人々は急に燃え尽きるのではなく、徐々に体調を落としていきます。
わりと有能で自信過剰な人の落とし穴といえます。
こうした人は、自分の弱みを隠したがる傾向があるので、数週間から数年かかって徐々に進行する症状であるにもかかわらず、他の人の目には触れないままに進んでいるのです。
「ある人間が受けている教育のルーツは150年前にさかのぼる」というオリバー・ウェンデル・ホームズの言葉があります。
過去の偉人たちの言葉やスタイルは、すばらしいのですが、そのままそっくり取り入れるには難しいのです。
が、まじめな性質の人は、ついついやってしまう。
現代の私たちはそこにジレンマを感じているのです。
なぜなら人は、1つの文化の産物ではなく、対立する複数の文化の申し子だから。
高い志を持ちながらも、わたしたちは激変していくライフスタイルに合わせたバランスをとっていく必要があります。
現代の激変する職場で仕事に邁進しながら、一方では以前の価値観により温かい家庭を築くことを親族に求められていく。
どちらも頑張ろうと追いかけるうちに、見えない過労の連続が襲ってきます。
そんな生活の中で自己中心と責任転嫁の症状が出てきたら、さらに症状が進んでいる証拠です。
心の過重負担を取り除こう
燃え尽き症候群の前駆症状は、「疲労感」。
エネルギーの消耗とそれに伴う倦怠感は、一般に最初のシグナルです。
この初期兆候は本人は認めたがらないのですが、誰にでもわかりやすい兆候です。
疲れにより気力がなくなってくるので、イライラしたり。
「この仕事は自分がいなければできない」と思いこんだり。
衰弱しながらも頑張らなくてはならなっているのに、効率が上がらないので、人が自分の努力をあまり評価しないと考え、自尊心を傷つけられたり。
そしてここで危ないのは、それらが「無自覚」であることです。
あなたを「燃え尽き」から救う特効薬
目先を変えるというものには、手っ取り早く、酒、ギャンブル、夜遊びなどがあります。
が、一時的には不快感を紛らわせても、疾患はすぐ火をふきだして、いっそう苦しめます。
自分から遊離することで効果が上がらないのです。
とすれば、必要なのは、その反対です。
自分への密着です。
他人いもたれかかって自分から遊離する生き方が燃え尽きを加速しているのですから、自分の心に従って生きる態度は燃え尽き症候群を遠ざけます。
新鮮な洞察力と大局を見る目
自分をしっかり見つめることは、苦痛を伴うことです。
私たちは他人をしっかり観察することさえめったにありません。
でも、たった一人で「自分」と一緒に、自分の好きなことをしたのは、最近ではいつのことでしょうか。
燃え尽きてしまう人は、一人きりの有意義な時間を持っていません。
旋風のように動き回っているのです。
最初に仕事に取り掛かっているうちは、エネルギーがありあまっていたのですが、仕事が仕事を生み、仕事に追い回されてしまう。
なぜ、自分の生活がコントロールできなくなったり、予定した方向からそれてしまったのでしょう。
「多忙」を理由に自分をごまかしてはならない
あなたの趣味や楽しみのために、たとえわずかでも時間を割いたのは、いつのことだったでしょう。
追求してきた目標についても、今でも同じような価値を持っていると思うでしょうか。
仕事以外の生活領域を切り拓いてみる
どんなに仕事が大事でも、人間としてのあなたは仕事より大切なのです。
燃え尽きやすいのは、他人を助ける職業の人だけとは限りませんが、この職業の人たちには特有の問題を抱えているので、特別な注意を払います。
助けを求める人に比べ、助けを与える人の数はいまでは大変少ない。
したがって、休暇が取れない。
ですが、休暇はためておけるので、休暇を使ってバランス感覚を取り戻す必要があるのです。
仕事の量を適度の大きさに切り詰めましょう。
仕事以外の生活領域にも重点を置いて、調和のとれた生活基盤をこの機会に築いていきましょう。
誰もが応分の欲望を満足させることは認められているのであるから、あなたもその気になることです。
たくさんの人に頼りにされ、責任感にあふれ、熱心に働いているのですから、ときには報いられることがあって当然なのです。
あなた自身が本当にやりたいことを、もう一度思い出して、このお休みをのんびり過ごしてみるのは、とても有意義なことだと思います。
今日は少しは休めましたか?
素敵な夢が見られますように。
では、また。