5人に1人は生まれもってHSP(とても過敏)の性質を持っていると言われます。
他人の気分に左右されやすかったり、人ごみに疲れやすかったり、ちょっとしたことにすぐびっくりしてしまったり。
周りの環境やできごとに、「やりすぎだな」と思うくらい過敏に反応してしまう。
そんな過敏さを生まれつきの性質として持っているならば、それを「根性」で直そうとしても上手くいかないのかもしれません。
今日は、「動揺してしまった」ときの対処方法について。
小さなミスにも激しく動揺してしまう
小さなミスをしただけで、はげしく動転してしまい、気持ちを立て直すのに半日かかってしまう・・・。
ワタシもそういうことが、よくあります。
このようにパニックになって落ち込んでしまうパターンは、HSPの人にはよく見られることだそうです。
HSPは過敏で神経が高ぶりやすいため、すぐに頭に血が上ってしまうのです。
そして自信のない人では、小さなミスをしただけで、「自分はダメな人間だ」とばかりに自分のことを一気に全否定してしまいます。
あとは、落ち込むばかり。
前向きに考えようとしても、うまくいきません。
小さなミスで自分を全否定する考え方は、思考の歪みから生まれます。
根本的な解決をするには、このゆがみを正す必要があります。
しかし、気が動転している状態ではそのようなことはできないでしょう。
そこで、はじめに気分を上げてから正します。
より効果的で実践しやすいのは、思考よりも感覚を変えること。
まずはその場で深呼吸して、気持ちを静めます。
深呼吸だけで鎮められなかったら、トイレに駆け込んで目をつぶり、コバルトブルーの海など美しい景色をイメージしてもよいでしょう。
こうして今日くどな高ぶりが収まったところで、今度は自己弁護にとりかかります。
「あれは仕方なかった。
時間がなさ過ぎて、焦ってしまった。
時間があれば、ミスはしなかった」
と、自分で自分を弁護しましょう。
これらのことを普通の人は日常の中でよくやっていますが、HSPはともすれば自分だけを責めてしまいがちです。
でも、自己弁護することで「自分が悪い」という嫌な感情を消し去る効果があります。
そして、自分の良いところを見つけて、ほめるようにします。
「ミスはしたけれど、それ以外はみんなよくやった」。
こうして気分が上がって初めて、冷静に「ミス=全否定、はおかしい」と思考の歪みを取るのです。
ミスが怖くて、仕事に時間がかかる
小さなミスを恐れるあまり、何度もチェックして、仕事に時間がかかることもHSPの人には少なくないことです。
自分でもそこまでチェックしなくていいとわかっていても、確認しないではいられないのです。
もともと何事にもつけて、丁寧な仕事をするHSPです。
そのうえ、対人関係のストレスも加わることで、このような傾向がいっそう強く表れると考えらえます。
いずれにしても、これでは仕事が遅れてしまいがちで、自分もつらいし、周囲からも迷惑がられてしまいます。
不合理なほど、何度も戸締りを確認しないではいられなかったり、自分の手が不潔に思えて手を洗い続けずにはいられなかったり・・・。
このような症状を「強迫症状」といいます。
この治療では、症状と正反対のことをあえてやらせ、強迫の回路をとめます。
つまり、戸締りの確認をしない、あえて手を洗わせないといった練習を繰り返すのです。
ミスを恐れるあまり、仕事が遅くなってしまう人には、この練習が応用できます。
「チェックは3回まで」、と自分の中できっぱりと決めて、千子規氏、チェックをしないのです。
不安でたまらないでしょうが、「ミスをしたって、クビになるわけではない!」と自分に言い聞かせて、上司に仕事を提出しましょう。
何回も繰り返すうち、少しずつ完璧さへの過度なこだわりも薄れてきます。
なお、事前に準備しておくと、ミスを減らすこともできます。
たとえば、新しい仕事にとりかかるたびに、間違いややり残しをチェックするためのチェックリストを自分用に作成しておくのです。
細かければ、細かいほどよいでしょう。
このチェックリストにすべてチェックが入れば、1回のチェックでも安心できるはず。
慎重で仕事ぶりが丁寧なHSPにとって、この方法はミス防止に向いているでしょう。
仕事を頼まれると断れない
人から仕事を頼まれると、自分も時間に追われているのに、断ることが出来ない。
HSPにはこのような傾向が多く見受けられます。
断れば相手が気落ちするのがわかるし、良心的なので、つい引き受けてしまうのでy層。
このような仕事の仕方を続けることで、自分一人が苦労をしょい込むことになってしまいます。
人のことばかり気にしていては「自分の人生を生きていない」で「他人の人生を生きる」ことになってしまいます。
自分のために生きるためには、断りたいときは断ることです。
HSPのやってはいけないことの1つに「頑張りすぎること」があります。
人から頼まれた仕事を断れずに引き受けていては、仕事量を増やし、自らを頑張るしかない状況に追い詰めてしまうことになります。
でも、断ることを覚えれば、がんばりすぎる場面を少しずつ減らし、やがて、やめることもできます。
断るときには相手が気分を害さないように、「私」を意識して話すことを心がけましょう。
「私には無理だと思います」
「私は今、ちょうど忙しくてできません」
など。
私を中心においた言葉を遣うことで、権外に、「私の都合で、申し訳ございませんが」というニュアンスが伝わります。
さらに「私はあなたにこうしてほしいんです」というメッセージも伝わります。
また、日本人は引き受けるか断るかの二者択一で考えやすいのですが、白黒をつけずに「交渉」するのも1つ。
「期限を延ばして」「仕事量を半分にしてほしい」など。
交渉は苦手な人が多いHSPの人も、「白か黒思考」を手放すとラクになることもあります。
今日もお疲れさまでした。
秋の夜長をゆっくり楽しんでくださいね。
では、また。