他人とのいざこざで人生を浪費していた経験がある著者。
政界に30代から飛び込んだころ、その青さから痛い経験をいっぱい積んできました。
正論をぶちかまして、足をたくさん引っ張られてきました。
本著ではそんなひとを「アホ」として、とにかくその人たちに時間を割かないことを提唱しています。
あなたの周りにも、あなたにとって目障りだったり邪魔だったり、時として正当な理由もなくあなたの足を引っ張ってくる当たり屋のようなタイプがいるかもしれません。
あなたにしつこう絡んできて、自分の価値を上げようとする人物です。
あなたにしつこくアタックしてくるその人たちの特徴は、まず暇であること。
そして、大事な知るべき特徴としては、じつはこのアホの人たちは、あなたに強い関心があり、かまってほしかったりすることです。
表向きには気づいていないけれど、深層心理では、好きも嫌いも、強い関心があるということで同じです。
あなたがそのひとをアホだと思っているから、あなたはその人物の実力を認めていないということでしょう。
企業でも政界でも、多くの場合若いころはその未熟さゆえにそういう人物と戦っていました。
政界では、テレビに出てくる政治家をはじめ、なんでこの人が・・・と思うその人たちがたくさんいます。
政界では不条理の塊みたいなところがあるそうです。
政治家としての優秀砂糖いのhあ数字では公平公正にはかられず、人事や発言権はよくわからない基準で決まっていたり。
その人たちが政府の中では各種の手練手管で地位や権力を獲得していく姿を、著者は目の当たりにしてきました。
まだ若かった著者は、納得いかない気持ちで寝付けない夜もありました。
そうした先輩への嫌悪感から、アルコールに頼って体調を崩したり、酔って腹いせにその人たちの悪口を言って評価を下げたりしました。
しかし、今考えれば権力にすりよる彼らの努力は、洋の東西をと問わず、さらに上に近づく大事な準備作業。
彼ら自身も不本意ながら、清濁併せ呑む覚悟でそれを積み上げていくしかなかったのかと思うのです。
著者は幸い先輩が常に守ってくれたので事なきを得ました。
それ以上に幸いだったのが、そうした政界で長いキャリアを持つ先輩からアホと戦う無駄さを教えてもらったことでした。
無駄な戦いを繰り広げてしまうタイプの人の特徴
アホと戦ってしまう可能性がある人物の特徴として、次の点が挙げられます。
・正義感が強い
・自身にあふれる
・責任感が強い
・プライドが高い
・おせっかい
正義感が強い
物事を判断するときに、善悪を最上位に置いている人のことです。
時代劇を見すぎてしまった著者も、その代表でした。
おてんとう様は見てくれている。
どこかでスーパーヒーローが助けに来てくれる。
自分はヒーローである。
いざとなれば大岡越前の裁きがあるのだ、と。
学生時代まではこの感覚が許されますが、現実社会では考え直した方がいいのです。
アメリカでは有能な弁護士を雇う資金力があれば、どんな裁判でも有利な判決に持っていけると言います。
つまり、あるいみ、お金で正義が買えると言えるのです。
インドやインドネシア、ロシアでは、いまだに交通違反のもみ消しをするときや、ビザの取得等の官僚の仕事を優位にするとき、チップのようにわいろを要求されます。
日本はそこまでひどくありませんが、正義は常にまかり通るわけではありません。
最後には常に正義が勝つというナイーブな考えも奨励できません。
善悪を最上位において、正義感を世の中にむやみやたらに要求することは避けた方がいいのです。
正義感から他者と無駄な諍いをすることはもってのほかなのです。
なぜなら、相手が勝つ場合がけっこうあるからです。
自信にあふれる
何事もカラ元気でも、自信を持って取り組むことはいいことです。
しかし、自信かが相手を論破しようとするときほど、相手から見て屈辱的なことはありません。
著者は金融庁担当の政務官や自民党の財金部会の副部会長や財金委員会の理事をやっていたころ、金融界の人たちとの意見交換の場をたくさんもうけていました。
金融界の実力者は学生時代からエリートコースをそのまま歩んできた人が多いそうです。
腹の底では政治家や官僚をバカにしている人が多いのですが、鈍めの著者でもそれは感じられました。
上から目線の自信家たちが論破調で「教育してやる」「我々の言うことを聞け」という部下に対するような言い方。
一緒にいた先輩たちが言葉には出さないけれど「あいつらちょっとお仕置きをしてやろうか」という感じの顔になっていたのをよく覚えているそうです。
自分の方が頭がいい、知識がある、そう思っている人間のやる行為は、明らかに逆高価な場合が多いのです。
頭はいいかもしれませんが、愚かです。
自信があるとき、自信がある人こそ、謙虚に危機感をもってことに対応すべきなのは、洋の東西、何事にも言えることです。
責任感が強い
これも一種の正義感ですが、背景に組織のためでもあるので、献身的で、身勝手な正義よりレベルは高いものです。
しかし、やり方に問題があります。
どんな理由でもアホと喧嘩してはいけないのです。
それが自分の信念のためであろうと、自分が所属する組織全体のためであろうと。
責任感を感じていたら、っ他買わずに、相手を気持ちよくさせて組織のために誘導することです。
嫉妬社会・日本では、能力が高い人ほど足を引っ張られやすいのです。
アホな人ほど権力にすり寄っているので、結託していたり権力の中枢に発信力を持っています。
他者を組織全体のために誘導するのは、相当な高等技術ですが、できないとしても、辰向かって怒らせて制御不能にしてはならないのです。
プライドが高い
プライドと言うのは、ほとんどの場合邪魔にしかなりません。
功を奏するプライドの持ち方は、自分の仕事の質に対してのプライドのみと言ってもいい。
「プライドが高い」と言われるたいていのケースは、”他人によく思われたい”という思いが強いにすぎません。
「質の高い仕事をする」というプライドを持ち、手抜きをしたい自分と戦いながら仕事を続けていれば、相手がバカにしてなめてくるようなことはないし、それでもなめてくるような相手とは仕事をしなければいいのです。
プライドやメンツをつぶされた?
それがどうしたのでしょう?
そんなもの、本当はあなたにとってどうでもいいことなのです。
おせっかい
これもある種の正義感です。
他人を正してやりたいという気持ちです。
他人のケンカの仲裁に入って、ついでに説教もしてしまうタイプの人です。
親切にもアホを是正しようと思っているのです。
しかし、残念ながらすでにいい年になったこういう人物を正すのは不可能です。
いくら見事に論破しても、こういうアホたちが自分の考えを買えるとは思いにくいのです。
美しく論破されたら、あなたに対する恨みが増すだけでしょう。
次は姑息な手を使ってでもリベンジしてくるかもしれません。
誰が見ても論破だとしても、アホは論破と考えない可能性が高いのです。
屁理屈をつけて、言いがかりをつけられたと、あなたを恨みます。
おせっかい傾向のある人は、たいていはお人好しで純粋です。
ある意味、自信かで、自分は問題を解決できると思っているから、いろいろお節介して介入します。
しかし、この世の中で自分がコントロールできることは意外に少ないのです。
著者のモットーは“自分がコントロールできることだけに時間もエネルギーも集中するべべき”
他人の気持ちはコントロールできません。
どれだけ説得して汚、わかったような顔をされても、まあ「万が一」でも0.01%でもわかってくれたらもうけもの。
つまり、「万が9999」は恨まれて倍返しされる可能性が高いので、おせっかいほど危険なものはないのです。
無駄な戦いを繰り広げてしまうタイプ、いくつ当てはまりましたか?
ワタシは全部です・・・。
無駄なことに時間を使っていたと思いました。
今日もお疲れさまでした。
ゆっくり休んで素敵な夢を。
では、また。