アドラー心理学は「使用の心理学」と呼ばれています。
遺伝子で持って生まれた気質は、長所にもなれば、短所にもなる。
それは「使い方次第」というわけです。
例えば「集中力がない」人はをアドラー派は「散漫力がある」「多動力がある」とポジティブに言い換え「意味づけ」します。
「何をもって生まれたか」は、さして重要ではない
無理の「遺伝された気質」という持ち物を変えようとするのではなく、「使い方」を変えよ、と言うのです。
「性格」も「使い方」のひとつです。
「散漫力」「多動力」のある人が自分を「集中力がなく無能である」と自己定義するか「斬新なアイデアを出し行動力がある」と自己定義するか。
それでその人の行動、ひいては人生そのものが変わってくるのは明らかですよね。
遺伝された気質を変えずに「性格」という使い方を変えるのです。
職業選択も、また使い方のひとつでしょう。
「散漫力」「多動力」のある人は、経理の仕事よりは、営業職や新規事業企画のほうが得意かもしれません。
このように、無理に性格を変えようとせずに、職業選択を変えることも、「使用の心理学」のひとつなのです。
さらには、集中力に欠ける面を習慣で補完してもいいでしょう。
多動の人はやるべきことを忘れないようにメモを取る習慣も有効です。
これも「使用の心理学」なのです。
環境が、あなたをつくる。そして、あなたが、環境をつくる
私たちは、誰でも、いつでも変わることができます。
さらには、他者や世界さえ変えることができる。
アドラー心理学ではそう考えます。
もちろん、思うままに今すぐに相手を変えることはできません。
しかし、大海の一滴かもしれませんが、たとえわずかでも他社に影響を及ぼすことはできるのです。
アドラー先生はスイスの教育学者、ヨハン・ハインリッヒ・ペスタロッチの言葉を引用して
「環境が人間を形作るが、一方、人間が環境を形作る」
と述べています。
あなたが「変わろう」と立ち上がれば、周囲の環境は必ずや影響を受けます。
あなたは環境の犠牲者ではなく、環境を変えることに無力ではないのです。
ゆっくりとあなたの性格がどうやって形成されたかを思い出したり、
それをどう「使っていくか」を考えたり
そんな機会にしてみるのもあなたの人生に勇気を与えるのかもしれません。
ゆっくり休んで素敵な夢を。
では、また。