気分転換程度で人生が変わるかな?と思いながら手に取った本です。
著者が言うには、「気分」を「転換」できるようになったら、人生をコントロールできるようになったも同然だとか。
誰もが思っているよりも、「気分」は重要だからです。
なぜなら、「心=気分・感情」が変わると、行動が変わってしまうからです。
人の心(気分・感情)は、現実をどう解釈するかによって変わります。
だったら、多様な視点から「思考」できるようになることで、目の前で起こっている事柄をどう意味付け解釈するかが大切ですよね。
何事にも周りに感謝できるように解釈し、自分にとって都合のよいように「気分・
感情」を持てるようになればいいのです。
そんなふうに、意思をもって「気分・感情」をチョイスできるようになると、行動が変わり、結果として起こってくる現実が変わりだします。
つまり、「気分転換」で、いえ「気分」を「転換」することで、勝手に人生が好転しだすのです。
本著では、さまざまな「気分転換」を提案しています。
今、現状を別の視点から見てみる
イヤなことがあったとき、最悪な気分になりますよね。
でも、これは本当に「イヤなこと」なのでしょうか。
たとえば、「英語が得意ではないのに、海外赴任が決まってしまった」。
これに対して、「会社を辞めたい」という人もいれば、「ネイティブスピーカーと実践で話すチャンス」ととらえ、勉強しだす人もいるでしょう。
おみくじで「大凶」が出た時に、「最悪だ」と思う人がいれば、「今が最悪なら、ここからよくなるばかりだ」と解釈することもできます。
何にフォーカスし、どう解釈するかは自分次第。
今日から、すべてのできごとを、いいふうに解釈してみる、というのもよいかも。
今も未来も続く幸せを見つける
幸せを角度で考える
著者がバングラデシュに行ったとき、子どもたちの目の輝きに驚きました。
アジア最貧国のバングラデシュ。でも、
数年前まで学校がなかったのに、学校ができた。
昨年からは、先生が来てくれた。
今年は、勉強するためのノートが届いた。
昨日より今日、今日より明日が良くなる「角度」が見えた時、人は幸せを感じるものなのです。
経済的には裕福な日本。
でも、未来に明るい兆しが見えないのでは、暗くて疲れた顔が多いというのが現実なのでしょう。
この角度は、いちばん確実なのは自分でつけることです。
どんな状況でも力強く生きられる人は、大勢います。
世界経済が不安だとか、日本が不景気だとか、政治が、会社の業績が、上司が、親が、妻が、旦那が、子供が、と外部に期待する限りは幸せは見つかりません。
たとえば、「結婚して幸せになりたい」という人は、未来に角度をつけたいけれど、他人に依存して幸せにしてもらうという発想です。
こういう感じの人だと、結婚はかえって難しくなっていたりしませんか。
幸せはだれかにしてもらうのではなく、今に感謝し、未来の自分い期待するとき、感じることができるのです。
幸せを沸点で考える
幸せに沸点があるように、著者は考えています。
世間からみて幸せの絶頂だろうと思われている人でも、本人は少しも幸せを感じずに悩んでいたりするからです。
「幸せの沸点」が違うのです。
東大しか大学でないと思っていた人が合格できず、六大学で不幸な気分になっていたりします。
はたから見ていても心配するくらい大変なのに、「おかげさまで」「ありがたいことに」と幸せを感じながら生きている人もいます。
極端な話、ゆで卵の殻がきれいにむけただけでも幸せを感じられる人がいます。
幸せの沸点は低くして置き、でも目指すべき夢は高く、が理想的ですね。
「達成感」と「幸せ」
達成感と幸せを勘違いしている人も多くいます。
優秀な大学に入り、一流企業に入り、そこで早く昇進しなさいと言われ・・・・こんな風にいつまでも「達成感」を幸せだと思っていると、いつまでたってもキリがありません。
ご褒美が悪いとは言いませんが、物欲だけで自分自身を焚きつけていても、つらくなります。
「あの車を買うんだ」と思って頑張ると、買った瞬間は達成感を味わいますが、「もっとスゴイ車に乗りたい」と次を追いかけたくなります。
あるいは、他人と比較した達成感を得ようとする人も。
基準が他人にある限り、幸せは訪れません。
同期より早く昇進して課長になりたい、自分の兄弟の子供よりも自分の子は有名大学へ・・・。
実は、人との比較は不幸の始まり。
幸せとは「外側にあるもの」ではなく、「内側で感じること」だからです。
本著では、こんな風に「気持ちの持ちよう」を変換する方法を紹介しています。
このほかには、
今日の感謝を3つ見つける
・見つけて、ノートなどに書く。
・書いているうちに、1日中感謝を見つけられる目が育つ。
「嫌いな人キャビネット」を捨てる
・どんな人にも、必ず1つはいいところがある。
・人を嫌いになったら自分にまけている、と思う。
「すべてが叶うシート」を書く
・絶対失敗しないとしたら、やりたいことを考える。
・そこで大事なのはまず「ギブ(与えること)リスト」を書き、次に「テイク(受け取 る)で考えること。
・キブリストは、あなたがプレゼントしたいこと、手渡したいこと。
例えば、両親の還暦祝いに旅行をプレゼントする、誰かの誕生日にお祝いをする、記念日にはパートナーと食事に必ず出かけよう、など。
・テイクリストは、これからの人生で経験したいこと、体験したいこと、実現したいこと。
例えば、別荘を持つ、講演会を開く、海外旅行に行く、お店を出すなど。
・与えることを意識すると、不思議なもので、夢はかなっていく。
こんな気分転換もあります。
親に感謝の気持ちを伝える
誰かを応援する
チャリティーをする
うれしいことをシェアする
「未来の自分」に手紙を書く
昨日と違うことをする
朝日を浴びる
歩く速度を(そうなりたい自分の速度に)変える
著者は一人ひとりの幸せが、世界の幸せにつながると思っています。
今日から、ご機嫌な自分をつくていくこと。
そこから人生を変えることができます。
昨日と違う自分になる、ただそれだけのことです。
人にはそれぞれ「コンフォートゾーン」と呼ばれる、自分が楽で居心地の良いゾーンがあるそうです。
無意識のうちにホメオスタシス(恒常性維持機能)が働いて、このゾーンを守ろうとします。
これは心の状態に対しても働くので、コンフォートゾーンの範囲内で暮らしていると、居心地よい反面、現状改善や新しいことへの挑戦意欲がわいてこなくなるという弊害もあります。
ちょこっとしたチャレンジ。
怖いけれどそこから1歩踏み出してみると、ワクワクした人生が待っています。
昨日とは違う「新しいあなた」になるきっかけとなります。
でも、気を付けてください。
それは、自分以外の存在になることではありません。
本当の「自分らしさ」に気づくためのプロセスであると著者は強調しています。
今日も1日、お疲れさまでした。
ゆっくり休んで素敵な夢を。
では、また。