あなたは日常生活でどんなことを改善させたいですか?
たとえば今「部屋を散らかさない」といういくぶん曖昧な目標を立てたとしましょう。
内容は別段問題ありません。
しかし、ただ「散らかさない」という言い方を採用すべきではありません。
なぜなら、明確な行動を積み重ねていくことで、あなたにとっての「散らかさない」になるからです。
「きれい好き」としての行動があるからこそ、あなたにとっての「きれい好き」という言葉が成立します。
一般的に部屋を散らかさないことと、あなたにとっての「散らかさない」とは、別物です。
あなたに達成可能な改善目標は、あらゆる行動をリスト化できます。
あなたの最終目標が整理整頓であろうが、やせること、健康的な生活を送ること、夫や妻に優しく接すること、手際よく整理すること、遅刻しないこと、貯金すること、キャリアを高めること、じゅうぶんに睡眠をとることであろうが、同じです。
目標は「行動」に絞る
整理整頓を例にとります。
最初の段階として「散らかさない」をあなたなりに定義してみましょう。
課題は、服をハンガーにかけて洗濯物をきちんとしまえることかもしれません。
たんすの引き出しが服でいっぱいであったり、ベッドが乱れたままということかもしれません。
汚れた食器を一晩放置したままの状態にしていることかもしれません。
だからといって、見るとうんざりするようなリストを作らないでください。
やるべき行動を1つか2つに絞り込むだけで効果があるのです。
「散らかし」の問題をいっぺんに解決しようとしているのではないこともお忘れなく。
あくまで、正しく整理整頓へ向くように、どの行動を変化させればいいのかを特定しようとしているだけです。
散らかることだけを何とかしたいのであれば、最初の目標は、「使ったものを決まった場所に置く」だけでいいはずです。
使いたいものと関係のないものがごちゃまぜになっていると、片付けそのものが困難になりますよね。
たとえば、机に硬貨やくしやカギが載っていたり。
たんすの上に、雑誌やお札が置きっぱなしだったり。
キッチンの調理スペースに手紙が重ねてあったり。
モノを置くべきではない場所が物置になっていたら、「そこにはモノを置きっぱなしにしない」というのが最初の目標になるかもしれません。
置かない場所を1つに絞ることから始めてもいいのです。
また、どんな種類のものを置きっぱなしにするかを一度精査しておくと、置きっぱなしを避ける方法がもっと簡単に見つけられます。
例えば、自分のデスクに未開封の郵便物が積んであるなら、「デスクに置く前に分類・処理する」ことを目標にすれば、郵便物を4分の3に減らし(=整理)、実際にどれを処理すればいいのか一目瞭然になります(=効率の向上)。
服が1日中ベッドルームの椅子に重ねてあって、週末に(いまや皺だらけになった)服を時間をかけてハンガーにかけることに辟易しているなら、「服を脱いだらすぐハンガーにかける」ことを目標設定したり、「服を椅子に放置できるのは24時間以内にする」ことを目標にするのもいいかもしれません。
マインドセットのためのメッセージ
目標達成を邪魔する心理的習慣があります。
やるべきことを軌道に乗せるため、整理整頓における「マインドセット(心構え、心の習慣、考え方の癖など)」を向上させるにはどうしたらいいのでしょうか。
それには、あなたを支配するマインドセットを変えるために設計された「マイクロ目標のメッセージ」をあなた自身に送ることで可能になります。
マインドセットが変わると、行動も変わります。
ということは、行動が上手に変えられると、その経験を通じてマインドセットも変えられるということ。
それには、無意識でやれるようになるまで、絞り込んだ目標をひたすら実践することです。マイクロ目標を使って、あなた自身にメッセージをうまく遅れたかどうかは、選ばれた条件下であなた自身にメッセージを送り続けられるかどうかで評価できます。
本当にそれだけ。
あるきっかけとともに、心の中でツイートするようなものです。
たとえば、整理整頓に取り組んでいる人がコートを脱いで、「脱いだらすぐにハンガーに」とメッセージを送る、といった感じです。
コートを脱ぐことをメッセージのきっかけにすることで、「今はコートをかける時間はない」と考えてしまうオートパイロットによる行動が止まり、やがてコートを書けるほうが自然となってくるでしょう。
著者の成功したマイクロ目標は、マインドセットに特化したものがあります。
夕方に何か食べたくなると、著者は自分に対して「おなかがすけば空くほど、夕食がおいしくなる」とメッセージを送りました。
午後のおやつを食べないことを目標にしたのではありません。
おなかがすけば夕食がさらに楽しめることを目標の前提にしたのです。
夕食前にこのメッセージを自分い送り続けることで、感触が控えられ、夕食作りの最中のつまみ食いもなくなり、実際、毎晩用意している夕食はさらに深く楽しめることになりました。
これにより、マインドセットは変化しました。
それまで「空腹のままでいる」ということは考えたこともなく、見境なく間食を摂っていた著者。
それまでは、間食のおやつのカロリーをほかで(夕食を減らすなどでしょうか)いかに落とせるか、ばかりを考えていました。
今では3食をとても楽しんで食べているので、間食はほとんどしなくなり、午後のおやつの誘惑には「夕食の楽しみ」のメッセージを忠実に送り続けています。
マインドセットが変化したからです。
目標は1つだけ
マイクロ目標はどれくらいの行動を変化させれば、実際に効果が表れるか見極めるのに役立ちます。
「必要量」と呼んでもいいかもしれません。
急激なダイエットのように行動のど真ん中を狙うような過激な変化は、失敗に終わるものですよね。
実は、1つ1つ順を追って、そのつど必要な分だけ行動を変えていけば、必ず成功するのです。
食習慣を1つ変えるだけで、リバウンドなしで体重を減らせます。
支出を1つ変えるだけで、貯蓄を増やせます。
コミュニケーションのやりかたをちょっと変えるだけで、関係が深まります。
態度を1つ変えるだけで、仕事のチャンスを広げられます。
まず、変化をもたらす行動をどれくらい変えればいいかを特定してください。
次に、目標を1つに絞って、それが第2の性格になるまで繰り返してください。
ワタシのマイクロ目標は、現在悩み中なんです・・・。
「休日出勤をやめる」と「残業は2時間以内にする」が最終目標です。
でも、その「ど真ん中」を目標にするとうまくいかない!
4月からそれが目標なのに、まったくうまくいきません。
そこで、「15時になったら、ドリンク剤と珈琲を飲む」にしようかな、と思います。
夕方からの集中力の落ちを、そこで回復してみようかな、と・・・。
マイクロすぎるかもしれません。
うまくいったら(?)報告します!
今日も1日お疲れさまでした。
ゆっくり休んで素敵な夢を。
では、また。