猫のメメとモエ

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「脅威反応」を「チャレンジ反応」に変える方法~『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』ケリー・マクゴニガル

不安なことを避けていると、ますます不安になることってありませんか?

恐怖症、パニック発作、社交不安、PTSDなど、あらゆる不安障害は「不安と回避の悪循環」をまねく可能性があります。

不安を避けることを何より優先し、最悪の凍場合は、少しでも不安を感じることをことごとく避ける生活をするようになります。

そうすれば、安心できるだろうと思ってのことですが、多くの場合は逆効果になります。

かえって、恐怖感が強まり、先のことがますます不安でたまらなくなるのです。

 

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不安を避けると、ますます不安になる

著者も、「不安と回避の悪循環」を乗り越えた経緯があります。

空を飛ぶのが怖くて、生まれてからずっと飛行機に乗れなかったのです。

年に2回の家族行事のために、乗ろうと決心しましたが、恐怖心がだんだん強くなり、空を飛ぶことを考えただけでパニック発作を起こしそうになりました。

フライトはまだ何か月も先なのに、飛行機に乗っている3時間のことを想像して、ひどい恐怖にさいなまされ続けるなんてたまりません。

そこで、飛行機に乗るのは止めにしました。

それから数年たち「飛行機には乗らない」という著者の決心は、まるで自分を閉じ込める牢獄のように思えてきました。

飛行機でなければいけない遠い町を旅している自分を夢を見ても、目が覚めたとたん

「ああ、わたしはいけないんだ」

と情けない気持ちでいっぱいになりました。

もし万が一、家族の身に何かあったとき、飛行機に乗れなかったらどうしようと思うと、心配でたまらなくなりました。

 

最悪だったのは、恐怖にとらわれている感覚がちっとも消えなかったことです。

飛行機に乗ろうが載るまいが、恐怖の代償を払うことになるのだと、著者は思い知りました。

 

著者は飛行機に乗ることにしました。

始めは短いフライトから挑戦。

飛行機に乗っている間、ずっと生きた心地がしませんでしたが、自分を褒めてやりたくなりました。

出席したかった会議やイベントにも出られるようになり、祖母の葬儀を始め出席できなかったらどうしようとおそれていた行事にも参加することが出来ました。

 

怖いことを避けていれば不安にならずにすむはず、という幻想をいだいているよりも、飛行機に乗ることで意義のある経験をできる方がいい、と思えるようになったのです。

 

いまではもう飛行機になるのが大好きになりました・・・と言いたいところですが、いまでも大嫌いだそうです。

でも、以前に比べたらずいぶんましになりました。

1か月に何度も飛行機に乗っています。

いまでも不安ですが、自分に感謝したい気持ちになるそうです。

「脅威反応」を「チャレンジ反応」に変える

これま読んできた通り、ストレスの新しい科学でもっとも重要な考え方の一つは、私たちの体で起こるストレス反応の種類は何種類もあるということ。

運動競技や人前でのスピーチ、プレッシャーのある場面では、身体に力が湧き、集中力が高まり、行動を起こす勇気が出る反応、つまり「チャレンジ班の」が起こることが理想的です。

 

ところが、プレッシャーのせいでストレスを感じると、「闘争・逃走反応」が怒ることがあります。

これは非常時に表れる本能で、ストレスが悪者にされたのはこの反応のせいです。

プレッシャーのかかる状況で実力を発揮すべき時に「闘争・逃走反応」が起こった場合、心理学ではそれを「脅威反応」と呼びます。

「チャレンジ反応」とちがって、危険から身を守ることを優先します。

 

この二つは生理学的にいくつも違いがあり、パフォーマンスへの影響はもちろん、長期的なストレスが及ぼす影響にも関係してきます。

特に最大の違いは、ストレスが心臓循環系の健康に及ぼす影響にも関係してきます。

 

「脅威反応」のときは、体中の血管が収縮します。

迫りくる戦いによる出血を最小限におさえるためです。

身体はどんどんn炎症を起こし、免疫細胞を活性化して、早く回復できる準備をします。

 

それとは対照的に「チャレンジ反応」のときは、身体はまるで運動しているような反応が起こります。

危害を予期していないために体はリラックスし、血流量は最大となり、大きな力を出せるように準備します。

血管は開いたままで、心臓の鼓動も力強くなります。

「脅威反応」のときよりも力が出るのです。

自分の強みを認識して、「チャレンジ反応」を引き出す

プレッシャーを感じた時に、どのストレス反応が起こるかを決定づける最大の要素は、「プレッシャーに対応できる自信を持てるかどうか」であることが、研究によって明らかになりました。

人はストレスの多い状況に直面すると、その状況と自分の力量を天秤にかけます。

この作業は無意識のうちにも頭の片隅で必ず行っています。

一瞬のうちに自分の対処能力を評価しています。

この評価こそが、どのストレス反応が起こるかのカギとなります。

自分の手には余る状況だと思った場合には、「脅威反応」が起こります。

しかし、自分の力で対処できると思えば「チャレンジ反応」が起こるのです。

 

自分の持っている力や手段をしっかり意識すると、「チャレンジ反応」は起こりやすくなります。

そのためにもっとも効果的な方法は、自分の個人的な強みを認識することです。

 

たとえば、挑戦に向けて自分がどれだけ準備を重ねてきたかを考えたり。

過去に同じような問題を乗り越えた経験を思い出したり。

自分を支えてくれる大切な人たちや、自分の成功を祈ってくれる人たちのことを考えます。

そうすると考え方が素早く転換し、脅威がチャレンジに変わるのです。

「妨げ」を「手段」へ

ジェイミソンは、「脅威反応」が「チャレンジ反応」に変化するのはいつか、ということに興味を持ちました。

そこでハーバード大学関係者とボストン地区で参加者を募集し、実験を行いました。

彼らは3つのグループに分けられます。

1番目のグループは、こう説明されます。

「体にストレス反応が起こるのは、状況に対処するのに必要なエネルギーを終結させるためです。

たとえば、心臓がどきどきしているのを感じたら

それは心臓があなたの体と脳にたくさんの酸素を送り込もうとして、がんばっているしるしです」。

 

2つ目のグループは、

「緊張を和らげて実力を発揮するには、ストレスを感じても無視するのがいちばんいい」

と伝えました。

 

3つ目のグループには、ストレステストの前にテレビゲームで遊んで、ストレスを発散させるように指示し、ストレスに関する考え方はなにも指示しませんでした。

 

結果、2つ目と3つ目のグループの結果はほぼ同じでした。

1つ目のグループのみ興味深い結果が現れました。

身体のストレス反応が、「脅威反応」から「チャレンジ反応」へとことごとく変化していきました。

 

テストした内容はスピーチでした。

マインドセット介入を受けた参加者たちにとっても、スピーチはとても難しいことには変わりありませんでしたが、自信をもって難しい課題に挑戦することが出来たのです。

 

「チャレンジ反応」を生み出すエクササイズ

ストレスへの考え方を変える。

マインドセットを変えていくだけで、「チャレンジ反応」を呼び起こす人生へとあなたを切り替えていくことが出来るのです。

そして、ここで大事にしたいエクササイズがあります。

プレッシャーのある場面に遭遇したとき、「体が助けてくれる」と考えること。

心臓がどきどきすること。

呼吸が早くなること。

これは、体があなたにエネルギーを送っているのです。

緊張したらストレス反応のおかげでかえって力が湧いてきていることを思い出しましょう。

手に汗をかいているのに気づいたら、初めてのデートを思い出してください。

手に汗をかくのは、自分の求めているものがそばにあるから。

近くに大事なものがあるしるしです。

消化器官には、あなたの思考や感情に反応する神経細胞が無数に集まっています。

緊張や不安で落ち着かない気持ちになるのは、あなたの直感が「これは大切なことだ」とささやいているせいだから。

 

この感情を無理に打ち消そうと焦らないこと。

それより、ストレスによって湧いてくるエネルギー、強さ、やる気を利用して、いま自分がやることに集中します。

体はありったけの力と手段であなたのバックアップをして応援しています。

 

深呼吸して心を落ち着かせるのではなく、深呼吸してエネルギーが体中にみなぎっているのを感じましょう。

そして、問いかけるのです。

「目標にふさわしい行動をとるために、いまこの瞬間、私は何をすればいいんだろう?

どんな選択ができるだろうか?」

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ドキドキする心臓を「これは自分の味方なんだ!」と思ったら、がんばれそうですね。

やってみたいと思いました。

 

今日もお疲れさまでした。

では、また。

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