人から拒絶されてしまうと、本当にしんどいです。
ワタシは何年も苦しくなったりすることもあります。
こじらせると、本当に長引いてしまうので、今回心の痛みをやわらげていく方法を勉強したいと思います。
今回は、失恋、いじめ、拒絶体験の手当ての仕方です。
拒絶体験が引き起こす症状
拒絶体験が起こす症状は、大きく分けて4つです。
傷の程度は心や健康状態によってさまざまですが、最も目立つのは心の痛みです。
さらに拒絶の痛みは怒りを引き起こし、自己否定や居場所のなさにもつながります。
傷が浅い場合、たいていは自然に治ります。
しかし、たとえ浅い傷でも、汚れたままでは悪化します。
とりわけ傷が深い場合、すぐに手当てしないと悪化する危険が大きくなるのです。
そのため、まず症状を確認しましょう。
症状1 心がズキっと痛む
仲間外れにされることは、実は「大きな精神的苦痛」を感じることが実験からわかっています。
仲間外れの恐怖は脳にインプットされています。
恋人に振られた時、私たちは自分で思っている以上に深く傷つきます。
仕事の面接で落とされたり、友達の集まりに誘われなかったとき、私たちの心は非常に大きな痛みに襲われるのです。
拒絶体験の痛みは、ほかのどんな精神的苦痛より明確な「痛み」と感じられます。
肉体的痛みに例えると「麻酔を使わない分娩」「がんの治療」に匹敵するという心理学の調査もあるほどです。
人は社会的動物で、文明のない時代には仲間からの拒絶が死を意味していたからです。
症状2 怒りを感じ、攻撃性が高まる
拒絶体験は痛みだけでなく、怒りと攻撃性を引き起こします。
相手に怒りを覚えたり、時に無関係な人へ向けられる「八つ当たり」もあります。
どんなに心優しい人でも、拒絶された直後は多かれ少なかれ攻撃的になります。
拒絶体験をきっかけにした暴力事件や自殺がニュースになることは少なくありません。
恋人に捨てられて刃物を持ち出したり、クビになった社員がキレたり・・・。
実際夫が妻を殺害した551件の事件を分析した結果、その半数近くが離婚や別れ話に起因していました。
学校での銃乱射事件にも拒絶体験が大きく関わっています。
高校の15件の銃乱射事件のうち、クラスで仲間外れにされていたケースは13件もありました。
症状3 自分が価値のない人間に思える
過去に拒絶された体験を思い出すだけでも、一時的に自信が大きく下がっていることが分かっています。
拒絶されて自尊心が傷つくと、心の中で自己否定の気持ちが高まります。
自分を否定すると、ますます自信がなくなり・・・。
それが悪循環になり、わざわざ自分の手で傷口を広げていきます。
これを放置すると、傷はどんどん悪化します。
会社のコスト削減のためにリストラされたアンジェロという人がいました。
会社から拒絶されたと感じ、仲が良かった同僚たちと連絡をいっさい取らなくなりました。
いやな思いをするだけだと思い、馬鹿にされていると思い、同僚からの好意的なメールさえも無視し、仕事の口があるという話にも乗りませんでした。
数か月も経つうちに、誰も連絡してこなくなりました。
あなたが思うほど人はあなたの欠点を見ていません。
これは特に珍しい反応ではないと著者は言います。
拒絶は個人攻撃のように感じ、ものごとを悪いほうに考えてしまう傾向は、誰にでもあります。
好きな人に振られた時、「なぜダメだったんだろう?」と考えるうち、自分の欠点ばかりが頭に浮かんだり。
ですが、実際は相手はそんな欠点に気づいてもいないことが多いのです。
あなたは自分を否定されたように感じても、相手はただ別の事情があっただけかもしれません。
あなたが考えているほど、相手はあなたを悪く思っていないのです。
ただでさえ拒絶で傷ついた心に、根拠のない批判を投げつけるのは残酷すぎます。
症状4 人とのつながりが不足する
人には、誰かに受け入れられたいという基本的な欲求があります。
この欲求が受け入れられないままだと、心に大きなダメージを受けます。
拒絶されて人と接する機会がないと対人スキルが落ちます。
意気消沈して、完全に人付き合いをあきらめてしまうかもしれません。
拒絶体験の傷を手当てする方法
拒絶体験は、必ずしも手当てを必要とする傷ばかりではありません。
あらゆる拒絶体験を深刻にとらえすぎる必要はありません。
しかし、立ち直るのが難しい時もあります。
そうした傷を放置するのは危険です。
手当の前に知っておきたいこと
拒絶体験による主な症状には、強い痛み、怒り・攻撃性、自己否定、孤独感の4つ
があり、それぞれに適した処置が必要です。
あくまでお応急処置なので、すでに合併症を引き起こしたような重い症状ならば、無理せず心の専門家に相談することが大切です。
手当てA 自己否定を言い負かす
過去の反省はいいことですが、傷が言えていないうちはやりすぎてはいけません。
ですから、拒絶体験をしたときは、自分に甘いくらいでいいのです。
傷口は、まず保護して、治してやることが先決です。
とはいえ、自己否定の声を無視するのは簡単ではありません。
そこで、次の方法があります。
自己否定に反論するエクササイズ
1 自分に対する批判やネガティブな考えを紙に書き出す。
2 1で書いた考えに対して、それとは違う可能性を紙に書いてみる。
(ひとつの批判に複数の反論を書いてもOK)
3 否定的な考え方が頭に浮かぶたびに、2で書いた反論を頭の中で復唱する。
長年セラピストをしていると、あらゆる恋の悩みを耳にする著者。
振られる側だけでなく、切り出す側の気持ちを聞くときもあります。
愛の告白を断ったり、恋人との別れを決意するには、様々な理由がありますが、ほとんどは降られる側の欠点とは無関係な理由だそうです。
手当てB 自信を注入する
拒絶されて自信を無くしているときは、自分の長所を思い出すのが効果的です。
とはいえ、簡単にはいかないこともあります。
自分の得意な分野や詳しいことを思い出すことです。
自信を復活させることで、事態が好転していくことが多くあります。
自信を注入するエクササイズ
1 自分の性格や特徴の中で、いいと思うところを5つ選んで紙に書き出しましょう。
特に、拒絶体験のシチュエーションに関係するもの(恋人に振られた後なら、恋愛に関する長所)を選ぶと効果的です。
例えば、気が利く、誠実、聞き上手、思いやりがある、うそをつかない
2 その5つの長所を自分にとって大事な順に並べ替えましょう
3 上位3つの長所について、思うことを短い文章にしてみましょう。
文章には次の3つを含めてください。
・なぜその特徴が大事だと思うか
・その特徴のおかげでどんないいことがあったか
・その特徴は、自分という人間にどんな影響を与えているか。
手当てC つながりの感覚を取り戻す
拒絶されて辛い思いをすると、人と接するのが怖くなります。
でも、そんな時こそ、あえて人と接する努力をしましょう。
人とつながりはストレス全般を減らす効果があり、とくに拒絶の奇瑞は抜群の効果を発揮するからです。
孤独な時、人は不安になりがちですが、誰かと話すと「自分はここにいていいんだ」という感覚が戻ってきます。
ある実験では、好意的な態度の実験車と言葉を交わすだけで、拒絶体験による怒りが減少するという結果が出ました。
また、中高生を対象とした実験では、テキストチャットで見知らぬ人と会話するだけで、拒絶の後の自信喪失から回復する効果が見られたそうです。
差別的な拒絶体験の苦痛を味わったときは、自分と同じグループに属する人と話をするのが効果的です。
同じ特徴を持つ仲間に支えてもらうことでアイデンティティを取り戻し、不当な扱いで損なわれた自信を埋め合わせることが出来ます。
仲間を求める気持ちは代替性があるので、別の誰かにその穴を埋めてもらうことが出来るのです。
拒絶されたのはつらいですが、チャンスかもしれません。
それまでの恋人や友達は、自分の性格や生き方に合っていなかっただけかもしれません。
もっと自分い合った相手を見つければ、人生はそれまで以上に充実するはずです。
うまく相手を見つけられないこともあります。
そんなときは、親しい人の写真が特に有効です。
ある心理学の実験では、参加者たちの机に親しい人と有名人の写真のどちらかを置き、過去の失恋や仲間外れを思い出してもらいました。
結果、有名人の写真を置いた方のグループでは、大きな落ち込みが見られましたが、親しい人の写真を置いたグループでは、ほとんど落ち込まなかったのです。
手当てD 痛みへの感度を下げる
テレアポの仕事(電話をかけて商品の紹介や勧誘をする)仕事を経験した人の多くが、最初の2~3回で心が折れそうになると言います。
数秒で「結構です!」と言え荒れたり、いきなりガチャ切りされたりするからです。
ところが何回も電話をかけていると、以前ほど傷つかなくなります。
まるで単純作業のように、リストの名前に×をつけてまた次へと気持ちを切り替えていきます。
このような変化を、心理学では脱感作(だつかんさ)と呼ぶそうです。
苦手な状況になんどもふれるうちに、心が慣れて 苦痛が軽減するしくみです。
もちろん、いつでも脱感作が利くわけではないです。
しかし、日常的な拒絶体験についていえば、たいていは脱感作で軽減できます。
この脱感作は有効な手段ですが、使い過ぎには注意しましょう。
用法・用量をまちがえると、心がよけいに傷つくことがあります。
やみくもに試さず、具体的にターゲットを絞り、限定することが大切です。
今日も1日、お疲れさまでした。
明日は、のんびりできますか?
ゆっくり休んで、素敵な夢を。
では、また。