失敗は確かにつらい経験です。
しかし、「失敗は成功の準備」だと思えば、設定した目標に向けた努力を継続できるのではないでしょうか。
こうした考えを持つには、ちょっとした脳の切り替えが必要です。
実は、失敗を何度か繰り返した後に成功するという体験を、パターンとして脳に刻み付けている人は強いのです。
意外に知られていないのですが、最近の研究では「失敗をさせない学習環境は良くない」と言うことが分かっています。
失敗を想定しない中では、本当に大事なことを学ぶことができないのです。
「今は辛くても、ここを乗り切ったら、すごくうれしいじゃん」
と思える人は、強い。
そこに至るには、失敗したときに「前にもこういうパターンがあったな」と脳が成功への準備状態に入ることができるようになっているから。
失敗の後で成功した経験を積んでいるからです。
それがないと、ちょっとした失敗で「あ~。もう人生終わりだ」と思ってしまいます。
成功脳の魅力の一つに、「たとえ成功の確率が低い場合でも挑戦できる」と言うものがあります。
成功体験hあ脳の報酬系が働いて達成感を得られるのは間違いありませんが、脳の強化学習の機会を与えてくれるのは、むしろ失敗の方です。
なぜなら、失敗をすることでいろいろと工夫して、違うことを考えるからです。
成功確率が低いものに対して、果敢に挑戦できないのは、脳がセーブしているからと言うことがあります。
失敗と言うトンネルの向こう側に、成功と言う明るい光が見えることを体験していない人は、だんだん失敗することを回避し、挑戦しない人になります。
しかしご安心を!
脳には「可塑性」というものがあり、人のあらゆる活動や経験で変化できるという基本性質を持っています。
つまり、脳は一生を通じて、いつでも大きく改変できることが脳科学では証明されているのです。
根拠のない自信を持つことが大事!
そこで必要なのは、「根拠のない自信」です。
脳の「可塑性」というポテンシャルを、ぎりぎりの限界まで駆使して、自分を形成するそんな意志を持ち、実践できる人が成功を手にします。
そのエネルギーになるのは「根拠のない自信」です。
「根拠のない自信」は、あなたの心の安全基地です。
こうした「根拠のない自信」というのは、幼少期には誰しもが持っているものです。
しかし、子どものころから親に認めてもらえず、「お前はダメだ」「何もできない」と言われて育ってきた人には、「根拠のない自信」という安全地帯がありません。
この安全地帯がないと、失敗したときに、そうした自分を直視できなくなってしまいます。
すると、「できれば不確実性から逃れたい」「安全な場所に逃げたい」と考えてしまい、ついつい自分を甘やかし、他人からの批判に耳を傾ける余裕がなくなってしまったりするのです。
そこで大事なのは、今一度あなたはどんな安全地帯を持っているのか、見直すことです。
私たちの安全基地とは、親からの承認以外にも、たくさんあるのです。
ほかの人からの言葉や、人生の中で培ってきた「経験、価値観、人脈」といったものからもたらされる「あなた自身」から形成していくことができます。
やはり人間は自尊心を持たないと成長できません。
ここでいう自尊心の本質とは、「自分にダメ出しができる」というプライドを持つことです。
多くの著名人と会って話をしてきた著者に言わせると、この自尊心はイチロー選手でも宮崎駿監督でも、世界で成功している人はみんな持っているものだそうです。
成功脳を強化する「アクタークリティックモデル」
繰り返しますが、自尊心が持てると、自分に対して「客観的にジャッジ」することができるようになります。
自分を客観視できれば、最強です。
成功脳を強化するための「アクタークリティックモデル」と著者は呼んでいます。
あなたの中に「行為者」と「批判者(評価といったほうが正しいかもしれません)」の、2つの役割をもって行動できるからです。
厳密にいうと、いつもはアクター(行為者)で生きていくそうです。
そして、たまにクリティック(評価者)が降りてくる。
それくらいのスタンスが、このモデルの最強のスタイルだそうです。
今週もお疲れさまでした。
ゆっくり休んでくださいね。
では、また。