猫のメメとモエ

生命線があと10年分しかない!どうせなら、やりたいことに(あまりお金をかけずに)ちょっかいを出すことにした猫好きのブログ。メンタルトレーニング、自己啓発、一人旅、猫めぐり、山歩き、真剣な子育て、ジョギング、写真。その他いろいろ。

『すべての仕事は「肯定」から始まる』丸山俊一

「カミソリになるな。ナタになれ」

著者が大事にしている言葉です。

仕事をしていくなかで、鋭い視点が出来る優秀な人に人びとの目はいきがちです。

ある種の瞬発力、即時対応、株式のトレーディングでの知性など、カミソリ的切れ味を知性に求める傾向が現在あります。

 

その切れ味は否定しないけれど、仕事の本質を極めていくのはどちらなのか?

 

英語でしゃべらナイト」「爆笑問題ニッポンの教養」「ソクラテスの人事」「仕事ハッケン伝」「Jブンガク」「みんなでニホンGO!」などを手掛けてきた、編集局エグゼクティブプロデューサーを勤めてきた著者。

たくさんの異色教養番組をプロデュースしてきました。

 

そんな著者ならば、さぞかし「カミソリ」思考な気がします。

でも、「カミソリ」的な鋭い思考は現代目に留まりやすく評価されますが、実はそのスピード感に比例して、その思考は「錆びやすい」というのです。

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「可能性と限界」をよく見極めないとメンテナンスしないと、そうした「カミソリ」的な知性って、すぐに錆びてしまうものだそうです。

 

一方ナタは、振りかぶるのに時間がかかります。

標的を見定め、全身でゆっくり降り下ろす。

そこには、「大きな構え」が必要です。

集中力を要しますが、だからこそ木が一刀両断されます。

その効果はカミソリの比ではありません。

 

このナタのような仕事を目指す、とはなんでしょうか?

「よくまとまった企画書」を書けたら、注意する

私達が企画書を出すときを思い出してみましょう。

そのフォーマットについとらわれがちです。

フォーマットにとらわられていると、企画書も「よくまとまっている」ものにはなります。

が、美しく企画書を出すことが目的になって、そこにあるモヤモヤしたエネルギーを削いでしまうことがありませんか?

 

そこに敏感になるべきだ、と著者は述べています。

 

最も恐れなくてはならないのが、このフォーマットに流し込むことで、「豊かな形容しがたい面白さ」や「可能性」を殺してしまうことです。

 

例えば、売上高を管理するのに、エクセル数値を入れたら、安心してしまう。

効率、透明性が叫ばれるなかでの「目的」と「手段」の逆転現象もよくあること。

 

小さくまとめてしまうことで、「創造力」と「想像力」をの可能性を自ら貶めてしまうことに繋がります。

 

企画書は、コミュニケーションツールです。

そこに流れている「エネルギー」こそ大事なのです。 

「現状分析」がすべての基本

たとえば著者が作り出していった「英語でしゃべらナイト」。

この企画は「日本人は英語に対して引き裂かれる感情を持っている。

それは、憧れと憎しみである。

バタ臭いものへの憧憬と同時にコンプレックス」

という状況分析から入りました。

そして、日本人の感情を描くところから始めます。

さらに、それをどう視聴者と共有する演出を行うのか?というところに落とし込みます。

 

企画内容としてはたとえば、「ハリウッドスターへのインタビューをするために釈由美子さんが英語学習する」など 

こう書いてみると、新鮮さは、まったくと言っていいほどありません。

でも、大丈夫なんです。

「新しさ」というものってのはうまく表現できません。

なぜなら表現できないから「新しい」のですから。

「新企画!」「前代未聞の〇〇!」にいたずらにこだわらない方が、本質的には新しくなっていく。

著者の経験上でも、さまざまな企画がそうして結果的に新しいものになっていきました。

優秀な人、のワナ 

同様のことが、人間にも言えます。

 

みんながよく目指す「優秀で器用な人」。

こう言われて嬉しくない人は居ないと思いますが、それはひとつ違えば、すでに出来上がった「秀作」の基準に回収されてしまったことを意味します。

 

器用にフォーマットに収まる優秀さ。

そんな「器用さ」よりも、ある種の「愚直さ」「ものわかりの悪さ」こそが道を開いていくきっかけになることがあります。

 

「優秀さ」の「可能性と限界」に気づいていないと、真に「優秀」とは言えない。

 

ちなみにこの、「可能性と限界」という考え方も、いつも意識しておきたい言葉です。

著者に言わせると、これは裏腹の関係だからです。

ひとつの価値観で評価される「可能性」は、他の価値観からすれば、「限界」を露呈していることもあります。

ひとつの価値観に固まって満足し、甘え、守りにはいらないためにも、それを壊すことが出来る思考の幅が大事なのです。

 

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ワタシは、ひとつの価値観に囚われすぎていたので、たくさん反省です。

今日もお疲れ様でした。素敵な夢を。では、また。

 

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