ごく平凡なサラリーマンのみつろうくんあ、会社勤めの二児のパパ。
下の子が生まれたばかりで、夜泣きに睡眠不足なため、何度か会社でミスを犯します。
上司は彼に瞑想を勧めました。
何一つ人生で長続きしなかった彼が、なぜだか瞑想だけは、毎日続けることができました。
ある日の朝も、いつも通り早起きして、瞑想のためにこっそり寝室を抜け出します。
リビングで床にあぐらをかいて目を閉じると、神様の声が聞こえます。
「幸せになりたいんだろう?」
「現実」とはなにか?
この世はすべて、あなたの思い通り
「幸せにしてやろう」「願いを叶えよう」とノリノリで登場した神様。
「お前の願いはすべて叶っておる。よってお前はすでに幸せじゃ」
と断言します。
みつろうくんは、反論します。
叶っていない願いも、いっぱいある。
金持ちになって、豪邸を立てたい。
趣味のバンドで、紅白に出場したい。
しかし神様は言います。
神様が創り上げた世界は、すべてその人の思うがまま。
ある人にとっての「現実」とは100%その人の思い通りにできている、と。
みつろうくんは、そんな神様に反論します。
でも、自分は会社に行きたくないが、イヤイヤ通っている、と。
神様は言います。
行きたくなければいかなければいいし、給料も貰わなければいい。
食べられなくて、死ぬことがあってもそれでもいい。
みつろうくんは、死ぬことは嫌だと反論しました。
それに対して神様は言います。
つまり、死にたくないし、ご飯が食べたいし、そのために会社に就職したい。
それはすべて叶っている。
今、まさにあこがれの会社員になっている。
おめでとう、みつろうくん。
「現実」は、なにもかもが、思い通りなのだ、と。
すべてが叶っているのに、その幸せに人間は気が付かず、「自分は不幸だ」と思い込んでいるだけなのだ、と。
しかし、みつろうくんは反論します。
でも、「嫌な上司と一緒に働きたい」なんて、絶対に願っていない、と。
神様は言います。それも、みつろうくんがねがったことだ、と。ただ
①願いが叶うころに、本人が願ったことを忘れていたり
②願いが複雑で、叶ったこと自体に本人が気づけてなかったり
③まちがえた願い方をしたせいで、変な形で叶ってしまったり
これらの理由が絡み合い、「人生はすべて私の望み通り」と思えないのだ、と。
みつろうくんの上司は、早く仕事をこなしたいみつろうくんなのに、チェックに時間がかかり、あだ名はチェックマン。
しかし、それはみつろうくんが過去に願ったことでした。
小さいころにみつろうくんは、母親に豆腐を買ってくるよう頼まれましたが、ダッシュしたため、崩れてしまいます。
姉がそれをなじり、母親もうなずいたのを偶然に見てしまいました。
「仕事は丁寧にすべきなんだな」と痛感したのです。
だから、みつろうくん仕事に対して相反した願いを願っています。
ひとつは、「仕事はスピーディーに」。
だけど「ゆっくり丁寧にやり遂げたい」。
もしも職場に一人なら、「ゆっくり丁寧に」は叶いません。
嫌な上司と思っているその人は、「ゆっくり丁寧に」という願いを叶えるために、みつろうくんの望み通りに現れた人なのです。
「スピーディーに」は母親に表でほめられたから、「自分が担当したい」と願っています。
一方「ゆっくり丁寧に」は、陰口で聞いたから、表面上は認めたくない願いだから。
でも「完璧に仕上げたい」という望みも、心の底で願っている。
形を崩した豆腐の一件以来。
だから、そのすべてを叶えると
「私がスピーディーに仕事をこなし」
↓
「私以外の人がそれをゆっくり丁寧にチェック」
↓
「さらにのろまなその人に文句を言いつつ」
↓
「でも、仕事は完璧に仕上がる」
というわけで、完璧にみつろうくんの願い通りに叶っているのです。
姉と母に言われたかげ口の仕返しをのろまな上司にしながらも、最後には「仕事が完璧に仕上がる」。
みつろうくんは、「すげー!」と驚きを隠せませんでした。
この世は、すべてシンプルに私たちの願い通りなのです。
そういえば、「疲れたから、休みが欲しい」と思っていたら、体調を崩してほんとうに休むことになったりしたことがありました・・・。
今日も1日お疲れさまでした。
ゆっくり休んで素敵な夢を。
では、また。