ストレスの多い世の中を、そのストレスとうまく付き合い、もっと楽しく働くことができないか?
「ハック」という言葉には、「コンピューターを破壊する」「ネットに不法侵入」といった悪いイメージがあります。
しかしもともとは「問題をサクッと解決する」というのがその意味です。
問題解決のテクニックであるハックを、コンピューター以外の世界に応用しようということから「ライフハック」という言葉が生まれました。
固定概念やしがらみから解き放ち、ストレスのない環境をあなたの生活に取り入れてみませんか?
不要なストレスが減ることで、創造性は高まり、仕事も楽しくなります!
リラックスと創造性のワーク・ライフバランス
ワーク・ライフバランスは、仕事偏重の日本の労働環境を変え、生活との調和を目指しています。
ここで誤解されやすいのは、業務時間が減ることによる仕事の質の低下、という懸念です。
「長時間労働が日本の産業を支えている」というのは、20年前まではたしかに正しかったのかもしれません。
しかし今や、キャッチアップではなく、新しいものを想像することが仕事において求められています。
そうした時代に、ただやみくもに長時間労働することは正しいことでしょうか?
シリコンバレーで著者がインタビューした、ある技術ベンチャーのCTO(最高技術責任者)は、こう言っていました。
「1日に集中できる時間と言うのは、2時間が限度なんです。
その2時間に何を生み出すかが大切で、それ以外の時間はリラックスしていますね。
5時には退社して、家で家族との時間を楽しんでいます」
新しいものを生み出さなければならない日本のこの時代において、リラックスは創造性を引き出すために不可欠です。
リラックスする時間を持つため美は、仕事と生活を調和させる。
ワーク・ライフバランスは、仕事の創造性を高めるための方法でもあるのです。
今回、そうした仕事と生活の草上関係の可能性をいち早く提唱・推進している小室淑恵さんと小山龍介さんが意気投合して共著となったのが本著です。
ライフハックというかたちで、あなた個人のとりくみからスタートし、そこから新しいワークスタイルとしてのワーク・ライフバランスが周りに浸透し、最終的に創造性を発揮できる環境が広がっていくことを本著は期待しています。
モーニングハック
朝、コップ1杯の水で目を覚ますことや、太陽の光をすぐ浴びること、などはよく朝の習慣としてお勧めされるもの。
観葉植物
さらに、タイマー付きの照明を使ったり、観葉植物を置いて水をやって朝を楽しむのも効果的。
長時間いるような場所には、観葉植物を寄り添わせておくことで、気持ちを落ち着かせることができます。
仕事場から帰宅してまだ静まらない感情の高ぶりも、植物を眺めているとゆっくりと落ち着いていくことができます。
カフェミュージック
音楽もまた、朝を快適にスタートするために大切な要素。
リズムがあり活気のある音楽、カフェに流れるような音楽は、とても気持ちを穏やかに高めてくれます。
しかも、カフェミュージックをかけたまま食べると、カフェご飯を食べている感覚になります。
朝のパターンを決める
イチロー選手のウォーミングアップは、いつもまったく同じ手順で行われます。
ストレッチの仕方、ランニングの時間、ウォーミングアップの内容。
これで毎日同じ体調、同じ精神状態で試合に臨めるのです。
このことは朝食(兼昼食)にも及び、毎日、同じカレーを食べて1日をスタートさせるのだとか。
私たちの朝にもこれは取り入れられること。
朝の行動パターンを決めておくと、夜のうちに準備ができることも見えてきます。
慌てた朝にしないために、服の用意、タオルの取り換え、食事の用意など、夜のうちから準備ができるようになります。
生活がぐっとシンプルになり、余裕を持った朝になります。
朝は普通列車に乗って出勤しよう
著者がある学者にインタビューしたとき、こんなことを言っていました。
「考えるときは、ボーッとするんです。
山手線に乗って何週も回りながら、時折思いついたことをメモする。
それが発想のコツですね」
悩み事を抱えてうんうん考え込んでいてもなかなかいい解決策は見つかりません。
創造的アイディアを出そうとしたら、むしろリラックスしてぼんやりする時間が必要だというのです。
とはいえ、仕事先でぼんやりしていたら、サボって見えます。
そこを出勤時間に作ろうというのが、今回のハックです。
朝の通勤電車の込み合っている時間に、特急や急行をやめて各駅停車に乗る。
この数十分のちがいで込み合わない電車に乗れて、朝の電車の気持ちの良いゆらぎを味わい、快適な時間を過ごすことができるのです。
通勤時間に1日をシュミレーション
今日は1日忙しいのか、余裕があるのか、何かを準備する日なのか、本番を迎える日なのか。
その日が忙しい1日だとしてみ、その忙しさの度合いがあらかじめわかっていれば心の準備ができ、心配や恐れを減らすことができます。
逆に余裕がある1日ならば、何を準備しておこうかと考えておくのも大切な趣味レーション。
リラックスしている状態と言うのは、暇な状態ということではなく、心配事のない状態です。
暇な1日というのは、実はかえってストレスになることもありますよね。
行きの電車で趣味レーションしておくと、「来週のプレゼンの準備を始めておこう」とか、「お客さんとのコミュニケーションができていなかったので、フォローしておこう」とか。
「今日も問題なく1日を過ごせる」
「時間を無駄にせず、充実した1日にできる」
と確信を持てることで、リラックスした朝を過ごすことができるのです。
残業より前業
時間外に行う時間外の業務は減らしていくことが大原則。
でも、朝は始業時間という区切りがあるので、より集中して作業ができます。
通勤電車もオフィスも空いていて、電話がかかってくることも少なく、それだけで業務に集中できます。
慣れてくれば、その日に必要なものをさっと作ってしまうようなワークスタイルも可能です。
今日は少し休めましたか?
ゆっくり休んで素敵な夢を。
では、また。