猫のメメとモエ

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就職面接で、ストレスホルモンをコントロールする方法~『ストレスを力に変える教科書』ケリー・マクゴニガル

昨日、心理学者クラムが客室係に「この仕事は良い運動になる」とプレゼンし、ポスターを貼ることによって、本当にそのプレゼンなどを聞いた客室係の健康状態が良くなったことを読みました。

 

さらにこのクラムは、著者を使って実験を行いました。

大学院生により、拷問器具にしか見えないような装置に著者を縛ります。

胸郭、首周りに2本のメタルテープ。

バンドは全身インピーダンス心電計につながっていて振動の活動を計測。

腕には血圧計カフが巻かれ、肘と指先に電極を付け、血流と発汗を測定。

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「考え方」でストレスホルモンの分泌が変わる

著者は、クラムの最新の実験の参加者と同じことを体験しに来たのです。

その実験の目的は、まず参加者のストレスについての考え方を操作し、tぎに、ストレスの多い状況に対して参加者の体がどのように反応するかを、観察することです。

 

さて、この状態で模擬就職面接を受けるのだから大変です。

模擬面接官は著者に対してさまざまなフィードバックを与えます。

ただし、面接のストれ羽後を高めるため、面接官は著者たちがなにを言おうが、何をしようが、否定的なフィードバックをするよう、訓練されています。

まさにその思惑通り、著者は面接官とほとんど視線を合わせられなくなり、話下手になってしまいました。

そしてやたら、「ええと」「その・・・」と口ごもりました。

こちらが無いを応えようと、面接官たちは徹底してケチをつけます。

これは模擬面接であって、こちらを動揺させるために入念に計画された実験とわかっていても、非常にストレスを感じたそうです。

 

模擬面接の前に、参加者はストレスに関する2種類ビデオ映像のうちどちらかを見せられました。

著者が見た方の3分間映像は、こんな風に始まりました。

「ほとんどの人は、ストレスは悪いものだと考えています・・・・

ところが研究により、ストレスにはよい効果があることが分かっています」

続いて、ストレスがいかにパフォーマンスの向上に役立ち、健康を増進させるかと言う説明がなされました。

 

もう一方のビデオでは不吉なメッセージで始まります。

参加者の半数はこちらを観ました。

「ストレスが健康に悪いことは、多くの人が知っています・・・・

ところが研究によって、ストレスは、わたしたちが思っている以上に心身を消耗させることが明らかになっています」

続いて、ストレスがいかに健康に悪く、幸福感を失わあせ、仕事のパフォーマンスを下げるかと言う説明がなされました。

 

ビデオは両方とも実際の研究事例を引用しており、その意味ではどちらも真実であると言えます。

しかしどちらのビデオを観るかで、ストレスに対する参加者の認識は変わってきます。

それによって、つぎのストレス実験(就職面接)に対する参加者の体の反応にも違いが現れるのではないか、とクラムは考えたのでした。

 

著者がこの模擬面接を体験する数か月前に、クラムはすでにこの実験を完了していました。

そのため、模擬面接を終え電極を外してすぐに、著者は予備的分析結果を聞くことが出来ました。

その中のある結果を見て、あっと驚きました。

著者が試験管の中に垂らした唾液からは、コルチゾールとデヒドロエピアンドロステン(DHEA)というふたつのストレスホルモンが検出されました。

両方ともストレスを感じた多時に副腎から分泌されるホルモンですが、異なる働きを持っています。

コルチゾールは糖代謝や脂質代謝を助け、身体と脳がエネルギーを使いやすい丈太にします。

また、消化や生殖や成長など、ストレス時にはあまり重要でない生物的機能を抑える働きもあります。

一方DHEAは神経ステロイドのひとつで、脳の成長を助ける男性ホルモン。

同じく男性ホルモンの一種であるテストステロンが運動によって身体が成長するのを助けるのと同様に、DHEAは、ストレスの経験を通じて脳が成長するのを助けます。

また、コルチゾールの作用を抑制して、創傷の治癒を早め、免疫機能を高める働きがあります。

どちらも大事なホルモンですが、どちらが多いかにより、特に長期的ストレスには影響があります。

コルチゾールが多いと、免疫低下やうつ病などの症状が現れる可能性があります。

逆にDHEAが多いと、不安症、うつ病、心臓病、神経変性など、ストレスに関連する病気のリスクが低下する傾向があります。

コルチゾールに対するDHEAの割合は、ストレス反応の「成長指数」と呼ばれます。

例えば「成長指数」が高い学生は、努力を厭わず粘り強く勉強し、スコアも高い傾向に。

軍隊のサバイバル訓練では、「成長指数」が高い人は集中力が高く、問題解決能力に優れ、集団からも脱落せず、訓練終了後にも心的外傷後ストレスの症状が現れにくい傾向があります。

さらに、「成長指数」の高い人は、児童虐待から立ち直るなど、きわめて過酷な経験からも回復する傾向が見られます。

 

実験において、ストレスについての参加者の考え方が変わるように導いたら、このレジリエンスの指数にも変化が現れるのか、クラムはそれを確かめようとしたわけです。

 

答えは、ずばりその通り。

ビデオを観ただけでは、コルチゾール値の変化はありません。

ところが、模擬面接が始まると、予想通り参加者のコルチゾール値は上昇しました。

けれども、「ストレスには良い効果がある」というビデオを観た参加者は、「ストレスは心身を消耗させる」というビデオを観た参加者に比べ、DHEAの分泌が多く、「成長指数」が高くなっていました。

 

参加者が「ストレスには良い効果がある」と考えたことが、このような効果をもたらしたのです。

 

たんなる主観的な感じ方や乾燥ではなく、副腎で産生されたストレスホルモンの割合というきわめて明確なかたちで、効果は示されました。

ストレスは役に立つと考えたことによって、身体の生理的状態は変化させることが出来ます。

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面接やプレゼンで緊張しそうなときは、「ストレスは適度な緊張を生み出すから、自分を助けてくれるんだ」ということを思い出して、ストレスホルモンそのものを味方にしちゃいましょうね。

 

がんばっているあなたに、もっとラッキーがやってきますように。

 

今日も努力したあなたに、お疲れさまのご褒美を。

すてきな夢が見られますように。

では、また。

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