猫のメメとモエ

生命線があと10年分しかない!どうせなら、やりたいことに(あまりお金をかけずに)ちょっかいを出すことにした猫好きのブログ。メンタルトレーニング、自己啓発、一人旅、猫めぐり、山歩き、真剣な子育て、ジョギング、写真。その他いろいろ。

バーンアウトを減らす方法~「スタンフォードのストレスを力に変える教科書』ケリー・マクゴニガル

「自分よりも大きな目標」について考える習慣を持つことで、本当にチームや組織に必要なことにフォーカスでき、本当の意味で評価される一員となることができます。

そして、その考えを持つことで、自分自身の体のストレス反応にも大きな影響を与え、「脅威反応」を起こすコルチゾールと副腎皮質刺激ホルモンを減らすことが実験で分かっています。

 

モニカ・ワーラインは、職場における社会的なつながりを研究sる組織心理学者のグループ、「コンパッション・ラボ・リサーチグループ」の創設者のひとりです。

ワーラインの研究により、従業員たちが職場で仲間同士のつながりを感じると、バーンアウトが減り、仕事熱心に取り組むことが明らかになっています。

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職場でのバーンアウトを減らすには?

その最大の効果は、自分が周りの人に役に立っているという実感によってもたらされるのです。

 

ワーラインはサンディエゴに拠点を置くコンサルティング企業の代表取締役として、ナスダック100指数の構成銘柄の20社や、『フォーチュン』誌の「世界で最も称賛される企業」に選ばれた多数の企業を担当してきました。

ワーラインが企業の従業員のレジリエンス強化のために実施するのは、「職務の再定義(ロールリデザイン)」というエクササイズ。

従業員各自の職務記述書を「自分よりも大きな目標」という観点から書き直します。

 

職務記述書には行うべきタスクや、必要とされるスキルや、課題の優先順位などが列挙されていますが、それを読んでもピンとこない場合がほとんど。

というのも、その職務に就いた人が、組織やコミュニティにどう貢献できるのかが、見えてこないからです。

 

ワーラインの「職務の再定義」のエクササイズでは、企業の従業員がつぎの点についてじっくり考えます。

・あなたが一緒に働いている仲間や上司の視点から、あなたの職務を定義するとしたら、どのようになるでしょうか?

・職場の仲間や上司は、あなたの職務はどれくらい役に立っていると言うと思いますか?

・あなたの仕事は、会社の大きなミッションやコミュニティの人々の幸福に、どのように貢献していますか?

 

このように自分の職務をとらえなおしても、職務の基本的な内容じたいは変わりません。

が、自分の職務に対する従業員たちの認識はがらりと変わります。

 

ワーラインは、このエクササイズを行うと、従業員たちが仕事に感じる意義ややりがいが、確実に大きくなることを発見しました。

 

 

職場で「自分よりも大きな目標」を作り出した例として、ワーラインが特に気に入っているのは、ケンタッキー州ルイビル市のケース。

当時ルイビルの町では、公共交通機関の安全に対する懸念が強まっていました。

たとえば2012年にはバスの後部座席で男性3人が口論の末、ひとりが銃を取り出して17歳の少年リコ・ロビンソンを白昼堂々と射殺しました。

市長は、公共交通機関に、安全強化の対策を指示。

その一環として、すでに設置済みの防犯カメラや緊急無線に加え、市バス運転手たちが乗客の安全を守るために、どのような役割を果たせるかを、運転手たちに考えてもらうことにしました。

 

バスの運転手たちは一丸となって、この課題に真摯に取り組み、新たに自分たちを「安全大使(セーフティーアンバサダー)」と命名。

主要な業務は、バスの運転であるということは変わりません。

しかし、「バスの運転手は乗客の顔を見て認識している」という安心感を与えることも、自分たちの役目だと考えるようになりました。

 

その試みとして、運転手は人々がバスに乗ってきたときに、挨拶をすることを始めました。

ただ運賃を受け取ったり、定期券を確認したりするだけでなく、乗客と目を合わせて「ハロー」とあいさつするのです。

運転手が一人ひとりの乗客にきちんと接することで、公共の場の匿名性が低くなります。

こうした運転手のおかげで、乗客たちは安心して気分よくバスに乗れるのです。

 

そして、「職務の再定義」がもたらした予想外の最大の効果は、バスの運転手たちに表れました。

仕事のやりがいが飛躍的に大きくなったのです。

バーンアウトのリスクが高い職種なので、これはきわめて重要な成果でした。

ルイビス市の運転手たちは自分たちを「安全大使」だと考えることで、仕事に対してそれまでとはちがう意義を感じられるようになりました。

自分たちは、市長が推進する地域の安全活動に寄与するという、「自分よりも大きな目標」に貢献する仕事をしているのだ、と思えたからです。

 

ワーラインは、このルイビス市の事例だけでなく、どんな企業や組織を担当した場合でも、同じようなことが起こったと語っています。

「自分よりも大きな目標」という観点から自分の職務をとらえなおすと、もっと基本的な仕事にもやりがいが生まれ、バーンアウトをふせぐことができるのです。

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自分の社会に貢献している、という思いを持つことで、沸き起こってくる力ってありますよね。

これを毎日感じられたら、なんだかすごく頑張れそうです。

 

お疲れさまでした。

ゆっくり休んでくださいね。

では、また。

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