これから年末に向かい、新しい目標が見えてくる時期です。
もし「何年かかっても”かなわない”目標」があるならば、無意識にどこかで自分自身がブレーキをかけているという可能性もあるのです。
心理カウンセラーの著者。
悩みを抱える人とたくさんのカウンセリングをしてきた著者からみると、ほんとうの願望達成法は、世の中で言われているものと異なります。
ひたすら努力したり、綿密な計画を立てて実行することよりも、違う方法があるのです。
それは、「無意識」を最大限に活用する方法。
そのためには、あなた自身の「感情」に注目し、それを受け入れること。
毎日の中で、ごくシンプルにあなたの「心地よさ」や「満足」を”実感する”だけでいいのです。
「味わう」という実感がもたらす魔術
あなたは朝、1杯のコーヒーを飲む習慣があるでしょうか?
お茶でも、紅茶でもかまいません。
それをどんな風に飲んでいますか?
朝のあわただしい時間の中で、新聞を読んだり、テレビを見たり、洋服を着替える準備をしながらすすっていませんか?
もしそうだとしたら、これからは次のように心掛けながら、コーヒーを飲んでみることが、レッスンになります。
・その色を目で味わう
・その味や熱さを感じる
・味を舌で味わい、のどから胃に流れ込む、ほどよい熱さやそのときに「ホッ」とする気分を味わう
そのときだけは仕事や心配事、しなければならないことを頭から追い出します。
そして、1杯のコーヒーにゆったり集中するのです。
コーヒーを飲む時間を、「味わうレッスン」にしてみるのです。
これを毎日の習慣にするならば、あなたの人生は確実に変わると著者は言います。
この時間を大切にする自分になっていくことで、歩く時も、食事でも、お風呂でも、人と話すときも、あらゆる場面にその「感覚」が広がります。
人生を余裕をもってゆったりと歩む一助になるのです。
しかも、メリットはそれだけではありません。
じつはそのことが、「願いがかなう」あなたになるための入り口、第一歩となるのです。
「意識の世界」を見なければ、真実はわからない
心理カウンセラーとして著者が提唱してきたのは、「自分中心心理学」です。
多くの人は、他者によってもたらされた「~しなければならない」という「他者中心」の人生を歩んでいます。
それに対して「自分中心」では、まず「~したい」という自分の案場、気持ちや欲求を素直に認め、受け入れることから始めます。
そうすることで、これまで抱いてきたくさんの「恐れ」から解放されます。
そして、より自由に、よりスムーズに人生を歩んでいけるようになるのです。
人はどんな人も、たくさんの願望を抱えています。
仕事がうまくいくようにしたい
いつまでも健康で長生きしたい
もっと能力を伸ばしたい
大きな成功を収めたい
お金持ちになりたい
れないを成就させたい
これからも家族が幸せでありたい
・・・
もちろん、世の中には自分の願望を次々にかなえて順調に人生を歩んでいく人もたくさんいます。
その一方で、トラブル続きの人や努力が報われない人、職に恵まれない人、起業してもうまくいかない人がいます。
たまたま、運が悪くてそうなったわけではありません。
最初からあきらめて「人生そんなもんさ」と悲観してしまう人もいます。
けれどもそう考えているならば、そう悲観しているからこそ、自分の信じたとおりに”悲観している通りの人生になっている”のではありませんか?
ほとんどの人は、目に見える現象だけを見て分析、判断します。
問題が起これば、物理的な「原因」を見つけ出そうとします。
しかし、人間の営みには、目に見えないもっと精妙な世界があります。
それが「意識」の世界です。
誰もが「人生のひな形」に支配されている
あなたのまわりに、こんな人はいますか?
・仕事でもプライベートでも、いつも時間に遅れる人
・誰にでも、部下や後輩にでもオドオドしている人
・人間関係のトラブルにいつも巻き込まれている人
・才能も実力もさほどではないのに、不思議と物事をうまくいかせる人
・・・そこに見えてくるのは、誰もが生きていく上でのある種のパターン、「人生のひな形」を持っているということです。
過去の人生を俯瞰しても、みんなそれぞれ、「人生のひな形」があるとわかるでしょう。
その人の「人生のひな形」は、人生のいかなる場面にもあらわれています。
何を”実感”するかで蓄えられる情報が違う
この「人生のひな形」をつくるのは「意識」である、と「自分中心心理学」では考えます。
しすて「意識」とは、「感情」であるととらえます。
いま自分が何を「感じている」か。どんな感情を抱いているか。
それが、人生に影響して現実を作り出します。
すなわち、感情とは「情報」であり、「意識」であり、どんな情報(意識)を蓄積していくかが、それぞれの人生のありようを決めているということです。
たとえば、あなたが目標に向かっているとき、あなたがどんな意識でいるか、自覚していることは少ないのです。
「目標」に向かってあなたが最初の1歩を踏み出したとします。
そのときに、
「ああ、頂上までまだまだ遠いなぁ」
「まだ、たった、これだけしか進んでいないのか」
などとつぶやいていたりするならば。
その時に抱いた1つひとつの”実感”が、情報として蓄えられています。
人の意識は、ふだん自覚できる「顕在意識」と、自覚することができない「無意識」に分かれているのはよく知られています。
「無意識」には、私たちの経験の1つひとつが「情報」として、またその情報がもたらす「結果」として蓄えられていきます。
この場合には、「まだまだ」というため息のような”実感”が情報となり、その蓄積の結果が形になるのです。
ではあなたが、「目標」に向かっての1歩を踏み出す時、目標よりも、その1歩を踏み出すその”実感”に焦点を当てて、その感覚を「味わう」としたら、どうなるでしょう。
あなたはそのとき、大地を踏みしめるまでのその1歩を、気持ちよく、力強く感じます。
さらに、次の一歩も、気持ちよく力強く、実感しながら踏み出します。
さらにその1歩を感じながら、進むたびに変化していく警官の素晴らしさも実感し、味わいながら登っていきます。
そのすべてが、充実感、満足感を感じている状態です。
このとき、目標の頂上のことは忘れています。
この時無意識に蓄積されるのは、「充実」あるいは「満足」という”情報”です。
つまり目標に向かって1歩1歩進むという同じ行為をしていても、まったく別の”情報”を人生にインプットしていくのです。
したがって大切なのは、”いま”の実感を味わうこと。
そして不快な感情や違和感があったとき、それを解消し、満足できるようにしてあげることなのです。
毎日心地いい感情を味わうことを繰り返すことは、人生に肯定的な情報を蓄積させていることになります。
「実感」とは、未来を作り出す情報です。
だから、1日のうちでゆっくりと味わいながらコーヒーを飲む時間をとることが、未来を一変させてしまうような情報を蓄積させていることになるのです。
朝、コーヒーを飲む時間はないので、「みそ汁をおいしく飲む」から始めてみたいと思います。
「他人がどう思っているか」ではなく、「自分がどう感じているか」に集中する時間を持つことが大事だと著者は書いています。
まずは、ちょこっと実践したいと思います。
今日も1日、お疲れさまでした。
せめて夜は、ゆっくり素敵な時間を過ごしましょう。
では、また。