1週間をふりかえったとき、とくにストレスの多かった日を思い出し絵、「まったく、あの日はついていなかった」なんて思うことがあるかもしれません。
あるいは、今日がまさにその日カモ。
もっとストレスのない1日をすごせたらいいのに、と思うかもしれません。
でも、これまでの人生を振り返って、ストレスの多かった日をすべて取り除いたら、理想の人生ですか?
ストレスを避けた代償
ストレスをすべて取り除いたら、理想の人生になるかと言うと、そうではないはずです。
それどころか、あなたが成長するきっかけとなった経験や、もっとも誇りに思っているチャレンジや、あなたに大きな影響を与えた人間関係も、消え去ってしまうでしょう。
生活からストレスが亡くなったら、不快な思いをすることは減るかもしれません。
しかし同時に、生活の意味も見失ってしまいます。
にもかかわらず、ストレスのない生活にあこがれるのは、けっしてめずらしいことではありません。
ある意味では当然の願望とはいえ、ストレスのない生活を追い求めれば、大きな代償を伴います。
じつは、私たちがストレスの悪影響だと思っていることの多くは、ストレスを避けようとすることで起こることなのです。
心理学者たちは、ストレスを避けようとすると、充実感や人生に対する満足度や、幸福度が、著しく低下してしまうことを突き止めました。
またストレスを避けていると、孤立してしまう可能性があります。
日本の同志社大学が学生対象に行った研究では、ストレスを避けようとしていると、「つながり」や「帰属」の意識が薄れていくことが分かりました。
さらに、ストレスを避けようとしていると、心身の疲労困憊につながる可能性があります。
たとえば、スイスのチューリッヒ大学の研究では、まず学生たちの目標に関するアンケートを行い、その1か月後のようすを調べました。
期末試験期間と冬休みと言う、1年のなかでもとくにすとれすの多い時期が過ぎた後で、学生たちのようすを調べてみると、集中力や体力や、自制心の低下がもっとも著しかったのは、「ストレスを避けたい」という願望がもっとも強かった学生たちでした。
また、アメリカ合衆国退役軍人省が、カリフォルニア大学バルアルトで実施した大規模な実験では、1000人以上の成人を10年にわたって追跡調査。
はじめに参加者たちは、「ストレスにどのように対処していますか?」と質問されました。
それに対し、「ストレスはできるだけ避ける」と答えた人は、その後10年でうつ病になった確率が高いことが分かりましtあ。
また、職場や家庭での争いごとも増え、失業や離婚などのつらい経験をした確率が高かったことも分かりました。
心理学では、これを「ストレス生成の悪循環」と呼んでいます。
ストレスを避けようとしたことが皮肉な結果を招くのです。
つまり心の支えを失っていく一方で、ストレスのもとはかえって増えていきます。
ストレスがたまるにつれ、あなたはますます追い詰められて孤立指定k、ストレスを感じる状況はことごとく避けたり、自己破壊的な気晴らしに走って、つらい気持ちをごまかしたりするなど、回避的な対処方法に頼るようになります。
そうやって必死にストレスを避けようとするほど、ますます悪循環に陥ってしまうことに気づくでしょう。
心理学者のリチャード・ライアン、ヴェロニカ・フータ、エドワード・L・ディシが、論文集『幸福の探求』所蔵の論文で述べています。
「ひたすら快楽のみを求め、痛みを避けようとする人には、深みや意味に欠けた、仲間のいない人生しか手に入らない」のです。
代償を認識するエクササイズ
著者は、ストレスを避けようとするのは合理的に見えるけれど、この行動の代償を認識することが良いエクササイズになると紹介しています。
ストレスを避けることで発生する代償と認識することは、次の3つです。
1 機会を逃す
イベントや活動、役割をストレスが多いと辞退していると、活動範囲が狭くなり代償がある。
2 逃げる
生活のストレスについて考え、さまざまな感情が湧いてくるのを避けたり、忘れたいとき、辛い気持ちを紛らわせたいとき、あなたはどんなことをしますか?
あるいはどんな手段に頼りますか?
その方法は、時間やエネルギーを上手く使い、よい生き方に役立っていますか?
自己破壊的な方法で、問題から逃げていませんか?
3 自分の将来に限界を設ける
もし生活にストレスが生じるのを恐れさえしなければ、やってみたいことや、経験してみたいことや、受け入れたいことや、変えてみたいことはありますか?
もしそれに挑戦したら、あなたの生活はどのように向上しますか?
もし挑戦せずに諦めたら、あたなはどんな代償を払うでしょうか?
夜、のんびりできる時間になると、「ああ、こんな時間があるなら掃除機をかけてしまいたいな」と思います。
しかし、「でも、さぼりたい」と思ってしまう。
そして、なぜかおやつに手が出るのです。
わざわざキッチンまで行くのなら、クイックルワイパーで掃除ができるのに!
もしくは、スマホで漫画を買ってしまいます。
お金を節約しなければならないのに!
まさに、自己破壊的な行動です。
ちょっとでも掃除していこうと思います。
だって、いつもキレイにしていく習慣がついたら、自分に対してもっと自信が持てると思います。
それに、気持ちがいい!
今日は、どんな1日でしたか?
せめて夜はゆっくり休んでくださいね。
では、また。