モノには、あなたの隠れた心理を投影しているケースがあります。
離婚した30代女性の場合。
離婚後、祖父と母の住む実家に娘一人と一緒に帰り、合わせて4世代系4人で、いわゆる「出戻り」生活がスタートしました。
つまり、自分も結婚を解消し、母も祖父もそれぞれ伴侶がいない、という状態です。
その女性が食器を中心に日用品を整理し始めた時のこと。
よく引き出物でいただくような、素敵なブランドの食器がたくさん出てきたのですが、それを家族で使わず、リサイクルショップに売ることが多かったそうです。
そして、口癖のように出てきたのが、
「これ、素敵だけど、ペアだしなぁ」
「5個組みだったらよかったのになぁ」。
なぜかモノに自己投影してしまうわたしたち
そんな彼女に著者は言いました。
「食器のセンスや質よりも、数に焦点を合わせるんですね」。
その時初めて、ペアを解消して戻ってきた彼女自身を投影し、責めていたことに気づいたそうです。
母も祖父も伴侶がいないということもあり、ペアがいない家族と言うことが、彼女の潜在意識に染みついていて、知らないうちにペア商品を排除していたというわけです。
人間は、どういうわけか、モノに自分自身を投影します。
「気になって仕方ないモノ」
「どうしても捨てられないような気がするモノ」
そうしたものをあなたが持っているなら、往々にしてあなたにとって非常に厄介な存在なのかもしれません。
そういった家の中の不要・不適・不快なモノを、あなた自身で意識化してみると、このように思わぬあなたの内面を発見することができます。
意識できたら…対象物を取り除いていくこともできます。
また、あえて使うことを許可したり、意図的にモノの力を使ってあなた自身を癒していくことができますね。
「困る・迷う・悩む」は、関係を見直すチャンス
30代の主婦から、こんな質問でした。
「金庫を買おうかどうか迷っています。
先日、複数に分かれていた口座を断捨離。
よく使う口座だけに残しました。
金庫には夫と私それぞれの預金口座の通帳とか証書、そして少しの現金を入れようかと・・・。
重さ60キロ、4万円ぐらいの金庫です。
かれこれ3週間迷っているのですが、答えが出なくて・・・」
著者なら、「迷うものは買わない」、ですぐ判定が付きますが(笑)、迷いには必ず背景があるといいます。
だから3週間も逡巡するのです。
迷ったら、考察のチャンスです。
行動は同じでも、動機が違うと結果も見事に違うもの。
役立つ金庫になるか、重たくて邪魔な存在になるか、答えは彼女の中にあります。
質問していくと、こんな答えが返ってきました。
「万が一に備えてもあるし・・・。
それだけじゃないですね。
断捨離していくうち、これまでお金を大事にしていなかったことに気づきました。
だから、・・・”お金の特等席”を用意していきたい気持ち。
あとは、夫婦でばらばらだったお金の管理をお互い把握して管理したいっていうのもあるかも・・・。
夫婦なのに、お金の管理は他人同士みたいだから・・・」
こうして、独り語りをするように、答えは見つかっていきます。
万が一の備え、特等席、夫婦ばらばらの管理。
動機は複数あって当たり前です。
どれに焦点を当てるかが肝心になってきます。
彼女が気づいたのは、夫婦でありながら、自分たちの大切なお金について心置きなく話し合うことのできない、不安と恐れです。
「要するに、夫婦でばらばらだった通帳管理を一か所にまとめたいのだとわかりました。
現金も口座に預ければいいかな・・・。
泥棒や家事にあったら、その時はその時!
お金には金庫ではない特等席を用意すればいいかと」
心の底に合ったのは、お金にまつわる、夫婦のありよう。
それが「金庫を買いたい」という思いを借りて出てきていたのです。
今日もお疲れさまでした。
寒暖の差が激しい季節です。
疲れやすい時期でもあります。
せめて夜はゆっくりと。
あなたが今夜素敵な夢が見られますように。
では、また。