新年の誓いは、挫折率88%という恐ろしいデータがあるそうです。
やせるぞ、もう散らかさないぞ、遅刻しないぞ、仕事で成果を出すぞ、積極的になるぞ、禁煙するぞ、おどおどしないぞ・・・。
グーグル検索すると、人気があってやりがいのある個人目標のリンクが大量に見つかります。
しかし、上記のようなぼんやりした目標と言うのは著者に言わせると「願望目標」。
そうした目標の中には、「マッチョになりたい」とか、「主導権を握りたい」、「負け組体質を脱出したい」などもあったり・・・。
これらの目標はあなたもおわかりのように、とても象徴的であり、「何をどうするか」よりも「どうなりたいか」っぽいですよね。
なぜ新年の目標の類は達成が難しいのか、という原因が実はここには隠れています。
著者は、ウォール街で活躍するエコノミストとして大成功を収めていました。
が、自分自身に対して決めた目標は全く達成できていませんでした。
何年にもわたって新年の目標だったダイエットも、体重が減るどころか前の年より3ポンド(約1.3キロ)増えていました。
定期的にジムに通うことも、目標でした。
しかし結局のところ、家族との時間を割くことすらできませんでした。
新年にはかなりの精神力を注いで強く決心したにもかかわらず・・・。
マイクロ目
著者はとあるつらい挫折を経験した後、ついに別の方法を試しました。
それがマイクロ目標です。
行動パターンをほんのちょっとだけ改善してみる、というものです。
そのあとすぐに著者は自己変革に成功しました。
体重を減らして健康を維持すること、整理整頓して規則正しい生活を送ること、人間関係や家計を改善すること・・・。
何年にもわたって先送りしてきた目標も達成できるようになりました。
実は現代は高機能な製品があふれていますが、一方でそれによりマルチタスクでやることが多すぎてしまっています。
それにより、目標を1つ増やすだけで実際は非常に負荷が大きくかかるようになっていいるのです。
ですから、著者が提唱する「マイクロ目標」。
ごく小さい目標にすることで、多忙な生活に取り入れられて、スケジュールやノルマに追われながらも、沈黙のうちに効果を上げることができるのです。
小さい目標なので、気軽で楽しく、効果はすぐに表れます。
それによりモチベーションもキープされます。
目標設定の仕方
グーグル検索で人気があってやりがいのある目標としては、「健康になる」「整理整頓をする」「積極的になる」というような、著者に言わせると「願望目標」が多く見られます。
これらの象徴的な目標は「マッチョになりたい」「競争で主導権を握りたい」「負け組体質から抜け出したい」などの隠れた願望が含まれた目標とほぼ同質です。
「何をどうするか」ではなく「どうなりたいか」に強い意識があります。
著者は昔、演劇の授業で先生から、演技とは「何かをすること」であって、「何かになること」ではないと教わりました。
若い多くの俳優が「私は怒っている」「私は優しい」「私はタフだ」と、舞台で「何かになろうとする」演技をして、間違いを犯します。
でも、「私は優しさを秘めつつ、怒りに満ちたタフガイだ」と思いながら舞台に立つと、舞台で「何かをする」余裕がほとんどなくなります。
演技で必要な実際の動きや登場人物の感情になっていく過程が抜け落ちるのです。
優れた俳優は、登場人物が「やること」に集中すると理解しています。
すると、1つ1つの演技に集中でき、演技の積み重ねでリアルな心理描写に繋がります。
演技における教訓は、「演じる人物がとる行動に集中すれば、やがてその人物になりきることができる」ということです。
意志力だけでは勝てない
意志力というものは、目に見えないだけに「根性があれば無尽蔵に」出てきそうに思えますが、違います。
疲れ果てることもよくあり、日ごろからつかいはたしていれば、大勝負の緊張する場面でも、「湧いて出てくる」なんてことは、無いのです。
「ここ一番の場面だ!集中するぞ!」と頬をたたいて気合を入れても、「無いものは、無いよ!」とばかりに出てこない。
あなたにも、そうした経験があるのではないのでしょうか?
本著で著者は実験の結果を提示しています。
二つのグループをつくります。
片方のグループには大学の授業要項と登録用紙を渡して、授業選択をさせます。
もう片方には、授業要項を渡すだけで、登録用紙を渡さず、目を通すだけにさせます。
そして次に両グループに実務応力判定の数学テストがあることを言い渡します。
「15分勉強するとテストの成績の伸びがあることがわかっている」
と助言します。
制限時間の前に勉強が終わったら、雑誌を見たりテレビゲームをしてもかまいません。
その結果、登録用紙で授業選択を課せられたグループは、与えられた15分間をもう一方のグループに比べて、ゲームや雑誌に時間を使うことが分かりました。
この実験で研究者たちが導き出した結論は、こうです。
「自己抑制と実践行動と意識的選択には、同じ精神的リソースを使っている。
意思決定を行うと、そのリソースを使い果たすので、そのあとのセルフコントロールや活動の能力が下がる」
つまり、目標に意思決定が求められるほど、それをやり抜くための意志力も減じられるというわけです。
なぜなら、意思決定とセルフコントロールは、同じ限られた精神的リソースを消費しているからです。
非現実的な目標を作ると、かけひきや先送りや埋め合わせのせいで、セルフコントロールのために残しておくべきリソースを、意思決定で消費してしまう場面があるのです。
「自己抑制、実践行動、意識的選択」と呼ぶリソースに負担を強いられない方法こそ、着実に成功への道があるのです。
ですから、「習慣にしやすいごく小さな目標」を設定するということが重要です。
ごく小さい目標を設定することで、あなたは習慣化に成功します。
たとえば歯磨きのような、意識しないでも毎日できるようになった行動。
そうした「オートパイロット」のように動けるようにすることで、意思決定を関与させないようにするのです。
ある行動を目指して、それを実行し、前向きな新習慣を確立できたとき、あなたは確実に満足感と自信を得ることができます。
あなたは成功を経験した自信とやる気が出て、挫折の連続と言うジンクスを払しょくします。
失敗を覚悟するのではなく、成功を期待するようになります。
目標を絞り込みましょう。
何の行動をするのか、それに着目して行動を目標にしましょう。
適度に抑えて、達成可能な目標にしましょう。
あなたをラクにしてあげることが、あなたを一番に成功に導きます。
今日は休めましたか?
ゆっくり休んで素敵な夢を。
ではまた。