例えば、対人関係や仕事での失敗を恐れて不眠症を作り出した患者は、睡眠薬を飲んで眠れるようになっても、すぐに次の症状をつくりだします。
おそらく、偏頭痛や眩暈を訴えるようになるでしょう。
問題をひとつずつ除去するのではなく、根底にあった誤った考え方を変えることです。
そうしなければ、苦しみは永遠に続くでしょう。
それは、病気だけではなく、対人関係で起こる緊張や晴れない気分も一緒です。
問題を除去しても、形を変えて次の問題が現れるだけ
まずは、自分の誤った考え方を知ることです。
アドラー先生が言うところの「優越コンプレックス」の脱却(「強く見せる」努力をするのではなく、「強くなる」努力をすること)。
そして、「劣等コンプレックス」の脱却(「弱さ」を武器にしても人生は変わらない、弱さを言い訳にして、本来なすべきことから逃げることは、人生の嘘である)です。
その誤りに思い当たることができたら、ドイツの古いことわざにあるその考えという「スープに唾を吐く」。
二度とその誤った考えを使わないようにするのです。
そして、代わりに別の考え方と言う新しいスープを作るのです。
例えばこんな感じです。
「周囲の人は敵ではなく仲間だ」
「私にできないのではなく、できる」。
この新しいスープは、生き方の目標であり指針です。
アドラー先生は言っています。
「これらの連関を理解すれば(中略)もはや以前とおなじ」ではいられない。
「目標の選択がよくないと確信で着たら、私の行動を変えることができるだろう」と。
問題を除去しても、形を変えて次の問題が現れるだけです。
根底にある誤った正確に、唾を吐きかけるのです。
どこで誤ったかを理解し、新たな目標を再構築していきましょう。
人が変わるには、幼少期の性格形成の誤りを見つけること。何歳でも修正可能
アドラー先生は、人生への態度、人生脚本である「性格」(ライフスタイル)は「5歳の終わりまでに」自分自身で決定し、一生それを使い続けるといいました。
現代アドラー心理学ではそれを訂正し、10歳程度と規定しています。
では、幼少期に決定された性格は、大人になっても変えようがないのでしょうか?
アドラー先生は断言しています。
「死ぬ1日か2日前でも変えられる」と。
では、どうやって変えることができるでしょうか?
「そのときに誤りを訂正しないとしても」
「どこで間違ったかを指摘」し、
「後になって、その時期の状況の全体を思い出してもらうことで、誤りを訂正することができる」
と、アドラー先生言っています。
アドラー心理学では早期回想分析という技法を用いるそうです。
幼少期のエピソード記憶を記述する中から、特徴的な
「自己概念:自分はどのようであるか?」
「世界像:他者や社会はどのようであるか?」
「自己理想:自分はどのようにふるまうべきか?」
を言葉にし、幼少期のどこでどのように誤ったかを見つけ出すのです。
それさえ理解すれば、必ず人は変われます。
私たちは「絵であると同時に画家でもある」からです。
今日も1日お疲れさまでした。
ゆっくり休んで素敵な夢を。
では、また。