著者は順天堂大学教授のスポーツドクターです。
『聞くだけで自律神経が整うCDブック』の著者さんです。
私たちは心身の健康を保つために、交感神経と副交感神経のバランスがとれていなければなりません。
しかし、現代日本人の多くは「交感神経が優位」になりがち。
また、それらの影響力から、ストレスを感じることが増えて、副交感神経の働きを下げています。
そして、ますます自律神経のバランスが崩れてしまうのです。
著者も若いころは大学でラグビーをしていたこともあり、徹夜も平気で働き続けて生きてきました。
しかし、30才を過ぎてから不調があり、身体の衰えを感じ始めました。
「これも歳のせいか?」
始めはそうとも思えましたが、実は自律神経のバランスが乱れたことが原因でした。
私たちは自分が思っているよりも、はるかに弱い
2016年の国内の自殺者数は、2万1897人だったそうです。
近年こそ減少傾向にありますが、それでもいまだに世界的に見ても非常に高い水準です。
もちろんほの全ての人が「うつ傾向」ではなかったでしょう。
しかし、彼らは何故命を絶ったのでしょう?
彼らは他にとることのできる手段が無かったのでしょうか?
そうならざるを得ないほどに、「何も判断できなくなっていた」。
そこに問題があります。
人間という生き物は、自分が思っているよりも弱い、ということを忘れてはいけないのです。
過剰なストレスにさらされ続けると恐ろしいことがあります。
自身がストレスに耐え切れないところまで来ていることさえ「気づけなくなっていく」のです。
著者も経験したことだそうですが、日曜日の夜に明日を思ってとてつもなく暗い気持ちになったら、要注意だそうです。
ほかにも、眠れない、起きられない、何をするにもやる気がでない、感動もしない、という状況はかなり危険です。
あなたが人間関係で強いすとれすにさらされている可能性もあります。
こうした兆候があれば、ただちに積極的に休息をとってください。
本当の休息
疲れているから身体を休める。
このことでも、もちろんストレスは多少緩和されます。
しかし、むしろ大切なのは、本当に疲れる原因となっているストレスそのものとのつきあい方です。
毎日の生活のストレスを上手に扱うスキルを見つけるこたで、本当の疲れを手放して本当の休息を手に入れていくことができます。
「休息=動かないこと」ではありません。
実はウイークデーでも日中でも、とり方次第で休息はできます。
仕事と休息は両立できます。
まずは、フィジカル面から自律神経を変えていく方法です。
「体」を変えると「心」も自ずとついてくる
強いメンタルを養うためのノウハウは、世の中にたくさんあります。
しかし、著者は「体」を変えることで、「心」も養えると考えています。
体を整える小さな習慣として、次のものを紹介しています。
一時間早く起きる
ちょっとだけ早起きすることを習慣にしてみることを著者は提案しています。
そしてその時間で、「何か」を始めるのではありません。
洗顔、歯みがき、着替え、朝食、荷物のチェックなどいつもしていることを丁寧にすること。
これで、一日の充実度が全く変わります。
ゆっくり動く
「自然に深い呼吸をする」のは、けっこう難しいものです。
意識すると、かえって上手に呼吸できなかったりしませんか。
そこで、ゆっくりした自然な深い呼吸を自然に行うために、まずは「ゆっくり動く」ことを著者は提案しています。
すると血液が全身に行き渡るので、自律神経のバランスが整います。
心も落ち着いて、あたまも冴えてきます。
また、短時間で多くの作業をしなければならないときも、まずは「ゆっくり始める」。
ついでに全体像の把握や道筋も見えてきます。
やみくもに頑張るよりもパフォーマンスが上がるのです。
今日もお疲れさまでした。
ゆっくり休んで素敵な夢を。
では、また。