざんいろんなことを忘れては指導されましたが、メモ帳を「使いこなす」ことができるようになってからは、まわりの評価が180度変わりました。
でも、ここで難しいのは、書いたことの管理。見直すこと。
まず、著者が若手社員やアシスタントの人に勧めているメモ帳は、小さいサイズです。
指示を受けることが多いので、ポケットに入れておき、いつでもどこでも取り出して書くにはミニサイズがぴったり。
1冊に綴じたものやリングタイプのモノなら、前のページが残せるので、うっかり捨てたり、他のファイルに紛れる心配も減ります。
あまり付箋をメモに使うのは勧めていません。
付箋に書ききれなかったり、貼ったりはがしたりするうちになくしたりする心配もあります。
書類の裏側を再利用する人もいますが、情報漏洩を考えると、ちょっとリスクがあります。
景品やもらいもののメモ帳もありますが、しっくりこないことも。
仕事は道具を選ぶことも大事。
一流の料理人は包丁、美容師はハサミを選びに選び、投資を惜しまないそうです。
オフィスワーカーも使いやすい道具や環境を整えることで、ミスをなくし仕事がはかどりやすくなりますからね。
仕事をラクにする方法
社会人は、次から次へと新しい情報が入ってきて、学校で教科書1冊を覚えればよかったという分量よりも、かなり多角的で多くの情報を叩き込まなければなりません。
ですから、受験勉強とはまったく違った記憶への手段が必要になります。
では、実際に記憶は、時間とともにどれくらい忘れていくのでしょうか。
ドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウスは、意味をなさない3つのアルファベットを並べて試験車に覚えさせ、その記憶が呼び起せるかを時間の経過とともに調べました。
その結果をグラフにしたのが「エビングハウスの忘却曲線」です。
20分後には覚えたことの42%を忘れます。
1時間後には56%を忘れます。
1日後には74%も忘れていました。
人間は忘れる生き物なので、記憶に頼るというのは、リスクが高すぎます。
「このくらいなら、覚えられる」
「書く者がないから、後でメモすればいい」
このようなちょっとした油断や準備不足がミスを生むのです。
ミスをなくすには、覚えている割合が100%に限りなく近いタイミングでメモすることに尽きます。
「外メモ」と「内メモ」
ひと口にメモといっても、いろいろあります。
ミスをなくすために書くことを勧めているのは2つで、「外メモ」と「内メモ」です。
「外メモ」は、外から入ってくる情報を忘れないように書き留めるのが目的。
・上司の指示を聞きながらメモする
・電話を受けながらメモする
などです。
「〇〇しながらメモする」ということで、速記しなければなりません。
外メモはミスをなくすための基本中の基本ですね。
続いては「内メモ」。
これは、自分の考えやアイディアを書き出すメモです。
頭の中に浮かんだことをそのままにしておくのは、宝の持ち腐れ。
見えるかすれば、単なる思い付きから価値ある仕事へ変わります。
毎日書いてほしい「内メモ」はTODOリストです。
これは、伝言メモと違い、書くか書かないかは自由で、研修やセミナーで著者が聞いてみると、「書いていません」と言う人が半数。
TODOリストは、一見するとミスとは無関係ですが、過信は禁物。
今日やることのヌケやモレをなくし、段取りを整えるためにマストと心得ること。
あなたを応援してくれるメモなので、決して損はさせないそうです。
外メモと内メモは2つセットで相乗効果を発揮します。
指示を受けたらメモする。そこまではインプット。
でも、言われたことだけメモするのは、半人前。
自分で咀嚼してTODDリストで計画して書く(アウトプット)、段取りを整えていくことで、よりあなたの仕事の完成度が上がります。
ひとり引き継ぎメモ
カレンダーを新しい年に切り替えるとき、「寒くなると疲れやすい」「のどがいたみやすい時期」を前年に気づいて転記しておいたら、その冬がとても過ごしやすいものになりました。
自分の中でも「引き継ぎメモ」は重要ですね!大概のことは忘れますから。
PDCAマネジメントサイクルという言葉はおなじみですね。
計画、実行、振り返り、改善のこと。
ミスをなくすには、このサイクルを回し続けることが重要だそうです。
では、私たちはひとつの仕事を終えた時、どんな方法で振り返ったり
改善したりしているでしょうか?
忙しさにかまけて、振り返りを省いていることが多いかもしれません。
大きなプロジェクトなら、組織として反省事項の引継ぎがされますが、自分のために内省しませんか?
異動や退職者が後任のために行う「引き継ぎ」。
これを未来のあなたに向けて、「次回はこのミスに気を付けて」「もっとこうしたら上手くいくよ」と教えてあげるのです。
自分だけわかればいいので、体裁にこだわらず、メモとして残しておくと便利です。
とっくに3か月~1年に1回くらいの頻度で発生する仕事は、このメモが頼りになります。
新人の頃は、本当にいつも怒られてばかりでした。
新しい環境で、何がどうしていいやら、わからなくて毎日がパニック。
そんな緊張感で、何を言われても余計に覚えていられなかったのです。
しかも、メモを取っても、どう管理していいのかさっぱりわかりません。
がんばってメモしたはいいけれど、見直し忘れることもしょっちゅう。
「あんなダメな新人、教えきれない」
と言う先輩の陰口を耳にしてしまったこともありました。
今思えば、うっかりしやすい自分の癖を認めてあげて、お金をかけてもいいからどんなツールを使えばよいのか、検討して発見していくことが必要でした。
ワタシの場合はポケットに付箋を入れ、書いたことを手帳に貼っていく方法が有効でした。
手帳は必ず1冊にまとめ、手帳にA5ノートを挟んで、研修的なものはそこに書いていきました。
きちんとメモする姿を相手に見せていくことで、「すぐ忘れたりミスする人」が「うっかりしやすいけれど努力している人」という評価に格上げされ、徐々に大きな仕事を任されるようになりました。
自分なりの対処方法を見つけさえすれば、落ち着きます。
すると頭の中のキャパシティーが広がり、全体を俯瞰して考えることもでき、優先順位も付けることが出来るようになりました。
ここから自信がついて、仕事が最高に楽しくて仕方ない時期に突入しました。
スタートが「劣等生の新人」だっただけに、評価されるのが嬉しくて楽しくて仕方なくなったのです。
明日は、実践的なメモの活用の仕方を勉強します。
仕事が楽しくなったり忙しくなったりすると、調子に乗って請け負いすぎることがありますが、それをTODOリストで調整する技術など。
今日も1日、お疲れさまでした。
ゆっくり休んで素敵な夢が見られますように。
では、また。