猫のメメとモエ

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大切なものを失ったときの喪失やトラウマの症状~『心を手当てする方法』ガイ・ウィンチ

大事なポジションをなくす、という日常的な喪失もあります。

愛する人を失うこともあります。

暴力や犯罪、体の機能の損失、テロや戦争で日常を踏みにじられるなど。

そうした経験は、人の心に大きな傷を残し、回復には時間がかかります。

これらは、どんな症状が出て、これらをどう手当てすることができるでしょうか。

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喪失とトラウマが引き起こす症状

喪失とトラウマのもっともわかりやすい症状は、心の苦しみです。

それに加えて大きく3つの症状があります。

症状1 失ったものを思い出して苦しくなる

大切な何かを失ったり、トラウマになるような体験したとき、まずやってくるのは心の苦しみです。

まともにものが考えられなくなり、食事や入浴と言った当たり前の作業も困難になります。

この苦しみの中で、日常がまったく別のものに感じられ、私たちは多くの「初めて」を経験します。

あの人を失ってから初めての食事。

このような日々は、長ければ数か月続きます。

離婚して以来初めてスーパーに買い物に行く日。

失業して子どもにプレゼントを買ってやれない初めてのクリスマス。

母親が死んで以来初めての家族行事。

否応なく思い出を呼び起こし、目の前が真っ暗になります。

しかし、悲しみは病気ではありません。

正常な心の働きです。

焼けつく痛みも、時とともに薄れていきます。

そして私たちは少しずつ時間をかけて、新たな現実を受け入れるのです。

時間は大切な要素ですが、傷の深さや生活への影響度でそれより長くかかります。

いつまでも立ち直れないと、自分を見失いどんなふうに生きてきたかわからなくなります。

症状2 自分が何者かわからなくなる

グラントは営業職の優秀な男性で、友人とバスケットボールをするのが趣味でした。

ある雪の日、長期の出張を終え、同僚の運転する車で空港から会社に向かっていて、事故が起こりました。

彼は1年以上病院を転々とし、度重なる手術が終えると、今度は長く厳しいリハビリの日々でした。

体の痛みは徐々に落ち着きましtが、心はそうは簡単にいきませんでした。

「あの時死ねば良かったのに、と何度思ったことか。

見舞いに来てくれる人もいましたが、誰にも絶対会いたくなかったんだ。

あれから6年たった今も、鏡を直視できないんです。

この壊れた体、このみじめな人間を僕は知らない。

こんなの僕じゃないんです」

彼は新たな現実をいつまでも受け入れられずにいました。

 

事故以前のグラントは、自分を社交的でスポーツ好きなビジネスマンと認識していました。

ところが事故によって、スポーツも仕事も奪われました。

今やグラントは何物でもありません。

ふたたび人生を生き始めるためには、悲しみに覆い隠された本当の自分を見つけ出し、自分の人生を再定義する必要があります。

症状3 世界がわけのわからない場所になる

世界を理解したいと思うのは、人間の基本的な欲求

私たちは自分なりのやり方で世の中の仕組みを理解しています。何を信じ、世界をどう解釈するかで、人の行動は変わってきます。

ある人は、「神の意志」が世界を動かしているのだと思い、別の人は「因果応報」が世界の理だと思っています。

「あらゆることには理由がある」と思う人もいれば「全部ただの偶然」と思っている人もいます。

そうした認識の枠組みを、喪失やトラウマ体験は根底から揺るがします。

それまで信じていた世界がガラガラと音を立てて崩れ去り、わけのわからない世界に投げ出されるのです。

 

私たちは「こんなはずじゃなかった」と思い、異質な出来事を何とか自分の枠組みにはめ込もうとしますが、その枠組みが機能しません。

確かな答えをもとめて、考えがさまよいます。

「いったいどうして、あんなことが起こったんだろう?」

 

答えのない思考が頭から離れなくなり、思考は同じところをぐるぐる回ります。

なぜあのようになったのか。

あの時自分がこうしていたら。

9・11同時多発テロの後、多くの患者がそのように語るのを著者は聞きました。

症状4 過去にいつまでも閉じ込められる

巻き芯という女性がセラピーにきたのは、50歳の誕生日を半年後に控えたある日でした。

「50歳になったら、記念に二人でアフリカに行って、本場のサファリを体験しよう」と10年前に夫と約束したという彼女。

それまで何度か旅行の話は出ましたが、踏み切れずにいました。

しかし夫は腫瘍が見つかり、亡くなりました。

本当につらくて、今でも毎日話しかけてしまう彼女。

週に1度は亡き夫の好物を作ってしまうのを止められません。

アウトドアが好きだったのに、人と会うのが億劫になり、キャンプにも一切行きません。

連絡も、妹としかとりません。

ごくたまに同僚と食事に行くだけで、人付き合いもほとんどやめてしましました。

 

この症状は、放っておくと数十年も続くことがあります。

 

喪失やトラウマは、時間がたいてい解決していくものですが、ときに私たちを長い間過去に閉じ込めてしまうものなのです。

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喪失感で身動きが取れなくなってしまったことがあります。

どうしてそれを失ったのだろうか?とグルグル考えを巡らせていたりする時期もありました。

実は、今も。

大好きで人生に必要な指針となる人を失ったことは、自分の世界では納得できないものでした。

「どうして?」と問い続け、何年も思い出しては泣いていました。

一人で苦しみを抱えているとき、「あの人がいたら、支えてくれたのに」と今でも思います。

でも、いない。

しかしその人がいなくなるなんて、ワタシにとってはあり得ないことなんです。

 

納得できない自分が「弱いから、ダメなんだ」と思っていたのですが、心の働きとして当たり前のことだと知って、少し安心しました。

 

次回、そうした「喪失とトラウマ」の傷の手当の仕方を勉強します。

 

明日もあなたにとって、素敵な毎日になりますように。

では、また。

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