多くの人の中で孤独を感じるのは、少なからず機会が多くあります。
ソーシャルメディアを見ていて感じるときもあります。(だから、ほとんど見ませんけどね)
新しい部署に異動になれば、当然初めは疎外感しか感じませんし。
それから、パートナーと一緒にいても、「全然分かり合えないし!」と感じる孤独感は、答えの出ない行き詰まり感が辛いですね。
孤独のリスク
死早生で満ち足りた生活には、人とのつながりが不可欠です。
孤独が長引くと、寂しさや満たされなさだけでなく、うつ病や自殺願望、攻撃性、不眠などの照応が出てきます。
心の問題だけでなく、高血圧や体重増加、コレステロール値の上昇、ストレスホルモン増加、免疫力の低下といった身体的な不調が起こることが分かっています。
インフルエンザ予防接種の効果さえ下がるという結果が出ました。
さらに、判断力や注意力、意志決定が低くなり、アルツハイマー病の症状も新行使しやすくなります。
長期的な孤独のリスクは、喫煙のリスクにも匹敵し、寿命を何年も縮めるのです。
孤独が引き起こす症状
孤独から抜け出すのは、実は思った以上に困難です。
その原因の1つは、孤独な人は他人を信用しないから。
人の言動をネガティブにとらえ、疑心暗鬼になります。
さらに、行動も投げやりになり、「どうせ何をやっても無駄だ」と思い込み、人とのかかわりを投げ出します。
そしてさらにコミュニケーション力が低下し、ますます人との交流が難しくなります。
大事なのは、思い込みを捨てることです。
症状1 すべてがネガティブに見えて、疑心暗鬼になる
セラピーにくる多くの人は、積極的に自分のネガティブな面を打ち明けてくれるそうです。
話をして、なんとかラクになりたいと思うから。
ところが、そんなセラピーの場でも、自分がどれだけ孤独か、ということは認めたがりません。
孤独は恥の感情と結びつくのです。
成人男女の4割は孤独に苦しんだ経験を持ちますが、大半はそのことで自分を恥じています。
孤独は人の目につきやすい
ほんの短い期間の孤独でさえ、孤独は人の心に大きな影響を及ぼします。
孤独な時ほど、人は他人に厳しくなり、友人や恋人の言動をネガティブにとらえることが分かっています。
数々の実験でも、人は孤独な人を簡単に見抜けることが分かっています。
孤独であることが分かると、その人に対する印象はネガティブに傾きます。
魅力や知性に対する評価が、生まれつきの容姿と無関係に低くなるのです。
このように、孤独は人にいろいろな影響をおよおし、その結果孤独から抜け出して新たな人間関係を作ることは難しくなるのです。
症状2 孤独のあまり、孤独を呼び寄せてしまう
例えば、大学の新入生は、親元から遠く離れ、知らない人だらけの教室で孤独に直面します。
離婚や死別も、深い孤独を運びます。
会社を辞めて孤独になった人も、多くいるでしょう。
引っ越しや移住をした後も、頼れる人のいない土地で孤独と立ち向かわなければなりません。
ときに孤独が大きすぎて、新しい環境になじめず、孤独に呑み込まれて、戦意喪失し、自分の殻に閉じこもり、ますます孤独を深めてしまうこともあります。
孤独を予期していると孤独になる
そこには、孤独の自己成就的な性質があります。
孤独な人は、それ以上傷つきたくないために、孤独から救ってくれるはずの人たちをも遠ざけてしまいます。
その結果、予期した通りに孤独が深まります。
高校教師をしているセレナという女性は、まさにその悪循環にはまっていたそうです。
著者のセラピーにきたのは、「恋人ができない」から。
セレナは30代半ばの、控えめに言っても魅力的な女性。
彼女は4年前に30キロ以上の大減量をして、外見がすっかり変わりました。
子どものころから太っていたことに強いコンプレックスをもっていたのです。
「子供のころから太っていたのです。
男の人の視線は私のことを完全にスルーしていました。
まるで存在しなかったみたいに。
そんな太った女、目に入らないわけがないのに」
彼女はそういうと寂しげに笑いました。
「やせてからは、よく見つめられます。
ウインクしてくれる人もいます。
それなのに、昔と同じように怖いんです。
どうせ外見だけなんだと思って、私の外側は見えていても、私という人間は目に入らないんだろうなと」
セレナは真剣に結婚相手を探していましたが、傷つけられることが不安でたまらなかったのです。
長年ひどい扱いを受けてきたのだから当然でしょう。
表情にも不安と猜疑心はあらわれ、デートしてもぎこちなくて盛り上がらず、相手の男性はがっかりして脈がないのだと連絡をよこさなくなります。
その結果、「どうせ外見にしか興味がないのだ」という彼女の確信はますます深まるのです。
これが、孤独の罠です。
症状3 対人スキルが低下する
人との深いつながりが不足していた李、相手に対する努力を惜しんでいると、対人関係の「筋力」が衰えます。
つまり、相手の気持ちが理解できなくなり、行動が的外れになります。
大手企業で営業幹部をしているアルバンは、奥さんのブランカに連れられて嫌々セラピーにやってきました。
残業が多いのは仕方ないにしても、別々に暮らしているようで、愛情もやさしさも示せていない、と奥さんは言います。
アルバンさんの行動は、いつもちょっと変わっていました。
バレンタインに花束を買ってきたけれど、きちんと渡しもしないでキッチンのカウンターに置きっぱなしにして、しおれさせたり。
優しくしようと思っても、いつも行動で何かミスをするのです。
アルバンはブランカがどうして怒っているのか、まったく理解できませんでした。
バレンタインでも会話がなく、時間がたってしおれかけた花を目にしたときの相手の気持ちを思いやることが出来なかったのです。
風邪で1週間寝込んだ後で歩こうとすると、思った以上に足がふらついて転んでしまうことがあります。
こんなときは、筋肉が衰えていることを私たちはすぐに理解できます。
ところが対人関係の筋肉が弱っていても、私たちはなかなか気づきません。
何度もふらつき、転んでいるのに、自分の力が弱っていることには思いが及びません。
そして、アルバンのように、相手が怒っているのが悪いんだ、と思い込みます。
長い間一人だった人が異性にアプローチしようとするときも、同じことが起きます。
対人関係の筋肉が弱って恋愛スキルが下がっているのに、自分ではそれがわからないのです。
体の筋肉と同じで、対人関係の筋肉も1日では強くなりません。
太っていたせいで男性不信ぎみだったセレナは、自分の態度に問題があると気づき、もっと積極的になろうと決意しました。
しかし今度は積極的になりすぎて
最初の何度かは相手に惹かれてしまいました。
孤独な人にとって、対人スキルの習得はそう簡単なことではないのです。
傷つくリスクを犯しながら、少しずつ対人スキルを練習していく必要があります。
次回は、孤独の傷を手当てする方法を勉強します。
孤独は比較的短期間で立ち直れるそうです。
今日はのんびりできましたか?
今夜もすてきな夢が見られますように!
では、また。